ケーブル類の交換

最近のマイオーディオでアンプが一応FIX(アキュフェーズのプリメインアンプのE-600をプリとして使い{これ単体でプリメインアンプとして使うより超三結アンプと組み合わせた方が私好みでした}、それに音の工房のSK-60の超三結アンプの部品大幅交換品をパワーとして使う)し、スピーカーも先日ヤフオクで落としたオンキヨーのD-77NEがまあモニタースピーカーとしては優秀ではないかと思い、FIX。そしてSACDプレーヤーとUSB-DACも交換しました。そうなると残りはケーブル類ということになります。ただ私は非常に高価なケーブルの効果については疑問を持っており、ケーブルである程度良質な(良質そうな)ものを使うのは、一種の精神衛生上の問題だと思っています。それでRCAケーブルでモガミの2497という元々マイク用ケーブルだったのを使ってまあいいかなと思った(プラシボ効果ではないかとも思いますが)ので、スピーカーケーブルもモガミにしました。モガミ3104という1mあたり1,280円のケーブルを3m買って、半分に切って1.5mx2で使い、先端処理はYラグを付けました。(写真のようにゴムの被覆の中に4本のワイヤーが入っていますので、対角線同士を結線するスタガード接続にして使っています。)端子加工が非常に大変でしたが、これでまあまあ満足出来る音が鳴っています。

またPCL86入手(EUROPA80とHALTRON)

またeBayで、PCL86を2ブランド、4本入手。EUROPA80とHALTRONです。前者がドイツで後者がイギリス、どちらも商社(販売店)と思います。実際はどこで作られているかは不明です。EUROPA80の方は、gm(相互コンダクタンス)が3極部で11%、5極部で4%の違いで、まあおまけでペア管といってもいいかな、ぐらいのレベル。これに対してHALTRONの方は、3極部が29%、5極部が-12%の違いで、まったくペアとしては使えないレベルです。もっとも一緒に売っていたというだけでペア管とは称していなかったので文句は言えませんが。

MQAへの疑問

MQAというハイレゾの形式の音源を聴き始めて3日ですが、早くもこの方式はインチキではないかと思うようになりました。
左のグラフはMQAが単に圧縮形式というだけでなく、より音が良いという説明に使われているものですが、要するに従来のデジタル録音は、音の立ち上がり・立ち下がりの前後に一種のノイズが乗って、立ち上がり・立ち下がりとも丸く広がってしまうのを、MQAでは非常にシャープに出来ると言っています。
しかし、これは当然元のマスターの音をデジタル的に加工して作っている訳で、写真で言うならフォトレタッチでコントラストを上げたり、シャープネスを上げるのと似ています。しかし写真と違うのは、写真の場合は一枚一枚最適なレタッチは違い、プロの写真家であれば全ての写真に一括していつも同じシャープネスをかけたりしません。しかしMQAでは元のマスターがどのような音であるかに関わらず、常にこのような処理が入る訳です。これまでMQA-CDをリッピングしたもの2種とe-onkyoでダウンロードしたアルバム2枚でMQAの音を聴きました。私の印象では直接音がやや細身になって、間接音から分離されて聞こえるような傾向を感じました。この傾向はソースによっては好ましいでしょうが、全てのソースにいいかというと大いに疑問です。また、今使っている超三結アンプとONKYOのD-77NEの組み合わせでは、ピアノの高音がSACDやDSD音源では本当に綺麗に繊細に響きますが、MQA音源ではわずかですが、濁りみたいな歪みを感じました。もしかするとそれはMQAが上記の処理をした結果の副作用として出てきている可能性があります。実はe-onkyoで売られているMQA音源には単なるMQAとMQA Studioがあります。後者の意味が分からなかったのですが、後者は元々その音源のマスターを作った人がMQA処理した後の音を確認して承認したもの、ということみたいです。ということは、逆に言えば単なるMQAは元のマスター作成者が承認していない勝手な音の加工をしているということになります。ちなみにMQAは非可逆の処理であり、一度MQAにしたものを元の音には戻せません。
それからMQA-CDもきわめてナンセンスです。ちなみにこんなものを売っているのは日本だけです。ハイレゾのCDとしてはSACDが既にありますが、プレーヤーが最低でも9万5千円くらいするし、またPCでは再生出来ないので(ハイブッリド盤は除く)、マニア以外にはほとんど普及していません。というか既に若い人はCDを買うことをしなくなっています。そこにおいてMQA-CDをかけられるCDプレーヤーは現時点で最低16万円です。普通のCDプレーヤーにMQAフルデコーダーを組み合わせるというやり方もありますが、そのデコーダーも最低で14万円くらいです。一体誰がそんなものを買うのでしょうか。

MQAの再生

MQAファイルが再生出来るUSB-DACを購入。MQAというのはハイレゾ音源の圧縮・配信方式の一つで、従来の圧縮形式より大幅にファイルサイズが小さくなるのが特長です。またMQAファイルを通常の音楽ファイルと一緒に入れたCDも発売されています。再生にはMQAに対応したCDプレーヤーを使うか、CDプレーヤーから光デジタルファイルや同軸でデジタル出力したものをMQAデコーダーのついたDACにつないで再生します。そうなんですが、今回買ったものはこのCDからの出力ではMQA再生が出来ないようです。今調べたらそれが出来るデコーダは最低12万円くらいします。これは普及しないわな…一応、最初からMQAも再生出来るCDプレーヤーも売られていますが、これだけのために買い換える気は当然しません。それにこの規格始まってからもう4年ぐらい経っていますが、現在発売されているMQAのCDはたったの400タイトルぐらい。それも新録音ではなくて、いわゆる疑似ハイレゾです。なお、MQA対応CDをWAVやFLACなどのロスレスの形式でリッピングすれば、MQAファイルとして認識されます。(まあそんな面倒なことするくらいだったら、CD買わないでダウンロードした方が早いです。)
e-onkyoなどで売っているMQA音源や、上記のMQA付きCDをリッピングしたものでのMQAでの再生は出来ています。MQAだと1アルバムのダウンロードが数分で終ります。(DSDの11.2MHとかだと、私の環境で20分以上かかります。)
ちなみにプレーヤーはfoobar2000はOKですが、SONYのMusic Center for PCではMQAを再生するとflac再生になってしまいます。まあ別に音質上差はないんですが。

中野英男さんの「音楽 オーディオ 人々」

中野英男さんの「音楽 オーディオ 人々」を読了。筆者はトリオ’(現JVCケンウッド)の3人の創業者の一人で、残りの2人の春日兄弟とは義兄弟の関係。トリオの社長、会長を務められました。オーディオ会社の経営者であり、同時に大変なオーディオマニアで、JBLのパラゴンという有名なスピーカーを日本で初めて買った人ですし、またVita Voxもそうです。さらにはトリオにレコード部門を作り、シャルランという録音の良さで有名なレーベルのLPを日本で販売したり、またジャズで有名なECMブランドのLPを日本で販売したりしています。今はこういう経営者でかつオーディオマニアって人はほぼいないですね。(日本の話)
1972年に春日兄弟はトリオを辞めてアキュフェーズ(最初はケンソニック)を作りますが、Wikipediaには「社内クーデター」とありましたが、中野さんは特にこの本の中で二人を批判的に書いたりはしておらず、むしろ春日二郎氏(アキュフェーズ初代社長)を「天才」と呼んでいます。私の推測は、1971年のニクソンショックによる円高(1ドル=360円が308円になった)によって輸出比率の高かった当時のトリオの業績が悪化し、銀行から役員を迎えたりしていますので、その辺の責任を取らされたのではないかと思います。
また、面白かったのが、高級プリメインアンプのKA-8004のエピソードです。何でもトリオの自信作として出したものが、試供品がある評論家に酷評され、既に生産に入っていたのを中止。そうしたら技術系ではない社員が「こうすれば良くなる」と言って来たのがコンデンサー2個をあるメーカーのものに変えるだけ。しかしそれで高音のざらつきが取れ、きわめていい音になるのを皆が確認。件の評論家も「初めて石のアンプが真空管と同じ音の艶を出した」と一転して激賞。しかし、そのコンデンサーは既に3年前に生産中止になったもので、ジャンク屋でしか入手出来ない。メーカーに打診したら最小発注数30万個ならやるが、納期は3ヵ月という回答。それで全国の支店に声を掛けジャンク屋を訪ね回ってなんとかコンデンサーを入手ししのいでいたが、コンデンサー屋から3ヵ月後に届いたものがまったく音が良くなく使えない。結局、ジャンク屋からの入手が出来なくなった時点で生産中止という顛末です。このトラブルは春日兄弟退社の一年後ぐらいのことなので、これによってお二人が責任を取って辞めたということではないようです。
また、この事件をきっかけにアンプの最終的な音質をチェックし責任を持つ音質係という役職が作られますが、それに従事していた30歳ぐらいの社員が、当時会長であった中野さんに「一生この仕事をやらせて欲しい。」と直訴してきたそうです。
このトリオに限らず、昔のソニーとかホンダとか、フロンティア精神に満ちあふれていた会社が今の日本には残念ながら見当たりません。