「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第57回目を公開しました。後2割を切っていよいよラストスパートに入りました。ここの後半からいよいよ、ローマでcolonusという零細小作農が何故発生したのかという議論に入っています。いわゆるラティフンディウムという大土地所有制とそれに伴う小作農の成立は中世の荘園制につながる動きであって当時もその発生の経緯がしばしば論争の主題となっていました。
カテゴリー: Max Weber
バー「鉄の檻」
またChatGPT4oでお遊び。マックス・ヴェーバーがバー「鉄の檻」のマスターをやっているというネタ。最初古谷三敏風でと頼んだらさすがにそれはエラー。それで「昭和ほのぼの漫画系で」でこの出力。
それで「鉄の檻」のメニューは以下。
メニュー 内容 値段
資本主義のスピリット ペニーリックグラスワンショット 10,000円
精神なき専門人ビール 気が抜けている 500円
心情なき享楽人ワイン ブショネ(コルク臭)付き 800円
禁欲精神ストレート 超ドライな酒 600円
魔術からの解放サワー レモン水みたいな味 500円
形式合理化シュナップス 経済効率最優先で作られた酒 400円
責任倫理リキュール 飲んだ後の結果は全て自己責任 600円
神々の争いアブサン 超強烈な多元的味わい 900円
カリスマ的支配ハイボール 周囲が勝手に敬語になる 700円
※ペニーリックグラス:上げ底でほんのちょっとしか入らない小さなグラス
ChatGPTのジブリ風イラスト作成機能(1)
ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第56回を公開
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第56回目を公開しました。
ついでに、今流行りのジブリ風マックス・ヴェーバーのイラストをChatGPTに作ってもらいました。
ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第54回を公開
ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第54回を公開しました。ついに第3章が終わり、後第4章を残すのみ、比率で残り23%となりました。「土地制度」という意味ではこの章がまさに中心となっています。
「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第52回を公開
「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第52回を公開しました。おそらく後20回弱で最後までたどり着き、今年の夏には校正に入れると思います。
ローマも4世紀になるとかなり色々苦しくなり、あの手この手で税収を増やそうとして、έπιβολή(エピボレー)といって耕作されていない土地を無理矢理その隣の土地の地主に割当てて、その分の税金を取るようなことをしており、かえって自営農民のやる気を削ぐということになったようです。
plethoraの語源
ヴェーバーの「ローマ土地制度史」で今訳している所で、ギリシア語でπλεθρον, πλεθρα というギリシア語の面積の単位が出て来たので、ChatGPT4oに英語の「plethora」(多すぎること)と関係があるか聞いてみたら、直接の語源ではないですが、どちらもギリシア語の「満ちる」という動詞から来ているようです。ちなみにa plethora of は英語では単に多いではなく「過剰、多すぎる」というニュアンスが強いです。
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ここに出て来たギリシア語のplethron、plethraはもしかすると現代の英語でのplethora(過剰)と関係がありますか?
ChatGPT:
とても鋭い視点ですね!ギリシア語の「πλέθρον(plethron)」と、英語の「plethora(過剰)」が関係しているのか? という疑問は、語源的にとても興味深い問題です。
1. ギリシア語「πλέθρον(plethron)」とは?
πλέθρον(plethron) は、古代ギリシアの面積単位 であり、約 100平方キュビット(約1/3ヘクタール ≒ 3,000㎡) に相当します。
この単語の語源は、πληθώ(plēthō)(満ちる、いっぱいになる)と関連があります。
2. 英語の「plethora」との関係
plethora は ラテン語「plēthōra」 を経由し、ギリシア語「πληθώρα(plēthōra)」 から来ています。
πληθώρα(plēthōra) は、「満ちている状態」「過剰」「豊富さ」という意味を持ち、語幹はやはり πληθώ(plēthō) です。
3. 直接の語源的関係はあるか?
「πλέθρον(plethron)」と「πληθώρα(plēthōra)」は、どちらも「満ちる」「広がる」という意味の「πληθώ(plēthō)」が語幹 になっています。
しかし、「πλέθρον(plethron)」はあくまで測量単位として発展した言葉 であり、「πληθώρα(plēthōra)」は「量が多いこと」自体を意味する言葉 です。
したがって、語源的に共通する要素(πληθώ)はあるが、「plethron」と「plethora」は直接の派生関係にはない というのが正確な答えになります。
4. それでも関連性が感じられる理由
「πλέθρον(plethron)」が面積単位として広がった ため、「広がりがある」「満ちている」といった概念と結びつきやすい。
「πληθώρα(plēthōra)」は「過剰にあること」 であり、「土地が広がる」イメージとも共鳴しやすい。
そのため、語源的には異なっていても、意味的に関連があると感じられる のは自然なこと。
結論
「πλέθρον(plethron)」と「plethora」は直接の語源的な派生関係はないが、共通の語幹(πληθώ)を持つため、意味的に関連が感じられる という関係です。
つまり、「plethron(広い土地の単位)」と「plethora(過剰)」は、共に「満ちる・広がる」というギリシア語の概念から発展した、兄弟のような言葉と言えますね!
小野 央軌さんの今の気分: 楽観的
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「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第50回を公開
「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第50回を公開しました。ついに50回までたどり着きました。しかしこれからが文字通り胸突き八丁という感じで、例えば次回の分は2ページに渡るラテン語とギリシア語を含む長大な注釈があります。その方に時間をかけるため、今回の分はいつもより一日早く終わらせました。
ところで、ロードベルトゥスの本の日本語訳が昭和30年代の岩波文庫で2冊出ていたので、その内「地代論」を取り寄せました。その本にあったロードベルトゥスの経歴は、ベルリン大学とゲッティンゲン大学で法学を学び、司法試験を受けて司法官試補となり、後に経済学に転じて、とここまでヴェーバーとほとんど同じ(ヴェーバーはハイデルベルク大学でも学んでいます)です。ある意味似た者同士で、そんな所からヴェーバーは共感していたのでしょうか。
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第49回を公開
ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第49回目を公開しました。これでほぼ7割です。今年のお盆前には一応最後まで訳せると思います。それから校正に入って、正式版が出せるのは10月くらいかな、と思います。この箇所はやたらとロードベルトゥスへの言及があります。労働価値説、剰余価値といった点でマルクスの先駆けとなった人です。今では読む人はまずいないと思いますが。
マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第48回を公開
「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第48回を公開しました。塩野七生が「勝者の混迷」と呼んでいる、ローマの3回のポエニ戦争の後の期間ですが、スキピオがカルタゴの土地に塩を撒いて二度と穀物が獲れないようにした、というのは多分大嘘で、ローマにとっては当時は肥沃な穀倉地帯であったカルタゴの領地がいきなり丸ごと手に入った訳で、それの使い方を巡って、グラックス兄弟の改革による都市プロレタリアートと化した貧農への土地授与だけでなく、元老院のメンバーである世襲貴族による奴隷を使った入植と農園化など、様々なことがこの北アフリカで起きたのだと思います。