スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Datalore”

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Datalore”を観ました。このエピソードではデータの作られた秘密が明かされ、同時にもう一人のデータである「ロアー」がデータの双子の兄弟のような感じで登場します。エンタープライズ号がデータが最初に発見された星に赴いた時、その地下の基地が無傷で残っているのを発見し、誰も生存者はいなかったものの、そこにバラバラに分解されたデータとそっくりなアンドロイドを発見します。それはエンタープライズ号に持ち帰られ、データの構造を参考に組み立てられ、ロアーと名乗ります。ロアーはデータが最初に作られたけど不完全だったので、それを修正したものとしてロアーが作られたと言います。しかし実際はロアーの傲慢な振る舞いが人々の怒りを誘って分解されたものでした。ロアーはしかし巨大な宇宙を彷徨う結晶体と交信してその植民星の人々を皆殺しにしてしまいます。ロアーはエンタープライズ号の中でデータに薬を飲ませて気絶させ成り代わり、同じく結晶体を呼び寄せ、エンタープライズ号のクルーを皆殺しにしようとします。例によってウェスレーがロアーがデータに成り代わっていることに気付いてデータを助け、データとウェスレーが協力してロアーを転送装置で宇宙空間に放り出す、という話です。
うーん、データの出生の話は興味深いですが、その後はイマイチです。なんで同じ人に作られたアンドロイドが片方だけ邪悪になるのかが不明でした。

スピーカーLS3/5Aの価格の今昔

私は1987年頃RogersのLS3/5Aというスピーカーを買いました。その時の資料が引っ越し(相模原に中古一戸建てを購入し、8月にそちらに移ります)による整理で出てきました。それによると定価でペアで14万円です。右は現在Joshinで売られている同じ型番のスピーカー(LS3/5AはBBCが設計・開発したもので、ライセンスを受ければどこでも製造出来ます、故にメーカーは違います)ですが(このファルコンのはオリジナルの3/5Aを忠実に再現したと言っています)、価格は税込みでペアで何と572,000円です。私が買った時に比べると実に4倍です。私はこのスピーカーを20年近く使いました。なので断言出来ますが、確かに名機ではありますが、50万円以上の価格で売られるようなスピーカーではありません。このスピーカーは非常にコンパクトで日本の住宅事情には良く合い、また見た目に比べると良く鳴りますが、決して万能型のスピーカーでも何でもなく、いわばサブ用に近いと思います。にも関わらず、過剰評価された結果として今はこのよう馬鹿高い価格で売られています。

NHK杯戦囲碁 洪爽義5段 対 鈴木伸二8段(2023年7月2日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が洪爽義5段、白番が鈴木伸二8段の対戦です。タスキの布石で始まりました。最初にポイントとなったのが左上隅の戦いで、白が最初に上辺を捨て気味に打ったのですが、白が5線を押したのが、普通は黒に膨らまれて好形を与えてしまうのですが、この場合後から(上から)覗いて黒に継がせた後、渡る手が生じ、白が中央と上辺の両方を打ったことになり、ここで白がリードしました。その後黒の左下隅と白の下辺右方の境界線争いで、黒のツケノビの後、白がじっと4線に並んで力を貯めたのが好判断でした。この結果、後で白が黒のツケノビの間を出た時に黒が押さえられず、下辺の白地が増えました。しかしその反動で中央の黒が厚くなって左辺の白のウスミが問題になりました。しかし黒はそれを咎めそこねて、白は無事に上辺からの石に連絡出来ました。最後に問題になったのが、黒が右辺の地を増やそうとしたことで、手をかけた割りにはあちこちで穴があって大きくはまとまらず、また白の中央の地も増えたのでここで白の勝勢になりました。結局白の5目半勝ちでした。

「帰ってきたウルトラマン」の「恐竜爆破指令」

「帰ってきたウルトラマン」の「恐竜爆破指令」を観ました。
化石化し長く仮死状態だったステゴンを、工事会社のダイナマイトが目覚めさせ、更にMATの爆薬が完全に蘇らせてしまいます。しかしMATの隊長の爆破命令は立場上当然と思いますが、それを郷が「隊長の今日の判断は間違っていました。反省してください。」とやります。いくらなんでもそれは言い過ぎでしょ。MATも一種の軍隊だと思うので、隊長の命令に一々逆らっていたら統制がまるで取れないと思いますが…大体私が隊長だったらこんな隊員は持ちたくないですね。今回のステゴンは、何だか初代マンのシーボーズに似ています。どことなく弱々しく、最後はウルトラマンが宇宙に連れて行くというのも同じです。

トワイライト・ゾーンの”The Little People”

トワイライト・ゾーンの”The Little People”を観ました。このタイトル、「巨人の惑星」では地球人がリトル・ピープルと呼ばれていました。このエピソードでは、ある星に不時着した二人の宇宙飛行士が、人間よりはるかに小さなヒューマノイドが文明を作っているのを発見し、その一人が彼らよりはるかに大きいことを利用して神になろうとし、足で彼らの町を踏みにじって恐怖による支配をします。そしてもう一人の宇宙飛行士を銃で脅して修理したロケットでこの星を離れさせ、自分だけが神だとうそぶきます。そこに、今度は逆に人間よりはるかに大きいエイリアンのヒューマノイドが二人やって来て、地球人宇宙飛行士をひねり潰してしまう、という話です。まあガリバー旅行記に小人国と巨人国の両方の話がありますから、アイデアとしては新しくありません。しかしこの宇宙飛行士の「神」には旧約聖書のヤーウェが投影されているように思います。私は一神教は嫌いです。

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”The Big Goodbye”

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”The Big Goodbye”を観ました。タイトルはレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ(The Long Goodbye)」のもじりです。エンタープライズ号は昆虫型エイリアンのハラダとの会合の場に向かっています。彼らは気難しく、挨拶の言葉が少しでも間違っているとそれは彼らにとって侮辱となります。ピカード船長は緊張をほぐすため、船内のホロデッキに向かい、そこで1941年のアメリカ、探偵小説のディクソン・ヒルの世界を再現させ楽しみます。(ディクソン・ヒルはつまりフィリップ・マーロウです。)2度目にこの世界に行った時、ピカード船長は殺人犯として逮捕されます。そしてあるギャングに狙われます。この世界では撃たれてもそれは嘘事の筈でしたが、ピカード船長に付いてきた部下が撃たれて本当に死にそうになります。ピカード船長はすぐにその部下をシックベイに連れて行こうとしますが、出口が現れません。ハラダからの交信がエンタープライズ号のコンピューターに障害を発生させ、ピカード船長以下4名は架空の世界に閉じ込められます。結局例によってウェスリーがコンピューターを修理し、ピカード船長は戻ってハラダへの挨拶を無事にこなす、という話です。
しかしファーストのスター・トレックでも、似たような時代に行くという話が何話かありました。古き良き時代、ということなんでしょうね。

帰ってきたウルトラマン」の「怪獣島SOS」

「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣島SOS」を観ました。郷隊員が明日休暇で次郎の誕生日を祝ってやる筈だったのを、隊長から急遽ニューヨークに飛ぶように命令されたのを、南隊員が気を利かして隊長に無断で郷に代わってニューヨークにモンスターソナーを取りに行きます。帰りに暴風雨に襲われある島に不時着します。そこにダンガーという怪獣が現れ、南隊員は不時着時の怪我から破傷風を発症し、血清を至急届けないと、ということで郷は修理中のマットアローを片道分の燃料だけで無理矢理救出に向かって…という話です。
ダンガーとウルトラマンの戦いで、ウルトラマンがダンガーの首の周りのソーセージみたいなのを引きちぎって取ってしまいますが、旧ウルトラマンがジラースの襟を引きちぎってゴジラにしてしまったのと同じでした。
しかし今回の件で、MATはマットアローを2台もダメにしている訳でいいのかいな、と思います。

古田博司の「旧約聖書の政治史 預言者たちの過酷なサバイバル」

古田博司の「旧約聖書の政治史 預言者たちの過酷なサバイバル」を読了。この本は元々Willに連載されていたもので、著者もどちらかというとそちら系の人です。ですがまあ面白かったです。またタイトルから想像されるような学問的なものではまったくなく、著者の直感や想像や他の国の歴史からの類推に基づく自由なものです。だからといってそういうアプローチが否定されるべきかというと、旧約聖書のような古い時代の「文献」については、精確な科学的なアプローチというのもほとんど不可能です。この本で何度も言及されているマックス・ヴェーバーの「古代ユダヤ教」だって、述べられていることの多くはヴェーバーの直感に基づくもので、聖書学者の田川健三なんかはぼろくそにけなしています。そういう本であっても、正直な所旧約聖書の世界には疎い私にとって、旧約の世界に多少なじむきっかけにはなったと思います。この本を読んで改めて感じたのは、旧約のヤーウェという神はひたすら偶像崇拝、異教の神の崇拝を禁じ、それを犯したユダヤ人に対してしばしば罰を与えていますが、ユダヤが亡国の民となるまでの間、ヤーウェだけが純粋に崇拝された時代はほとんどないということです。ユダヤ人の国の全盛期はソロモン王の時ですが、そのソロモンですら晩年は偶像崇拝にふけっています。最後の方で預言者達が「先祖が偶像崇拝の罪を犯したので、ヤーウェが怒ってユダヤの国を滅ぼした」といういわゆる「苦難の神義論」は、そう考えるしかなかったというきわめて屈折した神概念だと思います。

トワイライト・ゾーンの”Person or Persons Unknown”

トワイライト・ゾーンの”Person or Persons Unknown”を観ました。デイヴィド・ガーニーはある朝1時間遅刻の時間に目を覚まし、自分がスーツを着たまままた靴も履いたまま寝ていたのに気が付きます。妻のウィルマを起すと彼女は悲鳴を上げ、あなたは誰と言います。いぶかりながら職場である銀行に行くと、自分の席には見知らぬ男が座っており、争いになります。結局ガードマンにつまみだされ、警察に手渡されて精神病院送りになります。精神科医は彼が自分をデイヴィド・ガーニーだと思い込んでいると言い、その証拠に知人に電話をかけさせて誰も彼を知らないのを確かめ、また電話帳にも彼の名前が無いのを確認させます。デイヴィッドは車を盗んで行きつけのバーに行きますが、バーテンも彼を知りません。デイヴィドは最近海へ旅行してそこで奥さんと写真を撮ったのを思い出し、写真屋にその写真をもらいに行きます。その写真で彼が奥さんと写っているのを確認し店を出ようとした所で精神科医に再び捕まります。そこで彼は写真を見せようとしますが、改めて見ると彼一人しか写っていませんでした…という所で目が覚め、今までのは悪夢だったということが分ります。しかしそこで妻の顔を見るとそれはまったく知らない女性で…という話です。まあ良くあるパターンの話かなと思います。

NHK杯戦囲碁 谷口徹5段 対 大西研也5段(2023年6月25日放送分)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が谷口徹5段、白番が大西研也5段の対戦です。大西5段は初出場ですが、以前NHK杯戦の記録係をやっていて顔なじみです。その頃より精悍な顔つきになったと思います。谷口5段は今回が3回目の出場で、過去2回とも初戦で敗れているので何とか勝ち星を上げたい所です。布石で珍しかったのは白の左辺の構えで、全て4線に構えました。普通は3線と4線をバランス良く組み合わせますが、4線のまま地になると大きいので、もしそれが成功すれば当然4線の方がいい訳です。しかし黒はこの碁では結局左辺に入って行くチャンスを逸し、一応3線に一度打ち込んだものの、この石を活きることは難しく、中央から利かして捨てることになりました。また良く分らなかったのが左上隅で黒は打ち込んで行ったのですが、活きが無いにも関わらず打ち続け、後に劫になった時の劫材として使うのかと思ったら当てを利かしたりし、更には途中で下辺で先手にならない手を打ち、結果的に丸ごと取られてしまいました。この結果左辺はぶっ通しで50目の地が出来、黒の地の全部に匹敵していました。こうなると黒は右上隅からの白の一団をいかに攻めて特を図るかですが、隅にはっきり一眼あり、中央でもう一眼を作るのはそんなに難しくありませんでした。それでも黒は眼を取りに行って目一杯打ちましたが、結果的に自分の方が薄く、包囲網を破られて眼を作られてしまい、黒の投了となりました。ちょっと黒の打ち方は淡泊過ぎたように思います。