TU-8200R用の真空管ガードの作成

エレキットの6L6GCシングル真空管アンプTU-8200R(KT77に差し替え)ですが、そのままだと出力管の上部がアンプ本体より出ていて、もし上から何か落ちてきたりしたら一発で出力管がやられます。なのでAmazonで適当に見繕ったもので真空管ガードを作りました。使ったのは別の真空管アンプ用ガードで単体で売られていたもの
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07N4CB75T/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o04_s00?ie=UTF8&psc=1
と、何とメッシュの金属の「ペン立て」です。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B089ZVXJMY/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o05_s00?ie=UTF8&psc=1
このペン立てが実に絶妙に丁度いいサイズ(12.4 x 9.8 x 9.7 cm)であり、EL34でもおデブのKT88でもオクタルベースの5極管・ビーム管ならほとんどOKです。まずはくっついてる紙の装飾を取り除き、次に底に付いているゴム足みたいなのをカッターで削ってベンジンで拭いて取り去ります。そしてこのままだと上部に熱がこもる危険性があるので、ドライバーセットについていた先端の尖った奴をプラスチックハンマーで叩いて6箇所穴を開けました。そしてガードとこのペン立てを最初両面テープで固定しようとしましたが、接触面積が小さいので上手くいかず、結局すずメッキ線が手元にあったので、先ほど開けた穴を通して縛って固定しました。そしてこれを側面をガムテープで固定して完成です。メッシュの金属ですので、真空管のヒーターのオレンジ色もちゃんと見えます。出力管を交換する時はガムテープを外すだけです。見た目はもう一つですが、真空管保護という意味では十分目的を達成しました。また熱が籠もらないかをちょっと懸念していましたが、ペン立て部とガード部が接触しているため、ガードがある意味大きなヒートシンクとして放熱に貢献しているようで、まったく問題ありませんでした。

TU-8200Rのアムトランス組み立て+パーツ交換品

エレキットの6L6GCのシングルアンプとしてTU-879Sを7年前に組み立て、つい最近まで使っていました。しかし、KT77を試そうとした時何故かソケットに上手く入らず力を入れたら、中心のプラスチック部が折れてソケットの中に残ってしまいました。それを取り出そうとあれこれやったのがまずく、おそらくソケットが壊れたか断線したかで片方の音が出なくなりました。一応修理しようとしましたが、組み立て説明書ももう手元に無く、上手くプリント配線板が外せなくて修理を断念し、結局こちらもTU-8200Rのアムトランス組み立て+パーツ交換品をポチりました。それでこのアムトランスバージョンの6L6GCシングルアンプ、とても良いです。真空管アンプ入門としては本当にお勧めです。何故かいうとTU-879Sと同様にバイアス電流の自動調整の仕組みが入っていて、色んな出力管を差し替えて比較することが出来ます。また5極管接続、UL接続、3極管接続を基板上のジャンパーピンで切り替えられます。ネットで評判を調べてみたら、このアンプに限らずエレキットの真空管アンプはプリント配線板を使っているからダメ、みたいなことを書いている人がいました。私に言わせればプリント配線板より手配線の方が音がいいというのはほとんど誤っていると思います。アキュフェーズのアンプは真空管ではなく石(MOS-FETなど)ですが、すべてプリント配線板を使っています。(ガラスエポキシだけでなく、ガラステフロンもあり。テフロンを使う理由はテフロンの誘電率がエポキシより低いので高周波の伝送ではエポキシよりも特性が良いということだと思います。)
これまで真空管アンプキットは5回ほど組み立てましたが、真空管アンプのキットで組み立て(半田付け)で一番難しいのは真空管のソケット回りです。この面倒さがプリント配線板なら一挙に解決されます。逆にサンバレーのSV-3(プリント配線板と手配線の併用)なんかはソケットの端子に直接抵抗やコンデンサーを半田付けする(ちなみに真空管は横置き)、なかなか恐ろしい配線を採用しています。こういう部品は宙に浮いている訳ですから、電流が流れれば振動して音質を悪化させますし、仮に金属片が触れれば簡単にショートします。一方、プリント配線板なら、部品も回路も非常に強度のあるガラス繊維強化エポキシの板(ガラエポは紙フェノールと違って金型で穴を打ち抜くのも難しいですし、ドリルの損耗も激しいです。その位強度があります。)にがっちり固定されています。また余分な部分はソルダーレジストという絶縁物で覆われていますので、ショートの危険性も手配線に比べれば非常に低いです。回路の抵抗を問題にするのであれば、一般的な35μの銅箔ではなく、70μの銅箔を使えばいいだけですし、電源回路などで電流容量を必要とする場合はパターンの幅を大きくします。(実際にエレキットの300Bシングルの真空管アンプのプリント配線板は70μ銅箔を使っています。)私は10年間銅張積層板を売っていた経験があり、もっと厚い銅箔(105µ、140µ)のガラエポもあります。圧延箔ならもっと厚いのもあることを知っています。(一般的な銅箔は電解箔と言って電気分解で作ります。それ以外に高い屈曲耐性を要求される場合に、ローラーで引き伸ばした圧延箔というのがあります。銅箔にご興味があれば、福田金属箔粉工業や古河電工のサイトをご覧ください。)
それから、真空管アンプの評価はそれなりのレベルの機器と組み合わせて評価すべきであり、例えば入力がiPodとかだとそれなりの音しかしません。
取り敢えず、今付けている出力管はデフォルトの6L6GCではなく、KT77を付けています。このKT77はEL34のある意味上位版として作られたようですが、実際にはビジネスにおいてはEL34に完敗しています。しかし今日聴いた限りではとてもいい感じでした。今現在はアキュフェースのプリメインアンプのE-350をプリとして使用していますが、この場合は300Bのシングルアンプよりもこちらの方がむしろいわゆる真空管らしい音を楽しめる気がします。

スタートレックのファーストシーズンの”This Side Of Paradise”

スタートレックのファーストシーズンの”This Side Of Paradise”を観ました。エンタープライズ号はオミクロン・セッティの第3惑星に向かいます。そこには地球からの入植者がいましたが、3年前に強い放射線が降り注ぐという天災があり、おそらくは全員死んだものと思われていて、その調査のためでした。しかし、惑星の表面に降りたって見ると、150人くらいの生存者がおり、皆ここは天国で何を植えても問題無く育つと言います。その生存者の中に昔のスポックの知り合いレイラも居ました。レイラはスポックを愛していましたが、昔のスポックの反応は冷淡でした。ドクター・マッコイが全員の健康状態をチェックすると、教科書に載っているもっとも良い例のように、全員の状態がパーフェクトでした。しかしエンタープライズ号のクルーは、この星には動物がまったくおらず、昆虫さえも見つけられないことを発見します。スポックはレイラに野原に連れ出され、そこで百合のような花の前に立った時に、花から胞子を含む水が吹き出してそれを顔に浴びます。しばらく苦しんでいたスポックでしたが、幸福感に満ちあふれた状態になり、レイラと素直な恋愛感情を交わし合います。しかし、カーク船長の命令には従おうとしません。実は宇宙を漂っていた植物がこの星を見つけ、そこでの人間に対し、完璧な健康管理と不死の状態、および精神の安定という天国のような状態を作り出し、その代りにその植物が人間の中で共生するようになっていました。この植物はエンタープライズ号にも持ち込まれ、胞子が空調を通じて機内に拡がり全員がスポックと同じ状態になり、次々に惑星に降り立って行きます。カークだけが何故かその植物の影響を受けていませんでしたが、船内でその植物から胞子の噴射を受けカークもまた幸福状態になります。しかし、カークは船長としての使命を思い出し、強い感情を持てばその胞子が効かなくなることを発見します。カークはスポックに嘘を言ってエンタープライズ号に連れ戻し、そこでありとあらゆる侮辱の言葉(お前の父親はコンピューターだ!のような)を浴びせます。温厚で感情をコントロールしているスポックもさすがに怒り、カークと争いになります。その中でスポックはその怒りの感情により元に戻ります。スポックはレイラに自分はこの船を守る義務があるといい別れを告げます。レイラはそれに対する感情で、胞子のコントロールから元に戻ります。カークとスポックは強い超音波を発する装置を作り、それによって入植者とクルー全員を元に戻します。その惑星を去るとき、マッコイが「我々は再び楽園から追放されたのだろうか」と言い、カークは「例え試練があってもそれに歯を食いしばって立ち向かうのが人間だ」と答えます。この回では珍しいスポックのラブシーンが見られました。

今日のオーディオ

今日のオーディオ。
(1)サブウーファーにFOSTEXのPM-SUB8追加。ますます本格的システムになりました。
(2)オーディオマニアの元上司のアドバイスで、アキュフェースのE-350をプリアンプとして使用。
(2)のせいで、SN比は抜群になり、とても端正かつ緻密な音になりました。しかしそれは要するにこれまでさんざん聴いて来たアキュフェーズの音(アキュフェースのプリメインはE-308→E-350→E-600と使い続けて来ています)が支配的になったということで、やはり真空管らしさはかなり後退したような…うーん、悩む。(写真の後、E-350はテーブルの下に移動し、サブウーファーの高さは下がりました。)

「巨人の惑星」の”Rescue”

「巨人の惑星」の”Rescue”を観ました。中国の性善説の話と同じで、子供が深い井戸に落ちたら誰でもそれを助けようとする、というのと同じ話でした。いつも通りにコービックの部下が地球人達を捕まえようとしていますが、そこにたまたまピクニックに来ていた親子連れがいて、4~5才くらいの男の子と女の子がキャプテン達を見つけ捕まえようと走ってきます。ところがそこに廃坑の深い縦穴があり、二人は落とし穴のようにその中に落ちてしまいます。すぐにレスキューチームがやって来ましたが、途中に構造物があって、大人がそこに立つと崩れてしまい、下にいる子供2人が危険になります。たまたまキャプテンとダンがコービックに捕まっていたため、ヴァレリー達は子供達の母親に取引きを持ちかけ、キャプテンとダンが穴の中に降りて何とか子供達を助け出すから、その代りコービックの手から解放して欲しいと言います。しかしコービックはその取引きを拒みます。そこでキャプテンとダンは無条件でいいから子供達を助けると志願します。
子供達は何とか生きていましたが、どうやって外に出すかが問題でした。しかしマークとフィッチューがその縦穴につながっているやはり廃坑の横穴を見つけ、キャプテンとダンの所にやって来ます。そして子供達にその横穴を自力で拡げて外に出るように言います。コービッドには無線でそちらに脱出すると伝え、地球人達は元の縦穴から脱出しようとします。しかし縦穴は崩れて埋まってしまいます。やむを得ず横穴から脱出しましたが、コービッドの部下に捕まりそうになります。しかしそこに子供達を助けてもらった両親2人が立ちふさがって地球人達を逃がします。

エレハモの300B EH Gold

300B、今度はエレハモ(Electro-harmonix)の300B EH Goldを入手しました。高槻電器工業のTA300BやJJの300Bはもちろん良いのですが、少し端正過ぎて、端正な音はメインのアキュフェーズのアンプでさんざん聴いていますので、落語で言えば文楽ではなく志ん生の味が出ないかと思って、「300B book」というムックで高評価だったこれを買ったものです。まだエージングをしてみないと分りませんが、少し聴いた感じではなかなか良い感じで、オーディオチェックではなく音楽を聴くのに適している球だと思います。エレハモは一般的イメージでは、ギターアンプ用の球が主体でちょっと安物というイメージですが、これに関してはなかなかいいです。

NHK杯戦囲碁 六浦雄太7段 対 河野臨9段


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が六浦雄太7段、白番が河野臨9段の対戦です。この一局の最初の焦点は、下辺の黒模様へ白が打ち込んでからのさばきで、コスミツケられた後、普通に立たずにケイマに外したのを黒が愚形を覚悟で切りに来た時に、右下隅の三々に付けたのが絶妙な手で、この手をからめながら下辺で極めて上手くしのぎ、さらには右下隅もまだ劫にする手段が残るという展開になり、白が一本取りました。また中央で黒が下辺と左辺で分断され、それぞれで活きを図らなければならず、その間に白は左上隅の地模様を拡げ、白のほとんど勝勢になりました。その後白が上辺も拡げて左上隅からの地模様が更に大きくなりました。ここで普通に囲っていて、また右辺の白が取られないように注意しておけば白の名局で終っていたと思いますが、上辺右側で黒の開きに肩付きしていった所から局面がもつれました。白は上辺で更に地を増やしましたが、その代わりに右辺との連絡が絶ち切られ、逆に黒は薄いながら何とか包囲網が出来、右辺の白が活きるか死ぬかの勝負になりました。結局白は単独では活きることが出来ず、右上隅の黒を切り離して攻め合いに行きましたが、白もダメヅマリで、単純にダメを詰めに行くことが出来ず、黒の手の方が長くなりました。そして劫に持ち込むことも出来ず、右辺の白が取られてしまいました。こうなるとさしもの白の好局も大逆転で黒の中押し勝ちとなりました。六浦7段はこれで準々決勝進出です。

プリアンプ追加

300Bシングル真空管アンプにCDプレーヤーをつないで、入力がPC→USB-DACと2系統になりました。これの切換えのため、7年前くらいにサンバレーのキットで組み立てたSV-3というプリアンプを押し入れから出してきたら見事に動きました。念のため使ってる6N1P/6DJ8/ECC88という双三極管を2本、アムトランスに注文しました。このプリでゲインが7dBあるので、少し能率の低いスピーカーも鳴らせるようになると思います。音質的にもプリを入れた方が良いようです。

8cmフルレンジ+バスレフスピーカーの製作

すっかりオーディオづいて来たので、今度はTangband (台湾メーカー) 8cmフルレンジ W3-1231SN(特長はチタンコーン+サントプレーンのエッジとネオジウムマグネットです)を使って、バスレフの完成済みエンクロージャーと組み合わせて、バスレフスピーカーを組み立ててみました。実はこれまで持っていたり、組み立てたスピーカーは、ビクターのウッドコーンスピーカーを除いて全て密閉型かバックロードホーンの両極端で、何故か一番普通なバスレフがありません。なのでちょっとバスレフというものを確かめたいというのが動機。
組み立て時間は2時間半くらいで、ほとんどの時間はシール式の壁紙を切って綺麗に貼り付ける作業に掛かった時間です。(この壁紙を使うやり方は塗装に比べはるかに簡単で、なおかつ見た目も結構いいものが簡単に出来ます。塗装は白木の場合は目止めからやらなければならず、結構大変です。)端子を付けたり吸音材を入れたり、ユニットをネジ止めしてという時間は30分ぐらいです。
それで音ですが、最初は音像に一枚ヴェールがかぶっているような感じです。それなりに軽快な音ですが、バスレフのわざとらしい低音ってやはり私好みではないな、というのも確認出来ました。数時間のエージングで結構音像ははっきりしてきて中々いい感じになりました。特に小型にも関わらず、オーケストラがいい感じで鳴り響きます。また、あまり鋭い感じではなく、ソフトドームに近い聞き疲れしない音です。バスレフの低音の癖は、Fostexのサブウーファーと併用することでまったく気にならなくなりました。
お値段は全部で34,000円弱くらいです。完成した後で、ガスケットを追加で買って取り付けました。密閉型ではないので、ユニットとエンクロージャーの間に多少隙間があっても大きな問題にはなりませんが、ガスケットがあった方が全体の剛性感が増します。

「古関裕而 秘曲集 歌謡曲編」

「古関裕而 秘曲集 歌謡曲編」を聴きました。この歌謡曲編以外に12月23日には「社歌編」も発売されます。古関裕而の評伝を書き、また「エール」で風俗考証を担当した刑部芳則氏の企画で、氏が蒐集されたSPレコードその他の貴重な音源を初CD化したものがほとんどです。(一部既発のCDに入っているものもあり。)古関裕而が生涯で作曲した曲は、ラジオドラマの伴奏なども含めて5,000曲以上と言われていますが(正確な数は古関裕而本人も確認していないようです)、その内音源としてこれまで聴くことが出来るのはせいぜい150ぐらい、楽譜だけのを合わせても200がいいところでした。そういう状況なので未発売の音源が聴けるようになるのは非常に嬉しいです。
ディスク1は純粋な歌謡曲ですべて戦争前、戦争中のものです。そしてほぼすべてあまりヒットしなかったものですが、それは曲が悪かったからではおそらく無く、その時々の時代の好みと合わなかったということだと思います。そういう中で古関が苦労して色々な曲を作っており、決して本人の好みではない古賀メロディー調のものまで作っていたことが確認出来ます。音丸の「鳴門しぶき」が入っていなかったのは残念ですが。
ディスク2は軍事歌謡です。音丸や小梅など女性4人での三味線伴奏での「露営の歌」とか、コロンビアが「露営の歌」の大ヒットの2匹目のドジョウを狙った「続露営の歌」などの貴重な曲が聴けます。それ以外にも「露営の歌」風のが色々作られていたのも確認出来ます。「歌と兵隊」は引用されている曲が面白く、「戦友」「元寇」、「露営の歌」、「雪の進軍」などの有名軍歌・唱歌が散りばめられています。ただ刑部氏がこうした引用を行ったのが(同時代の歌謡曲の作曲家では)古関以外は皆無と言っているのは明らかな間違いです。大体が古関がプッチーニの「蝶々夫人」のハミングコーラスを間奏で引用している「雨のオランダ坂」は、その前に同じ渡辺はま子で「長崎のお蝶さん」があり、作曲は竹岡信幸で、こちらは間奏に「ある晴れた日に」を引用しています。「君が代」の引用も、それが本当に「君が代」なのか、軍艦マーチの中に入っている「海ゆかば」の信時潔のではないバージョンの引用なのかは分りかねますが、他にもあります。後はちょっと感動したのは「よくぞ送って下さった」で、これは大平洋戦争開戦の直前に駐米大使として活躍した斎藤博大使が、結核のため米国で亡くなったことに対し、大統領であったルーズヴェルトは斎藤の死を惜しみ、わざわざ巡洋艦アストリア号で遺骨を日本にまで送り届けたことに対する返歌のようなものです。「大米国よ ありがとう」という歌詞の曲が戦争開始の2年前に歌われていたということはある種の感慨を覚えざるを得ません。
しかし古関裕而に限ったことではなく、こうした大衆と密着した芸術を全て記録して残すというのはなかなか行われていません。私もずっと白井喬二の作品を追いかけていますが、8割ぐらいの所で止まっていてそこから先はなかなか大変です。