子力潜水艦シービュー号の”Journey with Fear”

原子力潜水艦シービュー号の”Journey with Fear”を観ました。何でもあり、の第3シーズン以降を反映して、荒唐無稽の極地のSF調の回。理由はまったく不明ですが、シービュー号の艦内から、何故か有人宇宙船が打ち上げられます。乗組員は2人で、その内1人は何とチップ・モートン副長です。ここから既に突っ込みどころ満載で、
(1)ICBMはシービュー号から発射可能ですが、人が乗れるようなサイズのロケットをどうやってシービュー号から発射するのか
(2)何故宇宙飛行士の訓練も積んでいないモートンが乗り組んでいるのか
など、いくらでも疑問は湧いて来ます。
打ち上げたロケットはしかし途中で行方不明になります。
更に驚くべきことに、シービュー号には予備のロケットも準備してあり、ネルソン提督は先のロケットを捜索するため、その予備のロケットの発射準備を命じます。しかし、準備中にクレーン艦長もろともそのロケットが消えてしまいます。
チップ副長やクレーン艦長が飛ばされたのは、金星です。(金星の表面温度は人が耐えられるようなレベルではない筈ですが、何故か映像の金星表面はほとんど地球と変わりません。)そこにいたのは、同時期に日本で放映されていた「ケロヨン」にそっくりなケンタウロス人です。彼らはチップを自白装置にかけて、人類の宇宙開発がどこまで進んでいて、他星への侵略の意図がどの程度あるのかを探ろうとします。チップの告白で結局指揮官がネルソン提督であることが分かり、ケンタウロス人はシービュー号に乗り組み、ネルソン提督も金星に拉致します。その後、ご都合主義的展開で、シービュー号の3人はケンタウロス人が操る武器のコントローラーを奪い、金星のケンタウロス人の基地が太陽の引力で崩壊する前にシービュー号に無事戻ります。
ケンタウロスの星の位置は不明ですが、彼らから見れば地球より更に遠い金星に何故基地を作らなければならなかったのか、説明はまったくありません。というかこの話が何故「原子力潜水艦シービュー号」の話なのか理解に苦しみます。

原田治、平田雅樹、山下裕二ほか、による「意匠の天才 小村雪岱」

原田治、平田雅樹、山下裕二ほか、による「意匠の天才 小村雪岱」(新潮社、とんぼの本)を読了しました。おそらくこの記事を読まれている多くの方はこの人の名前はあまりなじみがないんじゃないかと思います。私も正直な所まったく知らなかったのですが、白井喬二の作品を探して昭和初期の雑誌を多数古書店サイトで買い、その中の白井喬二作品の挿絵画家としてこの人を知りました。(「若衆髷」、「斬るな剣」など)
で「意匠の天才 小村雪岱」という本を買いました。そのタイトル通り、通常の日本画家に留まらず、本の装丁、挿絵、また化粧品の瓶のデザイン、さらには演劇の舞台のデザインまでも手がけた多才な人です。
小村雪岱の才能を見出したのはあの泉鏡花であり、「雪岱」という名前も鏡花が命名したものです。当然のことながら両者が組んだ書籍が何組かあります。雪岱の装丁の特長は、斜めの線をきわめて印象的にうまく使うことと、色、特に青色の使い方のうまさで、特に隅田川を描いたいくつかの装丁にその特長が良く現れています。
一番有名な作品は、邦枝完二が新聞連載した「おせん」の挿絵です。「おせん」のヒロインは、笠森お仙で「江戸の三美人」の一人としてもてはやされて、浮世絵に多く描かれていて有名です。雪岱の描く女性は、ほぼすべてスレンダーで、あまり直接的過ぎない適度な色気が感じられます。

原子力潜水艦シービュー号の”Cave of the Dead”

原子力潜水艦シービュー号の”Cave of the Dead”を観ました。出ました、またもミイラ男や人魚のWilliam Welchの脚本です。そして今回は「さまよえるオランダ人」です。解説本によると、この人自分の家に幽霊がいる、とか本気で言っていた人みたいで、そういう人にふさわしいオカルト話です。ネルソン提督が第11艦隊の船4隻が行方不明になった海域をフライングサブで調査に行って、激しい雷雨に遭い、その中で空飛ぶ幽霊船を目撃します。その後雷に打たれて飛行不能になったフライングサブが海上に漂っている時に、地図にはない島を見つけ、上陸して調べると洞窟があり、その中に骸骨があり、その骸骨の持っていたナイフをネルソン提督が取ると、さまよえるオランダ人の呪いがネルソン提督に移る、という話です。この後は馬鹿馬鹿しいので省略しますが、ネルソン提督がシービュー号に戻って、クルーが全員白骨になっている幻覚を見るところはちょっと面白いです。

漱石と牡蠣

夏目漱石が「吾輩は猫である」の中で、主人公の猫が飼い主の苦沙弥先生のことを「牡蠣的主人」(寡黙であまり出歩かないという意味で)と呼んでいますね。ご承知の通り漱石は1900年5月から1902年12月までロンドンに留学しています。その当時は「牡蠣=寡黙、非社交的」のイメージは英語の中で確固としてあったのでしょうね。
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彼は性の悪い牡蠣のごとく書斎に吸い付いて、かつて外界に向って口を開いた事がない。

人間もこのくらい偏屈になれば申し分はない。そんなら早くから外出でもすればよいのにそれほどの勇気も無い。いよいよ牡蠣の根性をあらわしている。

主人のようなしなびかけた人間を求めて、わざわざこんな話しをしに来るのからして合点が行かぬが、あの牡蠣的主人がそんな談話を聞いて時々相槌を打つのはなお面白い。

そんな浮気な男が何故牡蠣的生涯を送っているかと云うのは吾輩猫などには到底分らない。

小説中の人間の名前をつけるに一日巴理を探険しなくてはならぬようでは随分手数のかかる話だ。贅沢もこのくらい出来れば結構なものだが吾輩のように牡蠣的主人を持つ身の上ではとてもそんな気は出ない。

「はあ賛成員にならん事もありませんが、どんな義務があるのですか」と牡蠣先生は掛念の体に見える。

原子力潜水艦シービュー号の”The Deadly Dolls”

原子力潜水艦シービュー号の”The Deadly Dolls”を観ました。シービュー号のクルーがクレーン艦長とネルソン提督を除いて、あやつり人形の化けたものに入れ替わるという設定で、第3シーズンの蝋人形とまったく同じで芸がありません。しかも蝋人形の時は室温を最大限上げて蝋を溶かして勝ちましたが、今回はバーナーで人形を「焼いて」倒す、というのもまったくひねりがありません。でそれらの人形を操っているのが、謎の宇宙生命体で、ヤドカリみたいに寄生する固い殻を必要としていて、シービュー号をそれにしようとするという話です。クレーン艦長はパペットが化けたクルーに追いかけられてシービュー号の空調ダクトの中を逃げ回りますが、このパターンももう何回目でしょう。何か変なネルソン提督人形がやたらと出てきてしゃべって狂言回しみたいな役を演じますが、だったら人形遣いみたいな教授がいる必要はないんじゃないかと。もしかするとサンダーバードのスーパーマリオネーションへの当てつけかとも思いましたが、サンダーバードは実はアメリカではTV放映されていないので、多分違うでしょう。