手持ちのPCL86のブランド

手持ちのPCL86のブランド別。これだけ持っている人はそんなにいないと思います。入手先はeBay、ヤフオクと、イーケイジャパン(エレキットの会社)の販売サイト(エレキットにPCL86シングルアンプがあるのでその保守部品として売っています。但しマッチドペアでは販売されていません。)。
1.LORENZ/ITT ドイツのLorenzがITTに買収されたもの。Lorenzの真空管は第二次世界大戦のドイツ軍の通信機器にも使われたようです。戦後はラジオ用がメインのようです。
2.LORENZ 1.と同じでしょうが、ITTが書いていない箱もあります。
3.POLAMP ポーランドの会社。現在一番多く出回っているものです。会社自体は今もあるようですが、出回っているのは昔(1960~1970年代)製造したものだと思います。東欧では真空管のカラーTVがかなり後まで製造されていたみたいで、箱単位で未使用のが売られている場合があります。(PCL86のような複合管は、白黒TVに比べ大量の真空管が必要なカラーTV用として開発された例が多くあります。PCL86の原型である6GW8{ECL86}はまさにカラーTVの音声出力用に開発されたみたいです。PCL86でヒーターが14Vになったのは、トランスレスのラジオ用ではないかと思います。トランスレスのラジオでは、使う真空管のヒーターを直列に接続して、100V、115V、250Vにしていました。なので少しでもヒーター電圧が大きい方が使いやすかったようです。例えば日本の1960年前後のトランスレスのラジオは整流管を含めて5本の真空管を使い、そのヒーター電圧は12V+12V+12V+30V+35Vで合計101Vでした。)
4.Mullard イギリス。技術的にはフィリップスから供与を受けたものではないかと思います。
5.Edicron これもイギリスの商社で製造はどこか別の国と思います。EIその他複数の製造元があるようです。
6.SIEMENS ご存知ドイツのシーメンス。
7.Philips オランダ。おそらくPCL86の元祖だと思います。
8.HALTRON イギリスの商社のブランドのようです。
9.VALVO ドイツ製です。会社はもうありません。品質の良さで定評があったようです。一部のテレフンケンの真空管はVALVOのOEM供給品だそうです。
10.TUNGSRAM ハンガリー。真空管製造のもっとも古い会社の一つのようです。
11.EI ユーゴスラビア。音の工房のアンプキットに付いていたものなので箱はありません。このEIも比較的沢山市場で見かけます。Teslaの製造ラインを引き継いだという話と、逆にTeslaの偽物として流通していたという話があります。
12.MAZDA(1)MAZDAはGEの真空管・電球のブランド名です。日本では東芝がいわゆるマツダランプを販売していました。これはMazda Electroniqueというフランスの電球会社の製品のようです。
13.MAZDA(2)販売はThorn-A.E.I. Radio Valves & Tubes, Ltd.で調べてみたらBrimarの子会社みたいです。
14.EUROPA80 ドイツのゾーリンゲンの会社。商社だと思います。
その内、ハードウェアとしての構造上実質的に何種類あるか、調べてみるつもりです。

各社PCL86の内部構造の違い

以前オークションで集めた色んなブランドのPCL86を良く眺めて見ると、同じ規格の真空管にもかかわらず、各社でかなり構造が違うことに気が付きました。例えば真空管の一番上の円盤みたいになっている部分がシーメンスだと文字通り中が詰まった円盤ですが、EI(ユーゴスラビア)だと、金属の輪っかです。またその円盤部を支える縦の金属部も、ITT Lorenz(ドイツ)、Tungsram(ハンガリー)、Polamp(ポーランド)で3社3様で太さがまるで違います。またITT LorenzとTungsramは中にロット番号と思われる数字が入った四角のプレートが入っていますが、ITTがほぼ正方形を垂直に立てているのに、Tungsramのは45度に傾けて立てています。こういう物理的な構造の違いって、必ず音質の差となって現れると思います。いつか全部聴き比べして違いを評価してみたいですね。このPCL86というのは真空管の時代の最後期に作られたもので、技術的には色々と進んでいたみたいです。

PCL86の超三結アンプ、発振音解消

音の工房のPCL86超三結アンプ(キットの部品大幅改)ですけど、KriptonのKX-1.5をつなぐと、かすかですがボリューム位置によって「ピィー」という発振音がします。スピ-カー端子にスパークキラーを並列につないでみましたが、効果がありませんでした。試しに出力管(PCL86)を現在のITT LorenzからPhilipsに交換してみたら、これがバッチリで、見事に発振音は消えました。

真空管アンプの棚卸しの最後-JB300B Ver.3

真空管アンプの棚卸しの最後、サンバレー(キット屋)のJB300B Ver.3です。一番最初に組立てた真空管アンプです。このアンプのせいで真空管や300Bの音が「甘い」と誤解をすることになったアンプです。まだこのアンプにPSVANE WE300Bを刺して聞いてなかったのでやってみました。悪くは無いですが、音が雑で余計な残響がくっついているような音になりました。このアンプは通電していると、いつ故障するかと冷や冷やします。実際に中のセメント抵抗がグリスが染みだしたようになっていて劣化していますので。かといって今さらこれの部品を総取っ替えして音質向上を目指そうという気にもちょっとなれないです。

P.S. 2時間ぐらい聴いたら演奏中に勝手にフェードアウトして電源のパイロットランプが消えて音が出なくなる現象が出ました。一旦電源を切って何分か後にONにするとまた音が出ますが、その後10分くらいで駄目。おそらく電解コンデンサー辺りが死にかけているのかと。→廃棄することにしました。やはりここの真空管アンプは耐久性に欠けるということがまたも実証されました。

さらに真空管アンプの棚卸し-エレキットのTU-8200R

真空管アンプの棚卸しは続きます。今日はエレキットのTU-8200Rです。元々は6L6GCシングルアンプですが、このアンプはバイアス電圧の自動調整機構が付いていて、まったく調整無しで、KT66、KT77、KT88、EL34、5881などのオクタルピンの各種ビーム管・五極管に差し替え可能です。それで今挙げた真空管は全てペアで持っています。こういうのを球転がしといって、なかなか楽しいですが、気を付けないと真空管のソケットというのは、そんなに頻繁に抜き替えることを想定していませんので、やり過ぎるとソケットが壊れます。後それから、NF(負帰還)をかけたアンプでは、出力管を変えても音の変化というのはほんの微差です。ブラインドテストをやったら聴き分けられる人はほとんどいないでしょう。
このアンプは出力管が差し替えられる以外に、増幅の方式として、普通の五極管接続、ウルトラリニア(UL)接続、三極管接続に、ジャンパー線の変更で切り替えられます。なので真空管入門としては最適のアンプだと思います。価格はキットで実売6万7千円くらいです。エレキットの真空管アンプはプリント配線板を使っていますので、組立てるのが楽ですし、マニュアルも非常に良く出来ています。