おかしなインターネット請願の依頼には気を付けましょう。

先日、Facebookの友人が、「薬剤師にコロナワクチンの注射をさせることを許可させよう」というおかしなインターネット請願をシェアしていました。この件は色々調べると当の薬剤師会はそれをやりたいなどとはまるで言っておらず、またイギリスで薬剤師がワクチン接種したから日本でも認めるべきだ、という議論でしたが、これも調べてみたらイギリスでは健康保険制度が半分崩壊していて医者が不足しているため、薬剤師が今回のパンデミックの前から一定の訓練を受けた上でインフルエンザのワクチンを接種していた、という背景があって初めて成立したものでした。
そして今日もまた「医療・介護・保健所の「本気の充実」を求めます」というおかしな請願をシェアしていました。今のパンデミックの時期にこういう訴えはいかにも聞こえがいいですが、では病院や医者を増やす費用を一体誰が負担するのかという視点がまったく欠けている無責任な請願です。今、日本の健康保険制度も崩壊寸前に来ていて、多くの企業の健康保険組合が解散して、国でやっている「協会けんぽ」に移行しています。この「協会けんぽ」には多額の税金が投入されており、「協会けんぽ」の加入者が増えると当然それに使われる税金も増えます。もしこの請願が「医者と病院を増やすために消費税を20%にするか、現役世代の毎月の健康保険料の支払いが倍になることを我慢しよう」という内容だったらあなたは賛成しますか?
またこの請願が書いている統計データがデタラメで、日本の(人口あたりの)医師数はイギリスやアメリカに比べて2割だそうです。どこにそんなデータがあるんでしょうか?次のグラフで見ていただければ、デタラメがすぐ分かります。それにイギリスは健康保険制度がほぼ崩壊しており、病気になってもすぐ医者に診てもらうことは出来ません。またアメリカはご承知の通り、先進国の中でほぼ唯一国民皆保険制度が未だに実現していません。アメリカの医大は非常にお金がかかり、多くの学生は多額の借金(学生ローン)を負って卒業します。なので儲からない開業医(GP)のなり手は減っていて脳外科のように高収入を得られる医者になる人が増えています。そういった関係でアメリカの医療サービスはお金が有り余っている人以外には使えない制度となっており、そのため南米諸国に低価格でそれなりの水準の医療サービスを受けに行くツアーが大人気になっていたりします。そういった背景をすべて飛ばして、単純にアメリカの方が人口あたりの医師数が日本より多い、というのははっきりって人を騙そうとしている論理です。

ドイツのメルケル首相の感情的スピーチ/政治家の資質と使命

ドイツのメルケル首相が昨年の12月9日にドイツ議会で行った演説をご存知ですか?クリスマスを控え、人々に外出の自粛を強く呼びかけたものです。物理学者・化学者でもあって日頃論理的な話し方をするのが普通のメルケル首相が、この日は非常に感情に訴える演説をしました。その内容は「もしあなたが外出を控えなければ、このクリスマスがあなたがあなたの(愛する)おじいちゃん・おばあちゃんと迎える最後のクリスマスとなり、後であの時こうすれば良かったと強く後悔することになりますよ!」と非常に早口でエモーショナルに訴えました。このエモーショナルな姿勢がわざとやったのか本心かは分かりませんが、聴いている人に相当な効果を与えたことは間違いないようです。弁論術(レトリック)で言うパトスに訴えるスピーチです。ドイツ語が分からなくても雰囲気だけでも味わってみてください。次のYouTubeビデオの1:40くらいからです。

政治家の一つの重要な使命は、こういう風にきちんとメッセージを国民に伝えることだと思います。我が国において、質問に対してすらまともに答えることの出来ない(その一方で馬鹿げたウヨ雑誌で長広舌をふるう)政治家がこういう時に首相をやっているというのは、不幸というしかありません。

小室圭さん・眞子様について外野があれこれ言うのは止めよ。

最近、Yahooニュースを見る度に、小室圭さん・眞子様関係のニュースを片っ端から「今後表示しない」にしています。
小室圭さんと眞子様については、最初は爽やかな印象を受けました。しかしその後の色々な報道でその爽やかさはかなり減少しました。しかし、小室さんはまだ一般人です、そして明確な罪を犯した訳でもないのに、何故ここまでひどく言われなければならないのでしょうか?はっきり言って批判する人は表では道徳的な発言をしているように見せかけて、裏で動いているのは単なるやっかみの感情です。故山本夏彦翁の言う「茶の間の正義」です。つい最近、女子プロレスラーのある方がネットでの心ない批判の殺到が原因で自殺しました。もし小室さんが自殺したり、眞子様が一生結婚しないと言い出したとしたら、一体誰が責任を取るのでしょうか?はっきり言ってこれはネット上での集団による特定個人への「いじめ」「ハラスメント」以外の何物でもありません。関係の無い人はこれ以上あれこれ口を出すのは止めてください。

バイデン新大統領の就任演説を「読んで」

バイデン新大統領の就任演説を「読んで」感じたこと。(実際のしゃべりはニュースの中で一部流れるのを聴いただけです。)学生時代に京極純一さんの「日本の政治」を読みましたが、その中に、自民党の長期政権時代(55年体制)における社会党のことを「正論政党」と描写していました。アメリカなどの西側諸国とだけ平和条約を結ぶのではなく、ソ連や中国とも同時に平和条約を結べ、と主張したのが社会党で、それはもし可能であれば確かにその方がいいのでしょうが、冷戦の時代にそんなことは不可能であることは誰でも分かる理屈でした。そういう政策の非現実性が社会党が「正論政党」と言われる所以でした。
アメリカの民主党は、社会党みたいに実際に政権を担った経験がほとんど無い政党とは違い、多くの大統領を産み出していますが、ある意味ではこちらもかなりの「正論政党」です。「PC(= Politically Correct)政党」と言ってもいいかもしれません。要するにきれい事のオンパレードで、今回のバイデン新大統領の就任演説もまさにそれでした。分断を解消すると言う目標自体は、非常に良いことでそれ自体は否定されるべきではまったくありません。でもそれをどのような具体的政策で進めて行くのかはほとんど示されませんでした。実際に初日に出した大統領令でやっているのは、トランプがやって来た政策のほぼ全否定です。トランプを今回の大統領選で支持した人は当然面白くないと思います。こうしたやり方では分断が解消されるとはとても思えず、むしろますます対立を先鋭化するように思います。
もしバイデン新大統領が就任演説の中で、多少はトランプの成果も公平に認めれば、トランプ支持者も少しは耳を傾ける気持になったのではと思います。少なくとも経済状況についてはその政策のせいかどうかは議論があるにしても、コロナが出て来る前は非常に好調だったことは誰でも知っています。
2016年の大統領選の時に、トランプの娘のイヴァンカは、「私の父は行き過ぎたPCを是正しようとしているのだ」と言っており、なかなか上手い言い方をするなと感心したことがあります。人の性として、たとえそれが字面上良いことであっても、ほとんどいつもそればかり聞かされていたら、嫌になります。民主党を支持していない人の気持ちがそれに近いように思います。
今バイデン新大統領がやっていることは、トランプのマイナスを何とかゼロにしようとしていることばかりです。新大統領の真価が問われるのは、トランプの関連から抜けて自身でどんなプラスをもたらすかで評価されるべきと思います。

うがい薬の需要は春先から急増しています。

ポビドンヨードを含むうがい薬の効果について松山晃文センター長「うがいで肺炎のリスク軽減」
>> この時期は風邪がはやらないので、ポビドンのうがい薬の生産が減ってる時期だった」と説明。

まったくの間違った情報。実際には新型コロナが始まって、もっとも売上が伸びたのがうがい薬だと既に2020年の4月頃の情報で言われていました。下記の情報だと実に前年比360%でコロナで売上が増えた製品のトップです。

https://toyokeizai.net/articles/-/349029

おそらく6月頃からは多少落ち着いて来たのでしょうが、注残を消化するのでまだ各メーカーはフル生産状態が続いていた筈です。「インフルエンザがはやらないし、花粉症の季節でもないので、マスクは十分にある筈」と言えない状況が続いたのを考えれば誰でも分ること。