スタートレックのファーストシーズンの”The City on the Edge of Forever”

スタートレックのファーストシーズンの”The City on the Edge of Forever”を観ました。多くの人によりスタートレックの中のベストのお話として評価されているものです。以前、別のDVDで一度観ています。今回気がついたのが、「時の守護者」と称する謎の存在が地球の過去を見せ、そしてそこを通ってその過去に移動出来るというシーンがアーウィン・アレンの「タイムトンネル」そのままだということです。調べてみたら、タイムトンネルが放送されたのが1966年の秋からで、このエピソードが放送されたのは1967年1月なんで、明らかにタイムトンネルのイメージを借りていると思います。ただ、タイムトンネルではダグとトニーが過去で何をしようとそれによってそれ以降の歴史が変ってしまうという話が一度も無かった(2000年以降に一話だけ作られた新版では、逆にタイムトンネルの役割が誰かが変えてしまった過去を元に戻すというのに変っていましたが)のに対し、未来の人間がタイムトラベルして過去に干渉した結果歴史が変ってしまうというテーマを正面から描いています。
エンタープライズ号が不思議な時空の歪みを調査しにある星の衛星軌道にいた時に、負傷して気絶したスールーに気付け薬を注射したマッコイでしたが、その後エンタープライズ号が激しく揺れ、自分にその薬を適量の100倍も注射し、錯乱状態になります。マッコイはその星に転送装置で移動し、その後を追ってカークやスポックらがやはりその星に向かいます。そこには不思議な門のようなものがあり、「時の守護者」と名乗るものが宇宙の時空を管理していました。守護者はタイムトンネルと同じようなスクリーンで地球の過去を見せてくれていましたが、その中にマッコイが飛び込みます。そこでマッコイが何か歴史に干渉した結果、その後の歴史が変り、エンタープライズ号が存在しなくなってしまいます。マッコイが変えた過去を元に戻すため、カークとスポックが1930年のニューヨークにやはりタイムトンネルみたいなのに飛び込んで移動します。結局そこで会った社会運動家の女性のエディス・キーラーがキーで、マッコイが交通事故で死ぬはずだった彼女を助けたのが過去が変った理由でした。そちらの過去では彼女はアメリカでの平和運動のリーダーになり、第2次世界大戦でアメリカが参戦するのを妨げた結果、ナチスドイツが原爆を先に完成し第2次世界大戦に勝利してしまいます。そういうことで、カークとスポックはマッコイが彼女が交通事故で死ぬのを助けることを阻止する必要がありましたが、ややこしいことにカークが彼女を愛してしまい…という話です。うーん、確かに良く出来たお話だけど、「時の守護者」というのがちょっと突飛過ぎるのと、カークが任務を忘れて安易にキーラーを好きになるという展開がちょっと安易に感じました。

NHK杯戦囲碁 横塚力7段 対 張栩9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が横塚力7段、白番が張栩9段の対戦です。右上隅で白が上辺からかかったのに黒は手を抜いて左上隅のダイレクト三々、白はそれで出来た厚みをバックに右上隅の星の黒に両ガカリし、その後白は上辺も右辺も両方打った感じで、黒は代償で中央を厚くしましたが、やや黒が甘い感じでした。黒はその実利の損を取り戻そうと右辺の白に迫りました。そのすぐ後白が右下隅の黒の二間ジマリに対して星に付けていって策動しました。その折衝の途中で白は上辺を包囲している黒の断点を覗きましたがこれは左下隅の攻防でのシチョウアタリでした。黒は継がずに右下隅を打ちました。この後の白の打ち回しが巧妙で、まずは右下隅で損を減らすための利かす手を打ってから上辺での切りに回りました。その後白が右下隅で更に利かしを打った時、黒が白5子を取る受け方が問題で受けた後に更に当てを利かされ、白はその後下辺で2線に付けて渡ることが出来、黒は白の下辺と左下隅の連絡は妨げましたが、下辺の白が地を持って活き、ここではっきり白が優勢になりました。その後黒は中央に大きく地をまとめましたが、序盤の損が大きく、白の数目のリードを縮めることは出来ず、コヨセの段階で黒の投了となりました。

「巨人の惑星」の”The inside rail”

「巨人の惑星」の”The inside rail”を観ました。これが第2シーズンの最初の話です。第2シーズンでオープニングが少し変わっています。また女性2人の服がちょっと変りました。ですが、お話自体は詰まらなかったです。このシリーズの欠点として、巨人の惑星の文化がほとんど地球と一緒であって、まるでSFのお話とは思えないというのがありますが、今回がまさに典型で、地球とまったく同じ競馬を中心とした話です。一行は馬の毛を集めるために競馬場にやって来ていたのですが、フィッチューが実は競馬狂であり、たまたま拾った当たり馬券を金に換えようと、競馬狂の巨人に予想を教える代りに、勝ち金の半分をせしめようとします。その競馬狂は当たり馬券を金に換えましたが、そこで警備員に呼び止められ、フィッチューのことを喋ってしまったため、フィッチューとバリーが捕まりそうになり…といういつもの展開です。結局フィッチューは最後にそれなりの大金を稼ぎますが、それを一体どうやって使うつもりだったのでしょうか。一つだけ面白かったのはレースに出て来る馬の名前に”Admiral Nelson”(ネルソン提督)がいたことです。まあ本家のネルソン提督の方かも知れませんが。

バイデン新大統領の就任演説を「読んで」

バイデン新大統領の就任演説を「読んで」感じたこと。(実際のしゃべりはニュースの中で一部流れるのを聴いただけです。)学生時代に京極純一さんの「日本の政治」を読みましたが、その中に、自民党の長期政権時代(55年体制)における社会党のことを「正論政党」と描写していました。アメリカなどの西側諸国とだけ平和条約を結ぶのではなく、ソ連や中国とも同時に平和条約を結べ、と主張したのが社会党で、それはもし可能であれば確かにその方がいいのでしょうが、冷戦の時代にそんなことは不可能であることは誰でも分かる理屈でした。そういう政策の非現実性が社会党が「正論政党」と言われる所以でした。
アメリカの民主党は、社会党みたいに実際に政権を担った経験がほとんど無い政党とは違い、多くの大統領を産み出していますが、ある意味ではこちらもかなりの「正論政党」です。「PC(= Politically Correct)政党」と言ってもいいかもしれません。要するにきれい事のオンパレードで、今回のバイデン新大統領の就任演説もまさにそれでした。分断を解消すると言う目標自体は、非常に良いことでそれ自体は否定されるべきではまったくありません。でもそれをどのような具体的政策で進めて行くのかはほとんど示されませんでした。実際に初日に出した大統領令でやっているのは、トランプがやって来た政策のほぼ全否定です。トランプを今回の大統領選で支持した人は当然面白くないと思います。こうしたやり方では分断が解消されるとはとても思えず、むしろますます対立を先鋭化するように思います。
もしバイデン新大統領が就任演説の中で、多少はトランプの成果も公平に認めれば、トランプ支持者も少しは耳を傾ける気持になったのではと思います。少なくとも経済状況についてはその政策のせいかどうかは議論があるにしても、コロナが出て来る前は非常に好調だったことは誰でも知っています。
2016年の大統領選の時に、トランプの娘のイヴァンカは、「私の父は行き過ぎたPCを是正しようとしているのだ」と言っており、なかなか上手い言い方をするなと感心したことがあります。人の性として、たとえそれが字面上良いことであっても、ほとんどいつもそればかり聞かされていたら、嫌になります。民主党を支持していない人の気持ちがそれに近いように思います。
今バイデン新大統領がやっていることは、トランプのマイナスを何とかゼロにしようとしていることばかりです。新大統領の真価が問われるのは、トランプの関連から抜けて自身でどんなプラスをもたらすかで評価されるべきと思います。

N95クラスのマスク

ウレタンマスクは不可とか、ドイツで公共交通機関の中はN95クラスのマスク着用が義務になるとか、ようやくマスクについてもともかく口元を覆っておけば良いというレベルから素材や効果にまで意識が行くようになったのはいいことだと思います。
私は不織布マスク+自家製漏れ防止アダプターで効果的には十分だと思っていますが、一応N95クラスのマスク(N95、FFP 2、DS2)を昨年マスクの供給が潤沢になってから、100枚程度買って備蓄しています。元々防塵マスクなんで、建築関係の材料を売っているサイトで入手出来ます。注意点は、一種類を大量に買うのではなく、顔の形に合う合わないがありますので、少しずつ買って試した方がいいです。お勧めは当然3MやMoldexといった一流メーカー品です。これらの模倣品が多数売られていますが、ゴムがすぐ外れたりとかしますので、安くても手を出さない方が無難です。
ここの資料が参考になります。

スタートレックのファーストシーズンの”The Alternative Factor”

スタートレックのファーストシーズンの”The Alternative Factor”を観ました。エンタープライズ号がある星に近付くと突然宇宙全体での磁気嵐のようなことが起こり、地球連邦はこれを何かの侵略と考え、エンタープライズ号に調査を命じます。その星には一人だけラザルスという男が小型の宇宙船のようなものといました。その男はある「物体」を追いかけており、その「物体」は全宇宙を破壊しようとしていると言います。それで色々あって、結局、パラレルワールドで2つの宇宙があり、それぞれが正物質と反物質で出来ているという、この時代のSFに好まれた話になります。宇宙家族ロビンソンでもそういう話がありました。結局それぞれの宇宙にラザルスがいて、片方は狂っていてもう一人のラザルスを殺そうとしています。しかしどちらか片方の宇宙で両方が出会うと両方の宇宙が消滅するということで…それで結局エンタープライズ号がフェイザーでラザルスの宇宙船を破壊して(同時にもう一つの宇宙の宇宙船も無くなり)二人のラザルスは2つの宇宙をつなぐ回廊に閉じ込められて未来永劫戦い続けるという話でした。まあパラレルワールドも物質・反物質の話も消化不足でとってつけたような話になってしまっています。

ワーフェデールのDenton 85thのレビュー

今回新たに購入した、ワーフェデールのDenton 85thのレビューです。これを購入したのは、真空管アンプで現代のスピーカーがどの程度鳴らすことが出来るのかを実験したかったからです。実は10年以上前に買ったクリプトンのKX-3Pという出力音圧レベル87dBのスピーカーで既に試してみましたが、300Bのシングルアンプ、KT77のプッシュプルとも、それぞれ音量は狭い部屋の中で聞くには十分なものが出ます。問題は、鋭い音の立ち上がりで歪むことで、たとえばピアノの高音の強い音が割れます。これはシングルの方がひどく、プッシュプルでも若干出ます。良く人が音楽を実際に聞いている音量は1Wも無いから、3W+3Wの真空管のシングルアンプでも十分といった議論をする人がいますが、それは間違いだと思います。音楽の音量にはVUメーターで表されるような平均的な音量とピークレベルメーターで表されるような突発的に立ち上がる音量の両方があります。小出力のアンプは前者に対応出来ても後者については出力不足で歪みます。
それでKX-3Pはダメでしたが、このワーフェデールのDenton 85thは出力音圧レベルが88dB/mと現代のスピーカーにしては高いので、もしかしたら、と思って買いました。実はワーフェデールの前にJBLの3ウェイを検討して、こちらは出力音圧レベルが90dB/m以上ありますから真空管でも問題無いと思ったのですが、残念ながらブックシェルフタイプでは大きすぎるか小さすぎるかで丁度いいサイズがありませんでした。
それでワーフェデールは出力音圧レベルもありますが、落ち着いたデザインにも惹かれました。普通のブックシェルフに比べると一回り大きめで、構造的には普通のエンクロージャーの回りを木のキャビネットが取り囲むような構造になっています。この構造が独特の再生音を作っています。好意的に言えば独特の音場を作ってくれ、否定的に言えば若干ですが余計な音を付け加え音像の輪郭をぼかしている感じです。故にこのスピーカーはサウンドマニア向けではなく音楽ファン向けです。
ユニットは、ツィーターがテキスタイル、つまりソフトドームです。ソフトドームとは言っても、KX-3Pのもそうですが、現代のソフトドームは得意の弦やボーカルだけではなく、ピアノについても綺麗に再生します。ウーファーは16.5cmのケブラーコーンで、センターキャップ部はツィーターと同様の柔らかめの素材が使われていて、つながりを良くしています。このウーファーの腰は非常にしっかりしていて、低音についてはかなり強い押し出し感を感じる音になっています。なおサランネットを外すと、外側のキャビネット部は若干ですが、フロントホーンの形状になっています。なのでスピーカーの置き方としては、ラックに平行ではなくて、メーカーが推奨している通り、それぞれ左右を少しユーザー側に向けた方がいいと思います。
音はちょっと聴いた感じではレンジが狭いような気もするのですが、良く聴きこむと高域も低域も十分伸びています。特に低域はバスレフ(パイプ状のダクトが2本背面に付いています)であるにも関わらず、40Hzがある程度の音量で鳴らせています。このバスレフは低域を持ち上げるというより、スピーカーの背圧を抜いているような感じです。
音楽ジャンルとしては何を聴いてもそつなくこなしますが、特にオーケストラの量感の再生に優れていると思います。ボーカルはほんの少しですが音像がヴェールをかぶったような感じで、これはエージングで改善されるかと思います。音場は前にではなく横と後方に拡がる感じです。
最近ずっとバックロードホーン+サブウーファーをメインにして来ましたが、こういう一本でOKというスピーカーもなかなかいいと思います。これだけの質のスピーカーがペアで14万円でしたので、コストパフォーマンスは高いと思います。(昔RogersのLS3/5Aをペアで買った価格より安いです。)
最後に真空管アンプで鳴らせるかですが、シングルはさすがにまだ苦しくやはり音割れが発生します。プッシュプル(定格:20W+20W)はそれに比べほぼ問題ありませんが、若干低域の制動が弱い感じで、アキュフェーズのE-600で聴くのが当然とはいえ、このスピーカーにはふさわしいようです。

「巨人の惑星」の”The Chase”

「巨人の惑星」の”The Chase”を観ました。脚本が出ました!、ウィリアム・ウェルチ(原子力潜水艦シービュー号できわめてナンセンスな脚本を何度も書いた人)でした。ウェルチにしてはそれなりにまともなストーリーでした。いつも地球人達を追い回している捜査官のコービックが、ベティとヴァレリーを捕まえます。この2人を人質にしてキャプテンと交渉しようとします。そこでコービックが提示したのが、偽札製造グループの検挙に協力してくれたら、人質を解放するだけではなく、今後もう追い回すことをしない、というものでした。普段は巨人のことは信じないキャプテンが結局その話しに乗ってしまいます。(この辺りの非論理性がウェルチ脚本の特徴ですが。)犯人グループを突き止める方法は、偽札の製造に特殊な光るインク(紫外線を当てるとぼーっと光るアレ)が下水に流された跡をたどることによってであり、そのために下水管に直接入れる地球人達の協力が必要なのだとコービックは言います。表面的にはコービックと地球人達は協力しますが、どちらも裏では相手を信用しておらず、地球人達は自力で人質を救おうとします。それがコービックにばれた時にコービックも約束を果たすつもりはなかったと言います。それで犯人のアジトを突き止めたキャプテン達は逆にその犯人団=独裁政府を倒そうとしている決して悪人ではない人達と手を組む提案をします。そしてコービックの事務所に戻ってその犯人団にとって都合の悪い資料を盗むことに協力します。犯人団が爆弾を仕掛けて混乱に導き、犯人団の2人が地球人達を外に連れ出してくれた、という話です。今一つすっきりしないストーリーでした。これで第1シーズンは終わりで、半分観たことになります。

NHK杯戦囲碁 許家元8段 対 余正麒8段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が許家元8段、白番が余正麒8段の対戦です。この二人の戦績は許8段から見て8勝2敗と許8段が大きく勝ちこしています。しかし先期のNHK杯戦でも3回戦でこの二人が対戦し、余8段が勝っています。この碁の最初の焦点は右上隅で、黒の小ゲイマジマリに白が肩付きしたのに黒が手を抜いて左上隅の三々に入りという面白い変化になりました。白が右上隅の黒を包囲気味に付けていった時に、黒はハサミツケで応えました。白は普通上に延びるのですが、下からハネたのが白の工夫で、黒は白が1子抜いた後に当てましたが、白は切って劫にしました。劫材は白には左上隅と右下隅にいくつかあり、黒はありませんでした。なので白が右下隅に劫立てしたのに黒は受けず劫を解消しました。代償で白は右下隅で黒のケイマを突き破りました。この別れは白が良く、しかも右上隅にはまだ手が残っていて、白は上辺の白が攻められた時に1線で渡って当てるという手をすぐ決行しました。結局右上隅の白と上辺の白が連絡しました。ただこの白には隅で後手1眼しかなく、黒はこの白への攻めにかけました。その後左上隅の白3子もカラミで攻められる形になり、黒にもチャンスが回って来ました。しかし白が上辺の黒の構えに置いていったのを黒は強く突き当たって受け、左上隅との連絡をさせないようにしました。しかし結果から見てこれが打ち過ぎで、白が準備した後この置いた石を動き出し、上辺で大きな攻め合いが発生しました。この攻め合いは上辺だけ見れば見れば黒が有利そうでしたが、中央が薄く白に切られて収拾が付かなくなり、結局白は上辺の黒を取って左右がつながり、どこにも弱い石が無くなりました。ここで黒の投了となりました。

サンバレーの300Bアンプ→半導体整流に変更

サンバレーの300Bのシングルアンプ、整流管を半導体ダイオードによるものに交換しました。真空管らしさがもしかすると若干後退するかもしれませんが、そもそもエレキットの真空管アンプは全て半導体整流ですし、マッキントッシュのパワーアンプも最近はそうです。何よりこれならスパークが出ることは無いという精神衛生上の安心感が大きいです。ただ過電流が流れないという保証にはなりません。5U4G/GB、GZ34、5AR4、5Y3管互換です。ミュージックプラントというギター関係のグッズを売っているオンラインショップで購入しました。