NHK杯戦囲碁 余正麒7段 対 金秀俊8段

9月24日(日)のNHK杯戦の囲碁(出張中だったので録画で視聴)は、黒番が余正麒7段、白番が金秀俊8段の対戦。2人の対戦成績は余7段の3勝0敗ということで、金8段としてはこの辺りで先輩の維持を見せたい所です。対局は左上隅で、白が手を抜いて右下を締まったので、黒は大斜にかけました。これに対し白は定石通り付けていきましたが、黒は割り込まずにハネて打ち、私はあまり見たことがない形になりました。ここでの折衝でのシチョウアタリで黒は右下隅の開いた白に肩付きしました。その後の折衝で結局右下隅は黒は押さえ込むことになりました。全体に黒の方が地合をリードしつつ中盤を迎えました。白は下辺の黒を攻めに行ったのが写真の場面ですが、この白に対し通常は3線を這って受けますが、黒は4線に伸びて反発しました。結局、白は左下隅を利かして渡りを止めた後、2線に飛び下がって黒を分断しましたが、石塔シボリの形になり、地は多少得をしましたが、黒は絞って厚くなり、この結果は黒が悪くなかったように思います。その後白は上辺に侵入しましたが、黒から三々への下がりで受けられ、その後色々やって結局上辺で生きましたが2目の最小の活きであり、かつ元々1目切り取りがあったのを無くしてしまい、かつ中央は白数子を黒に取り込まれてしまい、この収支は白はまったくやっていないと思います。その後黒は白に囲わせて、それで十分という打ち方でした。最後、白がうっかり余計なダメを詰めてしまい、本来一手勝ちだった攻め合いが逆に一手負けになってしまい、白の投了となりました。

中国のトイレでのおかしな英語

9月24日から29日まで中国に出張に行ってきました。この看板みたいなのは、武漢から車で随州に向かうハイウェイの複数のサービスエリアのトイレで、男性小用便器の前に貼ってあったもの。中国語の意味はわかりませんが、英語の方はまったく意味不明です。

The drawing close to civilization
The nearness is convenient

本日AEONでオーストラリア人講師にも見せて分かるかどうか聞きましたが、「まったく分からない」とのことでした。

無粋ながら何がおかしいかを列挙すると、
(1)drawingは図面のことで、文字だけが書かれたものをそうは呼ばない。
(2)最初の文には動詞がなく、単なる名詞句に過ぎない。次の文との関係も不明。最後に”:”をつけて次の文につなぐのならまだ理解できるけど。
(3)たかがトイレの便器に近づいてオシッコすることは、”civilization”とは関係ない。
(4)英語の抽象名詞に一般的に定冠詞は付かない。”The nearness”はおかしい。
(5)nearnessという単語は確かに辞書に載っているけど、よっぽど特別な場合に「近さ」を名詞で言いたい時だけに使うもので、一般的にはほとんど使われない。
(6)nearnessは何かが近くにあるというならconvenientでもいいでしょうが、この場合、便器に近づくことは利用者にとってはconvenientでも何でもない。
(7) 文末にピリオドも無い。

多分、言いたいのは「便器の近くに寄れ」ということで、それを普通の英語で書けば、”As a good manner, please stand close to the toilet bowl (pan).”だと思います。

p.s.
これ、どうもAIによる翻訳をそのまま使ったのではないかと思われます。Google翻訳は最近かなり良くなったという話を聞きますけど、中国製AIの翻訳だとしたらかなりレベル低いですね。

大西康之の「東芝解体 電機メーカーが消える日」

大西康之の「東芝解体 電機メーカーが消える日」を読了。何というか、中身の薄い本です。色んな人にじっくり取材して、よく調査して書いたという感じではなく、何かこの著者独特の「史観」みたいなものに基づいて、電機メーカー・電気メーカーの失敗をあれこれあげつらっているだけの本です。致命的な欠陥といえるのは、そういう失敗を挙げるだけで、ではこれからどうしていくのかという提言がほとんどないこと。やっているのは海外メーカーで成功している会社の例を挙げるだけで、そういうのなら誰でも出来ると思うんだけど。それからこの著者は日経新聞出身ですが、失敗を繰り返してきたエレクトロニクスメーカーの経営者にヨイショした記事をばらまいていたのはまさに日経新聞だと思うけど、その辺りの反省はまるでないですね。
また、「携帯電話もスマートフォンが普及し始めた2000年ごろまでは、NEC、パナソニック、シャープといった日本メーカーが世界シェアの上位に顔を出していたが」(P.31)という説明には笑ってしまいます。確かに2000年頃既にスマートフォンと称するものはありましたが、それはiPhone以降のものとはまったく別なマイナーなものでした。またいわゆるガラケーの頃の世界シェアはノキア、モトローラ、エリクソンといった海外メーカーが上位を占め、日本メーカーなど10位にやっと入るかぐらいで、日本メーカーが上位に顔を出していたことはありません。

中里介山の「大菩薩峠」第17巻

中里介山の「大菩薩峠」第17巻を読了。後3巻になりましたが、ほとんど確信に近くなってきたのは、拡げに拡げた話が全20巻では決して収束しないであろうということです。
時間的な進行は極めて遅いですが、地理的な広がりだけはかなりのものがあります。北から順番に書くと、
(1)石巻の無名丸に乗り込んだ駒井(元)能登守一行
(2)仙台周辺に逃げ込んでいる裏宿の七兵衛
(3)江戸の神尾主膳とお絹他
(4)甲州有野村に身を寄せている与八
(5)高山から白山に向かう宇都木兵馬
(6)胆吹山の麓にユートピアを築こうとするお銀様やお雪他
(7)琵琶湖に向かう弁信と米友
とこういった感じになります。(7)の弁信と米友は前に書いた順列組合せ的な登場人物のからみの典型例で、これまで出会ったことがないのがからむようになりました。
さて後3巻で劇的な展開はあるのか?たぶん無いような…

リンガフォンの「米語上級コース」

これまで英語に関しては色々な教材に手を出して来ましたが、その中でベストと言えるのは迷い無くこのリンガフォンの「米語上級コース」(Advanced American English Course)です。リンガフォンという語学教材の会社はもうなくなってしまいましたが、一番良質な語学テキストを出していたと思います。この「上級コース」をやる前に、「米語中級コース」を全部やってから、これに進みました。コースの最初がいきなりアメリカの大統領選の解説で、あの複雑な仕組みをわかりやすく解説してくれます。内容は、第一部がCulture、第二部がCommerce、第三部がColloquial American Englishで、スピーキングだけでなく、ライティングにも役立つ教材がたくさんありました。特に、ビジネスレターの章に載っている英文レターは良く出来ていて、そこに出てきた”You may rest assured that we at Ross Business Machines will do everything possible to meet your requirements.”のような表現は丸暗記して、実際に自分の仕事でも使いました。今はインターネットのオンライン英会話とかはあふれていますが、こういう良質な教材は見つからないですね。