桂米朝の「不動坊、天狗裁き」

jpeg000-50本日の落語、桂米朝の「不動坊、天狗裁き」です。
「不動坊」は以前柳家小さんでも聴いています。金貸しの利吉が、講釈師の不動坊火焔が旅先で借金を残し亡くなったのに対し、その後家のお滝さんが、その借金35両を払ってくれる人がいるならその再婚してもいいといい、利吉は手を挙げます。それを聴いた長屋のやもめ仲間が、嫌がらせに不動坊の幽霊に化けて利吉を脅そうとしますが、利吉は脅される筋合いはないと言って、金を幽霊を丸め込んでしまう噺です。
「天狗裁き」は、夢を見ていたと思われた男が、まず女房にその夢の内容をしつこく聞かれ、次は友人、そしてお奉行所、最後は天狗からしつこく聞かれる、エスカレーションしていく噺です。最後はそれ自体が夢だったというオチです。

白井喬二の「源平盛衰記」(上)

jpeg000-46白井喬二の「源平盛衰記」(上)を読了。昭和元年10月から昭和4年2月まで「時事新報」に連載されたもの。白井喬二としては、一番脂ののった頃の作品で読み応えがあります。上巻では、平家が西国の海賊を退治して次第に勢力を増していき、そして保元の乱で源氏の半分を倒し、そして平治の乱で残りの源氏も片付け、平家の天下になるまでを描きます。白井の源平話は人物に重きを置くもので、鎮西八郎為朝、悪源太義平などが実に魅力的に描かれています。また平清盛のちょっと変わった性格もよく描写されていると思います。今回読んだ版は昭和5年のもので、たぶん初版ではないかと思います。大衆小説家による源平の話には吉川英治の新・平家物語などもありますが、もう少し白井作品も再評価されてしかるべきではないかと思います。

白井喬二の初期短篇(「寶永山の話」収録のもの以外)

jpeg000-44白井喬二の初期の短篇から、「寶永山の話」に収録してあった話を除いた物を読了。学芸書林の全集の第9巻です。具体的には、「忠臣の横顔」「湯女挿話」「倶利伽羅紋々」「兵学美人行」「瓦義談」「指揮杖仙史」「名器殿物語」「或る日の大膳」「薫風の髭噺」「職追い剣」「広瀬水斎の諷刺」「美泥」「生命を打つ太鼓」「敵討つ討たん物語」「唐草兄弟」「銭番論語」「月兎逸走」「白痴」「密状霊験記」の19作品。「寶永山の話」の短篇がすべて収録されている訳ではなく、「月影銀五郎」と「目明き藤五郎」は収録されていません。大正12年から昭和6年までの、白井喬二としては一番活躍していた時代の作品が収められています。
「寶永山の話」を読んだ時の「奇妙な味」という感想は今回も一緒です。「兵学大講義」に出てきた兵学者諏訪友山の若い頃の話を描いた「兵学美人行」、湯女が禁止されたその最後の日の様子を描いた「湯女挿話」、幕府の鋳銭所の役人同士の意地の張り合いを描いた「銭番論語」など、白井らしい一ひねりした作品が多いです。白井の本領は長篇だと思いますが、今回の作品群を読んで短篇も決して悪くないなと、考えを変えました。

桂米朝の「帯久、天狗さし」

jpeg000-45本日の落語、三代目桂米朝の「帯久、天狗さし」。上方落語の2枚目です。先日聴いた桂文枝は、私的にはイマイチでしたが、この米朝のは良かったです。「帯久」は、松平大隅守という奉行の名裁きのお噺。帯久という強欲な商人が、和泉屋与兵衛という同じ呉服屋に何度も無利子でお金を借りて、最後に借りた百両を大晦日に返しに行ったはいいが、大晦日の忙しさで取り紛れののどさくさで、一旦返して帳面には返却とつけさせた百両を黙って持って帰ってしまう。そのうちに和泉屋は火事に遭って没落、今度は和泉屋が帯久に金を借りに行くけど、強欲な帯久はまったく貸さない。和泉屋が頭に来て、帯久の店に火を付け、それでお奉行様のお裁きになります。あまり笑える所のない噺ですが、退屈せずに聴けます。
「天狗さし」は、「天狗のすき焼き」の店を出そうとする男の荒唐無稽なお噺です。

NHK杯戦囲碁 高尾紳路9段 対 林漢傑7段

jpeg000-48本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が高尾紳路9段、白番が林漢傑7段の一戦です。高尾9段は現在名人戦で井山7冠に挑戦中で出だし3連勝で好調でしたがその後2敗し、現在3勝2敗です。対局は黒が右下隅で地を稼ぎ、黒が下辺に打ち込んできた白を左下隅に連絡させないように遮った所でいきなり劫になりました。黒は劫材が足らないかと思いましたが、左上隅の星の白に直接付けていく手を劫材にしました。高尾9段の解説によると、この手は以前は損劫だと思っていたのが、例のアルファ碁がいきなり付けていく手を打っていて、必ずしも大きな損にはならないということがわかって打ってみたそうです。結局劫は黒が勝ち、その代わり白は右上隅を連打しましたが、元々右上隅は黒が2手打っていましたので、劫の結果は黒が悪くなかったようです。その後白は上辺に打ち込んでいきましたが、折衝の中で黒が左上隅に利かす手を打ったのに白が手を抜きました。それはいいとして、黒が左上隅に置いていったのに対する白の対応が間違いで、この隅は5手寄せ劫ぐらいで、ほとんど白の丸取られとなりました。元々白地が10目くらいあった所が30目ほどの黒地になってしまい、ここで勝負は決まりました。その後白は下辺の黒に寄り付いていき、また劫になり、白は下辺と右下隅を大きく荒らしましたが、逆転には至らず、結局黒の中押し勝ちでした。