原子力潜水艦シービュー号の”The Mermaid”

原子力潜水艦シービュー号の”The Mermaid”を観ました。荒唐無稽な話が多いシーズン3でも極めつけの荒唐無稽な話で、タイトル通り「人魚」が登場します。しかもクレーン艦長に捕獲されたその人魚を取り戻しに、一度登場した「半魚人」も再登場します。しかも更に話をおかしくしているのが、国際的な核軍縮会議が開かれようとする直前に、アメリカに敵対する某国が、アメリカ西海岸をターゲットとした新しい核兵器を海底にセットしたというサブストーリーです。(というかそっちの方が重大ですが。)その新しい核兵器はこれまでと同じレーダーや金属探知機では探知不可能な新しいタイプです。そこでクレーン艦長が行ったのは、何と捕まえた人魚にその新しい核兵器を探させるということでした。ネルソン提督はクレーン艦長がどうやって人魚と意思疎通したのか疑いますが、議論している二人の前に、シービュー号を先導する人魚が現れます。半魚人は人魚を取り戻しに(ということは半魚人と人魚はカップルなんでしょう)シービュー号に潜入し大暴れしますが、人魚が既に解放されていることが分かると、また海に戻ります。しかし、人魚が発見した新しい核兵器を無効化するためにシービュー号のスキューバ部隊がその兵器に向かったのを半魚人が邪魔します。副官のチップはレーザーで半魚人を殺します。(ということは人魚をまた裏切っているですが、その辺りに関する説明はなし。)ネルソン提督はどうやって知ったのかその新しい核兵器の構造についての情報を得ており、その指示でクレーン艦長が爆弾を無効化してメデタシ、というお話です。しかし、前回半魚人が登場した海とは場所が違う筈ですが、その辺りはご都合主義です。

原子力潜水艦シービュー号の”The Fossil Men”

原子力潜水艦シービュー号の”The Fossil Men”を観ました。今回は「化石男」で、30年前に沈没したアメリカ海軍の潜水艦の乗組員がマグマの作用か何かで全身が石と化した石人間になり、シービュー号を乗っ取って海上に戻り、不死の人間として人類に君臨しようとします。クレーン艦長はまだ未完成で使い方を間違えるとシービュー号の外郭を吹っ飛ばしてしまいしかねない超音波ビーム砲で化石男と対決します。何とかシービュー号に乗り込んで来た化石男を退治した後、ネルソン提督は無情にも元同じ潜水艦乗りだった筈の化石男が住んでいる洞窟を魚雷で吹っ飛ばします…

松田定次の「七つの顔」(片岡千恵蔵の「多羅尾伴内」シリーズ第1作)

ちょっと気分を変えて松田定次監督・比佐芳武脚本・片岡千恵蔵主演の「七つの顔」を観ました。いわゆる「多羅尾伴内」シリーズの第一作です。私が「多羅尾伴内」を知っているのは、高校生の頃、少年マガジンだったと思いますが、石ノ森章太郎の絵の漫画版があったからです。(この漫画版はあまり長続きせずすぐに打ち切りになったように記憶していますが。)今の視点で見るといわゆる突っ込みどころ満載、って奴になりますが、まあ野暮なことを言わないで、気楽に観ていればそれなりに楽しめました。知らなかったのは、七つの顔の実体である藤村大造が元々盗賊で、その罪滅ぼしのため、犯罪捜査をやっているという設定です。元はといえば、時代劇の大スターだった千恵蔵が、戦後GHQによる禁止で映画におけるチャンバラが禁止されたため、苦肉の策で千恵蔵に日本刀ではなく拳銃を持たせて活躍させるために出来た映画のようです。

原子力潜水艦シービュー号の”The Heat Monster”

原子力潜水艦シービュー号の”The Heat Monster”を観ました。以前第一次世界大戦時のUボートの艦長役で2回出た人が別の役でまた登場。そして舞台は何回目かの北極。シービュー号が氷の間の海に浮上するシーンは、明らかに映画版の使い回しでシーズン1でも出てきました。北極からエイリアンにコンタクトしようとしていた科学者がそれに成功し、エイリアンが北極上の基地にやってきますが、その実体は「火」で科学者の助手を殺してしまいます。その科学者は生き残り、火が中に入った氷の状態になったエイリアンと一緒にシービュー号の中に連れて行かれます。エイリアンはシービュー号の中で火に戻り、艦内の温度を上げてネルソン提督以下に原子力エンジンによって火焔ビームを作り、それを北極上に放射することを命じます。その目的はそのエイリアンの仲間が氷に閉じ込められているのを助けるためでした。ネルソン提督はエイリアンが立てこもっているエンジン室に冷たい北極海の海水を入れてエイリアンを殺そうとしますが、失敗します。エイリアンにコンタクトしようとしていた科学者は、エイリアンから宇宙に関する知識を得ようとしてエイリアンに協力しますが、最後はクレーン艦長がその科学者の観察小屋に時限爆弾を仕掛けるのを邪魔しようとして失敗し、結局エイリアンに殺されますが、その死の間際にエイリアンの弱点である寒さを突いて、凍らせるように言い残します。それでネルソン提督が液体酸素のボンベでエイリアンを攻撃し、また観察小屋が爆発寸前にシービュー号は何とかダイブし無事に済んだ、という話です。

NHK杯戦囲碁 第66期決勝戦 井山裕太5冠王 対 一力遼8段

本日のNHK杯戦囲碁はいよいよ第66期の決勝戦で、黒番が井山裕太5冠王、白番が一力遼8段の対戦です。井山5冠王は勝てばNHK杯戦3連覇、一力8段は勝てば3度目の決勝進出で3度目の正直ということになります。一力8段はまだ21歳ですが、この2人は既に7大タイトル戦で5度戦っています。しかし一力8段にとっては井山5冠王は厚い壁であり、7大タイトル戦挑戦手合いでは3勝16敗という結果に終わっています。特に2017年から2018年にかけて、王座戦・天元戦・棋聖戦と3連続の挑戦という大きなチャンスがありましたが、1勝も出来ず10連敗に終わりました。この結果はかなり一力8段にとってはショックだったと思いますが、しかし立ち直りは早く、第25期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦の2回戦で井山5冠王と当たり1勝しました。また2018年の王座戦でもタイトル奪取にはなりませんでしたが、2勝3敗となり後一歩まで迫りました。そういう二人による決勝戦でしたが、常に局面を動かす手を打ったのは一力8段であり、特に上辺に開いた白に黒が迫った時、それに受けずに逆に黒の開きの中に打ち込む、という積極策を採りました。黒はケイマに飛んで上辺右側の白にプレッシャーをかけましたが、それにも受けず左上隅の小目の黒につけてさばきに行きました。黒がはねた時、さばきでは切るのが普通の手ですが、一力8段はハネ返しました。こうした白の斬新な打ち方に井山5冠王は対応に苦慮し消費時間を先に使うことになりました。左上隅の折衝で、実利は白が取り、黒は左辺の白に付けて上辺を拡大しようとしましたが、ここで白が黒の根元をずばっと切ったのが、解説の趙治勲名誉名人もおそらくまた井山5冠王も予想していなかった強手かつ好手であり、ここから局面がもつれましたが、結果として黒は上辺に大きな地を築くことが出来ず、また切られて左辺に取り残された黒が弱くなりました。更には本来打ち込まれて攻められそうだった上辺右の白について手を入れずに補強した形になり、白の切りはこの対局のハイライトといっても良い手でした。その後黒が上辺右で取られかけていた2子を逃げ出し、ねじりあいが始まりました。結局黒と白の大石のどちらにも眼がなく、最初は攻め合いかと思われましたが、内ダメがかなり空いていて結局セキになり双方生き生きになりました。白は今度は左辺に残された黒を再度中央と切断して攻めに回りました。もしこの黒が取られてしまうと、セキだった筈の所がセキ崩れになって、中の黒が全部取られてしまいます。結果的に黒はうまく白3子を取ってつながりしのぎましたが、ねじりあいが一段落した結果としては白地が多く、白の優勢となりました。大ヨセで井山5冠王が右下隅を打ったのが意図が不明で、次に白が打った下辺の方が大きかったように思いますが、真意は分かりません。ざっと見た感じでは盤面でもかなり白が優勢という状況になり、井山5冠王の投了となり、一力遼8段が3度目の決勝戦で初めてのNHK杯を獲得しました。優勝インタビューでは、今回勝ったことだけに満足せず、TV囲碁アジア選手権に向けて頑張りたいとのコメントがあり、非常に頼もしく感じました。またこの2人のタイトル戦での戦いはこれからがむしろ本番になるのではないかと思いますが、一力8段が井山5冠王を下して初の7大タイトルを奪取する日も遠くないと思いました。

池井戸潤の「下町ロケット ゴースト+ヤタガラス」について追記

池井戸潤の下町ロケットの最新刊2巻の農業用AIトラクターの話はどうもクボタとかヤンマーが実際にやっているものを取材して書いているみたいです。こういう姿勢に2つの問題点を感じます。
(1)以前私の勤めている会社の製品の実使用例をまとめた資料を作り、それをその後業界別資料にまとめ直しました。その過程で分かったのが、日本のほとんどの業界がガラパゴス化していることです。つまり日本でしか通用しない製品が多すぎるということです。この農業ロボットの話も同じで、誰が考えたって日本の特殊な農業、世界的に見て競争力がほとんどなく関税で保護されてやっと生き延びている農業だけをターゲットにした製品開発はガラパゴスの典型です。
実際ちょっと調べてみたら、農業のロボット化やAI化は海外の方が当然進んでいますが、この小説にはその手の話はまるで出てきません。
(2)こういう時事的なネタを小説に取り入れると、そこから小説が腐っていく、ということ。つまり10年ぐらい経ってこの小説を読んだら、時代としてはまったく違う方向に行っていて、馬鹿馬鹿しくて読むに耐えないことも十分考えられる訳で、その意味で賞味期限が数年しかないこと。
要するに、この小説、小説というよりもはやテレビドラマの原作でしかないということですね。プロジェクトXのドラマ版というか。

Japanese food

The following essay is what I wrote as an assignment of an English school AEON.

Topic: Japanese food
Style: Casual

If we ask some foreigners about their favorite Japanese food, answers might be almost always the same: sushi, tempura, sashimi, and so on. I think the most important thing in Japanese food is not a specific type of dish, but an element or ingredient, namely, dashi. I do not think there is an exact corresponding word in English, but soup or soup stock could be the one. As for the types of tastes of human, there were only four in western countries, namely sweetness, sourness, saltiness, and bitterness. In Japan, we had one more taste called umami. Though the fifth taste was just empirically known, Kikunae Ikeda found that L-monosodium glutamate could make us sense umami in 1907. He derived the chemical by boiling dried kelp, which is one of the most popular ingredients to get good dashi in Japan. Most western scientists did not approve the new taste, but it was proven that there are receptors of umami on our tongues in 2000. Dashi means soup that can provide any dishes with umami. For most Japanese dishes, we use some dashi in them. The most typical sauce shoyu or soy source contains a lot of umami in it such as amino acid, glutamic acid, and asparagine acid. Now umami is translated into English as savory.
Except for dried kelp, we use katsuobushi, dried bonito, niboshi or iriko, dried small sardine, and also dried shiitake mushroom, and so on. Combinations of dried kelp and dried bonito are the most important skill for all Japanese dishes’ chefs. One good thing about these two ingredients is that they are well prepared for daily usage and we can easily use them even at home. On the contrast, in French dishes, chefs take some burdensome steps to get Bouillon, or broth.
Do not forget one more important material: water. Some western chefs tried to use dried kelp and dried bonito in their countries, but because of the different quality of water, they could not get good dashi. I heard that some famous Japanese chefs brought a big bottle of Japanese water with them when they were asked to cook in foreign countries.
I show you a good example of Japanese dishes that utilize dashi: Dashi maki tamago, or Japanese style rolled omelet with dashi. It is a very simple dish, just bake egg with dashi mixed, but it is very tough to get a good figure. We use a special small square pan just for this dish.
At last, one thing I hate is that many Japanese house wives use instant powder type dashi that uses MSG for their daily dishes. I never choose convenience over getting good dashi.

原子力潜水艦シービュー号の”Death from the Past”

原子力潜水艦シービュー号の”Death from the Past”を観ました。シリーズで二回目のナチスドイツもの。といっても前回はまだナチスの残党が生きていて第三帝国復活を企む話でしたが、今回は1944年のドイツでナチスの秘密の任務に携わっていた2人の軍人が、駆逐艦からの爆雷攻撃で潜水艦に積んでいた神経ガスが漏れ出し、そのまま昏睡状態に陥って35年間眠り続け、1980年になってシービュー号がそれを発見し、二人は目を覚まします。二人は今が1980年ということを理解せず、捕虜になってシービュー号に連れて行かれてもなお任務を遂行しようとします。その任務は何と潜水艦に搭載されたICBM(正確に言えばSLBM)をパリ、ロンドン、ワシントンに向けて発射しそれらの都市を破壊することでした。しかし、35年も経っていたせいかミサイルはバックファイヤーを起こし、潜水艦の中で小爆発を起こしてしまいます。しかし、今度はシービュー号に戻って、シービュー号のミサイルをそれらの都市へ発射しようとします。(シービュー号が核ミサイルを発射する時はフェイルセーフシステムがあって4人がキー操作をしないといけない筈ですが、またもご都合主義でその設定が無くなっています。)結局ドイツ軍人二人とネルソン提督、シャーキーがもみあいになり、ネルソン提督が床に投げつけた神経ガスのせいで、4人とも倒れますが、ドイツ人一人がミサイル一発を発射します。ネルソン提督は何とかガスマスクを探し出して、コントロールルームに連絡し、ミサイル迎撃装置の発射を命じます。それで結局ミサイルは破壊され事なきを得ましたが、ドイツ人一人は死ぬ前に、1944年当時の49歳からみるみる85歳の老人に変貌していきます。
しかし、ナチスが何かの秘密兵器を開発していた、というのはよくある話でしたが、まあSLBMは無理にしても、V2号は出来ていましたし、核兵器も時間差の問題でナチスが開発していてもまったくおかしくなく、そういう意味ではリアリティーのあるストーリーでした。

原子力潜水艦シービュー号の”The Creature”

原子力潜水艦シービュー号の”The Creature”を観ました。またもワンパターンの巨大海洋生物もの。ある科学者が海水から合成した人工生命を海に放つとそれはどんどん巨大化し、またデンキウナギのように電気を放つことが出来ます。調査に行ったクレーン艦長が電撃を浴びてその体内に取り込まれますが、排出されます。クレーン艦長はフライングサブに救助されますが、息をしておらず、瀕死の状態でした。しかし何故か突然元気に蘇ります。実はその生物を作り出した科学者もクレーン艦長もその怪物にコントロールされていました。二人は新たにシービュー号の軍医も仲間にし、更に仲間を増やそうとします。ネルソン提督は核弾頭の魚雷で怪物を攻撃しますが、何故か不発になります。その生物をトランキライザーで眠らせている間に採取した組織を調べて、その生物が出すより強い電撃が有効なことが分かります。ネルソン提督が電撃発生装置を付けたフライングサブで怪物を攻撃しようとしますが、怪物に操られたクレーン艦長がそれを妨害しようとして、という話です。巨大生物ものはもう飽きるほど繰り換えされていますし、何かにシービュー号の乗組員が操られるというのも既に何回かあったので、まったく新鮮味がないストーリーでした。

原子力潜水艦シービュー号の”The Brand of the Beast”

原子力潜水艦シービュー号の”The Brand of the Beast”を観ました…けどまたひどい話でした。何かというと、狼男再登場。で狼男に変身するのはネルソン提督です。シービュー号は嵐に巻き込まれてSOSを発している船のコロンバイン号を救助するため、全速力で現場に向かいます。しかし原子力エンジンはオーバーヒート気味で全速力を出すことにクレーン艦長は反対しますが、ネルソン提督がコロンバイン号には多くの科学者が乗っているとして、全速力を強行します。案の定エンジンはブローし(原子力エンジンだったら、オーバーヒートということはメルトダウンの筈ですが、その辺りはご都合設定で適当に変えられています)、爆発します。ネルソン提督は危険なエンジン内のパイプを閉めるため、自身の右手で操作し、それは何とか成功します。しかし部屋に戻ったネルソン提督の右手に毛が生えて…という話。原子力と狼男と何の関係があるのか、理解に苦しみます。結局、狼男となったネルソン提督が暴れてフライングサブは航行不能になり、シービュー号自身も海底に座礁してしまいます。何回目かの発作を予知したネルソン提督は自身をダイビングベルで深海に送ることを命じます。クレーン艦長が途中で気付いてダイビングベルを再び浮上させようとしますが、ネルソン提督はワイヤーを切ってしまいます。しかし、ダイビングベルは遠隔操作でバラストを切り離す仕組みがあり、クレーン艦長がそれを行い、ダイビングベルは急浮上します。その時、ネルソン提督が一種の潜水病になり、血中の窒素濃度が上がりますが、実はそれが狼男ウィルスを治療する唯一の手段だった、という実にご都合主義の極地のようなお粗末なお話でした。それで結局コロンバイン号はどうなったかというと、他の船がヘリコプターを発進して乗員を救助しました、というだったらシービュー号が全速力で駆けつける必要はなかったと思います。とにかくひどい脚本の一言。