「謎の円盤UFO」の”The cat with ten lives”を観ました。何というかまたイギリス人大好きのオカルトがらみで、インターセプターのパイロットのリーガンが休暇中に知人の家に出かけてそこでやるのが何と「コックリさん」。この「コックリさんセット」(アルファベットを書いたカードとグラス)は実はUFOのエイリアンのプレゼントで、このコックリさんをやっている間にリーガンはどういう仕組みか知りませんが、エイリアンに洗脳されます。そして帰りの途中で拾った猫に実はエイリアンが乗り移っていて(SHADOの精神科医により、エイリアンの正体は実は精神体みたいなもので、乗り移るボディを必要としているという仮説が出されます。)、洗脳したリーガンを操るという内容です。リーガンはインターセプターの他の2機をいじってパワーが出ないようにし、自分のインターセプターはムーンベース目がけてカミカゼ攻撃コースに。間一髪という所で、SHADO本部に入り込んだ猫を捕まえるために使ったのが…(以下ネタバレ防止のため省略)ということで、何か科学性に乏しい回でした。
冒頭で、3機のUFOが襲来しますが、実はこの3機はおとりで、インターセプター3機がそちらを攻撃する間に、もう1機がムーンベースを攻撃するという、今回初めてエイリアンが割りにまともと思える作戦をつかっていました。
写真はSHADOがトレーニングのために採用している変な格闘技で、柔道+空手+ボクシングみたいなもの。まあマーシャル・アーツかもしれませんが。(柔術であれば、空手的な要素もあるのでおかしくはないですが。)
NHK杯戦囲碁 志田達哉7段 対 鈴木伸二7段
本日のNHK杯戦の囲碁は黒番が志田達哉7段、白番が鈴木伸二7段の対戦です。志田7段は前回の準優勝者で2回戦からの登場です。
布石は比較的オーソドックスでしたが、白が右下隅にかかって黒がコスんで受け、白が右上隅の大ゲイマジマリの星の位置に付けていったのがAI風の最近の流行りです。結果的に黒は右上隅と上辺でほぼ確定地を取り、白が右辺で模様を築きました。左辺での折衝が一段落した後、黒は右下隅でコスんでいる石がはっきり活きておらず、白のかかった石にコスミツケて活きていれば普通でした。しかし志田7段は右辺上方の白の断点を覗いていき、この白への攻めを見ました。この後がこの碁のハイライトで白が右辺に展開した黒に対しハサミツケという強手を打ちました。これに対し黒は延びて反発し、白は割り込んで黒を切断し、急に激しい碁になりました。黒は切断された上方の石の形を整えた後、右辺上方の白の一段に対しケイマにかけるという強手のお返しをし、ギリギリの攻防になりました。黒がこの白の一団を取ってしまえば碁は終わり、また白が活きれば上辺の黒の地を大幅に削減しての活きとなり、形勢は白に傾きます。双方が正しく打てば白は取られていました。しかし志田7段は右上隅の黒のダメヅマリをうっかりし、途中の手を間違えました。結果的に劫残りで、黒から効を仕掛けることは出来ますが、劫に負けると右上隅の黒が逆に全滅してしまうということで、実質白のほぼ活きになりました。形勢ははっきり白のリードとなり、ヨセのうまい志田7段は各所で追い上げましたが、鈴木7段は無理せず確実な手を打ってゴールを目指し、終わってみれば白の2目半勝ちでした。
「謎の円盤UFO」の”The sound of silence”
「謎の円盤UFO」の”The sound of silence”を観ました。タイトルと後ヒッピーが出てくるのが時代を感じさせます。UFOがまた一機SHADOの防衛網をかいくぐって地球に到達しますが、UFOの機体は地球の大気に触れると3日くらいで分解してしまうということで、このUFOはある湖の底に隠れます。でエイリアンはせっせと内臓採取のための人間を捕まえます。どうでもいいですが、これだけの犠牲を払って地球にやってきて、採取するのが人間一人じゃまるで採算(?)が合ってないような気がします。後は湖岸に配置したモービルとUFOの撃ち合いと、UFOが使っている人体冷凍保存モジュールが出てくるのがちょっと珍しいですが、全体的にはどうってことない回でした。
「謎の円盤UFO」の”Sub-smash”
「謎の円盤UFO」の”Sub-smash”を観ました。これまで観た中ではもっとも緊迫感あふれる回です。秘かに地球に侵入していたUFOが海中にレーザー機雷を残し、それによって船舶が一隻破壊されます。その調査に乗り出したSHADOはストレイカーとフォスター大佐の二人が自らスカイダイバーに乗り込み調査に当たります。(こういうやたらと現場に出たがる司令官も困りものですが。)スカイダイバーは海中でそのレーザー機雷に遭遇し攻撃を受け、船体の一部が破壊されます。何とかスカイ1を発射して空中に出たレーザー機雷は破壊しましたが、スカイダイバーは航行できなくなります。そして海底に沈下して動けなくなり、また本来の脱出ハッチは岩によって塞がれます。ストレイカーは他の2つのルートを使って隊員を脱出させようとします。一つのルートからの脱出はうまく行きましたが、もう一つのルートからの脱出はハッチが開かず失敗します。残された隊員の内、機雷からの攻撃の時に、ソナーを担当していて大音量によって耳をやられて傷ついていたアジア系の隊員は、パニックを起こして暴れ、結局段差で落下して死んでしまいます。フォースター大佐はうまく脱出しましたが、結局ストレイカーと女性隊員が残されます。酸素が無くなり、二人は死の直前になります。ここでストレイカーが手記を書いているのですが、これは明らかに日本の第六潜水艇事件(1910年に広島沖でガソリンエンジンによる潜行実験中に事故が起きて、乗組員14人全員が殉職した事件。艦長の佐久間勉が事故の状況と最後の様子、そして乗組員の遺族についての依頼を書いた手記を残して、当時の日本人の涙を誘いました。)から取ったものだと思います。
ストレイカーの話はこの後も続くので、結局アジア系の隊員以外は全員助かるという話でした。
「謎の円盤UFO」の”Kill Straker!”
「謎の円盤UFO」の”Kill Straker!”を観ました。フォスター大佐ともう一人がルナモジュールで地球に帰還しようとした時にUFOに接近され、そこで催眠術で洗脳されて「ストレイカーを殺せ」という意識を刷り込まれ、とある意味よくあるパターンのお話です。UFO側もやる作戦が何というか回りくどいというか、催眠術で洗脳するんだったら、SHADOの隊員全員を対象にするとかだったら効果あると思いますが、たった2人です。更にはフォスター大佐だってSHADOの重要幹部なんですから、催眠術をかける暇があったら、さっさと処分すればいいと思います。ただこの回で興味深いのはストレイカーがムーンベースを複数作る計画をヘンダーソンに対して述べていることで、UFOが一度に多数襲撃してくる可能性を示唆しています。実際それが一番効果的な攻撃だと思いますが、何故かUFO側は今回の作戦みたいなみみっちいことしかやってきません。(後の回で実際に50機のUFOが集団攻撃して来る話がありますが、何故かその時はムーンベースの限られた防衛力で全機撃墜出来てしまっています。このように回によって脚本家が違うため色んな矛盾が出ています。このドラマに限ったことではありませんが。)
白井喬二の「春月を語る」(エッセイ)
白井喬二の「春月を語る」(エッセイ)を読了。南北社の「南北」という文芸誌の1968年2月号に掲載されたもの。1968年といえば、白井が「大法輪」に「黒衣宰相 天海僧正」を連載している頃で、白井は77か78歳でしょうか。「春月」とは言うまでもなく、詩人の生田春月のことです。生田春月は白井と同郷の米子の生まれで、白井の3年後に生まれ、白井と同じ角盤高等小学校で白井の二年下でした。しかし、春月は実家の酒造業が破綻を来して、小学校を中退せざるを得なくなります。17歳の時に生田長江の書生になり、文学とドイツ語他の語学を学びます。そしてハイネに傾倒しその詩を訳したり、自分でも詩を発表するようになります。しかし、38歳の時に瀬戸内海で船の上から投身自殺します。
白井は単に小学校の同窓としてだけでなく、春月が小学校を辞めた後も一種の文学仲間として付き合いを続けます。また、白井によれば春月が朝鮮に滞在した際に、毎日のように春月から白井に短歌が送られて来たそうです。
白井はそれまで求められても春月の思い出を文章にすることはなかったそうですが、その白井がこの一文を寄せたのは、詩人の広野晴彦が、「定本生田春月詩集」を編み、自身が詩人でありながら、春月の生涯を調べ尽くそうという氏の情熱にほだされてのことのようです。
私自身も既に38年も前に亡くなった白井喬二の作品をひたすら追い求めている訳で、その私が生田春月を追い求めた広野晴彦氏の話を読むというのも何かの縁のように思います。
「謎の円盤UFO」の”E.S.P.”
「謎の円盤UFO」の”E.S.P.”を観ました。エイリアンが地球人の超能力者を操って、その能力を強化するのと同時に、実際はUFOが彼の家に突っ込んでその奥さんを殺したのをSHADOが殺したと思い込ませ、その超能力者にストレイカーとフリーマンを殺させようとする話。イギリス人はオカルトとか超能力とか本当に好きですね。エイリアンが超能力者を借りて本音を語っていますが、その内容は「我々の惑星は死にかかっている、天然資源も枯渇してしまった。」というものです。当初の設定だとUFO側が地球にやってくる目的は、地球人の内臓を採取して自分達の体に移植することだった筈ですが、この回では地球に丸ごと移住するのが目的とエスカレートしています。私的にはちょっとイマイチな回です。
「謎の円盤UFO」の”Confetti check A-O.K.”
「謎の円盤UFO」の”Confetti check A-O.K.”を観ました。タイトルは「結婚式用チェック(お祝いの紙吹雪などがついたままになっていないか)、バッチリOK」といった意味。
ストレイカーがSHADOのオフィスに来ると皆が葉巻を吸っています。グレイ中尉に双子の赤ちゃんが産まれたので皆に葉巻を配っているものです。(アメリカの習慣です。しかし、このドラマでは「嫌煙」はまるで見られません。)ストレイカーは自分の子供が産まれた10年前を思い出し、ということでSHADOが最初どのように作られたのか、という話になります。同時にそれは新婚ホヤホヤだったストレイカーとメアリーの生活がどのように崩壊したのかという話にもなります。まあ、SHADOみたいな組織をいきなり責任者として構築するのを担当し、それも秘密裏で激務の理由を奥さんにも一言も打ち明けられず、毎日帰ってくるのが午前様、というのであれば普通家庭は崩壊します。1970年の最初の放送の時に、身につまされる日本のお父さんもたくさんいたんだろうなと思います。こういう人間ドラマ100%みたいな話がはさまるのもこのドラマの大きな特徴ですね。
Arranged marriage (in Japan)
AEON(英会話教室)の英作文課題で書いた”Arranged Marriage”(お見合い結婚)についてのエッセイは以下です。(教師の指摘による文法ミス10箇所修正済み)
かなり教師の評価は良かったです。
Topic: Arranged marriage
Style: Formal
Arranged marriage may sound feudalistic, strange, and old-fashioned to most Westerners. In Japan, however, arranged marriage has been playing a significant role in pairing a man and a woman until quite recently. As you can see in Graph 1 (below), the proportion of arranged marriage was around 70% before the end of World War II, and it had been more than 50% until 1960.
In traditional Japanese society, a marriage was to establish a close relation more between two families than just between a man and a woman. There was no concept of free men and women, and everybody was considered to belong to a family. One of the biggest purposes for traditional Japanese was to let their family continue forever. (You can see the most typical case in the Japanese Emperor family, which is alleged to have continued for more than 2600 years).
The most typical arranged marriage is called Omiai, meaning literally to meet a counterpart for the first time arranged by some relatives or acquaintances. (You can watch examples in some movies of Yasujirō Ozu such as Bakushu (1951), Banshun (1949), or Sanma no aji (1962)). Please note that they were not always “forced marriage”, but the partners to be kept rights whether to accept or decline the proposed marriage. (For the sake of fairness, there were many so called “political marriages” as well and the partners to be did not have any option but to accept the marriage in these cases). Interestingly, most love-marriages were condemned as Yagō, meaning wild pairing, or more literally “intercourses in the field”.
For most systems in our society, there are almost always pros and cons. Let me play the devil’s advocate in describing the pros of arranged marriage in Japan:
(1) People trying to arrange a marriage are considered to take full responsibility for the result of the marriage. It means they were very careful in selecting a possible pair. As a result, they chose well-balanced couples in most cases.
(2) Since this system assumes a close relation of two families from the start, there are fewer troubles after the marriage compared to love-marriage.
(3) Based on the above (1) and (2), divorce rate is much lower than that of love marriage. (As you can see Graph 2, the divorce rate in 2016 is more than 30% while the portion of love-marriage reaches almost 90%).
(4) Young men and women at certain ages are forced to marry someone in this system. This kept the average marriage age at almost the same level. (Delayed marriage is quite a big problem in Japan now, because it lowers the birth rate and accordingly the total population in Japan has started to decline).
In conclusion, arranged marriage can be said to be an example of “hidden wisdom” in a traditional system.
小津安二郎の「晩春」
小津安二郎の「晩春」を観ました。AEON(週1回通っている英会話教室)の英作文課題の”Arranged marriage”(要するにお見合い結婚のこと)の中で、日本のお見合い結婚というものを理解したかったら、小津の映画のいくつかを観ろ、と書いて、実際には私は個人的には小津映画で扱っているテーマって苦手なんで「東京物語」と「秋刀魚の味」ぐらいしか観ていないのですが、勧めといて実際に観ないのも無責任と思って観ました。で、中味はお見合いそのもののずばりのシーンは省略されていますが、典型的な日本のお見合いの進行という感じで選択は間違っていなかったと思います。特にお節介なおばさんがあれこれ動く、というのがそれらしくていいです。ちょっとショックだったのは、笠智衆の演じる父親の年が何と56歳!(今の私より若い。)29歳の時に生まれた娘だとしたらまったく不思議はないんですが、「お父さんはもう長くないんだ」みたいなことを言われるとちょっと愕然とします。
原節子は改めて言うまでもなく美しかったですが、その笑顔に何か人工的なものを感じました。
しかし、この映画の主人公の紀子が現在に生きていたら、おそらく生涯独身で終わったでしょう。個人の意向をある程度無視しても、最終的な本人の幸せを願って無理矢理お節介をやく伝統的な日本社会が良かったというべきか、個人に対する抑圧と見るか、色々な考え方はあると思います。