白井喬二の「風流名士手帖」(エッセイ)

白井喬二のエッセイ「風流名士手帖」を読了。「笑の泉」という雑誌の昭和29年4月号に載ったもので、ヤフオクで入手。わずか3ページの短いエッセイですが、掲載誌がお笑い系なので、白井にしては珍しいくだけた内容。一つは戦中に文士が中国戦線を視察した時の話で、南京から揚子江を渡った所にある星子という土地で、敵が陣取っている鷹山という山の向かいの山に文士一同が軍人に連れられて登ることになったのですが、敵がそれを発見し砲弾を撃ってきて、文士達は肝を冷やします。その時、久米正雄が突然「女が罹ってもマラリアとはこれ如何」と言い出し、それに対し白井が必死になって「男が打ってもシキュー報と云うが如し」とやり返し、その時は笑いは出なかったものの、後で残りの文士達に大いに感謝されたという話です。2番目のは「ふわふわのごきとう(御祈祷)」というネタで、岩見重太郎が妹と宿屋に泊まった時、おぼこな妹が隣室で男女が一戦始めたのを、何か事件が起こったと思って助けましょうと重太郎に言うのに、重太郎がそれは「ふわふわのごきとう」だと説明するという話です。3番目は、ある夏軽井沢で過ごしていた白井の元に、時の文部大臣が漢詩の会でやってきたが、その時集まった大学教授や土井晩翠らが、ラテン語やギリシア語の飛び交う高級な猥談をしたという話です。

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