ebookjapanでセールしていたんで「アストロ球団」全20巻何十年かぶりに読みました。 連載当時リアルタイムで読んでいたので懐かしいですが、さすがに今読むと
(1)最後のアストロ球団締め出し行為は明らかな独占禁止法違反。
(2)スカイラブ投法って走者がいる時に投げたらボークでしょ。(笑)
(3)そのスカイラブ投法、開発するのに特訓したり手間がかかっているのに、打ち取った打者はたった一人。究極の最悪コスパ魔球。
(4)アストロワンの宇野球一の防御率は10点を軽く超える。(笑)野球漫画の主人公投手のワースト記録。
とはいえ全体の熱気はすごいというか、今のコンプライアンスばかりの世界では絶対に出て来ない漫画です。
水島新司の「ストッパー」全12巻を久し振りに読みました。これはコミックバーガ-という漫画雑誌にバブル全盛期から崩壊期にかけて連載されたものです。ドカベンとかには負けますが、それなりに面白い佳作、特に前半1/3ぐらいまでの、投手三原があの手この手でストッパーとして勝ち抜いていく部分がいいです。三原は全力投球で130kmぐらいしか出ない二流のピッチャーとしてドラフト外でガメッツに入るのですが、最初が超遅球、超山なりボール、ボールに傷を付けたナックル風の変化球、挙げ句の果てはワセリンやヤスリを使ったスピットボールまであの手この手で勝っていきます。更には実は左右両投げだったということで、右だとコントロールは無いながら剛速球投手と、この設定はアパッチ野球軍の網走と同じです。(実はアパッチ野球軍の前の話になる堂島剛がピッチャーだった頃の話は水島新司が絵を描いています。)途中から三原は俊足を生かしたトップバッターになって首位打者にもなり、挙げ句の果てはガメッツを三原が買い取って(三原は財閥の三男坊)オーナーになる、ということになりますが、まあその辺はご愛敬という感じです。この漫画、出版元のスコラがつぶれた関係で電子化版が現在入手出来ず、久し振りに紙の漫画を買いました。



ちばあきお/コージィ城倉の「キャプテン2」、ついに甲子園編が始まりました。この「キャプテン2」のキャラクター、ちばあきおがすでに書いているキャラは真似するだけですが、新しいキャラクターは考えるのが大変だろうと思います。それでこれまでは「校舎裏のイレブン」とか「磯ガラス」みたいなちばあきおの他の漫画のキャラが転用されていました。しかし甲子園大会というと、すべて新キャラで本当に大変だろうと思います。そこで墨谷高校と同じ宿になった鳥取の大山(だいせん)高校の野球部監督、これはどこから持ってきた?のかと思いましたが、ひょっとするとちばてつやの「おれは鉄平」の東大寺学園の剣道部の先生ではないかと思いました。前髪は違うけど眉毛と鼻はそっくりです。元々ちばあきおは実兄のちばてつやの漫画を手伝っていたので、絵は共通点が多いです。
キャプテン2、ついに墨谷高校が甲子園出場決定。フィクションと分っていてもじーんと来ます。ちばあきおさんが悩んでいて結局自殺したというのは知らずに、何故「プレイボール」があんな中途半端な終わり方をしたんだろうとずっと思っていましたが、ようやくそれが晴れました。ちばあきおさんへのいい供養になるのでは。正直、甲子園大会はもう良くてここで終わってもいいです。
「The First Slam Dunk」を観て来ました。スラムダンクは、途中まで単行本で読んでてその後中断し、しかし完結した時に最終巻を読んだという程度で、特に大ファンという訳ではありませんが、良く出来た漫画だと思っていました。何で今さら5度目のアニメ映画化なのかと思いましたが、お話しは原作の最後の山王工業戦を描いたもので、当然最後の試合の決着の仕方は知っていましたが、それでも改めて感動しました。また山王工業戦だけだと単調になるのを避けるためか、湘北のメンバーではある意味一番地味な宮城リョータをフィーチャーするものになっていました。この辺は原作者の井上雄彦のこだわりでしょうか。ちなみに監督も井上雄彦自身です。そのため、アニメで良くある原作のコミックと違う、はほとんど感じなかったです。観客は現役世代として40代以上が多いかと予想していましたが、意外に若い人が多く混んでいました。(コナンの新作アニメほどじゃないですが。)
小池一夫・叶精作の「オークション・ハウス」を読了。このコンビの作品は「実験人形ダミー・オスカー」「BROTHERS-ブラザーズ」「魔物語 愛しのベティ」などがありますが、最後のを除いて、やたらとSEXシーンが出てくるのが特徴で、この作品も同じです。これを読んだきっかけは先週土曜日カーナビの取り付けで待ち時間が3時間半もあったんで、コンビニで最初の2巻を買って読んだら面白かったので、後も読んだものです。前半は敵討ちがメインで、フェルメールの「レースを編む女」をオークションで落札した主人公の両親が3人組の殺し屋に虐殺され絵も奪われたのに復讐するという話です。小池一夫は元々大衆小説家志望で、山手樹一郎の弟子でした。そういう意味では敵討ちというのは、実に大衆小説的ではあります。後は主人公がフェルメールの贋作で有名なハンス・メヘーレンの息子の弟子になり、自身も贋作技術を身に付けたため、真作と贋作の見分けが非常に上手い、という設定も面白いです。しかしまともなのは、この電子版で15巻ぐらいの敵討ちが完了するまでで、後は蛇足としかいいようがなく、主人公は(ゴルゴ13+007)÷2のような何でもありのスーパーヒーローになり、また行く先々で恋人を作り妻にして、最後は妻が14人とかになります。また主人公の背中は次々に襲ってくる敵との戦いで傷だらけになり、ますますゴルゴ13化しています。ちなみに
手塚治虫の「ネオ・ファウスト」を読了。これも手塚の遺作の一つで、第二部に入った所で中断したままになっています。