本日の落語、五代目柳家小さんの「粗忽長屋、湯屋番、狸賽」。「粗忽長屋」は以前志ん生で聴きました。自分で自分の死体を引き取るという落語らしいシュールなお噺。
「湯屋番」は、勘当されて出入りの職人の所に居候していた若旦那が、迷惑がられて湯屋に働きに行くことになる。最初は木屑拾いとか煙突掃除とか言われたのを全部勝手に断って、番台がいいと言い張り、結局首尾良く番台に。でも勝手は違って女湯は空で男湯ばかりに数人という状況で、妄想ばかりが膨らんで、というお噺。
「狸賽」はそのタイトル通り、子供たちにいじめられていた狸を助けてやったら、その狸が恩返しをするというので、博打のサイコロに化けさせて、一儲けたくらんだ男の噺。
落語も今年の5月から聴いてきましたが、このCDで丁度100枚目、全部で190話で、これで落語は打ち止めにしておきます。
「Rakugo」カテゴリーアーカイブ
柳家権太楼の「壺算、代書屋」
桂文治の「お血脈」
三遊亭圓生の「無精床、弥次郎」
本日の落語、三遊亭圓生の「無精床、弥次郎」。
「無精床」はタイトル通り、無精な親方のいる床屋の噺です。顔に載せる手ぬぐいは熱すぎるし、頭を濡らす水の桶にはボウフラがわいている、挙げ句の果ては客の顔を切ってしまうけど、「なあに、縫うほどじゃない」というひどいオチ。
「弥次郎」は嘘ばかりついている男の噺で、奥州に武者修行に行った時に恐山を夜中に越えようとしたら山賊に襲われ、三間(=5.5m)四方の石を小脇に抱えては岩をちぎっては投げ、と無茶苦茶。続いて大イノシシに襲われたが、イノシシのキ○タマをつかんで悶絶させると、腹の中から子イノシシが16匹出てきて、四四十六だという。おい、そりゃ雄のイノシシだろう、と突っ込むと「そこが畜生の浅ましさ」でごまかしてしまいます。
三遊亭圓生の「金明竹、位牌屋」
本日の落語、三遊亭圓生の「金明竹、位牌屋」です。
「金明竹」は前半は典型的な与太郎噺です。与太郎が傘を借りに来た人に一番上等な傘を貸してしかも返さなくてもよい、と言ってしまい、旦那に怒られ、そういう時の断り方を教わります。次に、猫を借りに来た人がいて、与太郎は「この間の長しけでバランバランになっちゃって…」と傘の断り方をそのまま言ってしまいます。旦那はまた怒って猫についての断り方を教えます。次に旦那自身を呼び出しに来た人が来て、与太郎は「この間から盛りがついて…」と猫の断り方を旦那について言ってしまいます。後半からは上方から使いでやってきた男の口上が早口でしかも上方訛りなのでさっぱりわからず、何度も聴いたけど結局旦那にとんでもない勘違いの報告をします。
「位牌屋」はケチなある商家の旦那の噺。その旦那にめでたくも子供が生まれたけれど、旦那は色々お金がかかると渋い顔。番頭さんはおめでただから、味御汁に何か具くらい入るだろうと期待しているけど、丁度八百屋が摘まみ菜を売りに来ます。旦那は無茶苦茶な値切り方をしたので八百屋は怒って帰りますが、むしろに残った摘まみ菜を集めて味噌こし一杯くらいになったので、それを味噌汁の具にしてしまいます。次に芋屋が芋を売りに来るけど、これも買わないばかりか煙草をたかって、同じ質問を何度も繰り返して芋屋を煙に巻いてしまいます。次に小僧が位牌屋に頼んでいた位牌を取りに行くけど、そこで小僧が旦那の口上の真似をして頓珍漢なやりとりをする、という噺です。
三遊亭圓生の「豊竹屋、夏の医者」
三遊亭圓生の「唐茄子屋」
本日の落語は、三遊亭圓生の「唐茄子屋」です。一般的には「唐茄子屋政談」ですが、元々の題は「唐茄子屋」だそうです。圓生の芸談によると、四代目の柳家小さんが「唐茄子屋」を演じると皆に言って、実際は上方噺の「みかん屋」を売り物をみかんから唐茄子に変えて演じ、以後、本来の「唐茄子屋」の方を区別するために「唐茄子屋政談」と「政談」をつけたそうです。でも、「政談」というと名奉行のお裁きの噺ですから、この噺にはお裁きは最後にちょっと出てくるだけで、「政談」をつけるのはおかしいとのことで、圓生は元の「唐茄子屋」と呼んでいます。ちなみに、小さんが演じた「みかん屋」は今は「かぼちゃ屋」の名前で呼ばれていて、ちょっとややこしいです。
この噺は以前志ん生・志ん朝の親子で聴いていますが、圓生のは若旦那と叔父さんのやりとりがとてもそれらしくていいですね。この噺は「文七元結」と並んで人情噺の二大傑作だと思います。
三遊亭圓生の「花見の仇討ち、引越しの夢」
本日の落語、三遊亭圓生の「花見の仇討ち、引越しの夢」。
「花見の仇討ち」は、毎年変わった花見の趣向を立てている江戸っ子の四人組は今年は仇討ちの趣向で、と計画を練る。仇討ちを仲裁する筈の六部の役の男は耳が遠い叔父さんに捕まってしまい、相手を酔わせてその場をごまかそうとしたけど、逆に自分が酔っ払って寝込んでしまう。仇を討つ方の巡礼役の二人は、誤って杖を酔っ払った武士にぶつけてしまい、無礼打ちにされかかるが、仇討ちだと話すと、助太刀するという。六部はこない内に、この武士が助太刀で入ってきて趣向は目茶苦茶…という噺です。
「引越しの夢」は、上方噺では「口入れ屋」という噺です。新しく入った女中の元へ、番頭と手代が夜這いに行くが、二階に上がる梯子が外してあって、鼠入らずの棚を抱えて上がろうとしたら、棚が崩れて、二人とも棚を抱えて身動きが取れなくなる噺です。
三遊亭圓生の「派手彦」
本日の落語、三遊亭圓生の「派手彦」です。
圓生以外は演らない珍しい話で、確かに検索してみても圓生以外は出てきませんでした。
松浦佐用姫という伝説があって、Wikipediaによると、「537年、新羅に出征するためこの地を訪れた大伴狭手彦と佐用姫は恋仲となったが、ついに出征のため別れる日が訪れた。佐用姫は鏡山の頂上から領巾(ひれ)を振りながら舟を見送っていたが、別離に耐えられなくなり舟を追って呼子まで行き、加部島で七日七晩泣きはらした末に石になってしまった。」となります。「派手彦」はこの話をベースにして落語に仕立てたものです。もっとも男女は入れ替えられていて、「大伴狭手彦」にあたるのは、踊りの師匠の板東お彦=派手彦。「松浦佐用姫」にあたるのが、酒屋の松浦屋の左兵衛。左兵衛が派手彦に恋煩いして、めでたくこの二人は夫婦になります。二人は仲睦まじく暮らしていましたが、ある時木更津でお祭りがあって派手彦も呼ばれて踊ることになり、小網町から船に乗りますが、これを見送った左兵衛が固まって石のようになってしまいます。「女房孝行(香香=漬け物)で、重石になった」というオチです。
三遊亭圓生の「髪結新三」
本日の落語、三遊亭圓生の「髪結新三」。
白子屋のお熊という娘が、500両の持参金付きの婿と一緒になっておきながら、店にいる忠七との仲を保ったまま。そこを出入りしている髪結の新三につけこまれ、忠七と一緒にしてやると騙され、連れ出され、新三に嬲られ、荒縄で縛られて押し入れに放り込まれています。これを取り戻すために、まず白子屋のお抱え車夫の善八が交渉にいくが、けんもほろろに断られる。それでは、ということで葺屋町の親分の源七に頼んで交渉に行ってもらうが、新三は開き直ってこの親分の言うことも聞かない。それでは、ということで新三が住んでいるお店の大家さんが出て行く。大家さんは言うことを聞かないなら、今まで溜めた家賃を耳を揃えて払って出て行けという。前科者の新三はここを放り出されると住む所がないので、嫌々言うことを聞きますが、大家はさらに礼金の30両の半分を自分で取ってしまい、さらには5両も追加で前家賃として取ってしまう、という大家さんが大活躍する話です。