マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第46回を公開

「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第46回を公開しました。2025年の最初の公開です。
ここでは戦争でローマが勝って獲得した属州の土地について、所有権がどうなっていたのかという細かな議論が行われています。ローマが負けた側の面子をつぶさず、またひどい搾取も行っていないという巧妙な属州管理の一面が良く分かります。

スタートレック・TNGの”Yesterday’s Enterprise”

スタートレック・TNGの”Yesterday’s Enterprise”を観ました。このエピソードはお話がそれほど素晴らしいという訳ではありませんが、今のエンタープライズ号(D)と先代のエンタープライズ号(C)がそろい踏みしたり、亡くなった筈のヤールが再登場したり、この時代にはあり得ないクリンゴンの宇宙船とエンタープライズ号のバトルが観られたり、と視聴者サービスという点では非常に良かったです。先代のエンタープライズ号(C)は戦争中だったクリンゴンの宇宙船から救助信号を受け、助けに行った所で消息を絶ったのが22年前でした。しかしその(C)が何かの時空の歪みで突然(D)の前に出現します。そしてその瞬間に歴史が変わり、まだクリンゴンと連邦は戦争中でかつ連邦が劣勢で後半年で降伏という状況になります。そんな中死んだヤールが蘇りますが、それを誰も不思議に思いません。(D)のライカー達は(C)から女性の艦長他を救助します。ピカードはガイナンから、この世界は何かおかしいと言われ、(C)を元の時空に戻すことを強く勧められます。しかしそれは戻した瞬間に彼らが全滅することを意味していました。((C)は実際には3隻のロミュラン宇宙船に襲われて爆発していました。)しかし(C)の艦長及びクルーから、家族もいないと思われるこの世界で生きていくより、元の世界で使命を果たしたいと言われ、ピカードも苦渋の決断をします。ヤールは(C)のエンジニアと恋に落ち、またガイナンから自分が無駄に死んだことを告げられ、意味のある死を求めて(C)に移って作戦の指揮をすることを選びます。時空の歪みが再度起こり、(C)が元の世界に戻ろうとする数分前のタイミングでクリンゴンの宇宙船3隻が(D)を襲い、(D)は奮戦しますが、ライカーは倒れ、エンジンは爆発寸前になります。そんな中(C)が元の時空に戻り、世界が再度修正され、エンタープライズ号は元の時空に無事戻ります。(C)がクリンゴンの宇宙船を助けようとして行方不明になったことが、戦争に良い影響を及ぼし、連邦とクリンゴンの停戦につながり、(C)は決して無駄に死んだのではありませんでした。

「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第44回を公開

「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第44回を公開しました。ついに翻訳の量が「中世合名・合資会社成立史」のそれを超えて未知の領域に入りました。
ここは「レンテンカウフ」(地代徴収権売買)の萌芽がローマにあったという話で、私には非常に興味深い箇所です。
もっとも所有権に関わる制度の大抵のものはローマ法が起源になっています。担保とか遺産の扱いとか。

トワイライト・ゾーンの”Spur of the Moment”

トワイライト・ゾーンの”Spur of the Moment”を観ました。1939年のある日、馬で近くの丘に出かけた18歳のアンは岡の上に、やはり馬に乗った黒装束の魔女のような女が、自分の名を呼び追いかけて来るのを目撃します。恐怖にかられたアンは必死に逃げて自宅に駆け込みます。そこには彼女の新しい婚約者のロバートがいて、その事件は何かの警告ではないか、と言います。そこにアンの前の婚約者で幼馴染みのデイヴィッドがやってきて復縁を迫りますが、アンの父親が拳銃で追い払います。しかしロバートとの婚約パーティーの晩、こっそり忍び込んで来たデイヴィッドとアンは駆け落ちしてしまいます。それから25年後、アンは43歳のアル中女性に成り下がっており、その夫のデイヴィッドも放蕩者で事業に失敗して、アンの母親を追い出してアンの実家を売り飛ばそうとしています。アンは馬で近くの丘に出かけ、18歳の自分を発見し、間違った男を選ばないように警告しようとしますが、若い方のアンは逃げ出し、ということで冒頭につながります。
まあトワイライト・ゾーンらしい話ですが、若い女性の男性の選択より、結局親の選択の方が正しいのだ、みたいなちょっと説教臭を感じなくもありません。

スタートレック・TNGの”The High Ground”

スタートレック・TNGの”The High Ground”を観ました。エンタープライズ号がルチアIVという星での、アンサタという西側の部分の独立を目指したテロリズムに巻き込まれる話です。アンサタ側は次元ワープという方法で移動していて、エンタープライズ号でさえそれを検知出来ません。アンサタ側は医師のクラッシャーを誘拐しますが、それは次元ワープは人体のDNAに有害であり、その者達の治療をさせるためでした。クラッシャーはアンサタのリーダーであるキリルと話合いますが、キリルは絵を描く芸術家肌の男で必ずしも冷血一方の人間ではありませんでした。テロを止めるように言うクラッシャーに、キリルは自分はアメリカの独立戦争でのワシントンと同じだと言い、勝てば将軍と呼ばれ、負ければテロリストと呼ばれると言います。結局ウェスレーが次元ワープを追跡する方法を見出し、アンサタの基地である洞窟が特定され、ウォーフ達がクラッシャーと同じく拉致されたピカード救出に向かいます。キリルはルチア側の捜査官に射殺されましたが、その敵を討とうとした少年をクラッシャーは止めるように説得し、少年は銃を下ろし、クラッシャーはそこに平和的解決の希望を見出します。
しかし、エピソードの中でルチアのスクールバスがアンサタの攻撃を受け60人の子供が死んだなど、いやでも現在のイスラエルとガザの戦争を思い起こさせる内容でした。エピソード中でデータが、同様の独立戦争の例として北アイルランド紛争を挙げ、「2024年に北アイルランドがイギリスに併合された」と言ったため、イギリスや北アイルランドではこのエピソードは放送されなかったみたいです。

塩野七生の「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」

塩野七生の「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」を読了。ローマ史の中で何と言っても面白いのが、ユリウス・カエサルを除くと、第二次ポエニ戦役のハンニバルとローマの戦いです。でも、以前読んだ時に比べ大部印象が違っていました。まずは「成功は人を頑固にする」という表現が心に残って記憶していたのですが、これは何とあのクイントゥス・ファビウス・マキシムスに対して言われていた表現でした。この本でのファビウスは、若き才能あるスキピオに対し、何かとブレーキをかける頭の固い老人として描かれています。後はハンニバルですが、戦術家として見ればおそらくカエサルをも凌ぐのかもしれません。しかし戦いに自信を持つあまり、ローマに攻め込めば後は何とかなる、と楽観していて、ローマが持つ同盟市との強固な絆というものを過小評価していて、戦略家としては失敗しているとしか言いようがありません。後にローマ軍がロジスティクスで勝つ、と言われるようになったのに比べると、その面もまったく見劣りします。ファビウスの戦術が成功したのはそこを突かれたからです。しかし塩野七生の記述には色々と疑問もあって、例の「第三次ポエニ戦役でカルタゴが滅亡した後、ローマ軍がそこに塩を撒いて不毛の地にした」というのを何の注釈も無く事実であったかのように書いています。俗受け狙いというか、面白ければいいってもんでもないと思います。

ウルトラマンAの「タイムマシンを乗り越えろ!」

ウルトラマンAの「タイムマシンを乗り越えろ!」を観ました。「時を駆ける」超獣のダイダラホーシ(そのまんま)が登場し、何とウルトラシリーズ初の(?)時代劇調、というか奈良時代にTACのメンバーが超獣と一緒に飛ばされます。エースと超獣の戦いも悪乗りで、木を折ったのをわざわざ超獣にも渡してのチャンバラ。でダイダラホーシをエースが倒してしまったら、元の時代には帰れないんじゃ、と思ったら、そこはエースがTACのメンバー3人をTACスペースごと現代に戻すということで目出度し。
奈良時代で大仏が出てくるのですが、何故か露座でしかも大仏というより金目教の怪しい仏像みたいでした。

ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳第30回目

今回のヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳には、ヴェーバーが博士号論文審査の時にモムゼン教授から質問された「ムニキピウム(征服された民族による自治体)とコローニア(植民市)の違い」についての、ヴェーバーの応答が出ています。モムゼンがヴェーバーの説にはそれを実証するものが無いと批判したのに、ヴェーバーが色々言い訳しているのが面白いです。

DENONのDP-300F用ヘッドシェル

DENONのDP-300F用のヘッドシェルですが、専用のはあまり売っていないか、あるいは売っていても5000円以上します。見た感じそんな高級なシェルではないので5000円以上出す気はしません。調べたら「ADC規格 ヘッドシェル」でググるとヤフオク他で出て来ます。3000円以下で買えます。ただこの規格は厳密な規格というより、各社が真似しただけ、というだけのようなものなので、現物を入手したら使えなかったという可能性もあるので自己責任でお願いします。ちなみにAmazonで買った中国製は短すぎて使えませんでした。

アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーの「バッドボーイズ RIDE OR DIE」

本日お休みで、「バッドボーイズ」を観て来ました。積極的に観たい映画ではありませんでしたが、まあまあ楽しめました。最初の映画から30年近く経っているので、主人公の2人組も老化が進み、片方がもう片方の結婚式で心臓マヒを起こして死にかけた後蘇生するというエピソードが出て来ます。その経験で自分が不死であると思い込むのがなかなか良い伏線になっています。またフロリダは出張で3回くらい行ったので懐かしいし、巨大ワニが出て来たのには笑えました。しかし、警察と麻薬組織が結託して、麻薬取引を見逃す代わりにテロリストの情報を麻薬組織から得る、という設定はアメリカ人にはある意味でリアリティーのある設定なんでしょうね。