
本日のNHK杯戦囲碁はいよいよ決勝戦で、黒番が井山裕太碁聖、白番が余正麒NHK杯選手権者の対戦です。この碁では右上隅の戦いがいきなり激しくなり、黒はなんと11子を捨てるという選択をし、その代わりに上辺から左上隅にかけての地模様を築くということで、大きな振り替わりになりました。これは一見すると白が良さそうに見えますが、全局的にはバランスが取れており、井山碁聖のさすがの大局観だったと思います。その後白がその左上隅方面の黒地に手を付けていって、しばらく進んだ後、黒はいきなり下辺右側の白に付けていき、ここからまた激しい競い合いが始まりました。ここの戦いは、双方ダメの詰まった団子石が中央でもつれあうというプロの碁ではなかなか見られない展開になりましたが、互角に別れ勝負はヨセに持ち込まれました。白はちょっと左辺の収束のさせ方が淡泊だったようで、黒が若干地を得して、わずかですがリードしたように思います。その後黒はヨセを的確に打ち進め、終わってみれば黒の2目半勝ちで、井山碁聖が4年ぶりの優勝を果たしました。
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NHK杯戦囲碁 福岡航太朗7段 対 余正麒NHK選手権者
本日のNHK杯戦囲碁は黒番が福岡航太朗7段、白番が余正麒NHK選手権者の対戦です。勝った方が井山裕太碁聖との決勝に進出します。碁は開始早々で白が左上隅方面の黒模様に入っていった段階から激しくなりました。福岡7段が厳しい手を打ち続けましたが、余NHK選手権者が上手く打ち回して中央押さえに回り、上手く捌きました。そして今度は中央の黒と右上隅方面の白の競い合いになりましたが、ここも白が上手く捌いた感じです。こうなると白の下辺の模様が大きく、ここがどれだけまとまるかの勝負になりました。黒は大ゲイマジマリに付けて行って侵入を図りましたが、結局は劫になりながら白が黒6子を取り込み、白の下辺の大きな地が確定しました。それでも黒は更に別の劫に持ち込み、白の左辺上方から伸びる大石の切り離しと取り込みを狙いましたがこれも不発でした。最後非常手段で黒は更に右辺で白の大石を狙った劫に持ち込みましたが、結局この劫に負けた黒は右辺の地に侵入されただけではなく、黒の大石の眼が逆になくなり取られてしまい、黒の投了となりました。決勝の組み合わせは昨年と同じになりました。
NHK杯戦囲碁 井山裕太碁聖 対 酒井佑規7段(2026年3月1日放送分)
本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が井山裕太碁聖、白番が酒井佑規7段の対戦でした。白は右下隅で跳ね出せば隅の黒をほとんど取れたのに下辺で下がって黒をつながらせる打ち方をしましたが、ちょっと損だったように思います。その後黒の左下隅方面に白が入って行って、そこからの白が最強手を繰り出して頑張り、その戦いが左辺から左上隅にも波及しました。結局左上隅方面は黒が上辺で得をし、白が左辺で黒4子を攻め取りですが取って収束しました。この別れだと白のリードがつづいており、その後黒はヨセで挽回しようとしましたが、惜しかったのは左下隅で切ってみる手があったのを見逃して普通に寄せてしまったことで、最後は大差になって白の投了となりました。井山碁聖は2年連続で決勝進出です。
NHK杯戦囲碁 余正麒9段 対 山下敬吾9段(2026年2月22日放送分)

本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が余正麒9段、白番が山下敬吾9段の対戦です。今日は山下9段、右下隅の小目に肩付きするという珍しい手を見せてくれました。私は事前にもしそう打ったら黒に這われて地が損だなあ、と思って見ていたので、実際に打たれてちょっと驚きました。その肩付きから見たことの無い形になり、激しい戦いが始まりました。結局は黒は下辺の2子を捨てて、白は若干地を得しました。その後白が右辺に侵入していって地を稼いだのですが、白が右下隅に利かせる付き当たりを打たないで、右上隅で地を稼いだのですが、黒からの右辺の白への置きが強い手で、この結果白は右辺を捨てることになり、黒の40目弱の地が確定しました。これで黒のリードとなり、その後白も右辺を攻め取りにさせようと頑張りましたが、結局そこも黒が眼を作り、白からのチャンスは無くなり白の投了となりました。
NHK杯戦囲碁 井山裕太碁聖 対 本木克弥9段(2026年2月15日放送分)
NHK杯戦囲碁 田中康湧5段 対 酒井佑規7段(2026年2月8日放送分)

本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が田中康湧5段、白番が酒井佑規7段の対戦です。黒は三隅で地を取って、白は左辺に模様を築きました。黒は左辺に打ち込んで行き、構えは低いものの左辺で活きました。その代わりに白の下辺が大きくなり、黒は今度は左下隅の白に付けて行きましたが、そこからの攻防が勝敗を分け、黒は色々と策動を図ったものの、結局は打った石が全部取られた形になり、攻め合いに持ち込んで締め付けるのも上手く行かず、ここで白が優勢になりました。その後黒は上辺右側の白を攻め、白が無理をせず一部を捨てたために差は縮まりましたが、白の優勢は変わりませんでした。その後ヨセで白のリードが拡がり、結局白の中押し勝ちとなり、酒井7段が初の準決勝進出となりました。
NHK杯戦囲碁 福岡航太朗7段 対 鈴木伸二8段(2026年2月1日放送分)

本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が福岡航太朗7段、白番が鈴木伸二8段の対戦でした。勝った方がどちらも初の準決勝進出になります。序盤はじっくりした碁でしたが、黒が右下隅の三々に肩付きしてからもつれて来て、下辺での黒と白のせめぎ合いが始まりました。白は中央を重視して2段バネしましたが、その間に下辺で黒にコスミツケを打たれ、これで白の根拠が無くなり、後の打ち方が難しくなりました。逆に白がケイマに滑って伸びこんでいたら、下辺左の黒も根拠が怪しくなるためここが焦点でした。非勢の白は左上隅の三々に入って地を稼いで頑張りましたが、二段バネの所を切られて、白は継がずに粘りましたが、色々薄くなり、最後下辺の白が眼が無くなって取られてしまい、白の投了となりました。
NHK杯戦囲碁 広瀬優一7段 対 田中康湧5段(2026年1月25日放送分)
NHK杯戦囲碁 余正麒NHK杯選手権者 対 小山空也7段(2026年1月18日放送分)

本日のNHK杯戦囲碁は黒番が余正麒NHK杯選手権者、白番が小山空也7段の対戦でした。碁は戦いに次ぐ戦いでしたが、特に黒が白の上辺の構えに2線に打ち込んでからの戦いが難解でしたが、結局黒が白の左上隅を取り込み、白が中央を制するという大きな振り替わりになりました。これは元の形からして黒が少しやったように思います。しかし白は中央の厚みを生かして右辺に打ち込み、右辺上方の黒に寄りついていこうとしました。その後の戦いも難解でしたが、白が黒の急所に中央から覗いていったのがやや打ち過ぎではないかという感じで、その後その覗いた白を逃げ出した一団がある意味お荷物になりました。その中央の白が黒1子をシチョウに抱えて、白が左下隅をハネたタイミングで、黒が白の左下隅の開きに覗いたのがシチョウアタリになっていて、白は色々抵抗しましたが、最後はシチョウの逃げ出しを防げば白の左下隅が死ぬというカラミになり、白の投了となりました。
NHK杯戦囲碁 山下敬吾9段 対 平田智也8段(2026年1月11日放送分)

本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が山下敬吾9段、白番が平田智也8段の対戦でした。序盤は山下9段今日は普通の布石かと思いきや、白の左上隅カカリに対し、5の13という今日も独特の手を見せてくれました。いつも山下9段のこういう打ち方で感心するのは、そういうある意味奇妙な手が無駄にならず後で働くような打ち方をすることで、今日もそういう展開になりました。局面は戦いに次ぐ戦いという感じで、下辺の攻防で黒が左下隅を取り、その代わり白が下辺から延びる黒の一団を攻め、という感じでめまぐるしい展開でした。特に碁盤上半分の攻防になってからは、振り替わりに継ぐ振り替わりで黒地・白地が激しく入れ替わりましたが、黒が白の中央の石を取って30目弱の地を確定させ、また最後上辺を突き破って白4子を取り込んで、地合ではかなりの大差で黒が良くなり白の投了となりました。平田8段はこのところNHK杯戦で活躍していますが、山下9段にはまだ勝ったことがなく、若干苦手意識があるような感じで、白にも勝つチャンスがあったのではと思います。

