トワイライト・ゾーンの”A Kind of a Stopwatch”

トワイライト・ゾーンの”A Kind of a Stopwatch”を観ました。30分に戻ってからまたドラマの構成がシンプルになり、それはまあそちらの方がトワイライト・ゾーンらしいです。
パトリック・マクナルティーはいつもどうでもいいおしゃべりをして人をうんざりさせるような男でした。会社では新しいビジネスの提案を300件以上も提出しますが、それは女性服会社である彼の会社にはまったく関係なく、ついに社長からクビを言い渡されます。バーでそれにもめげず飲んでおしゃべりしていると、他の客はみなうんざりして家に帰ってしまいます。しかし不思議な男が一人残り、マクナルティーはその男にビールをおごりますが、その男は御礼だと言ってストップウォッチをマクナルティーにくれました。それを試していて、マクナルティーはそれが自分以外の世界を停止させることが出来るストップウォッチだということを発見しました。最初は面白がって色々なものを止めて遊んでいたマクナルティーですが、結局銀行に行って時間を止めている隙に大金を盗み出すことを思い付き、実行します。それはほとんど成功していましたが、しかし現金を運び出す時にストップウォッチを地面に落して壊してしまいます。彼がボタンを何回押してももはや世界は元に戻らず、マクナルティー一人の世界になってしまう、というオチです。
まあバーの男が悪魔だったということが少し匂わされている感じですが、もう少し捻りがほしかったと思います。

クリストファー・ノーランの「オッペンハイマー」

オッペンハイマーを観て来ました。最初はユダヤ系物理学者が協力して、何とかナチスが原爆を開発する前にアメリカが、ということで、オッペンハイマーがリーダーになってマンハッタン計画が進行します。しかし、その前にナチスは降伏し、そのターゲットが日本に切り替わり、後はご承知のように1945年7月に実験が成功し、8月に広島と長崎に投下されます。それで戦争が終わると今度はソ連との水爆開発競争になり、戦時中は協力していたユダヤ系学者の間で争いが始まり、オッペンハイマーが陰謀のターゲットになり、という話です。原爆の悲惨さが描かれていない、という日本からの批判もありますが、私はオッペンハイマーが尋問の中で広島と長崎の犠牲者の数を正確に述べていたのがむしろ印象に残りました。オッペンハイマーについては以前ジョン・アダムズという作曲家の「ドクター・アトミック」というオペラのブルーレイを観ています。なのでインド哲学や芸術に関心があって、というのは知っていましたが、そのオペラはトリニティー実験の前日を描いたものでした。なのでオッペンハイマーの戦前のキャリアや共産主義への関心は今回初めてはっきりしました。それから、この映画の後半部はほとんどディベートの実戦映画として観ていました。そういうのもあってこの映画は大量に観客を集めるタイプの映画ではないと思いますが、一般的アメリカの観客は国家を挙げた一大プロジェクトを成功に導いたヒーローの物語として観るんでしょうね。

ウルトラマンAの「全滅!ウルトラ5兄弟」と「奇跡!ウルトラの父」

ウルトラマンAの「全滅!ウルトラ5兄弟」と「奇跡!ウルトラの父」を続けて観ました。タイトル通りで、ヒッポリト星人の罠にはまって最初にAが金属像にされ、ウルトラシグナルを受けて救助に来たウルトラ4兄弟も、セブンが最後まで戦っていましたが、結局Aと同じで金属像にされます。その前にヒッポリト星人に「ウルトラマンAを渡せ」と言われ、人々はあっさりと裏切ってAを渡すようにTACに電話します。それどころか山中隊員までが同じことを言います。
そして次の話が、これもタイトル通りで、初登場の「ウルトラの父」が5兄弟を救助に駆けつけます。「父よあなたは強かった」で最初はヒッポリト星人を圧倒しますが、宇宙の長旅で疲れていました、であっさりと倒され、最後にエネルギーをAに渡して死んでしまいます。蘇ったAがヒッポリト星人を倒し、そして4兄弟も復活させますが、父は死んだままでした、というものです。しかしレインボーマンのダイバダッタのように、死んだ筈のウルトラの父はこの後も魂だけで登場するようです。
次回はついに夕子が月に帰るという話です。

スター・トレック・TNGの”Up the Long Ladder”

スター・トレック・TNGの”Up the Long Ladder”を観ました。ある星系からの原始的なSOSシグナルを受信したエンタープライズ号は救助に向かいます。そこは22世紀の第三次世界大戦の後、宇宙に新天地を求めて飛び立った人達が植民していました。しかし300年経った後、そのブリングロイディの植民星の人々は、ほとんど18世紀くらいの暮らしをしていて、そのトップはアイルランド出身でした。(いつも陽気で飲んだくれている、というステレオタイプなアイリッシュ描写です。)エンタープライズ号は全員を機内に転送しますが、彼らは家畜を持ち込み、またそこで煮炊きをしようと火を使って、コンピューターによる装置で雷撃の罰を受けたりします。
そうこうする内に、同じ宇宙船の別の植民星が見つかり、そこは着陸時の事故で男3人、女2人しか生き残らず、しかしそのメンバーは全員科学者だったため、クローン人間を作り出して何とか生活していました。しかしクローン人間は繰り返し複製すると劣化していくという欠点があり、新しいDNAを必要としていました。そこのリーダーはライカーとポラスキーのDNAをくれるよう頼みますが、断られたので、麻酔銃で二人を眠らせ二人の胃のDNAを抜き取ります。しかし結局ライカーとポラスキーがそれに気がついてクローンを破壊しました。ピカードはそこで、ブリングロイディの人々をこちらに合流させるという名案を思いつきます。科学の進んだ側はあまりに文明程度が違うので嫌がっていましたが、結局受け入れました、というお話です。しかし2つのコミュニティは元々一緒だったのでは、という素朴な疑問は残りました。まあなんというか緩い感じのエピソードでした。

ウルトラマンAの「ピラミットは超獣の巣だ!」

ウルトラマンAの「ピラミットは超獣の巣だ!」を観ました。ヒッポリト星人の登場かと思ったらまだ一話ありました。ちなみに「ピラミット」は誤記でしょうが、当時は緩かったんでしょうね。それでオリオン星人というのが登場し、何と昔は地球を植民星にしていたけど、大洪水が起きたのでピラミッドを作ってその中で人工冬眠していた、という「ムー」みたいな設定です。そしてミチルというオリオン星人のスパイが登場しますが、何故か北斗だけが彼女を悪者とは決めつけず、その気持ちにほだされて(?)最後はミチルが北斗を助けようとし、またAとスフィンクスの戦いの時にAがピンチに陥ると、笛を吹いてスフィンクスを操りAを助けます。しかしAの武器は多彩で、今回は日本刀みたいな剣でスフィンクスの首をはね、さらにはそれでも動く胴体をカラータイマー部からの光線で倒します。まあこういうのないといわゆる「怪獣プロレス」にしかならないので仕方がないんでしょうが。

トワイライト・ゾーンの”Nightmare at 20000 Feet”

トワイライト・ゾーンの”Nightmare at 20000 Feet”を観ました。またもカーク船長のウィリアム・シャトナーが主演しています。シャトナーが演ずるのは、37歳の男で半年ほど神経衰弱(今だとうつ病)で休んでいて、その療養所から故郷に飛行機で戻る所です。その男ウィルソンはしかし、飛行中の飛行機の翼の上に、何と人間がいるのを目撃します。彼は横に座っていた妻やフライトアテンダントにそのことを伝えますが、その度にその翼の上の男は姿を消します。しかし再度眺めていると、その雪男みたいな格好の男は、今度はエンジンのカバーを外し、エンジンを壊そうとしていました。結局ウィルソンは飛行機の中の警備員が拳銃を盗み取り、たまたま非常窓だったのでそれを開け、空気圧で飛ばされそうになりながらも、その雪男みたいなの(これは第1次世界大戦のイギリスの飛行機パイロットの間での伝説的存在で、グレムリンと言うみたいです)を撃って飛行機から落します。結局ウィルソンは自殺を図ったとして空港でまた病院に運ばれますが、飛行機の翼の上には剥がされかかったエンジンのカバーがはっきりと残っていました…
しかし、ウィリアム・シャトナーはこういう演技をやらせても上手いですね。グレムリンの着ぐるみが安っぽかったのが残念ですが、この当時はこの手の役専門のスーツアクターがいて、自分の所有の着ぐるみで出演していました。ちなみに今気付いたのですが、シーズン5からまた30分に戻っています。

ウルトラマンAの「見よ!真夜中の大変身」

ウルトラマンAの「見よ!真夜中の大変身」を観ました。ヤプール人は死んだと思ったら、一人(?)だけしぶとく生きていて、配下のマザロン人を使い、身重の女性を使って超獣を作り出そうとします。というストーリーはイマイチですが、全体に幻想的なシーンが多く、映像的には良く出来ていると思います。超獣との戦いも最初は噴火した富士山のマグマの中ということで、真っ赤なバックです。それから身重の母親役の岩本多代さんが何だか妙に色っぽくて、「昭和の色気」という感じです。ググったら2020年に80歳で亡くなられていました。これでヤプール人は完全に滅びましたが、次のエピソードからまたウルトラ兄弟とか更にはウルトラの父とかが登場します。

スター・トレック・TNGの”Samaritan Snare”

スター・トレック・TNGの”Samaritan Snare”を観ました。タイトルは「(良き)サマリア人の罠」です。このエピソードのピカードは不可解というか、賢明なキャプテンらしくない言動と行動が多いです。まずは若気の至りで昔あるエイリアンと喧嘩になって心臓を撃たれたため、ピカードの心臓は人工心臓で、定期的な交換が必要です。女医のポラスキーはエンタープライズ号で手術することを勧告しますが、ピカードは「自分の(無敵の)イメージが悪くなる」ということで、近くの基地で手術を受けることを選びます。そうしている内に、エンタープライズ号にSOSが入り、駆けつけると、明らかに文明レベルの低いエイリアンがその宇宙船が故障したとして助けを求めていました。ライカーはラフォージュを転送させます。しかし修理が終わった時、そのエイリアンはラフォージュのフェイザーを奪い、スタンモードでラフォージュを撃ちました。このエイリアンはこうやって色んなより文明の進んだ種族から技術を奪うことで短期間に進化しようとしていました。結局ライカーは暗号を含んだメッセージをラフォージュに伝え、ラフォージュはそのエイリアンの味方をして光子魚雷を彼らの宇宙船に実装しようとします。ラフォージュは芝居をして、結局彼らの武器はエンタープライズ号からの攻撃(ただの花火のようなもの)で無力化されてしまった、と言い、無事エンタープライズ号に戻れました。そうこうしている内にピカードの手術は失敗して瀕死の状態になり、結局ポラスキーが駆けつけピカードの命を救います。しかしピカードはポラスキーにだけは手術されなかった、と言い放ちます。全体的にピカードがこのようにつまらないプライドを気にする小人物ぶりが目立つエピソードで、またピカードの危機とラフォージュの危機がほとんど関係なく、イマイチのエピソードでした。

TOHO立川立飛のIMAXの音のひどさ

昨日の「デューン 砂の惑星 Part2」は、TOHOシネマズの立川立飛のIMAXで観ました。ところがこのIMAXの音がひどくて、一応オーディオマニアの私には耐えられないレベルの汚い音でした。何が問題かというと、IMAXということで重低音が強調してあるのですが、その重低音がホールの中で特定の周波数が共振しまくって、全体で聴くに堪えない汚い音になっていたということです。音楽ホールでは同じ問題の発生を防止するため、例えば壁の表面を波形にして、共振が発生しないようになっています。ところがこの映画館はそういう配慮がまったくありません。また平日で観客が少なかったのも悪い方に作用したように思います。大きなディスプレイは持っていませんが、少なくともサウンドに関しては家の方がはるかに上質です。

デューン 砂の惑星 Part 2

「デューン 砂の惑星 Part 2」をIMAXで観てきました。映像としてはPart 1以上に見事でそこは素晴しいです。しかし脚本という意味では、原作との色々な違いが気になってしまって、物語に没頭出来なかった所がありました。例えばポール側の盟友であるダンカン・アイダホとかガーニー・ハレックの描写が適当で魅力が感じられないとか(これはもし更に続篇を作るとすれば大きな問題になります。何故かは「デューン メサイア(砂漠の救世主)」を読めば分ります。)またハルコネン男爵は、原作ではポールの妹、男爵から見ると孫娘、にあっさり殺されるのですが、映画では妹はまだ生まれてすらいません。これまた続篇を作る時は困ると思います。どうも観ていて、「風の谷のナウシカ」の映画を思い出して仕方がなかったのですが、「ナウシカ」の原作が「デューン」の影響下にあるので当り前かもしれません。(例えば王蟲{オーム}の元は明らかに砂虫{ワーム}でしょう。)ナウシカの映画も複雑な原作をはしょって、予言が成就して、ナウシカという救世主に救われました、目出度し、でしたが、デューンの映画も救世主ポールによってフレメンを含む惑星アラキスが救われました、になっていてその意味で構図としては一緒です。今丁度旧約聖書を少しずつ読んでいますが、フレメンの宗教はイスラム教というより古代ユダヤ教に近く、預言者とか士師とか英雄はこういう風にでっち上げられるのだな、というのが納得出来ました。まあ映画化はほとんど不可能と言われた原作をここまで仕上げたのは評価すべきと思いますが、それでも色々と不満が残る映画でした。