以下は日経ビジネスの記事なので登録しないと読めませんが、またこの間の「誤解だらけの輸出規制報道」というほとんどデマゴーグのような記事を書いていた元経産相の役人が、再度ヨタ記事を書いています。
「なぜ韓国の「ホワイト国除外」で“空騒ぎ”するのか」
まず何で経産省OBが経産省の代弁をするのか、という疑問です。堂々と主張出来ることなら、経産省自体が言明すればいいのに、OBを使って言わせているとしか思えません。
「いつまで続く、「無知からくる誤解の垂れ流し」」とか、政府と経産省の説明不足を棚に上げて、責任をマスコミの無知だと転嫁しています。大体、今回の処置が別に韓国を冷遇していないというのであれば、別にホワイト国から格下げしなくても良かった筈で、前にも書きましたが何故このタイミングなのかという説明がほとんどなく、韓国側の補償問題への報復だと世界のほとんどの国が受け止めています。またホワイト国でなければブラック国なのか、という言いがかりを恐れたのかこのタイミングでグループAとかグループBとか急に言い出して、姑息としか言いようがないです。
それから経産省はこのキャッチオール規制での韓国の扱いの格下げについて、先日紹介したようにパブリックコメントで4万通の応募があり、そのほとんどが賛成であったと発表していますが、この人の言うところによれば、社内に専門家もいる筈のマスコミですら多くが誤解しているということになり、そうであれば4万通ものパブリックコメントの応募者の内何人がキャッチオール規制を正しく理解しているのか調べて発表して欲しいです。ちなみにWikipediaで「キャッチオール規制」の日本語ページが出来たのはやっと2016年になってからで、それもほとんど中味がありませんでした。
そもそもキャッチオール規制は、2002年に始まったもので、きっかけはイラクが大量破壊兵器を開発しているという、後からでっち上げと分かった決めつけからスタートしています。アメリカがイラクに侵攻したのが2003年です。要はイラクに対する経済制裁から始まっている訳です。そして「キャチオール」の名の通り、食料品などを除いてほとんどの輸出品が対象になります。このおかげで輸出をやっている人はかなりの手間が増えている訳です。実際の所、汎用的な材料や部品は色んなルートで買えますから、輸出の段階で最終需要者まできちんと確認して、というのはほとんど無理でかなりの部分形式的なチェックになってしまっていて実効性は極めて疑問です。例として大型トレーラーがミサイルの移動発射台に転用されたみたいなのが挙げられていましたが、そうであれば大型トレーラーをリスト規制の対象にすればいいだけだと思いますが。