カルタゴに撒かれた塩?

ローマが三度に渡るカルタゴとの戦いで最終的に勝利した後、カルタゴが二度と復活しないように、スキピオがカルタゴ市の土地に塩を撒いて農業が出来ない不毛の地にしたという伝承があります。
しかしこの話はおそらく儀式的に(意味は違いますが日本の相撲で土俵に塩を撒くように)行われたのが誇張されたんではないかと思います。その証拠として、ポエニ戦争終結の後、10年くらいしてグラックス兄弟が貴族と平民の格差を減らすため、平民に土地を分配しようとします。その土地がヴェーバーによれば大半がカルタゴの土地だったようです。塩を撒かれて農業が不可能な土地をもらっても誰も得しないでしょう。
それに、カルタゴ市の耕地がどのくらいの面積なのか分かりませんが、当時の製塩技術でその全体に撒くほどの大量の塩をどうやって製造し運搬したのか、どう考えても無理があります。

ChatGPT4の回答は以下。
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カルタゴに塩を撒いて土地を不毛にしたという話は、広く知られている逸話ですが、歴史的な証拠に基づくと、この話は事実ではないとされています。この話は象徴的な行為として後世に語り継がれていますが、古代の文献にはそのような出来事を記述しているものはありません。

実際に、第三次ポエニ戦争の後、紀元前146年にカルタゴが完全に破壊され、ローマによって征服されましたが、その土地に塩を撒いて農業を不可能にしたという記録は存在しません。むしろ、カルタゴ周辺の土地は、その後も農業に利用されていたことが示されています。

「塩を撒く」という逸話は、敵に対する完全な勝利とその土地の永久的な破壊を象徴するための物語として広まった可能性がありますが、歴史的事実としては根拠がありません。この話は、後世の作家や歴史家によって創作され、伝えられたものと考えられています。

NHK杯戦囲碁 小池芳弘7段 対 鶴山淳志8段(2024年4月14日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が小池芳弘7段、白番が鶴山淳志8段の対戦でした。序盤で白が左辺に40目レベルの大きな地を取りましたが、代償で黒の中央が厚くなり、下辺からが大きな黒の地模様になりました。それに対して白が突入した手がAIの推奨の手より一路深く、黒はこの手に対し右辺でカケを利かした後、肩を付いていってこの白を強く攻めました。この攻防で中央は劫になりました。白は何とか下辺で活きることが出来ましたが、黒は劫の部分をぶち抜いて全ての石がつながり強大な厚みが出来ました。後はこの厚みを生かして入って来た白を攻めながら右辺と上辺の地をまとめ、中央に付きそうだった白地もうまく侵入して削減し、地合で大きく黒がリードし結局黒の中押し勝ちとなりました。小池7段としては会心の一局だったのではないでしょうか。実はこの二人、2019年7月にもNHK杯戦でぶつかりその時は鶴山8段が勝っています。小池7段はリベンジを果たしました。

相模湖公園の桜

桜を撮りにこちらに来てから初めて相模湖公園に来てみました。桜の名所というほどの本数ではなく、またもう盛りを過ぎていました。先週来るべきでオッペンハイマーを今週にすべきでした。まあいいか。後、PLフィルターが見つからなくてPLフィルター無しで撮らざるを得なかったのが残念です。

階段上下のスイッチ

電気工事士2種の試験ってどんなのか見てみましたが、学科も実技もほとんど勉強しなくて受かりそうです。家のスイッチで気を付けるのは
(1)水回りのスイッチ→両切りスイッチを使う(2極のスイッチでホット(ライブ)側とコールド(ニュートラル)側を同時にON-OFFする)→何故かというとコンセントの片側は接地されており、床が濡れていると機器のアース側とコンセントの接地側が床経由でつながって(地絡)、機器を使用する人が感電する危険性があるからです。医療機器のスイッチも全て両切りです。
(2)階段の上下のスイッチ→図のように両方にON-ONのスイッチ(単極双投のスイッチ、住宅用スイッチでは3路スイッチと呼ばれるようです)を使って配線します。
くらいかと。
アースの設置も昔の子供は銅板を地中に埋めて自分でアースを設置していました。(子供用の電気の工作の本に出ていました。)もっとも集合住宅は別ですが。
キャブタイヤコードの加工も、昔スピーカーケーブルで使っていたから出来ます。(長岡鉄男式)

トワイライト・ゾーンの”A Kind of a Stopwatch”

トワイライト・ゾーンの”A Kind of a Stopwatch”を観ました。30分に戻ってからまたドラマの構成がシンプルになり、それはまあそちらの方がトワイライト・ゾーンらしいです。
パトリック・マクナルティーはいつもどうでもいいおしゃべりをして人をうんざりさせるような男でした。会社では新しいビジネスの提案を300件以上も提出しますが、それは女性服会社である彼の会社にはまったく関係なく、ついに社長からクビを言い渡されます。バーでそれにもめげず飲んでおしゃべりしていると、他の客はみなうんざりして家に帰ってしまいます。しかし不思議な男が一人残り、マクナルティーはその男にビールをおごりますが、その男は御礼だと言ってストップウォッチをマクナルティーにくれました。それを試していて、マクナルティーはそれが自分以外の世界を停止させることが出来るストップウォッチだということを発見しました。最初は面白がって色々なものを止めて遊んでいたマクナルティーですが、結局銀行に行って時間を止めている隙に大金を盗み出すことを思い付き、実行します。それはほとんど成功していましたが、しかし現金を運び出す時にストップウォッチを地面に落して壊してしまいます。彼がボタンを何回押してももはや世界は元に戻らず、マクナルティー一人の世界になってしまう、というオチです。
まあバーの男が悪魔だったということが少し匂わされている感じですが、もう少し捻りがほしかったと思います。

NGOによるクラウドファンディング(台湾地震義援金)

Facebookでとある知人がクラファンでの台湾地震義援金を呼びかけていました。そのクラファンの発起人はピースウィンズ・ジャパンといういわゆるNGOです。ここの会計報告を見てみました。
ものすごく疑問が湧きました。
(1)HPで紹介されているスタッフは15名なのに、年間の給料と賃金を合わせ7億8千万円!先日仕事である会社のある事業部門の年間の人件費調べたのですが、そこは約32名で2億4千万円ぐらいでした。
(2)B/L見ると、現金の預金が日本と海外を合わせ18億円!こんなにお金を持っているんだったら、クラファンなどやる前にすぐ使えばいいと思います。(ちなみに現在集まっている金額は5千200万円程度。ここの預金の3%にもなりません。)
(3)年間に受け取っている各種助成金が実に42億円!これは要するに支援という美名に隠れたビジネスでは。要するにクラファンで台湾地震義援金でこれだけ集めて活動しました、って報告書を作って各種助成金を分捕る訳です。
台湾地震の犠牲者を本当に助けたいなら、こんな怪しいNGOに払うのではなく、日本赤十字社等のきちんと素性の分っている団体を通すことをお勧めします。

吉川祐介の「限界分譲地」

吉川祐介の「限界分譲地」を読みました。タイトルは「限界集落」からの派生語で、主としてバブル時代などに不便な場所に作られた分譲地が投機目的で売られ、それがその後バブル崩壊などで価格が暴落して誰も住まなくなって荒れ果てた分譲地のことです。またスキーブームの全盛期に作られた越後湯沢のリゾートマンションなどの現状についてのリポートもあります。この本を読んでみたのは、私も今は半分くらい「限界集落」に近い所に中古住宅を買って住んでいるからです。もっとも私の所は近所にゴルフ場がいくつもあり、相模湖のキャンプ場などもあって、まったく人が来ない過疎地域ではありません。しかし車が無いとほとんど生活出来ないという点は同じです。個人的には、アメリカに住んでいると思えばいいというのが私の考えですが、年取って免許を返納しなければならなくなったらどうしよう、とは考えます。限界分譲地で思い出すのは、バブル時代に会社の同期の親父さんが買ったという千葉の東金の近くの分譲住宅に同期の10人くらいで行ってバーベキューをしたことです。この本読んで、ああ、あれがそうなのね、と思い当たりました。まあ東金の近くはそこまで過疎ではありませんが、都心に通勤可能というのがかなりの誇張だという点は同じかと。後、中学生の時、福岡県宗像市の日の里団地という所に住んでいました。ここは業者が投機目的のために開発したものではなく、れっきとした住宅公団が福岡市と北九州市の中間にあるベッドタウンとして開発した、その当時西日本で最大の住宅団地でしたが、ともかく引っ越し当初は不便以外の何物でもありませんでした。駅まで歩いて30分くらいかかるのにバスすらありませんでした。今はこの団地、住んでいるのは高齢者だけで、かつてあった大型ショッピングセンターも閉店になり、という現状のようです。それも思い出しました。まあ不動産投資でだまされないようにするためには読んでおくといい本だと思います。

NHK杯戦囲碁 高尾紳路9段 対 平田智也8段(2024年4月7日放送分)


第72回NHK杯テレビ囲碁トーナメントが始りました。初戦は黒番が高尾紳路9段、白番が平田智也8段の対戦です。序盤右辺の黒模様を荒らしに行った白が途中で手を抜いて下辺の黒に仕掛けていき、その結果右辺の黒地がほぼ確定し、この辺は黒のペースでした。しかし下辺の戦いが劫になり、その結果左下隅方面の黒が切離されました。黒は中央の白に襲いかかる手があったのに守りの手を打ち、また左下隅を活きに行きました。その結果無事に左下隅が活きていれば黒も良かったのですが、攻め取りとはいえ取られてしまい、これで白地が増え、白が優勢になりました。その後左上隅方面の争いで白が2子当たりになっているを逃げず、右下隅からの白の活きを確かめたのが冷静で、これで白が優勢がほぼ確定しました。結局黒が投了して、白の中押し勝ちとなりました。

クリストファー・ノーランの「オッペンハイマー」

オッペンハイマーを観て来ました。最初はユダヤ系物理学者が協力して、何とかナチスが原爆を開発する前にアメリカが、ということで、オッペンハイマーがリーダーになってマンハッタン計画が進行します。しかし、その前にナチスは降伏し、そのターゲットが日本に切り替わり、後はご承知のように1945年7月に実験が成功し、8月に広島と長崎に投下されます。それで戦争が終わると今度はソ連との水爆開発競争になり、戦時中は協力していたユダヤ系学者の間で争いが始まり、オッペンハイマーが陰謀のターゲットになり、という話です。原爆の悲惨さが描かれていない、という日本からの批判もありますが、私はオッペンハイマーが尋問の中で広島と長崎の犠牲者の数を正確に述べていたのがむしろ印象に残りました。オッペンハイマーについては以前ジョン・アダムズという作曲家の「ドクター・アトミック」というオペラのブルーレイを観ています。なのでインド哲学や芸術に関心があって、というのは知っていましたが、そのオペラはトリニティー実験の前日を描いたものでした。なのでオッペンハイマーの戦前のキャリアや共産主義への関心は今回初めてはっきりしました。それから、この映画の後半部はほとんどディベートの実戦映画として観ていました。そういうのもあってこの映画は大量に観客を集めるタイプの映画ではないと思いますが、一般的アメリカの観客は国家を挙げた一大プロジェクトを成功に導いたヒーローの物語として観るんでしょうね。