モダン日本 昭和16年3月号

モダン日本の昭和16年3月号を入手。これも白井喬二の小説が目当てですが、載っていたのは「玉の輿(侍匣)」で、「侍匣」に収録されていたもので既読でした。
そういう意味で空振りでしたが、ただこのモダン日本を昭和12年のものと比べてみると差は歴然としています。まず紙質が明らかに低下してこちらの方が若いのに色落ちも激しいです。また、昭和12年8月号に水着のグラビアが載っているのに対し、昭和16年3月号は「空ゆく若人 グライダー部隊」という色気も素っ気もない記事が載っています。本文も「ヒットラー総統の私生活」とか「座談会・傷痍軍人が職域より叫ぶ翼賛の声」とかの戦時色丸出しのものがかなりの部分を占めています。モダン日本は戦時中は敵性語である「モダン」を嫌って「新太陽」に名前を変えたみたいですが、いつからかは不明です。