「スター・ウォーズ エピソードVI ジェダイの帰還」を視聴。IV、V、VIと三本観てようやくどういうお話なのかが理解できました。結末はあまりにも予想通りでしたが、大衆小説的結末でまあいいかなと。どうでもいいけど帝国軍弱すぎ。精鋭を集めて待ち構えていた所でああもあっさりとやられるとは。また、初代のデススターも二代目も結局同じような攻撃で破壊されて、帝国軍に学習能力はないのかと。また、森の月のテディベアみたいな原住民の描写が何というか今時(といってもかなり前ですが)あまりにもステレオタイプな「未開民族」描写で笑ってしまいました。まあお話はわかりましたけど、良くわからないのは、アナキン・スカイウォーカーが何でフォースの暗黒面に落ちたかということで、それでI、II、IIIが作られたんだな、と理解しました。
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アーヴィン・カーシュナーの「スター・ウォーズ エピソードV 帝国の逆襲」
ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ エピソードIV『新たなる希望』」
「スター・ウォーズ エピソードIV『新たなる希望』」をこの歳になって初めてブルーレイで視聴。今回、ブルーレイで、エピソードIV、V、VIとI、II、IIIとVIIをまとめて購入。全部で11,000円ちょっとで、映画館で7回観るより安かったです。
「スター・ウォーズ」シリーズについては、これまで映画館でもTVでも1回も観ていません。そもそもこの映画とは出会い方があまり良くなくて、1977年に日本で封切られた時は、ただでさえ半年早くアメリカで封切られて、大量に情報が事前に日本に流れ込んできたのに加え(日本人でハワイやグアムで観てきたという人がたくさんいました)、当時は鹿児島市にいました。今は映画は新作は全国同時封切りだと思いますが、当時はフィルムであったため、まず首都圏やその他大都市圏で公開され、その後徐々に地方に回ってくることになっており、鹿児島などは首都圏に比べると半年は公開が遅かったです。そういう訳で鹿児島で公開された時は、あまりにも情報があふれていて、映画館で改めて観ようという気持ちにはなれませんでした。それに当時は高校生で全国有数の進学校に入学して、授業についていくのに必死だった頃で、その意味でも映画館に行くことはなかったです。その後TVで放映されたりしましたが、この映画は映画館で観るべきという意見に従い、TVでも観ていません。今回、家でブルーレイで観たのは、今では42インチの大形TVを持っていますし、オーディオもサブウーファー付きの素晴らしいものがあるので、家で観てもまあいいかと思いました。
で、初公開作品のエピソードIVを今回初めて観たんですが、感想は「これって日本の時代劇映画じゃないの?」でした。この映画が黒澤明の「隠し砦の三悪人」に影響を受けていることは知っていますし、「隠し砦の三悪人」も観ていますが、それ以外に、
(1)主人公のルークの服装がほとんど柔道着
(2)ライトセーバーの斬り合いがフェンシングでなくて、ほとんどチャンバラそのもの
(3)お姫様を助け出すというストーリー
(4)主人公を助けるニヒルで腕が立つ脇役(ハン・ソロ)
(5)肉体面より精神面を重視する「フォース」
など、日本の時代劇映画の特徴が満載です。調べてみたら、ジェダイの騎士のジェダイは「時代」から取ったのだという説もあるみたいです。
そういう意味で、白井喬二作品など日本の大衆時代小説を読んでいた関心とこの映画は比較的無理なくつながっている訳です。
藤沢秀行名誉棋聖の「秀行の創造 全局の要点」
鹿島神宮
1月28日(土)に鹿島神宮に行ってきました。片道120Kmですが、ほとんど高速なので2時間で到着しました。ちょっと変わった作りで、本殿はこの規模の神社にしてはこぢんまりしていましたが、本殿の先の境内が広大で、「要石」は本殿から400m奥に行った所にありました。3枚目の写真のように、それは地面からほんの少し顔を覗かせているだけでした。水戸光圀がどこまで深く埋まっているのかを確かめようと要石の回りを彫らせたのですが、とうとう一番下を確かめることができなかったということです。一番最後のが宝物殿にあった「鯰絵」です。鯰絵は安政の大地震の後に大量に発行された、地震避けのおまじないの絵で、武甕槌大神が要石によって大鯰を封じ込めるのが基本ですが、色々なパターンがあります。
NHK杯戦囲碁 結城聡9段 対 村川大介8段
本日のNHK杯戦の囲碁は最後のベスト8を選ぶ戦いで黒が結城聡9段、白が村川大介8段の対戦です。関西棋院同士の対戦です。対局は右下隅で石が切り結んだ戦いとなり、白は右辺から延びた石が黒の2子を取って治まり、また下辺も黒の石を2回ぽん抜いて、悪くなかったと思います。しかし黒は中央で延びた石から跳ね、白が跳ね返したのに、すかさず挟みつけました。この手が厳しく、結果、黒は中央を封鎖し、その結果、右辺の白の眼を取って攻める手が生じ、黒が打ちやすい碁になりました。しかし白も下辺で得をしており、大きなリードではありませんでした。その割には黒は左辺での打ち方が甘く、ヨセに入ってみると、地合は白優勢に変わっていました。非勢の結城9段は上辺の白の眼を取って攻めます。白は左辺に確実につながるのと、中央で眼を作るのが見合いでしのぐのは問題ないと思われていたのですが、実際にはどちらもダメで、上辺の白が取られてしまいました。ここで白の投了となりました。村川8段には惜しい一戦でした。来週からいよいよ準々決勝です。
趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 3」
趙治勲名誉名人・二十五世本因坊の「お悩み天国 治勲の爆笑人生相談室 3」を読了。結局三冊全部読んでしまいました。この巻には、いつも趙治勲さんがいじりのネタにしている石田芳夫二十四世本因坊が登場。治勲さんの悪口を全部許した上で、治勲さんが石田芳夫二十四世本因坊をいじるは、木谷一門での治勲さんの先輩の中で甘えられるのがもう石田さんだけだから、ということです。ちょっと感動的です。木谷一門というのは木谷実9段の弟子のことで、「木谷道場」と呼ばれる内弟子生活を送った棋士の総称です。一時は7大タイトルを一門で独占し、一門で取った7大タイトルの数は全部で146にもなります。そうやって若い時を一緒に囲碁修行をした先輩後輩の仲をずっと保ち続けるというのも素晴らしくうらやましいことだと思います。
南條範夫の「月影兵庫 上段霞切り」
南條範夫の「月影兵庫 上段霞切り」を読了。南條範夫は1956年に直木賞を取った作家です。この月影兵庫はシリーズ化されており、これが第一作です。後にTVにもなっています。何となく「月影兵庫」という名前に聞き覚えがあるような気がするのはそのせいでしょうか。老中松平伊豆守信明の甥の月影兵庫は、次男坊で部屋住みの身ですが、十剣無統流という武芸の使い手で、剣だけでなく、薙刀も槍も柔術も剣法も何でもほぼ無敵というスーパー剣士です。この兵庫が、叔父の松平伊豆守が自己の保身のため将軍に献上しようとしていた、綾姫というお姫様が連れ去られてしまったのを、東海道を京まで旅して取り返そうとするお話です。明朗闊達な主人公、何故強いかよくわからないのに強い主人公の腕など、白井喬二の作品とも共通するものがあります。といっても、私はこのシリーズを続けて読もうと思うほどは魅力的には感じませんでしたけど。南條範夫にはこの間読んだ、「駿河城御前試合」のような武士道残酷物と呼ばれる一連の作品もありますが、そちらの方は益々私の趣味ではありません。
劉昌赫/金世実の「小目一間ガカリの周辺」
宮崎吾朗監督の「コクリコ坂から」
ジブリ作品の「コクリコ坂から」を視聴。これで4回目です。またこの作品のサントラCDも大好きで、これまで100回以上聴いています。ジブリ作品はほぼ観ていますが、この作品が一番好きです。大きな事件も起きないし、悪者も一人も登場しませんが、1960年代の日活青春映画という感じで、浜田光夫と吉永小百合で実写であってもおかしくない内容です。原作は1980年頃の「なかよし」に載っていた少女漫画で、一度取り寄せて読んだことがありますが、内容としては二流の作品で、宮崎駿が基本的な設定だけ借りてほとんど別の話にしてしまっています。サントラにはまっていると書きましたが、全体に「歌」が非常に印象的に使われていて、特に、学園の理事長がカルチェラタンという古い建物を見学に来た時に学生が歌う「紺色のうねりが」は、東日本大震災の数ヶ月後に封切られた作品ということもあって、宮沢賢治が津波に負けないようにと歌った詩を宮崎駿と宮崎吾朗が作り直して、谷山浩子が曲をつけたもので、とても印象的です。またサブタイトルとしても使われている坂本九の「上を向いて歩こう」も、まさに丁度その時代の流行歌としてうまく使われています。ともかくとても爽やかな青春映画です。
なお、映画で出てくる徳丸理事長は、徳間書店の初代社長の徳間康快がモデルです。(ジブリの鈴木プロデューサーは徳間書店の出身ですし、ジブリも徳間書店の出資を受けています。)徳丸書店の社長室にさりげなく置かれた書籍をよく見ると、吉本隆明「情況への発言」、稲垣足穂「少年愛の美学」、安部公房「夢の逃亡」だったりします。これらすべて徳間書店のベストセラーです。但し、映画当時(1963年)のものではなく1968年のものですが。