ジャーン!真空管測定器をゲット!台湾製のetracerというものです。一般に真空管測定器と言うと、1940~1960年頃の中古でちゃんと動くかどうかも分からないものをオークション等で買うぐらいだったのが、これは完全な新品で、2018年ぐらいから発売されているものです。しかもこれは単に各パラメーターを測定するだけでなく、いわゆるプレート特性図まで作ってくれる優れものです。私に使いこなせるか不安でしたが、やってみたら簡単でした。各真空管の設定ファイルを読み込み、それに従ってジャンパー線で配線を行ない、ソフトのRUNボタンをクリックするだけです。設定ファイルにない真空管のはデータさえあれば自分で作ることが出来ます。これでオークション等で入手したビンテージ真空管の特性をチェックして、ペアを選定したりとかが簡単に出来ます。グラフは手持ちのGolden DragonのKT88のものです。
次の真空管アンプキット:サンバレー SV-P1616D(部品大幅改)
2月に、音の工房のPCL86シングル超三結アンプキットで、プリント配線板ベースの真空管アンプキットの作成に成功、また部品のほぼ総取っ替えも大成功でした。
それで今度は手配線のキットをもう一度作りたいと思ったのと、現在KT77とEL34がそれぞれ4本余っているので、これが使えるアンプキットを探しました。結果としてサンバレーのSV-P1616D(真空管無し)、税抜き95,000円、を買いました。(本当は上杉佳郎さん設計の真空管アンプを自分でシャーシの穴開けレベルから作ってみたいですが、まだそこまでのノウハウと知識が無いです。)
他のページで書いたように、このサンバレーのアンプは本当は「買ってはいけない」と判断しているものですが、部品の大幅取っ替えを行えば大丈夫かと思いました。また、最初にここのアンプキットを組み立てたのはほぼ10年前なんで、さすがに色々批判されて多少はまともになっているかと期待しました。しかし、届いた現品の部品を見て、期待は悪い方に裏切られました。良くなるどころか、更にひどくなっていました。以下、どういう風に変えるか、どこがおかしいかを説明します。(以下の写真は左がキット付属のもの、右が私が自分で用意したものです。)
1.電源スイッチ
サイトの写真ではベークライトのボディーだったので、お、ついにNKK製トグルにしたかと思ったら、届いたのは黒い中国製トグル。しかも定格20A@12VDC、ってこれは自動車電装品用ですが…しかもタブ端子(ファストン端子用)!これだけでもサンバレーという会社の部品の選定がいかに適当かが良く分かります。DC12Vで20Aという定格は、NKKのスイッチの例で125VACに換算すると、せいぜい6A~8A定格に過ぎません。このアンプキットに付いているヒューズが5Aですから、この定格はちょっと不安があります。真空管アンプの電源部には大容量のコンデンサーが使われているため、スイッチONの瞬間にかなりの突入電流が発生します。しかもこのアンプにはスパークキラーは付いておらず、何も突入電流対策はされていません。速攻でNKKのS-21Aを注文しました。(2極単投=ON-OFF)こちらは125/250VACで15Aの十分ゆとりがある定格です。2極にしているのは、電源の+と-側を両方一度に入り切りする「両切り」にするためです。高電圧がかかる機器では普通両切りにします。なお、このNKKのSシリーズのトグルは上杉研究所の真空管アンプにも電源スイッチとして使われています。(型番は違います。)
それからスイッチONの時の突入電流を防ぐスパークキラーですが、何と10年経っても付いてきませんでした!たかが200円もしない部品なんですが。デフォルトのまま使うと、ON時のポップノイズでスピーカーが傷むだけでなく、中国製自動車用トグルの接点も損耗して行き、おそらく5000回も開閉すればダメになるのではないかと思います。(ダメにならなくても接点の損耗により接触抵抗が増加し、音質的にどんどん劣化して行きます。)ちなみに音の工房のアンプキットにはきちんとスパークキラーが付いてきましたし、エレキットのアンプはスパークキラーまたは遅延リレーで対処しています。トライオードの完成品は遅延リレーで突入電流対策をしています。何もしていないのはサンバレーのアンプだけです。ちなみにスパークキラーは電源トランスの0Vと100Vの端子に接続します。スイッチに並列に接続すると、スイッチがOFFの時でも50Hz、60Hzという交流がわずかですがスパークキラーのコンデンサーを流れます。
2.電解コンデンサー
電解コンデンサーで一番大事な電源での平滑用の温度定格が他のが105℃なのに85℃です。私が買ったのは当然105℃で電圧も350VDCにしていますが(キット付属品は315VDC)、高さがありすぎてケースに入らないので放熱も兼ねてケースに穴を開けることを考えています。また一応同スペックで高さが同じのも取り寄せ中です。
3.カップリングコンデンサー
同じ会社の真空管アンプマニアに海神無線という店を教えてもらって、ASCと言う会社のフィルムコンデンサーを買いました。しかし耐圧が付いてきたものよりちょっと低いので、別のものを検討しています。
4.セメント抵抗
カソード抵抗用に20Wのセメント抵抗が付いてきています。しかし、以前作ったサンバレーの300Bシングルのセメント抵抗は、下の写真のような状態になっています。(このグリスのようなしみ出して来ているのが何なのかは不明です。一応まだ動作はしています。)実はセメント抵抗の耐熱性ってあまり高くはなく、発熱が多い場合は、金属ケース固定抵抗を使うべきだと思い取り寄せ中です。しかもマニュアルにはこのセメント抵抗の細いリード線で、熱対策のため基板から浮かせて取り付けろとなっています。振動による音の劣化が懸念されます。
5.その他抵抗
その他の抵抗も、すべて定格を1ランク上げ(例えば1/2W→1W、1W→3Wなど)、TOAかVishayのものに変更します。音質のためと言うより、全体での発熱を下げるためです。
6.ボリューム
今回付いてきたのが、またも左の小型で摺動面が露出している安物です。ツマミも安物のラジオのようです。以前300Bシングルのアンプにもこれと同等のものが使われていて半年で壊れました。(摺動部が露出しているのでホコリやゴミ等が中に入れば短期間でダメになります。)当然右のアルプスアルパインのRKシリーズに変更します。穴径を大きくし、回転止めの穴を新たに開ける必要があります。
7.ACインレット
付いてきたのはアース端子無しのもの。確かにアース端子には普通接続しないので不要と言えば不要ですが、コネクターの物理的な固定には役に立っている筈です。ともかく少しでも安物をというのは徹底されています。
8.整流用ダイオード
これは品質とか信頼性の問題では無く、音質の向上策として、今回初めてファーストリカバリーダイオードを4本使って自分でブリッジにして使おうと思っています。
9.真空管ソケット
付いてきたのはプラスチック製。挿入しにくい上に固定も弱いです。ステアタイトというセラミック製のに変更。このアンプ、出力管を色々差し替えられますよというのがコンセプトのようですが、それであれば真空管ソケットは良質なものを使うべきです。そうでないと接触不良とか最悪ピンが折れると言うトラブルが予測出来ます。
10.配線材
サンバレーのアンプキットは、スピカー出力回りにシールド線を使いますが、上杉佳郎さんによれば真空管アンプにシールド線は不要で、却って高域が落ちたりすることがあるということであり、今回はシールド線は使わないつもりです。その代り、音の工房のアンプでマスターしたツイストペア線は使いまくろうと思っています。その他付いてきた線は細すぎで、もっと太いOFC線やテフロン絶縁の線を使う予定です。
以上見て来てお分かりになると思いますが、サンバレーのアンプキットは組み立てた直後はちゃんと音が出ていたとしても、半年、1年経つとトラブルとなることが十分予測出来るような、そんな安くて信頼性に疑問がある部品が多用されています。間違えても完成品を買わないように。完成品で買いたいならトライオードの真空管アンプの方が10倍まともです。キットを買う方も、安い部品は総取っ替えした方がいいと思います。サンバレーのサイトでカップリングコンデンサーのアップグレード用のものを売っていますが、そういうものを買ってそこだけ良くしても、他の部分が故障したら何の意味も無いですから。
「巨人の惑星」の”Giants And All That Jazz”
「巨人の惑星」の”Giants And All That Jazz”を観ました。今回は何と拳聖シュガー・レイ・ロビンソンが元ボクサーでトランペット奏者の役で登場しています!お話は実はダンがジャズトランペットが非常に上手く、元ボクサーのトランペット奏者に捕まってしまったヴァレリーとバリーを解放する条件として、ダンがジャズトランペットの吹き方をそのトランペット奏者に教え、それによってそのトランペット奏者がTVに出て人気者になり、借金を返すことが出来る、という話です。ストーリーは大したいことはありませんが、ともかく本物のシュガー・レイ・ロビンソンが出ているだけで感激します。
さようなら、有り難う、実践ビジネス英語
スタートレックのシーズン2の”Who Mourns For Adonais?”
スタートレックのシーズン2の”Who Mourns For Adonais?”を観ました。エンタープライズ号がある生物のいない惑星に向かっていると、宇宙空間に突然巨大な手が現われ、その手はエンタープライズ号を掴み、エンタープライズ号は動けなくなります。そして次に人間の顔が宇宙空間に現れ、カーク達が来るのを5000年間待っていたと告げます。その顔や衣装はギリシア神話のアポロンそのもので、実際にそう名乗ります。その星に降り立ったカーク達ですが、アポロンは5000年前と同じく崇拝を要求します。そして科学者のキャロラインを見つけ、その美しさが気に入り、衣装をギリシア風に変えて連れ去ります。彼女を愛していたスコッティが逆らおうとしますが、雷をくらって倒れます。カーク達はギリシア神話は実際にあったことで、5000年前のギリシアにアポロ達が古代ギリシアにやって来て、その超絶の力で神として崇められたのだろう、と推測します。カーク達はアポロンが力を使うと疲れて休憩するのを発見し、全員で逆らい、一人が殺されても後の人間がアポロンを倒そうとしますが、キャロラインがかばったため不発に終ります。一方エンタープライズ号に残ったスポックとスールーらは、惑星上のエネルギー源を探り、アポロンの神殿がその源泉であることを突き止めます。キャロラインはアポロンを愛するようになりましたが、カークはアポロンを冷たく突き放すように命令します。スポック達は、フォースフィールドに開けた穴からアポロンの神殿をフェイザーで攻撃し、アポロンの神殿を破壊します。力を失ったアポロンは人間達がもはや自分たちの崇拝者では無くなったことを嘆き悲しみながら消えて行きます…
しかし、キャロラインはアポロンの人間の女性への愛がいつも一時的であることは知っていた筈ですが、その辺はストーリーには取り入れられていませんでした。
「巨人の惑星」の”Collector’s Item”
巨人の惑星の”Collector’s Item”を観ました。遊び人の男が金持ちで足が不自由な自分の叔父を殺してそのお金をせしめようとする話。その金持ちの男が、音楽が出る人形のコレクターで、遊び人は鳥籠の中で音楽に合わせバレリーナの人形が踊るものを作りますが、そのバレリーナの代わりにたまたま捕まえたヴァレリーを使います。その籠に番号式の鍵を取り付け、それを開けると鳥籠の底に仕込んだ爆弾が爆発するというものです。キャプテン達がその陰謀を知り、遊び人の奥さんにそれを説明し、奥さんが叔父さんに真実を知らせに行きます。そこで真相を知った叔父さんが警察に電話しようとして遊び人ともみ合いになり、鳥籠が床に落ちてバン!で両方とも死んでしまう、というなんか嫌な後味の話でした。もうこのシリーズもかなりマンネリ化しています。
NHK杯戦囲碁 六浦雄太7段 対 一力遼2冠(天元・碁聖)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が六浦雄太7段、白番が一力遼2冠の対戦でした。この碁の焦点は右辺で、黒が頑張り過ぎて、ケイマを分断され右辺と中央と別々にしのがなければならなくなったのが疑問で、全体に白が厚い中で以後黒は中央を攻められ続けました。黒も反撃を狙いつつ凌ぎ、白に決定打は与えなかったものの、それでも右上隅が元々黒の二間ジマリだったのが白地に転じ、上辺から左上隅にかけても大きな白地が見込めそうになりました。上辺の折衝で白が置いていって先手で切り上げ右上隅の大きな押さえに回ろうとしましたが、黒が逆に置き返したのが好手で差が縮まりました。また下辺左方でも、ケイマのすべりで白地を削減し、更に中に付けていったのがまた好手で、白は全体の眼の心配をする必要があり、黒がまた先手でヨセました。しかし、終始攻勢にあった白の寄り付きは大きく、最後は黒の投了となりました。これでベスト4が揃いました。来週は今日勝った一力遼2冠と今期ユニークな布石で勝利を重ねている山下敬吾9段との準決勝で楽しみです。
3WアンプでJBLが鳴りました。
PCL86シングル超三結アンプに、駄目元でJBL4307をつないでみたら、何とプッシュプルの高出力真空管アンプでもきちんと鳴らせなかったのがわずか3W+3Wのシングルアンプがちゃんと鳴らせました!
但し条件付きで、サブウーファーを使用することです。JBL4307自体はサブウーファーは必要無いんですが、真空管アンプにとってはサブウーファーで低音をカバーしてもらうと楽になるみたいで、どの真空管アンプも高音での歪みが減ります。
このPCL86シングル超三結アンプの結果が良かったのは、
(1)超三極管接続を行うことにより歪み、特に高音の歪みが減る。
(2)超三結で出力管のインピーダンスが減りダンピングファクターが高くなる。このアンプのダンピングファクターは12.5です。上杉佳郎さんはダンピングファクターは10以上あれば良いと言っています。
PCL86の色々
今回の超三結アンプ用のPCL86、結局これだけ揃いました。左下の箱無しが最初から付いていた旧ユーゴスラビアのEiのもの。左上の4本は4本マッチでeBayで買ったLorenzのもの。左2本がITT Lorenzブランド、右2本がSEL (Standard Elektrik Lorenz)ブランドで、右の方が新しいようです。Lorenzの真空管はラジオ用ではテレフンケンのライバルであり、昔はナチスドイツの軍事用無線機にも使われたようです。その右はGEの真空管ブランドのMAZDA。ロンドン製となっています。マツダというと日本のもののように思われるかも知れませんが、あれ(マツダランプ)は東芝がGEのライセンスでマツダ名(日本語の松田ではなく、ゾロアスター教の光の神のアフラ・マズダから取った名前)で電球などを作っていただけです。その下のEdicronはエレキットのサイトで補修用で売っているもので、これもロンドンという表示があります。(HPはここで、この会社の内容を見る限りロシアや東欧、中国の真空管を仕入れて選別して売ってるだけの業者に見えます。)その左がPOLAMPでポーランド製です。PCL86は東欧のテレビの音声出力管として良く使われたようで、その関係でポーランドで生産されていました。このブランドが一番多く市場に出回っているようです。PCL86はこのようにラジオやテレビに使われたのでそれなりに生産量は多く、しかしヒーターの電圧が14Vと特殊なので(電源トランスのタップは6V、12Vはありますが通常14.5Vとかは無いです。但し春日無線のトランスが一部対応しています。)、素性のいい真空管の割りには安く手に入ります。入手していないものではPhilips製があります。これもeBayでいくつか出ていました。
取り敢えず今はITT Lorenzをアンプに挿して聴いています。気のせいかもしれませんがやっぱりEiのよりいいような気がします。(超三結では出力管の差は出にくいとされていますが。)
スタートレックのシーズン2の”Amok Time”
スタートレックのシーズン2の最初のエピソードである”Amok Time”を観ました。出ました、私がこれまで観た中では一番変な話で、脚本はセオドア・スタージョン(「人間以上」の作家)です。前に一度DVDのスタートレック傑作選で観ています。
いつも論理的で冷静なヴァルカン星人が一生に一度だけおかしくなって気が狂ったようになるのが、結婚相手を選ぶ時です。エンタープライズ号はアルテアで行われる儀式に参加しなければなりませんでしたが、スポックが突然ヴァルカン星での休暇を申請します。マッコイが診察した所では、スポックの体内にはアドレナリンが急に増えていて、このままヴァルカンに帰さないと死んでしまうと言います。カークは上司の命令に逆らい、エンタープライズ号をヴァルカン星に向かわせます。そこでは、スポックの許嫁が待っていて、ある儀式によって二人が本当に結婚するかが決まります。しかし花嫁候補には別の男性を選んでスポックと戦わせ、勝った方と結婚するというのを選ぶ権利があり、その女性は何とカークを指名します。ヴァルカンの掟で二人は決闘しますが、空気が薄く温度が高いヴァルカンではカークは不利です。マッコイが呼吸を楽にする薬を注射しますが、結局カークが負けて死んでしまいます…結局花嫁はヴァルカンで伝説の人であるスポックと結婚したくなく、別の男性を好きになっていて、もしカークが勝てばカークは彼女を選ばないだろうという計算で、二人を戦わせました。その説明をスポックが「ロジカルだ」と言うのがおかしいです。実はマッコイが注射したのは一時的にカークを仮死状態にする薬で、カークは生きていました、というオチです。