NHK杯戦囲碁 藤井秀哉8段 対 小池芳弘6段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が藤井秀哉8段、白番が小池芳弘6段の対戦です。序盤は黒がやや実利指向でしたが淡々と進み、局面が動いたのは白が右辺に打ち込み黒が上から詰め、白が右下隅の黒の二間ジマリの間に付けていってからです。ここの折衝で白は下辺の方の2子を捨て、右辺に展開しました。ただ白の右辺の一団はまだ完全に治まっていませんでした。黒は右下隅の厚みを生かして下辺を目一杯広げました。しかし白も右下隅で取られている白2子の利きを頼りに下辺に打ち込みました。ここで黒が左下隅で白が星から両方に小ゲイマで開いている所へ星下に付けていったのがタイミングの良い様子見でした。この黒は部分的には活きていませんでしたが、下辺に黒が来ると渡りを見てサガリが先手になれば活きることが出来ました。下辺で起きた競い合いは、黒が右辺の白と下辺の白を割いて行くことにより、カラミ気味の攻めになり、分断された黒も下辺で活きたので、ここでの収支は黒のリードとなりました。ただ中央で分断された黒と上辺の黒1子を連絡させずに上手くカラミ攻めに持ち込み、上辺を大きくまとめれば白にもチャンスがありました。しかし黒は左上隅で取られかけていた黒2子を活用し、上辺を破ることに成功しました。そうなると白の最後の望みは左辺を大きくまとめることでしたが、これも黒が中央と左上隅から無理せずに寄せて、白にチャンスを与えませんでした。最後右辺の白に1線に置いていって眼を取る手がありましたが黒は決行せずにヨセて左下隅も活き、結局白が投了しました。

スター・トレックの第3シーズンの”Plato’s Stepchildren”

スター・トレックの第3シーズンの”Plato’s Stepchildren”を観ました。エンタープライズ号がSOS信号を受けてある惑星に着きます。そこはまるで古代ギリシアのような星で、そこの住民はかつて自分達の星の太陽が超新星となったため地球に脱出し、古代ギリシアでプラトン達と暮したといい、その後プラトン的なユートピアを築くためこの星に来て、そして不老の技術を発見して享楽的に生きていました。さらに彼らはアレクサンダーという小人を除いて全員念動力が使えます。その力で彼らは傲慢になっていました。彼らは医師であるマッコイが必要なので置いていくように命令します。断ると念力の力でカークとスポックを操って踊らせたり、またスポックにカークを殺させようとします。アレクサンダーがしゃべってくれたことにより、その念動力はこの星の食べ物に含まれているキロナイドのせいだということが分かり、マッコイはカークとスポックに2倍の力を持つ量を注射します。しかしその効き目が出るのに時間がかかり、この星の住民達はカークとスポック以外に、ウフーラとナースのチャペルを呼び寄せ、それぞれにラブシーンを演じさせようとします。(ウフーラとカークがキスしかけますが、これがアメリカで白人とアフリカ系アメリカ人とのキスシーンの最初の例の一つみたいです。)ようやく効いてきたキロナイドの力でカークはナイフを持って襲って来たアレクサンダーを逆にパルマンという首領を襲うようにさせます。しかしカークはパルマンを殺すことはせず、もう彼らの力は通用しないことを宣言し、アレクサンダーを特別ゲストとしてエンタープライズ号に迎えます。なおこのエピソードはサド的だということでイギリスでは放送されなかったということです。しかし、プラトンはあまり関係ないように思いました。以前もギリシア神話の神が出てきましたが、ライター陣にギリシア好きがいるんでしょうね。

橋本努先生の御著作2冊

北海道大学の橋本努先生から、御著作2冊をいただきました。私の「中世合名・合資会社成立史」の日本語訳を差し上げたのでそのお礼としていただいたものです。実は左側のプロ倫の本は半年前くらいに買って読了していますので、会社で誰か若い人にでもあげようかと思います。橋本先生は2005年くらいから、羽入辰郎の「マックス・ヴェーバーの犯罪」に関する論争サイトを立ち上げ、そこに私も寄稿したので、それ以来の知り合いです。共に折原浩先生に教えを受けたというある意味同門でもあります。

ドイツ語の tralaticisch の意味

マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳を開始していますが、序論の中に„„Tralaticische” Quellencitate habe ich thunlichst beschränkt verwendet.” という文章が出てきます。この„tralaticisch”という形容詞が、紙の辞書、オンラインの辞書とも出てきません。(グリム辞書、Dudenも全部ダメでした。)しかしググるといくつかの昔のドイツ語文献で使用されているのが確認出来ました。おそらくこの形容詞は英語での相当語は”tralatitious”ではないかと思います。もしそうならOEDによれば、語源はラテン語のtrālātīciusです。その場合の意味は、「伝統的な、代々伝えられてきた、慣習となっている、通常の」と言ったものです。ここでは「伝承的な文献引用については、私は出来る限りそれに準拠しないように努めた。」という訳になるかと思います。ローマ法というのは、十二表法という原本が失われており、その後に出た法学書に引用されている条文から元の法文を再現することが行われています。また、ユスティニアヌス帝によるローマ法の再現である学説彙纂について、ヴェーバーの時代に編纂者が表面的に辻褄が合わない所を恣意的に変えた可能性がある、ということで見直しが行われていました。そういう背景から理解すべき文であると思います。また、ヴェ-バーの特に初期の文献にはこういうラテン語をそのままドイツ語にしたようなのが時々出てきます。

国会図書館からの受領書

先日、国会図書館に「中世合名・合資会社成立史」のペーパーバック版を2冊納本しました。そして今日受領書が届きました。これで私が死んでも最低限この翻訳は残ることになります。(Amazonでの印刷がどの程度保つのかは分かりませんが。)
折原先生他に紹介してもらって、ちゃんとした出版社から出すという選択肢もありましたが、そうするとおそらくこの分量だと価格が5,000円を超すでしょう。私はお金の無い学生さんとかにも読んでもらいたいと思います。昨今は図書館も予算が削られてなかなか新刊本を買えない状況のようです。
また電子版ベースの出版のメリットとして、訂正・修正・追加がいつでも自由に出来ることが挙げられます。実際今回ペーパーバック版を最初に作成してから、細かい改訂を10回ぐらいやっています。Amazonは注文を受けてから印刷・製本しているようなので、変更がすぐ反映されます。

キャプテン・スカーレットの”Renegade Rocket”

キャプテン・スカーレットの”Renegade Rocket”を観ました。何というかこれまでの最悪の脚本を更新しました。ミステロンズがリーヴスというミサイルの専門家を殺してロボットにし、ある基地にあるミサイルをどこかに向けて発射させます。そのロケットをターゲットで爆発する前に破壊するには、アルファベット4桁のパスワードをコントロール装置に入力する必要があります。で、ミサイルは結局垂直上昇してレーダーの追跡を振り切り、今度は垂直降下します。結局ターゲットは元の基地そのものでした。ジェット機に乗って逃げたリーヴスを3機のエンジェルスが追いますが、1機は撃墜され、残りの2機はリーヴスをはさんで戻るようにいいますが、リーヴスは高度を下げ海面に突っ込み爆発して死にます。同時にミサイルのコントロール装置も海底に沈みます。基地ではキャプテン・ブルーとキャプテン・スカーレットが10,000種類あるパスワードを一つ一つ入力するという原始的な方法でミサイル爆破命令を出そうとしますが、パスワードはZEROで、ミサイルの命中直前になっても二人はまだAから始まるパスワードを試していました。キャプテン・ホワイトが二人に待避するよういいますが、二人は命令を無視します。”AMEN”(アーメン)を試した時、偶然海底にあったコントロール装置の破壊ボタンが何かに押されて、基地に命中する直前にミサイルは爆発して目出度し、というオチです。キャプテン・スカーレットが不死身であるという特長もこのエピドードではまったく活かされておらず、また二人が命令を無視する理由も不明で、さらにオチもひどく、駄作としか言いようがありません。

NHK杯戦囲碁 大竹優5段 対 林漢傑8段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が大竹優5段、白番が林漢傑8段の対戦です。この碁は激しい戦いは無く、中盤から終盤直前まで互角の形勢が続くというある意味玄人好みの渋い碁でした。まずは右上隅で黒が白の一団を追い立てましたが、白は右上隅の黒にプレッシャーをかけつつ上手く右辺の白に連絡しました。その後白は左上隅の黒に急所のハサミツケを打ちました。黒は左辺の活きを重視し、3子をあっさり捨てました。黒はそれに対して下辺の黒から中央に飛び、左下隅の白にプレッシャーをかけました。しかし黒も上辺から延びる一団に眼が無く、結局白は中央の黒2子を取って左下隅と中央がつながって活きました。黒も上下がつながって安泰になり、やや黒のリードとなりました。黒はしかしその白の連絡の不備を付いて、左辺でケイマ2つの所をハネ出して行きました。しかしここの折衝で分断された白が下方でまず左下隅で先手でハネツギを打ち、その結果下辺の黒地にある程度侵入出来ました。また中央と左辺も何とか連絡し、黒は取られていた2子を生還させましたが、この収支は白の得が大きく白のリードとなりました。それでも黒はそのつながった白の切断との見合いで白3子をもぎ取って中央に地を作りましたが、下辺の損を取り戻すまでには行きませんでした。結局白の2目半勝ちでした。

スター・トレックの第3シーズンの”The Tholian Web”

スター・トレックの第3シーズンの”The Tholian Web”を観ました。3週間前に消息を絶ったままのUSSデファイアントの捜索にエンタープライズ号が未知の宇宙空間にやって来ます。そこでは計器類がまともに働きませんが、クルーは目視でデファイアント号が漂っているのを発見します。カーク達4人は念のため宇宙服を着用してデファイアント号に転送で降り立ちます。そこでは船長もクルー全員もお互いに争いながら死んでいました。カークはデファイアント号が異次元空間に飲み込まれそうになっているのを察知して戻ろうとしますが、転送装置は3人ずつしか使えません。カークは自分が残り、スポック、マッコイ、チェコフの3人をエンタープライズ号に戻します。その後、カークの転送は失敗し、カークはデファイアント号と一緒に異次元空間に消えてしまいます。スポックは次にこの宇宙と異次元空間が接触するのは2時間後と計算して待とうとしますが、そこにトーリアンというエイリアンの宇宙船が近づき、領域を犯しているので至急立ち退くように通告します。スポックは2時間後に探しているものが現われるのでそこまで待って欲しいと頼みます。しかしおそらくトーリアンの宇宙船がやって来たため時空が乱れ、2時間経ってもカークは現われず、エンタープライズ号はトーリアンの宇宙船から攻撃されます。2回目の攻撃の後、スポックはフェイザー発射を命じ、相手の宇宙船を無力化します。しかし別のトーリアン船が現われ、最初の船を修理し、2台で何やらエネルギーシールドによる網みたいなものをエンタープライズ号の周りに構築し始めます。しかしエンタープライズ号もエンジンが故障して動けなくなります。そうこうする内にデファイアント号のクルーを狂わせた何かと同じことがエンタープライズ号の中でも起き始め、一人二人と凶暴になって仲間に襲いかかるクルーが出始めます。スポックはカークの宇宙服の酸素が切れてカークは死んだと判断し、クルーを集めて説明します。マッコイはスポックの指揮ぶりを批判し始めます。二人はしかし、カークが残した非常用の動画メッセージを見て、自分達がすべきことを思い出し和解します。その内、ウフーラが宇宙空間を漂うカークを目撃し、最初は幻覚を見たということにされますが、そのうちスコッティも目撃、更にはスポックやマッコイもカークが生きていることを確認します。エンタープライズ号はトーリアンの網が完成寸前に脱出し(しかしどう考えても網の構築に時間がかかり過ぎで、武器としてほとんど無意味です)、カークを転送でようやく収容します。カークは最後の動画を見たか、と聞きますが、スポックとマッコイは忙しくて見ている暇が無かった、ととぼけます。しかし、トーリアンの網はほとんどどうでもいい話でした。

キャプテン・スカーレットの”Operation Time”

キャプテン・スカーレットの”Operation Time”を観ました。今回のミステロンズの予告は「時間を殺す(”kill time”)」というものでスペクトラム側はその意味するところが分からず、困惑します。その一方で脳外科医のマグナス博士は、患者の額に電極を付けてパルス波を流すことで患者の脳を治療する療法を開発して成功していましたが、車に乗っている所をミステロンズに操られているブラック大佐に追われ、タイヤを撃たれて車が道から外れて大破し死亡しますが、ミステロンズのロボットとして蘇ります。そうこうしている内にスペクトラムのマゼンタ大佐が、世界防衛軍のTiempo将軍が脳の手術を受けることを発見します。Tiempoはスペイン語で「時間」の意味であり、ミステロンズのターゲットはこのTiempo将軍の命であろうということになります。スペクトラムはこのためTiempo将軍の手術をスペクトラムの空中基地内の医療設備で行うことにしました。そして将軍の手術を行うのがミステロンズに操られたマグナス博士でした。手術中にマグナス博士はパルス波の電圧を規定よりはるかに上げて将軍を殺そうとします。その間に手術前に撮影したX線写真に偶然マグナス博士の手が入っており、それが最初は骨だけだったのが、普通の肉のある手に再生します。これによってマグナス博士がミステロンズだということが判明し、スペクトラムはすぐに手術を中止しようとします。しかし時遅く将軍は既に電流で死亡しました…と思いきや、将軍ではなくキャプテン・スカーレットが患者に成り代わっており、一度死んでもまた再生していました、というオチです。これでミステロンズの作戦は失敗しましたが、ミステロンズの肉体がX線を透過させないと