3WアンプでJBLが鳴りました。

PCL86シングル超三結アンプに、駄目元でJBL4307をつないでみたら、何とプッシュプルの高出力真空管アンプでもきちんと鳴らせなかったのがわずか3W+3Wのシングルアンプがちゃんと鳴らせました!
但し条件付きで、サブウーファーを使用することです。JBL4307自体はサブウーファーは必要無いんですが、真空管アンプにとってはサブウーファーで低音をカバーしてもらうと楽になるみたいで、どの真空管アンプも高音での歪みが減ります。
このPCL86シングル超三結アンプの結果が良かったのは、
(1)超三極管接続を行うことにより歪み、特に高音の歪みが減る。
(2)超三結で出力管のインピーダンスが減りダンピングファクターが高くなる。このアンプのダンピングファクターは12.5です。上杉佳郎さんはダンピングファクターは10以上あれば良いと言っています。

PCL86の色々

今回の超三結アンプ用のPCL86、結局これだけ揃いました。左下の箱無しが最初から付いていた旧ユーゴスラビアのEiのもの。左上の4本は4本マッチでeBayで買ったLorenzのもの。左2本がITT Lorenzブランド、右2本がSEL (Standard Elektrik Lorenz)ブランドで、右の方が新しいようです。Lorenzの真空管はラジオ用ではテレフンケンのライバルであり、昔はナチスドイツの軍事用無線機にも使われたようです。その右はGEの真空管ブランドのMAZDA。ロンドン製となっています。マツダというと日本のもののように思われるかも知れませんが、あれ(マツダランプ)は東芝がGEのライセンスでマツダ名(日本語の松田ではなく、ゾロアスター教の光の神のアフラ・マズダから取った名前)で電球などを作っていただけです。その下のEdicronはエレキットのサイトで補修用で売っているもので、これもロンドンという表示があります。(HPはここで、この会社の内容を見る限りロシアや東欧、中国の真空管を仕入れて選別して売ってるだけの業者に見えます。)その左がPOLAMPでポーランド製です。PCL86は東欧のテレビの音声出力管として良く使われたようで、その関係でポーランドで生産されていました。このブランドが一番多く市場に出回っているようです。PCL86はこのようにラジオやテレビに使われたのでそれなりに生産量は多く、しかしヒーターの電圧が14Vと特殊なので(電源トランスのタップは6V、12Vはありますが通常14.5Vとかは無いです。但し春日無線のトランスが一部対応しています。)、素性のいい真空管の割りには安く手に入ります。入手していないものではPhilips製があります。これもeBayでいくつか出ていました。
取り敢えず今はITT Lorenzをアンプに挿して聴いています。気のせいかもしれませんがやっぱりEiのよりいいような気がします。(超三結では出力管の差は出にくいとされていますが。)

PCL86シングル超三結アンプキットの異常電圧部分の修理

PCL86シングル超三結アンプキットは、土曜日にポストした通り完成して問題なく音は出ていました。しかしながら各部の電圧チェックの内一箇所で本来35Vぐらいであるべきなのが80V以上出ており、気持ち悪いので販売元に聞きました。その結果、定電圧制御のツェナーダイオードの一つが壊れているということでした。こういうのがあるので部品総取っ替えをやっているのですが、半導体関係は知識が無いので付いて来たのをそのまま使ったらこれです。
それで、このツェナーダイオードとまた近傍で高い電圧がかかっていた電解コンデンサーとオペアンプを交換することになりました。交換部品は無償で送ってもらいました。

その作業に先行して今付いている部品を取り除きましたが、電解コンデンサーとツェナーダイオードは問題なく取り外せましたが、8本足のDIPであるオペアンプが、私が持っているツールでは全部一度に半田を溶かして引き抜くなんて出来ないので、ニッパーで足を切り、それから残った端子を取り除こうとしました。しかし今回オーディオ用銀はんだを使ったのが誤算で、通常の半田付け作業は問題無いんですが、リペア性が悪く、銅網で出来た半田吸い取り線でかなり時間をかけないと吸い取りがうまく行きません。それで半田ごてを当てすぎて、パターンの一部とランドを剥がしてしまいました。

それで今日、朝から補修をやりました。Amazonから届いたプリント配線板補修用具を使いました。
最初カーボン入り導電ペーストを使って、短い距離だから抵抗値が多少あってももいいかと思っていたのですが、よく考えたらカーボンペーストには半田が乗らないので、ランド部で電気的な接続を取ることが出来ません。なのでカーボンペーストはすぐエチルアルコールで拭き取りました。(単純にパターン切れの補修とかだったらカーボンペーストでもOKです。)
次に使ったのが写真の銅箔テープで、これがなかなか良かったです。裏に接着剤が付いていて、その接着強度が不安だったのですが、どうしてどうして短時間半田付けしたぐらいでは剥がれません。このテープと接続するパターンについて、ソルダーレジストを一部カッターで削って銅箔を露出させ、そこにこの銅箔テープを貼り、ただそのままだと裏面の接着剤のために導通しませんから、元のパターンの表面と銅箔テープの表面を半田でつなげて導通させました。テスターで導通を確認しました。
最後はサンハヤトのソルダーレジスト補修液を銅箔が露出している箇所に塗っておしまいです。我ながら器用に出来ました。昔銅張積層板を売っていてプリント配線板について身につけた知識が役に立ちました。

今回PCL86シングル超三結アンプキットで交換した部品類

今回、PCL86シングル超三結アンプキットを作成するにあたり、交換した部品。
交換した意図は、
(1)超三結アンプの実力を見るために、可能な限り良質の部品で組み立てる。
(2)抵抗の定格を上げることにより発熱を抑え、トータルでの信頼性と寿命をアップする。
(3)出来る限り一流メーカー品を使用する
です。
(1)足(インシュレーター)→オヤイデ製INS-BSに交換
(2)ヒューズ(2A)→Bussmann GMA-2Aに交換
(3)電源スイッチ(ミヤマDS-850、黄色LED照光、5A 125VAC)→NKK JWS-11RKKM(緑LED、10A 125VAC定格)に交換(LEDはミヤマのと推奨順電流値が違うため、電流制限抵抗を15kΩから820Ωに変え、更に10mAの定電流ダイオードを使用{定電流ダイオードだけでもOKですが、発熱源の分散のため抵抗も入れました。})
(4)その他スイッチ(ミヤマ製トグル)→NKK M-2022に交換
(5)カーボン抵抗 1/4W→1/2Wまたは1W、1W→3W、3W→5Wの高い定格のもの(多くがTOA製、その他TE製)に交換
(6)アウトプットトランス(東栄変成器、T1200、税込み一個2,090円)→春日無線 KA-5730(一個4,400円、リードタイプ)
(7)真空管PCL86(Ei製)→PCL86(MAZDA{製造英国}製他)
(8)電源ケーブル→オーディオ用電源ケーブル
(9)線材→OFCケーブル(太、細)
(10)電解コンデンサー(ルビコン)→日本ケミコン、KXJシリーズ(105℃温度定格)
(11)フィルムコンデンサー(東進工業)→アムトランス製、パナソニックポリプロピレンなど
(12)真空管ソケット→S-7Am-P 9ピンMT 基板用 日本製 アムトランスオリジナル
(13)その他→WAKO無鉛銀ハンダSR-4N
この内容で組んで、問題無く正常に動作しました。なお、フィルムコンデンサーなどかなりサイズが大きくなりましたが、実装スペースはギリギリ大丈夫でした。
写真は使わなかった部品です。