原子力潜水艦シービュー号の第4シーズンを観終わりました。以下がタイトルと簡単な内容です。
もうここまで来ると、予算も無いし、スタッフもやる気なく、惰性で続けている感がありありでした。
そしてロジカルさ0の脚本家のWilliam Welchがやたらと脚本を書いています。
“Fires of Death”、賢者の石を火山に求める中世から生きている錬金術師の話。
“The Deadly Dolls”、パペットがシービュー号のクルーと入れ替わる。
“Cave of the Dead”、さまよえるオランダ人。
“Journey with Fear”、ケロヨンみたいなケンタウロス人の話。
“Sealed Orders”、脚本家(William Welch)がLSDでラリって書いたとしか思えないひどい話。
“Man of Many Faces”、怪人二十面相。
“Fatal Cargo”、シービュー号艦内で暴れ回る白いミニキングコング。
“Time Lock”、タイムマシンを操る未来人に危うくコレクションにされそうになるネルソン提督。
“Rescue”、魚雷で爆破された筈の潜水艦バルカン号がまた復活。
“Terror”、シービュー号対フライングサブ。植物型宇宙人に操られたネルソン提督。
“A Time to Die”、マッドサイエンティストのタイムマシンで100万年前に飛ばされたシービュー号。
“Blow Up”、非常用酸素を吸って頭がおかしくなり魚雷でアメリカ艦隊を攻撃しようとするネルソン提督。
“The Deadly Amphibians”、音響砲でシービュー号を攻撃する両棲人。
“The Return of Blackbeard”、蘇った海賊黒髭。海賊の手下になったコワルスキー。
“The Terrible Leprechaun”、アイルランドの妖精レプラコーンがシービュー号に現れる。
“The Lobster Man”、ロブスター風エイリアンの地球侵略。
“Nightmare”、「タイム・トンネル」の“Raiders from Outer Space”と同じ外見のエイリアン登場。
“The Abominable Snowman”、地球を高温にしようとする雪男風マッドサイエンティスト。
“Secret of the Deep”、過去のフィルムをつなぎ合わせて作った超低予算作品。
“Man-Beast”、またも別種の狼男物。今回はクレーン艦長が狼男に。
“Savage Jungle”、高温多湿を好むエイリアンの攻撃で、シービュー号艦内がジャングルに。
“Flaming Ice”、氷の体を持ったエイリアンが、シービュー号の原子力の力で故郷の星に帰ろうとする。
“Attack!”、エイリアンのUFO軍団の地球攻撃を、ネルソン提督が阻止。
“The Edge of Doom”、クレーン艦長がネルソン提督からスパイと疑われてパワハラを受ける話。
“The Death Clock”、クレーン艦長から幽体離脱(?)した別のクレーン艦長がネルソン提督を射殺!
“No Way Back”、タイムマシンのマッドサイエンティストが再登場し、今度はアメリカ独立戦争の時代へ。
最後なんで、例によって「原子力潜水艦シービュー号」のProsとConsです。
Pros
(1)特に第1シーズンの冷戦ものが、かなり緊迫感があり、良く時代の雰囲気を映し出していました。
(2)スーパーマン的なネルソン提督の活躍と、リチャード・ベースハートの演技の巧さ。
(3)チップ副長、コワルスキー、パターソン等の名脇役達。
(4)フライングサブという魅力的なマシン。
(5)シービュー号のメカの実在感。
Cons
(1)シービュー号の艦内で起こる必然性の無い、モンスター話の多用。
(2)リアリティー面の弱さ。例えば前方と後方に同時に撃てるご都合主義の魚雷、ちょっと振動を受けただけで盛大に火を吹くシービュー号、重要な配線が集まっているのに誰も監視員がおらず鍵さえ掛かっていないサーキットリー・ルーム、原子力エンジンの制御棒を素手で操作するクルー、等々挙げると切りが無い。
(3)何かと言うと登場する海の怪物や巨大クジラ。
(4)あまりといえばあまりの同じフィルムの使い回し。(例:トカゲ恐竜)
(5)シービュー号のクルーに女性はおらず、女性がまったく登場しない回も非常に多い。
(6)脚本家によって変わるシービュー号の基本設定。(例:SLBMの核ミサイルの発射装置、フェイルセーフがあったりなかったり、大統領の許可が必要だったり要らなかったり。)
(7)シービュー号の位置付けの不明確さ。何故民間の潜水艦に16発ものSLBMが搭載されているのか。
(8)エイリアンなどの特撮のちゃちさ。
(9)一部の脚本家のロジカルさのまるでない脚本。
まあご覧の通り、Consの方がはるかに多く、特に第3シーズン以降は弁護の余地無くひどいと思います。最後の方は、もはや観るのが苦痛でさえありました。
原子力潜水艦シービュー号の”No Way Back”を観ました。これが110話目で最終回になります。ただ、最終回らしいオチがあった訳ではなく、おそらくこの回が作られた時点では第5シーズンがあるかどうかがまだ決まっていなかったんだと思います。そして最後もまたWelch脚本で、第4シーズンの第2話の”Time Lock”に出てきた、ミスター・ペムというタイムマシンを作り上げたマッ
ドサイエンティストがまた登場します。ペムは前回高圧電流に触れて感電死した筈ですが、タイムマシンのパワーが少し残っていて、感電死の直前でどこかに転送されて助かったということにされています。この回で衝撃的なのは、冒頭でシービュー号がどこからの妨害電波を受け、その原因が分からないままに、シービュー号は大爆発を起こして大破して沈没、クルーは全員死亡、というシーンです。その後、サンタバーバラのネルソン提督の元へ復活したペムが現れ、彼ならタイムマシンを作って、シービュー号の爆破の前に戻って、シービュー号とそのクルーを救うことが出来る、という提案をし、ネルソン提督は藁をもすがる気持ちでその提案に乗ります。しかし、ペムはタイムマシンの暫定版を作り上げネルソン提督と一緒に爆発前のシービュー号に転送されると、実は既にタイムマシンは作り直されており、ペムの謀略でシービュー号は1780年のアメリカ独立戦争の時に飛ばされます。この辺りほとんどタイム・トンネルの世界です。ペムは歴史を変えて自分が英雄になろうとします。シービュー号にはベネディクト・アーノルドという軍人が乗り込んできます。アーノルドはアメリカ人なら誰でも知っている人で、独立戦争では功績を挙げたのに、それにふさわしい褒賞が無かったことに腹を立て、ニューヨークのウェストポイント砦をイギリス軍に引き渡そうと画策した裏切り者として有名です。その他スパイとして捕まって処刑されるイギリス軍のアンドレも一緒でした。クレーン艦長はシービュー号を秘かに潜行させ、艦を大きく揺さぶってその間にペムからタイムマシンのスイッチを取り上げます。ペムは逃げて、もう一つのタイムマシンを操ろうとしますが、動力がなく、リアクタールームの電力を使おうとしますが、そこにはクレーン艦長とコワルスキーが待ち構えていて、争いになりますが、最後は原子力エンジンの放射線を全身に浴びて今度こそ死にます。ネルソン提督はペムの残したタイムマシンのスイッチを押して、現在の爆発の直前に戻り、爆弾は結局ペムが仕掛けたものでしたが、それを見つけてミサイル発射口から外へ放出し、間一髪でシービュー号は救われます。今回は前回ペムが出てきた話よりは数段マシですし、アメリカ人が誰でも知っているベネディクト・アーノルドとアンドレが出てきたりして、それなりに楽しめた最終回ではありました。
原子力潜水艦シービュー号の”The Death Clock”を観ました。最後から2番目。Welch脚本ではありませんが、また脚本家がLSDでもやってラリって書いたんじゃないかというような話でした。そしてまたもトカゲ恐竜!撮影に使われたトカゲもこれだけ使ってもらえれば役者冥利に尽きる(?)というものかもしれません。冒頭でクレーン艦長が暴走した核エンジンを止めようとして、大量の放射能を浴びて気絶します。シックベイでは、「放射能除去装置」(コスモクリーナーかよ!)を使ってクレーン艦長を治療しようとしますが、実はその機械がエンジニアとして機械と一緒にやってきたマロニーが開発した4次元コントロール装置でした。昏睡状態のクレーン艦長から幽体離脱のようにもう一人のクレーン艦長が分離し、あろうことかネルソン提督を射殺します。そのもう一人のクレーン艦長はシービュー号のスタッフ2人も射殺し、行先をある島に向けます。等々の話ですが、4次元を出してしまうと基本的に何でもあり、で時空を超えまくりになってしまって、どんな話でも作れます。結局最後はクレーン艦長がどうやったか不明ですが、事件が起きる一日前のシービュー号に戻って、マシンを手榴弾で爆破しておしまい。
原子力潜水艦シービュー号の”The Edge of Doom”を観ました。またもWelch脚本で、その心はと言えば、論理性0ということです。ネルソン提督はシービュー号である秘密兵器をハワイのパールハーバーまで運ぶという任務を命じられます。しかもシービュー号のクルーの中に、一人偽物がいて破壊工作を行う可能性が高いという状況です。ネルソン提督はその可能性が高いクルーを、何故かクレーン艦長、チップ副長、チーフ・シャーキーの3人とします。それはいいとして、何故かチップ副長とシャーキーを呼んで、クレーン艦長に怪しい所はないか探れという命令を出します。それでクレーン艦長はほとんどいじめを受けているような状況になり、ネルソン提督の命令通りのコースを進んでいた筈が、誰かがその指令の紙をすり替えてクレーン艦長が誤った指示をしたことにされる、といったことが度々起きます。しかし、3人が怪しいんだったら、こんな回りくどいことをせずに3人とも呼び出して、尋問するなり本人しか知らないことを聞いてみたりとか色々チェックの方法はある筈です。結局偽物はシャーキーだったのですが、クレーン艦長をはめている間に、サーキットルームで空調を止めたりの破壊工作を行っています。大体シャーキーが乗船が一番遅くなっており、なおかつ顔に大きな絆創膏を貼っている、ということなら真っ先に疑うべきはシャーキーの筈です。ネルソン提督は途中でクレーン艦長は偽物じゃないことに気がつきますが、それまでに相当の精神的ダメージをクレーン艦長に与えています。今風に言えば完全なパワハラです。ともかく後2話になりました。
原子力潜水艦シービュー号の”Attack”を観ました。これを入れて後4話になりました。またもWelch脚本です。しかし、今回は多分Welch脚本の中では一番まともで見応えがありました。それにどう考えても理屈が合わないことが今回は少なかったです。内容はこれまで登場したエイリアンの中では、一番好戦的で地球征服をたくらんでおり、海底の中に基地を作っています。そこにずらっと並んだUFO(写真)はなかなか見物でした。この時代はまだユーフォーじゃなくユーエフオーとかFlying saucerとか言っています。欠点としては予算カットの影響でエイリアンの服装がチープで、エイリアンというより聖戦士ダンバインに出てくる中世風ファッションといった感じです。冒頭でアメリカ(?)の艦隊がUFOからの光線だけで吹っ飛んでしまいますが、そこで出てきた爆発の映像は前に水爆の爆発シーンとして使われていたものの使い回しです。まあ理屈に合わないと言えば、何故か敵側に平和主義者のロベックというのがいて、わざわざシービュー号に乗り込んで来てエイリアン基地の弱点を教えてくれます。しかし彼はエイリアンに操られたコワルスキーに銃で撃たれます。どうでもいいですが、コワルスキーについてはこういう敵に操られるストーリーが非常に多いです。また、パターソンもこの間撃たれて死んだ筈ですが、その次の話からちゃんと復活しています。最後は、いつものパターンで、ネルソン提督が敵の攻撃用コンピューターのプログラムを書き換え(どんな天才的なプログラマーでも、初めての機械を1回見ただけでプログラミングを目的に沿って書き換えるなんて不可能です)、エイリアンが攻撃を開始しようとすると、UFOが全部爆発してしまいます。残りの3話の内2話がまだWelch脚本ですが、彼の脚本の中では今回がベストと思います。
原子力潜水艦シービュー号の”Flaming Ice”を観ました。またも北極海のシーンで、かなりの部分が映画のシーンの使い回しです。映画の時から変だったのですが、何故か氷の塊が海の中を降下してきてシービュー号に衝突するシーンがあります。普通に考えたら氷は一瞬水に潜ったとしても、水より軽い訳ですから、沈んでくるということはあり得ません。
