NHK杯戦囲碁 余正麒NHK杯選手権者 対 小山空也7段(2026年1月18日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は黒番が余正麒NHK杯選手権者、白番が小山空也7段の対戦でした。碁は戦いに次ぐ戦いでしたが、特に黒が白の上辺の構えに2線に打ち込んでからの戦いが難解でしたが、結局黒が白の左上隅を取り込み、白が中央を制するという大きな振り替わりになりました。これは元の形からして黒が少しやったように思います。しかし白は中央の厚みを生かして右辺に打ち込み、右辺上方の黒に寄りついていこうとしました。その後の戦いも難解でしたが、白が黒の急所に中央から覗いていったのがやや打ち過ぎではないかという感じで、その後その覗いた白を逃げ出した一団がある意味お荷物になりました。その中央の白が黒1子をシチョウに抱えて、白が左下隅をハネたタイミングで、黒が白の左下隅の開きに覗いたのがシチョウアタリになっていて、白は色々抵抗しましたが、最後はシチョウの逃げ出しを防げば白の左下隅が死ぬというカラミになり、白の投了となりました。

NHK杯戦囲碁 山下敬吾9段 対 平田智也8段(2026年1月11日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が山下敬吾9段、白番が平田智也8段の対戦でした。序盤は山下9段今日は普通の布石かと思いきや、白の左上隅カカリに対し、5の13という今日も独特の手を見せてくれました。いつも山下9段のこういう打ち方で感心するのは、そういうある意味奇妙な手が無駄にならず後で働くような打ち方をすることで、今日もそういう展開になりました。局面は戦いに次ぐ戦いという感じで、下辺の攻防で黒が左下隅を取り、その代わり白が下辺から延びる黒の一団を攻め、という感じでめまぐるしい展開でした。特に碁盤上半分の攻防になってからは、振り替わりに継ぐ振り替わりで黒地・白地が激しく入れ替わりましたが、黒が白の中央の石を取って30目弱の地を確定させ、また最後上辺を突き破って白4子を取り込んで、地合ではかなりの大差で黒が良くなり白の投了となりました。平田8段はこのところNHK杯戦で活躍していますが、山下9段にはまだ勝ったことがなく、若干苦手意識があるような感じで、白にも勝つチャンスがあったのではと思います。

NHK杯戦囲碁 酒井佑規6段 対 鶴山淳志8段(2026年1月4日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が酒井佑規6段、白番が鶴山淳志8段の対戦でした。二人とも力戦派であり、期待通り戦いの碁となりました。ただ左辺から中央の戦いで白が8の11に打って左辺の黒を封鎖したのですが、黒は上方にすべって地を稼ぎながら簡単に活きたので、ここはAIが示していたように逆に白から左辺にすべって黒地を奪いながら攻めた方が良かったように思います。その後白は中央の厚みをベースに上辺で黒を切っている1子を動き出しましたが、ここもその後結局二間飛びの間を切られて取られてしまったのはチグハグな打ち方でした。この結果黒は弱い石が無くなって地合でリードし、その後右上隅で劫になり、黒が劫立てで上辺を打ったのに白が受けずに劫を継いだ結果、黒のリードが拡大し、白の投了となりました。

NHK杯戦囲碁 鈴木伸二8段 対 芝野虎丸十段(2025年12月28日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が鈴木伸二8段、白番が芝野虎丸十段の対戦です。二人のこれまでの対戦成績は5勝5敗の5分です。序盤は黒が実利に走り、結局四隅全部を黒が取るという展開になりました。ただ左上隅の黒の生き方は小さく、白が左辺の黒二子を取り込んだので白が若干リードしました。その後白は左辺から伸びる黒の一団を攻めて中央が激しい戦いになりました。しかし黒が白の5子の取りをにらんだ劫争いに持ち込み、この劫に黒が勝って中央の石が全部活きたので、黒が優勢になりました。しかし白も左上隅の黒を振り替わりのような形で取ったので、形勢の差は微細でした。最後右辺に侵入した白と中央の白を黒が切っていき、中央の白と右上隅の黒の攻め合いになりました。結局黒の一手勝ちになりましたが、白が先に当て込みを打っていたら逆に白の一手勝ちだったかもしれません。黒の中押し勝ちとなりました。

NHK杯戦囲碁 一力遼5冠王 対 本木克弥9段(2025年12月21日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は黒番が一力遼5冠王、白番が本木克弥9段の対戦です。右下隅方面から戦いが始まり、一力遼5冠がかなり積極的に仕掛けていった感じで、中央にも切りを入れて右辺から延びる白石全体を狙いました。その戦いは左辺へも拡大し、黒の左辺の地がどうなるかという所が焦点でしたが、まず黒は右辺からの白への攻めで先手で目をつぶせた所を打ち損ない逆にそこを白に打たれたため、白から見て活きが容易になりました。左辺での戦いも最後に黒の中央が薄くなって黒が手を入れざるを得なくなり、結果的に白が先手で黒の左辺を大きく荒らし、なおかつ右辺中央の白から打てば黒地をセキで0目に出来る手に白が回って、白の勝ちが確定しました。白の2目半勝ちで本木9段は金星を挙げました。

NHK杯戦囲碁 表悠斗3段 対 福岡航太朗7段(2025年12月14日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が表悠斗3段、白番が福岡航太朗7段の10代同士の対戦でした。上辺で黒がシチョウで取られていた2子を手を掛けて逃げ出せるように、その結果2子を捨てて逆に黒の中央の2子を切り離した結果、若干白がリードしたように思います。その後下辺の折衝は互角だったように思いますが、白が右辺上方に打ってそこからの折衝で、最終的に黒が何とか白を取り込んだものの、右上隅に白に食い込まれて、同時に元々弱かった上辺の白が安心となり、ここで完全に白のリードとなりました。その後黒は中央の白地に突入して活きを図りましたが、白に的確に対応され、白の中押し勝ちとなりました。

NHK杯戦囲碁 横塚力7段 対 井山裕太碁聖(2025年12月7日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は黒番が横塚力7段、白番が井山裕太碁聖の対戦です。(井山さんもついに碁聖だけになりました。感慨があります。)
対戦は下辺での黒の打ち方が一応振り替わりでしたが損を先にしたようなもので、それ以降はずっと白のリードで進みました。しかし上辺での折衝で白は黒の戦いの誘いに乗った感じで打ち過ぎてしまい、白がかなり損をし、黒は中央がかなり厚くなって形勢は互角になりました。その後中央の黒地を白がどう値切るかの戦いが続きましたが、ここでも黒は上手くしのいで、形勢はやや黒有利で進みました。しかし黒が左辺2線を先手のつもりで押さえたのが、白の黒6子取りと換わり手拍子で、これでまた形勢不明になりました。しかし双方でヨセにミスが出て、結局は白が何とか半目勝ちとなりました。全体に井山碁聖らしさがあまりない碁でした。横塚7段は大きなチャンスを逃しました。

NHK杯戦囲碁 河野臨9段 対 芝野虎丸十段(2025年11月30日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は黒番が河野臨9段、白番が芝野虎丸十段の対戦です。序盤で白が4手目で右上隅にかかり、変形秀策流のような布石で始まりました。右上隅で黒は中央にケイマで顔を出し、右辺を押していって白地を確定させるという河野9段としては珍しい打ち方をしました。その後上辺と左上隅、左辺にかけてお互いに切り合って戦いが始まり、黒が白のダメヅマリを利用した上手い手で上手く中央に顔を出しました。そうすると残された中央の白がどうしのぐかという所ですが、白は下辺に黒に付けて行き、そこと絡めてのしのぎを目指しました。ここで黒が下辺を優先して中央の黒5子を捨ててしまったのが少し追及不足という感じで、白は黒を取って治まり、形勢としては白のリードになりました。その後黒が右辺の白地に踏み込む勝負手を見せましたが、結局は白有利の攻め合いで、少し締め付けが利いた程度で形勢の逆転にはならず、白の中押し勝ちとなりました。芝野十段の戦い上手が目に付いた対局でした。

NHK杯戦囲碁 富士田明彦8段 対 鶴山淳志8段(2025年11月23日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が富士田明彦8段、白番が鶴山淳志8段の対戦です。この碁は終始戦っており、特に下辺での激しい折衝が中央から左辺にかけて延びて行き、黒が攻められていた中で、左下に覗きを打ってそれに白が反発しという展開で、結局左下隅は黒地になりましたが、その代わりに下辺から中央に延びた黒石がかなり危なくなりました。しかし白の攻め方が若干まずい所があり、黒は取られていて左上隅の石を利用して上手くしのぎました。しかし白も中央が厚くかなりの地が見込めそうで、黒の右辺がどのくらいまとまるかが勝負でしたが、白が右下隅に付けて黒に受けさせた後、右辺上方に利かして打った打ち方が巧妙で、右上隅の黒は手を抜くと眼が無くなるのでやむを得ず受けになり、それから右下隅のさっき付けた石を動き出したのが巧妙でした。これで白が右辺を上手く割り、白の優勢になりました。その後右辺で劫が発生しましたが、勝敗には関係なく、結局白の3目半勝ちになりました。

NHK杯戦囲碁 本木克弥9段 対 志田達哉8段(2025年11月16日放送分)


本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が本木克弥9段、白番が志田篤8段のどちらも7大タイトルの挑戦経験者同士です。(志田8段は今年の天元戦で一力遼天元に挑戦しましたが、惜しくも3連敗でタイトル奪取はなりませんでした。)この碁はがっぷり四つという感じで、最後まで微細な形勢が続きました。上辺左でいわゆる「鶴の巣ごもり」の形が出来て、それで白が守らずに黒に取らせたのも珍しいことでした。左辺で黒が白地を侵略して活きた代わりに中央がかなり白っぽくなったのですが、黒が下辺の白を脅かしつつ中央を上手く侵略して大きな白地を作らせなかったのが黒の勝因になりました。また最後の方で上辺の劫争いをしている時に、左辺を劫に弾いて新たな劫を作ってそれを劫立てにしたのも上手く、最後白の左下隅に置く手があり、白が一手手入れが要るということで、結局黒の1目半勝ちに終わりました。