NHK杯戦囲碁 張栩9段 対 孫喆7段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が張栩9段、白番が孫喆7段の対戦です。ともかく相手の手に受けずに他を打ち、また部分部分のケリを付けずに含みを持たせて他に転ずるという打ち方が多く、ついて行くのが大変で、そういう意味ではとてもプロらしい戦いでした。特に左下隅から始まった複雑な戦いで、白が中央のタネ石4子をあっさり捨ててその代償で下辺を稼いだのは柔軟な打ち方でした。黒は白を取っても色々な利きをみられていて、打ちやすい局面ではなかったです。その後白が左辺の黒地に手を付けていった時、黒の反発に白も最強に受けたのが打ち過ぎでした。白は左辺でも地を稼ぎましたが、その代償に上辺で黒の2段バネをくらい、左上隅で小さく活かされ、また中央が真っ黒になってしまいました。これで形勢は大きく黒に傾きました。その後今度は黒が右辺の白に仕掛けていきましたが、途中誤算があり、結局右下隅の黒を取られてしまったのは大きなマイナスでした。しかしそれでもまだ黒に残っていたようで、冷静に中央をまとめ、左辺で劫を仕掛けましたが、それはあっさり白に譲り、最後に2目半勝ちで張栩9段の形勢判断の的確さが光りました。

ジェニファー・リー、 クリス・バックの「アナと雪の女王2」

アナ雪2(字幕版)観て来ました。大きな劇場のって吹き替え版ばかりで、これは二子玉川の東急ライズ内の109シネマで観ました。続篇に名作無し、と言いますが、本作は私的には最初のより良かったと思います。というか最初のはLet it goの歌が良すぎて、ほとんどそれだけの映画だったように思いますが、今回は脚本家は5~6人クレジットで出てきて、「何故エルサに魔法が使えてアナは使えないのか」といった謎に対してそれなりに良く出来た説明を付けていたと思います。ただ、まったくもってお子様向け、ファミリー向けではなく、子供は多分途中で寝ちゃうでしょうね。話が難しすぎます。というかターゲットを女性に絞ったんでしょうか。前作が女性も本音で生きていいのよ、のカミングアウト映画、今回は自分のルーツ探しです。私が期待したのはお話より音楽でしたが、全体に悪くないナンバーが多かったですが、さすがにLet it goに匹敵するのは今回は無いです。

オルチャグルさん仮放免を求める請願署名ご協力のお願い

私がボランティアで手伝っている、外国人労働者支援団体よりの署名のお願いです。
内容は「署名説明」の通りですが、趣旨にご賛同いただける方は、添付の「署名本文」を印刷して署名いただき、記載されている宛先に送っていただけないでしょうか。人道的見地からも是非ご協力をお願いします。

署名本文

署名説明

J・J・エイブラムスの「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」

スターウォーズの「スカイウォーカーの夜明け」を観ました。前作の8とハン・ソロのムービーがあまりにひどかったので期待しないで観ましたが、前作に比べればはるかにマシでした。しかし結局色々新しい要素を詰め込もうとして失敗して批判を浴び、最後にまた従来路線そのものに戻したように感じました。そういう意味では、風呂敷を拡げたけど、最後は従来と変わらない筋書きで終わらせたということで、この三部作は一体何だったのかと疑問が残ります。また、この三部作で新しく出てきたキャラクターがことごとく存在感に乏しくて、今回も「あれ、これって誰だっけ」と思うシーンが何度もありました。それからちょっと不思議なのはテーマ音楽が相変わらずジョン・ウィリアムズの例のやつを未だに使っていて、私が今観ている「宇宙家族ロビンソン」のテーマ音楽もジョン・ウィリアムズで53年も経っているのに相変わらず同じような音楽が流れているのがとても不思議です。

李栄薫編著の「反日種族主義 日韓危機の根源」

李栄薫編著の「反日種族主義 日韓危機の根源」を読みました。今、韓国と日本の両方でベストセラーになっている話題の本です。ですが、書かれていることは一部を除いてほとんど知っていることであり、特に新しい発見はなく、ただ韓国の公娼制度について詳しく書かれていたのが参考になりました。後、韓国の学者が「韓国人は嘘つきだ」とはっきり書いているのにちょっと軽いショックを受けました。子供の時に読んだのらくろの「のらくろ探検隊」という漫画に、明らかに当時の朝鮮人をカリカチュアしている動物のキャラクターが出てきて、のらくろがその人に何が得意かを聞いたら、「私は嘘をつくのが得意です。」と答えるというシーンがありました。当時はいくらなんでもこんなステレオタイプの偏見みたいなのを描いていいんだろうか、と思っていました。しかし、今になって当の韓国の人が「韓国人は嘘つきだ。」と認めている訳です。
マックス・ヴェーバーはフライブルク大学の教授として就任する時に、「国民国家と経済政策」という講演を行い、その中で自身の出身階層であるユンカーを鋭く批判しました。そして「(自分の属する階層の)上にも下にも嫌がられることを敢えて言うのが学者の使命」だと言い切りました。この本は報道によると、韓国でもベストセラーになりながらも、右派と左派の両方からかなり攻撃されているみたいです。とすると「上にも下にも」ではなく「右にも左にも嫌がられる」ことを堂々と言っている訳で、その勇気というのは評価されるべきと思います。しかし、この本に書いてあることは日本人から見ればごく普通のことであり、この程度の言論も許さない、という雰囲気が強いのであれば、韓国において本当の意味の学問は出来ないのでないかと思います。何でもかんでも「日帝が悪い」という心的態度というのは、歴史において自分達が何故独力で近代国家を建設することが出来なかったのか、という点について真剣に考えようとすることを阻害するのであり、結果的に韓国自身にためにならないことだと思います。というか、未だに「風水思想」が強固に信じられていたり、たとえば女性歌手に対して「気がある」と評価し、その「シャーマン」性を重んじるなど、韓国には近代国家になりきれていない部分がまだいくつも残っています。日本だってその点で自分で反省出来た訳ではありませんが、日本には敗戦という大きな試練があり、少なくともそこで過去の日本に対する見直しや反省というのは行われています。しかしながら、独力で植民地から解放されたのではなく、アメリカを始めとする連合軍が日本を破った結果として韓国の独立がもたらされただけであり、そこのなんとも言えない「悔しさ」が反日という形で残り続けているのだと思います。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第10回目を公開しました。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第10回目を公開しました。どうなるかと思っていましたが、2ヵ月ちょっとで全体の16%ぐらいまで日本語訳を完了しました。まずは順調なペースです。多分全体では60回+αぐらいになると思います。
今回、ラテン語でもなく、イタリア語でもスペイン語でもないという文が登場したのですが、調べたら何とアラゴン語(スペイン語の一種の方言みたいなもので話者はたったの1万人)の元になった俗ラテン語みたいです。さすがにこれは読めないので、英訳を参照して訳しました。

宇宙家族ロビンソンの”The Golden Man”

宇宙家族ロビンソンの”The Golden Man”を観ました。ロビンソン博士とドン、ウィルの3人は惑星上の資源探しで不在、そこに2種類のエイリアンが現れます。彼らは戦争をしていて、その決着を付けにこの星にやってきました。1つは敵対的で、いきなりドクター・スミスとペニーの2人を攻撃します。もう片方は金色のハンサムなエイリアンで非常にフレンドリーです。そちらは例によってドクター・スミスと取引し、ジュピター2号の武器を渡せば地球に戻すと言います。ドクター・スミスはすっかり信じて武器を渡そうとしますが、ペニーだけが金色のエイリアンに何かおかしな点を感じ、もう一方の恐竜型のエイリアンと話しを続けます。結局金色のエイリアンはなじみの少ないジュピター2号の武器を使って相手を倒したら、今度はその武器でロビンソン一家も殺そうとしていました。2種類のエイリアンの戦いが始まります。両方の武器は互角なため膠着状態になりますが、そこに金色だった方のエイリアン(ジュピター2号の武器を首尾良く手に入れた後は醜悪な本体を見せています)がジュピター2号の核手榴弾を使おうとし、ペニーがそれを阻止しようとします。そこにドクター・スミスがからんで、偶然その手榴弾を金色だった方に投げつけて倒します。恐竜型のエイリアンは最後に人間のような姿をペニーに見せ、お礼を言って去って行きます。なかなか面白い話で、この辺りレベルの高い脚本が続いています。

「いだてん」の大松監督のひどさ

NHK大河ドラマの「いだてん」の大松監督の回がどんなのだったのかと思って、わざわざNHKオンデマンドに登録して観てみたのですが、何ですかこれは!大松監督と東洋の魔女に対してリスペクトのかけらも感じられません。演じている俳優は何というか品が無いし。バレーの練習シーンも、素人丸出しで、サインはVの方がはるかにマシです。

大松博文監督と磯辺サタ選手

東洋の魔女の最年少選手(当時19歳)だった磯辺サタさんと大松博文監督の、まるで落語の人情噺のような心温まるエピソード。磯辺さんは2歳の時に、父親が南方戦線で戦死、そのすぐ後に母親が病死し、6人の兄弟がバラバラで親戚に引き取られ両親の愛を知らずに育ちます。中学生の時バレーの大会で活躍し、大松監督の目に止まって、中卒で日紡に入社。そしてその年の11月に思い詰めた顔をした磯辺選手が大松監督の所にやってきて、「先生、ここに日紡に入ってから貯めたお金が13万円ある。冬のボーナスとこれからの給料で18万円になる。このお金で夜学でもいいので高校に行けないだろうか。」と相談に来ました。その当時の日紡のバレー部の選手は全員高卒で、磯辺選手が肩身の狭い思いをしていたのを知っていた大松監督は、何とかこの子を高校に行かせてやろうと思い、当時バレーが強かった大阪の四天王寺高校のバレーの特待生の口を見つけて、磯辺選手を入学させました。住む所は最初は日紡の寮から、後に高校の寮が出来たので、18万円で十分3年間学ぶことが出来ました。高校ではバレー部で「磯辺時代」と言われる程の大活躍をし、卒業後、晴れて日紡に再入社。とはいえ当時の日紡バレー部は世界No.1のレベルで河西選手などのレギュラーとは大きな差がありました。それを磯辺選手は大松監督の厳しい指導に耐え、増尾選手というレギュラーのアタッカーが病気でバレー部を辞める時、「私の後はイソを鍛えて欲しい。」と大松監督に直訴し、ついに磯辺選手は最年少のレギュラーメンバーになりました。
そしてご存知の通り、東京オリンピックで見事金メダルを取ったチームのアタッカーとして大活躍します。
その磯辺選手の結婚式で、大松監督は何も言わずに新婦の父の席に座ったそうです。磯辺選手にとっては大松監督は本当に父親であり恩人でした。(磯辺サタさんは2016年12月18日に亡くなられています。合掌。)

NHK杯戦囲碁 河野臨9段 対 依田紀基9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が河野臨9段、白番が依田紀基9段の対戦です。この碁はあまり布石がなく、下辺でいきなりのっぴきならない戦いになりました。というのも下辺の白と黒の競い合いで、黒は左下隅をまずがっちり守り、中央はむしろ白に攻めさせました。その過程で白がケイマに煽って来たとき、解説の石田芳夫二十四世本因坊が、「まさか出切りは無いでしょう、黒も怖い筈」と言った直後、その出切りを敢行しました。下辺の黒と白は(1)活き活き(お互いに活き)(2)セキ(3)攻め合い、の3つの可能性がありました。河野9段は白の眼を取り、攻め合いに行きました。この辺り読み切って仕掛けたのではなく、おそらく行けるだろうという半分勘で打ったようですが、結果的に一手か二手黒が攻め合い勝ちで、出切りは成功しました。下辺で攻め取りとはいえ十数子を取られた白は、後は中央の黒を攻めそちらとの攻め合いに勝つか、あるいはそれを利用して上辺を大きくまとめるかでした。しかし河野9段は常に最強手を打ち続け、右上隅に策動してきた白には妥協せず隅を確保し、中央の黒も右辺に無事連絡し、上辺に残った黒も上手くしのいだため、ここで白の投了となりました。