セオドア・メルフィ監督の「ドリーム」(“Hidden Figures”)

「ドリーム」観て来ました。「ドリーム」は日本向けタイトルで、オリジナルは”Hidden Figures”みたいです。1961年の話で、当時アメリカはソ連に宇宙開発で完全に遅れを取っていて、ソ連から核ミサイルで攻撃されることを本気で心配していました。映画にも出て来ましたが、核攻撃を受けたら机の下に潜りましょう、なんて教育を本当にやっていたみたいです。(アニメの「アイアン・ジャイアント」にもそういうシーンが出て来ました。)そこにケネディが大統領になって、最初は巨額の費用がかかる宇宙開発に消極的でしたが、すぐに考えを改め、「10年以内に月に人を送り込む」ことを宣言します。そうした宇宙開発にはアメリカ中のthe best and the brightestと呼ばれた優秀な人員が集められましたが、その中に黒人女性も含まれていました。この映画は黒人女性の数学者がその能力を活かしてNASAで活躍しますが、公民権運動もまだ始まったばかりの頃で、エリート揃いのNASAでもしっかり差別が存在し、主人公達を悩ませます。しかし彼女たちはとてもたくましく差別を一つ一つ打ち破っていき、ついにはNASAの宇宙開発にとって無くてはならない存在になって行きます。後は1961年というのは私の生まれた年で、色んなものが懐かしかったですね。ケネディ大統領とキング牧師の姿が出て来ましたし、いかにも昔のアメ車といった自動車や、IBMのゴルフボールのタイプライターや初期のメインフレームとパンチカード。亡父は九州大学の数学科の出ですが、昔その同窓生名簿を見たら、コンピューター関係で働いている人がたくさんいました。この映画でもそうですが、初期のコンピューターをやっていた人は数学科の出身の人が多かったのだと思います。全体的にはとても良い映画でした。アメリカが本当の意味でグレートだった時代です。

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