RCA50を入手

古典直熱三極管、2A3、45と来れば後は50です。でもこの50はヴィンテージ管があまり出回ってなくて、eBayだとペアで12万円以上する上に写真を観てもかなり使い古されたものしかありませんでした。それがヤフオクで何故か本家のRCAのが一本ずつ3万3千円で出ていました!2本買って今日届いてetracerという測定器で測定したら、2本ともプレート電流、Gmともほとんど新品同様でした!最初あまりに状態がいいんで、中国製をベースにした偽物かとも疑いましたが、それなら一本10万円以上とかで売らないと採算取れないんで、違うと思います。アンプはある会社のキットを使う予定です。自分でシャーシ加工するの大変ですし、また全部自作しようと思っても、電源トランスが500VのB電圧、7.5Vのヒーター電圧とかなり特殊で高いんで、決して安くなりません。これが本当の真空管アンプ道楽の最後にしたいですね。

DC高圧用ヒューズ

今回のロフチンホワイトシングルアンプには、初めての試みとして2次側にもヒューズを入れました。それで色々調べて電流定格は1Aにしました。電圧はB電源の電圧が大体405Vですから、500Vのを探しました。そして最初AC用しか出て来なかったので買ったのが、右のEATON/BUSSMANNのものです。しかし増幅回路は言うまでもなくDCであり、そこでAC用のヒューズでいいのか悩みました。調べてみたら、溶断特性はDC用でもAC用でも同じで、過大電流が流れればヒューズ自体は切れます。ではAC用とDC用で何が違うのかというと、ACならば切れる時にアークが発生しても、ご承知の通り電流の流れる方向が1秒間に50回ないし60回変わる訳ですから、アークは短時間で切れ、結果的に問題なく回路がしゃ断されます。しかしDCの場合は、ヒューズの導体が切れたとしても、その後その切れた間をしばらくアークが流れ続けます。(同じ電圧ならDCの方が厳しいのはスイッチの接点も同じです。)これではヒューズの意味が無くなりますし、また最悪ヒューズ管自体が破断する、とかになる可能性があるようです。そこでDC用のヒューズということになりますが、この中には珪砂が詰まっています。アークが発生するとこの珪砂が一部蒸発して熱を奪い、アークを消し、なおかつ溶けた珪砂が再度固まって完全にアークを消去します。ということでDC500V/AC600V定格の左のヒューズ(Littelfuse製)に変えました。それはいいんですが、問題は価格で右のAC500V定格のは一本200円程度です。しかし左のDC500V定格のはRSコンポーネンツで一本3,000円以上します。真空管アンプを自作する人で2次側にも保護回路を入れているのはあまり見ませんが、こういう理由もあるようです。なお、エレキットや音の工房のアンプでは、ヒューズ以外の方法で2次側に保護回路を入れており、良心的です。

トワイライト・ゾーンの”Nightmare as a Child”

トワイライト・ゾーンの”Nightmare as a Child”を観ました。ヘレン・フォーリーは小学校の先生をしていますが、ある日家に戻るとドアの前に不思議な女の子が座っているのを発見します。家の中に招き入れて話を聞くと、何故かその女の子はフォーリーのことを何でも知っていて、左腕に火傷の跡があることまで知っています。名前を聞くと、皆がマーキーと呼んでいる、と言います。その時誰かが訪ねてきて、マーキーは出ていきます。代わりに入って来たのは、フォーリーが先ほど交差点の信号待ちの車の運転席にいるのを見かけて、懐かしい顔だけど誰だか思い出せない、と思っていたその男でした。その男によると、17、8年前にフォーリーの母と一緒に仕事をしていて、懐かしかったので寄った、と言います。男はマーキーの名前をフォーリーから聞いて、それはフォーリーの子供の頃のあだ名だと言います。男は子供の頃のフォーリーの写真を取り出しますが、それは先ほどの女の子そのものでした。男が出ていった後、再びマーキーが入って来て、フォーリーにまだ思い出さないのか、と迫ります。実は17年前にフォリーの母親は家の中でどこかの男と口論になった末殺され、それを目撃していたフォーリーは一種のPTSDでその時の記憶を失っていました。マーキーが私は10歳の頃のあなた、フォーリーのお母さんが殺された時のフォーリー自身だと言います。そうしてようやく殺人のあった晩の記憶を取り戻したフォーリーは、マーキーが消え、そこに先ほどの男が立っているのを発見します。男はフォーリーが記憶を失ったおかげで犯人とばれずに済みましたが、フィーリーの記憶がいつか戻らないか、ずっと監視していたのでした。フォーリーの記憶が戻ったのを知った男はフォーリーを殺そうとしますが、階段でもみあっている内に男は階段から墜落し死んでしまいます。精神科医の鑑定で、フォーリーの話は本当だと認められ、ようやく忌まわしい過去から解放されます。その時、マーキーはもういなくなっていました。
というストーリーです。男が出てきた時に、こいつが母親を殺したんだろうな、ということはすぐ想像が付きました。何かどこかで似たような話を読んだ気がしますが、それはトワイライト・ゾーンの真似だったのかもしれません。

ロフチンホワイトの音質について

2A3ロフチンホワイトで色々聴いてみての個人的な感想。Web上で探しても、この回路の音質についてきちんと書いているのはあまり見かけませんので、あくまで2A3のロフチンホワイトで私が作ったアンプでの感想になりますが、紹介します。
この回路の音の最大の特長は、過渡特性、つまり音の立ち上がり、立ち下がりがいいことではないかと思います。いわゆる「キレがある」、また力強い音です。ただこの特長が常に良い方向に働くとは限らず、真空管アンプに「暖かく柔らかい音」を求める人には「ちょっと違う」と思われる可能性があります。また歪み感も普通のCR結合の無帰還回路に比べて強いように感じます。例えて言えばコントロールの定まらない速球投手でしょうか。(豪速球というほどではない。)さらには、普通直熱三極管の音はソースのあらを隠して聴きやすくする方向の音になりますが、ロフチンホワイトの場合だとそのまま出してしまう傾向が強いようです。そういう意味では半導体アンプ的でもあります。
それから、たまたま今回のアンプだけの特長かもしれませんが、高音が硬いです。これはおそらく超高域が早めに落ちている、いわゆるカマボコ型の音になっているためではないかと思います。(前段の12AX7がパラっているとはいえ結構インピーダンスが高く、このため高音が落ちやすいみたいです。)この場合、プリアンプのトーンコントロールで6KHz以上を少し持ち上げやると高音の硬さが軽減されより聞きやすい音になります。
それから音像・音場も独特で、音像自体ははっきりしているのですが、音場が何かホログラム的というか、大地と切り離されて空中に浮いているような不思議な音場になります。またCR結合の無帰還アンプで音が前に出てくる感じはロフチンホワイトでは文字通り後退し、音場はどちらかというと狭く奥に向かって拡がる感じになります。
こういう特質から向いている音源はソロ楽器より、むしろオーケストラとかジャズだったらビッグバンドとかになると思います。ソロ、特にヴァイオリンのソロは結構きつい音に聞こえるソースがありますが、オケの弦合奏だとあまりそれを感じません。またいいのがロックで、適度に歪み感を残してストレートに立ち上がるのがロックには合います。このためこのアンプを聞き出してから、手持ちの60年代、70年代のロックのLPを多く聞くようになりました。
以上のような音の傾向から、私は無帰還で聴くより、少しNFBをかけてやった方がいいと判断し、現在帰還係数β=0.23、約11dBくらいのNFBをかけています。元々2A3の増幅特性は直線性が良く、無帰還でも十分聞けますが、ロフチンホワイトだとどうも歪みが目立つ感じです。なおロフチンホワイトでは位相ずれを発生させるコンデンサーやトランスを段間に使っていないので、NFBには元々相性の良い回路だと思います。(ロフチンホワイトが最初に作られた1929年頃にはまだNFBの技術は無かったのでオリジナルは当然無帰還です。)
結論としては、私が一番好きなタイプの真空管アンプでの音とはちょっと違いますが、他にも色々持っているので、こういう音の真空管アンプが1台あってもいいと思いますし、特にロック用としては良いと思います。
それからこのロフチンホワイトで使う2A3については、いわゆるヴィンテージ管よりも、むしろ300Bのプレートと共通の構造にしている現在の2A3の方が相性がいいように感じます。

NHK杯戦囲碁 三村智保9段 対 余正麒8段(2022年8月21日放送)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が三村智保9段、白番が余正麒8段の対戦です。この碁は最初から最後まで黒の打ち回しが冴え、黒の名局と言ってもいいかという内容でした。左上隅で白が厚みを築いたので、白の右上隅の黒の星への上辺からの掛かりに対して黒は上辺を三間に挟み、結果的にこの上辺の黒白の競い合いになりました。上辺の黒が2線に付けて根拠を確保しほぼ活きたのに対して、白の上辺からの石はまだ活きていなくて黒から攻めを狙われていました。これを睨みながら、黒は右辺で通常大ゲイマに開くところを三間に開きました。上辺からの白が弱いので白は右辺には打ち込めないだろうという主張でした。しかし白は三間に開いた黒の肩を付き、黒が反発して中央に伸びたので白が押さえ込んでここから戦いになりました。右辺の黒の下方の石は白の1子を切り離して右下隅につながったので、後は右辺上方の黒だけが問題でしたが、こちらも白にプレッシャーをかけつつ巧みに左辺に連絡しました。こうなると黒の確定地の方が多く黒が優勢になりました。後は白が中央に地をどの程度まとめられるかが勝負でしたが、結局黒も中央に同等レベルの地を作ったので、差は縮まらず、黒の中押し勝ちとなりました。最後まで打てば黒の4目半~6目半ぐらいの勝ちだったと思います。ともかく三村9段の完勝譜であり、余8段はちょっと手が伸びなかったようです。