トランプ勝利

しかしネイト・シルバーの five thirty eight などの世論調査による予想サイトは今回も外し、これでトランプが関わる大統領選挙は3連敗。
上下院とも共和党が多数になりそうなので、少なくとも2年は(中間選挙までは)トランプはやり放題ですが、さてどうなるか。

心理的安全性と今回の選挙

本日、ちょっと理由があって会社で心理的安全性の話をし、この本を紹介したので、念のため再度読みました。中に面白いことが書いてあって、リーダーで積極的に勝ちに行く戦略を取る人と、負けない戦略を取る人のどちらが良い結果を収めるか、という論議で、結論は当然前者で、後者は守りに入る結果、積極的にリスクを取ることが出来なくなります。その典型が今回の石破さんじゃないかと。石破さんの一般からの支持が比較的高かったのは、長らく非主流にいた石破さんなら今までの自民党政治を根底から変えてくれるんじゃないか、という期待があったからだと思います。要するに小泉純一郎元首相の「自民党をぶっ壊す」のリバイバルです。しかるに石破さんが採った戦略は党内のあちらこちらに配慮して厳しい態度が取れず、そしてそれが世論で強く批判されるとすぐ撤回、という感じで右往左往しました。まさしく「守り」であり、また目標も「自公で過半数を割らない」なのでこれまた完全に守りの目標です。更には公約は「5つの守る」で、まさしく精神状態が守りに入っていた明白な証拠だと思います。いっそこれまでの主張であるアジア版NATOを作るとかアメリカとの地位協定の改定のため「憲法改正が必要なので自公の議席を2/3にする」ぐらいぶち上げた方が結果は良かったのでは。

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

自民党の最良の戦術?首相指名でわざと野田佳彦に自民党も投票し、立憲民主党に内閣を組ませる。おそらく半年もやらせればボロが出る(党内にろくな人材いないので、かき集めた人間がまず間違いなく何かの問題起すと思います)ので他の野党と組んで不信任を出し、再選挙に持ち込む。来年7月に参院選もあるし、これが最良の方策では。大体今回立民の議席が大幅増といっても、立民の政策に期待した人は非常に少ないでしょう。

こちらで初選挙

昨日10時頃こちらでの初めての選挙に行って来ました。投票所まで往復3Kmなんで歩いて行く気はせず、車で行って駐車場があるのか心配でしたが、相模原市営のやまなみ温泉の駐車場を使え、ということみたいです。それで投票所が何と和室の畳でした。これまで6~7箇所で投票しましたが、和室というのは初めてでした。

ローマの土地制度と現代の土地制度のつながり

ローマの土地制度にAger Vectigalisというのがあり、要は戦争で占領した敵の土地が大量に公有地になったのを、税金(賃貸料)を取って貸し出したものです。これって今の日本でも例え私有地でも固定資産税を毎年払う必要があり、同じだなあ、と思ってChatGPT4oに聞いてみました。


中国では土地は国有のままですし、日本でも例え私有地であっても固定資産税を毎年払う必要があります。これらは言ってみればローマのAger Vectigalisがそのまま現代でも継続していると考えることは出来ますか?

ChatGPT
確かに、中国や日本の現代の土地制度は、古代ローマのAger Vectigalis(国有地を賃貸形式で使用する制度)といくつかの類似点を持っています。
1. 中国の土地制度とAger Vectigalisの類似性
中国では、土地は基本的に国有または集団所有のものであり、個人や企業は土地の所有権を取得することはできません。代わりに、土地の使用権が一定期間(住宅用は最大70年、商業用は50年など)貸し出される形となっています。この点は、ローマのAger Vectigalisに非常に近いです。Ager Vectigalisでは、土地の所有権は国家にあり、使用権を持つ者が毎年の税金や賃料を支払う形でその土地を利用していました。
中国の土地制度でも、土地の使用権を取得するために大きな費用を支払い、さらに毎年土地使用料(相当する税金や手数料)が課されます。したがって、形式的には所有しているように見えても、実際には国有地を使用する権利を与えられているだけという点で、古代ローマの制度に非常に近い状況といえます。
2. 日本の土地制度とAger Vectigalisの類似性
日本では、土地は個人や企業によって所有されるものの、固定資産税が毎年課される点で、完全な「所有権」を持っていても、税という形で国に貢納する義務があります。この点で、Ager Vectigalisのように、土地の使用に対して恒常的に支払う必要があるシステムと類似しています。
さらに、日本の土地制度においても、土地所有者が自治体や国の規制に従い、土地利用の制限が加えられることがあるため、実質的な意味での土地の「自由な」所有権には限界があるといえます。こうした側面も、ローマの制度と重なります。
まとめ
Ager Vectigalisは、国家が土地の所有権を持ちながら、その使用権を貸し出す仕組みであり、中国や日本の現代の土地制度にもそのエッセンスが反映されていると言えます。土地が完全に個人のものではなく、何らかの形で国家と結びついている点では、現代のこれらの制度もAger Vectigalisの考え方を継承していると考えることができます。
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共産主義国である中国と、一応資本主義国(社会主義国ではないかという説もありますが)である日本の双方において、古代ローマとほとんど変わらない土地制度が行われているというのは興味深いですね。

NGOによるクラウドファンディング(台湾地震義援金)

Facebookでとある知人がクラファンでの台湾地震義援金を呼びかけていました。そのクラファンの発起人はピースウィンズ・ジャパンといういわゆるNGOです。ここの会計報告を見てみました。
ものすごく疑問が湧きました。
(1)HPで紹介されているスタッフは15名なのに、年間の給料と賃金を合わせ7億8千万円!先日仕事である会社のある事業部門の年間の人件費調べたのですが、そこは約32名で2億4千万円ぐらいでした。
(2)B/L見ると、現金の預金が日本と海外を合わせ18億円!こんなにお金を持っているんだったら、クラファンなどやる前にすぐ使えばいいと思います。(ちなみに現在集まっている金額は5千200万円程度。ここの預金の3%にもなりません。)
(3)年間に受け取っている各種助成金が実に42億円!これは要するに支援という美名に隠れたビジネスでは。要するにクラファンで台湾地震義援金でこれだけ集めて活動しました、って報告書を作って各種助成金を分捕る訳です。
台湾地震の犠牲者を本当に助けたいなら、こんな怪しいNGOに払うのではなく、日本赤十字社等のきちんと素性の分っている団体を通すことをお勧めします。

自民党を離党する世耕氏について

世耕氏が離党勧告を受け離党届を出したとのことですが、私は「水の中に落ちた犬を叩け」は好きではないので、公平のために書いておきます。現在公取と中小企業庁が下請法違反で次々に大企業を摘発していますが、この動きは世耕氏が2016年に経産大臣時代に出した「世耕プラン」に基づいています。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/h29/shoukibodeta/html/b1_1_0_4.html
私は個人的には昔から世耕氏は故安倍晋三元首相の腰巾着的な人と思って好きではありませんでしたが、この「世耕プラン」から始った動きは間違いなく世の中のためになっていると思いますし、ある意味日本経済再生のカギの一つだと思います。まあどれだけ本人がイニシアティブを取ったかについては定かではありませんが。

氏家幹人の「武士道とエロス」

氏家幹人の「武士道とエロス」を読了。まあ日本のLGBTQ問題を考えるための資料としてです。タイトルは直接的には書いていませんが、要するに日本で戦国時代から江戸時代の最初の方までいかに衆道=男色がはびこっていたかという本です。まあ知識としては知っていましたが、その程度までは知らず、一時は女色よりもはるかに男色が盛んだったというのを知って、それはさすがに驚きました。またそもそも男色の始まりは寺院での僧侶が稚児を可愛がったことであり、当然のことながら仏教に同性愛を禁じる戒律はありません。また儒者では中江藤樹は、その僧侶の男色を嘆かわしいとして非難する一方で、その弟子の熊沢蕃山は、「あまり男色を厳しく排除すると、その経験のある若者が集まってこなくなる」と実にさばけた判断をしています。また神道に関する記述はありませんが、神道も男色を含む同性愛を禁じたというのは聞いたことがありません。またこの現象は東アジアに普遍ではなく、日本が一番程度がひどく、朝鮮通信使が雨森芳洲に苦情を言ったら、芳洲が「あなたも経験すればその楽しさが分ります」と答えてあきれられたという話もあります。
それでも17世紀になると次第に男色は禁じられていくのですが、それがまた明治になると薩摩藩の出身者がまたそれを東京に持ち込むということが行われます。薩摩のは「若衆宿」という、社会学で言うメンナーハウスというある意味戦士の養成機関での男色が盛んだったようです。そういえば衆道の話って「カムイ伝」にも出て来ますよね。
ちなみに江戸時代には、女性の同性愛も少しはあったようですが、ほとんど表に出てくることはなかったようです。
結論として日本における同性愛への差別は、17世紀くらいから出て来たようですが、元はといえばとても寛容な社会だったということが再確認出来ました。

アメリカのスチューデント・ローン問題の歴史的背景

オンライン英会話のレッスン用に、”What Caused the $1.8 Trillion Student Debt Crisis?“という記事を読みましたが、なかなか良かったです。

それによると、一番最初は、1960年代の終わりに当時カリフォルニア州知事であったロナルド・レーガン元大統領が、ろくに勉強もしないで学生運動やヒッピーみたいなことをやっている大学生の学費を公費で援助するのは無駄だ、と言い出して始まったようです。(この当時日本だけではなく、アメリカの大学でも反ベトナム戦争とかで学生の抗議活動が盛んで、東大安田講堂事件と同じく、アメリカも公安がUCバークレー校に学生デモの鎮圧に行って13人の怪我人と1人の死者を出しています。記事の中に出て来ます。)その後サリーメイという公的資金を学生に貸し付ける機関が出来て、それが出来たので学生がそこから借りれば学費を払えるだろうということで、大学側は安心して学費を吊り上げ(補助金も減らされていたのでその分を学費を上げることでカバーしようとした)、結果的に高収益になったサリーメイの株価上昇でサリーメイの大口の株主であった多くの大学が大儲けした、という初めて知ったことが多くて参考になりました。
ちなみに1960年代の大学の学費の平均は今の価値に直して年間2400ドル程度とのことで、私の場合は国立大学で確か年間27万円くらいだった筈ですが、ほぼ同じなので驚きました。今の日本の国立大学の学費は約2倍になっています。上がったとはいえ、アメリカの大学に比べれば格安です。アメリカでは今普通の学部で卒業まで1,000万円くらいかかり、医学部だとその倍くらいみたいです。なのでアメリカの医学部では脳外科などの稼げる医者が人気で、儲からない普通の開業医(general practitioner)になろうとする人が減って問題になっています。

アドルフ・ヒトラーの「わが闘争」

これを買いました。「ドイツの文化と社会」というご大層な名前の学科の卒業生としては、やはり一度は読んでおきべきかと思って。またマックス・ヴェーバーの初期の主張はヒトラーとかなり共通性がある、と言っている人もいるので、アマチュアのマックス・ヴェーバー研究者としても読むべきかと思いました。
多くの人が誤解していますが、ヒトラーは軍事クーデターや革命で政権を取ったのではなく、合法的に選挙で権力を得ています。すなわち当時のドイツやオーストリアで多くの人に支持されたということです。