この画像は、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」の中の「妖花」というエピソードのラストの部分で、非常に印象深いものです。この漫画について英語化してオンライン英会話のアメリカ人やイギリス人に見せようかと思いついたのですが、このコマの中で重要な「しーん」が良く考えたら英語には訳せません!以前海外のアニメファンが、「日本語には無音を表すオノマトペがある!」って言っていたのを思い出しました。私が思うには、これは中国語の「沈沈」(「夜沈沈」で夜が深深と更けていくこと)などから来たのかな、と思います。国語辞書では「深深」の表記ですが。
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栗田信の「醗酵人間」のバックグラウンド

栗田信の「醗酵人間」って戦後SFの最大の奇作と言われていて、しかし長らく古書店でも流通していない幻の本だったのが、約10年前に復刻されました。それで私も買ったのですが、超C級という出来映えで、そのまま忘れていたのですが、ちょっと思う所あって色々調べて、バックグラウンドらしきものを付き止めました。
まず出て来る「醗酵人間」というのは墓場から蘇って、お酒とかの醗酵物を口にすると体が膨張して怪力になり、おまけに空まで飛ぶんですが、その叫び声が「こけっか、きっきっ」なんです。これが読んだ人に強く印象に残るんですが、実は水木しげるが「コケカキイキイ」という似た音のタイトルの漫画を描いています。内容は醗酵人間とは関係ないんですが、実はこのタイトルも水木のオリジナルではなく、戦前から戦後にかけての関西地方で流行った紙芝居の「コケカキイキイ」がオリジナルです。これは墓場から蘇ったコケ太郎というのが、戦うというもので、水木の「ゲゲゲの鬼太郎」の先祖の一つです。(直接の先祖はやはり紙芝居の「墓場奇太郎」です。そもそも水木しげる自身が紙芝居作家でした。)それで栗田信は1925年の大阪生まれなので、ほぼ間違いなく子供の頃、この「コケカキイキイ」の紙芝居を見ていると思います。それでおそらく、栗田少年が文字の「コケカキイキイ」ではなく、紙芝居屋が節を付けて語った「こけっか、きっきっ」の方を記憶していて、それをそのまま使ったんじゃないかと。ちなみに醗酵人間もコケ太郎と同じく、墓場から蘇ってますから、ルーツはやはりそこかと思います。つまり言って見れば、ゲゲゲの鬼太郎と醗酵人間は従兄弟。(笑)
梶原一騎作品とキリスト教エピソード


梶原一騎という人は、本人がクリスチャンだったかどうかは不明ですが(ただ本人の葬式はキリスト教でやったらしい)、そのお父さんは若い頃神学校に通っていたぐらいのバリバリのクリスチャンです。(但し家族には一切隠していて死後それが判明した。)そのためか、梶原作品にはキリスト教的な要素が多く登場します。その中で「朝日の恋人」を何十年かぶりに読んだら笑ってしまいました。
(1)新約聖書外典みたいな話を勝手に作っています。
新約聖書ではイエスを裏切ったユダは自殺しますが、ここの話では生き延びたけど、村八分にされて苦しんでいたら、ある金持ちが家に招待してくれて食事も与えてくれた。それは誰かと見たら復活したイエスでした。(笑)
(2)マタイなどにある「百匹の羊と失われた一匹の羊」の譬えが、梶原の場合、なんと「千匹の羊」にパワーアップ。(笑)
「帰依」のイメージ
松田隆智原作の「拳児」という中国武道の漫画がありましたが、その中にこういうシーンがありました。宗教社会学の翻訳をやっている関係で「帰依」の具体的イメージを探していて出てきたんですが、このシーンは主人公の拳児が中国の少林寺で一時的に出家するシーンです。しかしこの「オン サラバ タタギャタ ハンナ・マンナノウ キャロウミ」というのは、Oṃ sarva-tathāgata-pāda-vandanaṃ karomi というサンスクリットの文言が日本の密教でなまって伝わったもので、真言宗で唱えられる「普礼真言」です。松田隆智は真言宗の僧侶でもあるので、それをそのまま使ったんでしょうが、中国の少林寺は禅宗なので、実際にはこういう文言を唱えることはしていないと思います。(笑)
メシア、キリストの意味(油を注がれた?、塗られた?)

聖書に出て来る、メシアもキリストも意味は「油を注がれた」という風に説明されています。実際に日本語聖書では文語聖書からずっと「油を注がれた」と訳されてきています。(正確には文語聖書は「膏を注がれた」)
私はこの説明聞くと、左のシーンを想像します。(これは元々「聖☆おにいさん」というマンガに出て来たシーンをChatGPT5に書き直してもらったもの)
実は英訳聖書では「注ぐ」ではなく「塗る」(anoint)が使われている場合がほとんどです。実際に当時の「香油」というのはバターや軟膏に近いものだったらしく、液状のものをドバドバ注ぐというイメージではありません。正しいイメージはおそらく下の絵(これもWeb上にあった絵をChatGPT5に描き直してもらったもの)が近いと思います。このシーンはサムエル記下でのダヴィデが王に即位するシーンです。牛の角の容器に入った香油を「垂らして」「塗り広げている」のが一番近いんじゃないかと思います。なお旧約聖書の創世記の中には「石に香油を注いで聖別する」というのも出て来るので「注ぐ」と訳した方が適切な箇所がなかった訳ではありません。古代であっても香料となるものは数十種類あったようですし、蒸留技術はまだないのでアルコールに溶かしてではありませんが、オリーブ油に原料を入れて煮出したり、場合によってはワインに溶かしてというのもあったようです。なので粘度も色んなものがあったのだと思います。
「ワンダーウーマン」の衣装の元
以前からDCコミックの「ワンダーウーマン」の衣装ってなんて「ダサい」(笑)のだろうと思っていましたが、調べてみたら元はコロンビア(要するに自由の女神)を使った戦争用のポスターのコロンビアの衣装が、ピンナップ風にセクシーに変えられた、というもののようです。ワンダーウーマンの正体はアマゾネスということになっていますが、これはおそらく後付け的説明で、元はキャプテン・アメリカと同じく戦意高揚キャラであり、その証拠に初登場は1941年です。![]()



アストロ球団
ebookjapanでセールしていたんで「アストロ球団」全20巻何十年かぶりに読みました。 連載当時リアルタイムで読んでいたので懐かしいですが、さすがに今読むと
(1)最後のアストロ球団締め出し行為は明らかな独占禁止法違反。
(2)スカイラブ投法って走者がいる時に投げたらボークでしょ。(笑)
(3)そのスカイラブ投法、開発するのに特訓したり手間がかかっているのに、打ち取った打者はたった一人。究極の最悪コスパ魔球。
(4)アストロワンの宇野球一の防御率は10点を軽く超える。(笑)野球漫画の主人公投手のワースト記録。
とはいえ全体の熱気はすごいというか、今のコンプライアンスばかりの世界では絶対に出て来ない漫画です。
水島新司の「ストッパー」
水島新司の「ストッパー」全12巻を久し振りに読みました。これはコミックバーガ-という漫画雑誌にバブル全盛期から崩壊期にかけて連載されたものです。ドカベンとかには負けますが、それなりに面白い佳作、特に前半1/3ぐらいまでの、投手三原があの手この手でストッパーとして勝ち抜いていく部分がいいです。三原は全力投球で130kmぐらいしか出ない二流のピッチャーとしてドラフト外でガメッツに入るのですが、最初が超遅球、超山なりボール、ボールに傷を付けたナックル風の変化球、挙げ句の果てはワセリンやヤスリを使ったスピットボールまであの手この手で勝っていきます。更には実は左右両投げだったということで、右だとコントロールは無いながら剛速球投手と、この設定はアパッチ野球軍の網走と同じです。(実はアパッチ野球軍の前の話になる堂島剛がピッチャーだった頃の話は水島新司が絵を描いています。)途中から三原は俊足を生かしたトップバッターになって首位打者にもなり、挙げ句の果てはガメッツを三原が買い取って(三原は財閥の三男坊)オーナーになる、ということになりますが、まあその辺はご愛敬という感じです。この漫画、出版元のスコラがつぶれた関係で電子化版が現在入手出来ず、久し振りに紙の漫画を買いました。
園田屋の「れもん飴」


熊本の園田屋の「朝鮮飴」(名称は「飴」ですが、中身は求肥のお餅です)は好きで時々通販で買うのですが、園田屋のショップを久し振りに見たら「れもん飴」というのが出ていたので試しに買ってみました。ちなみに園田屋の前社長の園田健一さんは漫画家でもあり、そのためにこのようなパッケージデザインになっています。(「れもん飴」の開発も健一氏によるものです。)それで「虎ちゃん」はほとんどラムちゃんそのままだけどいいのかと思いましたが、元々朝鮮飴は加藤清正が朝鮮出兵の時に日持ちがする糧食として持っていったことから始まっているので、そのつながりで「虎」みたいです。更には「柿ちゃん」というのも園田屋のHPを見たら「柿求肥」という製品がちゃんとあるようです。(最近出来たのではなく明治時代からあるみたいです。)それで肝心の「れもん飴」ですが、写真のように見た目は100%朝鮮飴そのものですが、中に砂糖漬けにしたレモンピールが入っています。評価としてはこの追加がどれだけ新しい価値を付け加えているかですが、私的には微妙でした。セイカ食品のボンタンアメがやはり朝鮮飴ベースなんですが、かなりの量の果汁を加えて色もそれっぽくなっているのに比べれば非常に控えめな追加味です。まあ外人観光客向けとかにはいいかもしれませんが、私はオリジナルの朝鮮飴の方が好ましいですね。
「キャプテン2」(甲子園編)の新キャラ

ちばあきお/コージィ城倉の「キャプテン2」、ついに甲子園編が始まりました。この「キャプテン2」のキャラクター、ちばあきおがすでに書いているキャラは真似するだけですが、新しいキャラクターは考えるのが大変だろうと思います。それでこれまでは「校舎裏のイレブン」とか「磯ガラス」みたいなちばあきおの他の漫画のキャラが転用されていました。しかし甲子園大会というと、すべて新キャラで本当に大変だろうと思います。そこで墨谷高校と同じ宿になった鳥取の大山(だいせん)高校の野球部監督、これはどこから持ってきた?のかと思いましたが、ひょっとするとちばてつやの「おれは鉄平」の東大寺学園の剣道部の先生ではないかと思いました。前髪は違うけど眉毛と鼻はそっくりです。元々ちばあきおは実兄のちばてつやの漫画を手伝っていたので、絵は共通点が多いです。