梶原一騎・川崎のぼるの「男の条件」

jpeg000-32梶原一騎・川崎のぼるの「男の条件」読了。
「巨人の星」のゴールデンコンビが1968年に少年ジャンプに連載したもの。漫画家を主人公にして、梶原流スポ根をやったものです。
川崎のぼるの絵というのが、ワンパターンで、主人公は星飛雄馬そっくり。ライバルは花形満、親友のギャグ漫画家志望は伴宙太そっくりです。星一徹のそっくりさんは、ドヤ街で無銭飲食の男として登場します。(笑)ストーリーはあの当時の梶原一騎のいかにも時代がかったもので、ひたすら熱いです。ちなみに主人公の名前は旗「一太郎」です。一太郎は、ある旋盤の工員を主人公にした有名漫画の漫画家に、旋盤の絵が間違っている(そんな旋盤は存在しない)と指摘し、漫画家に工場に見学に来るように要求します。漫画家を工場に連れて行くため、一太郎は漫画家が酒場で酒を飲む間待っていますが、やがて喧嘩に巻き込まれ、頭を怪我します。その出血のため、工場に行くことができなかったため、一太郎は「自分の血で」床に旋盤の絵を描きます。それを見た漫画家は「まるで雪舟だ」と感動します…それから、一太郎は師匠と仰ぐ漫画家と一緒に紙芝居を描いて日銭を稼いでいましたが、ある時ヤクザに因縁をつけられます。この辺りがいかにも梶原一騎。
ともかく、「ああこういう漫画の時代もあったんだ」と懐かしいです。

三遊亭圓生の「ちきり伊勢屋」(下)

jpeg000-29今日の落語、三遊亭圓生の「ちきり伊勢屋(下)」。
占い師に死ぬことを予言され、全財産を使い果たして自分の葬式まで出したのに、傳次郎は棺の中に入っても結局死ねません。自分の屋敷も売っぱらってしまいましたから、今では浮浪者同然。易者に出会って問いただしてみたら、財産を使い果たす時に、人助けをして人の命を救ったので、それで運命が変わり、今度は80過ぎまで生きるという。それで色々あって駕籠舁きの真似ごとをしていたら、そこで前に命を助けた女性に出遭って、今度は逆にその女性から恩返しをされて幸せに暮らした、という長いけれど中々後味の良いお噺です。