ウルトラマンAの「黒い蟹の呪い」を観ました。「夏の怪奇シリーズ」と銘打っていますが、岡山の観光地のタイアップで、鷲羽山にあった遊園地が出て来ます。それでこの遊園地を舞台に、ウルトラマンAがカブトガニをベースにした超獣キングクラブと戦うんですが、途中でAが何故かいきなり四股を踏み、超獣と相撲を取り始めます。これが何故だか今の若い人が見ても意味が分らないでしょうが、この当時「鷲羽山(わしゅうやま)」というご当地力士がいて、最高は関脇止まりですが、北の湖を何度も倒して小兵ながら人気のあった技能派力士です。Aが相撲を取るのはそういうご当地サービスです。後は最後は亡くなった父親から貝を通じた通信で、北斗と南がウルトラマンAであることがある男の子にばらされてしまうんですが、いいのかな。
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トワイライト・ゾーンの”The Incredible World of Horace Ford”
トワイライト・ゾーンの”The Incredible World of Horace Ford”を観ました。ホレース・フォードはある玩具メーカーの設計者でしたが、38歳になろうとする人間で未だにオモチャのピストルを振り回したり、設計用紙で紙飛行機を折ったりという性格でした。彼は会社の社長から彼の設計したオモチャのロボットの部品が多すぎてコストが高く儲からないので、再設計を命じられくさります。家に帰ったホレースは子供の時に遊んでいた通りを訪れます。驚いたことにその通りは彼が10歳だった時そのままでした。更に驚くべきことは、彼の10歳の時の友人達が年を取らずに10歳のままでそこで遊んでいたのを見たことです。彼はその後何回かその通りに行きますが、その度にまったく同じことが繰り返されます。彼は次第に戻る時間を遅くして行き、ある晩ついに子供達に話しかけます。彼らは10歳のホレースが誕生日のパーティーに自分達を呼んでくれなかったことについて不平を言っていました。ホレースはそれについて言い訳をしようとしたら、彼は突然10歳の時の姿に戻っていました。そして友人達は彼に殴りかかり、散々痛めつけます。実はこれが本当に起きたことでしたが、ホレースは過去を美化して真実を忘れていました。ようやく元の世界に戻ったホレースは追っかけてきた妻と一緒に家に帰ります。
うーん、私も1960年代のTVドラマばかり観ていますから、少し身につまされるような話ではありました。
ウルトラマンAの「死刑!ウルトラ5兄弟」と「銀河に散った5つの星」
ウルトラマンAの「死刑!ウルトラ5兄弟」と「銀河に散った5つの星」を続けて観ました。まだ全体の1/3くらいだと思いますが、視聴率の梃子入れなのか、ここでウルトラ5兄弟全員が登場します。しかし偽のウルトラサインで惑星ゴルゴダに呼び寄せられた5兄弟はあっさり低温攻撃で十字架に架けられてしまいます。しかし他の4人の残ったエネルギーを分けてもらったエースだけが地球に戻ります。しかしヤプール人に4兄弟を殺すと脅され、超獣バラバに敗れます。ここでTACに司令長官が出て来て、マイナス宇宙にいる惑星ゴルゴダを新しい超高速ミサイルで爆破することをTACに命じます。星児がウルトラ4兄弟の救出が先だと反対しますが、あっさり却下されます。そしてそのロケットのパイロットに星児が指名されます。そのロケットは2段式で、人間は途中でロケットを切離して戻ることになっていたのが、切換えが上手く行きません。長官はそのまま星児にロケットを誘導していく、つまりカミカゼ攻撃を命じます。しかし竜隊長が星児に戻るよう命じますが、星児はそのままロケットに戻ります。そこでご都合主義で地球にいる夕子と星児が何故かモニタースクリーン越しにウルトラタッチしてAに変身し、Aはすぐにミサイルを爆破します。しかしゴルゴダの星ではヤプール人によって、ゾフィー、ウルトラマン、セブン、新マンの必殺技を全て奪ったエースキラーが待ち構えていました。Aは当然苦戦しますが、ここでもご都合主義で4兄弟の全ての力を合わせた武器がAに与えられAはエースキラーを倒します。ゴルゴダの星は結局ヤプール人が爆破しますが、4兄弟とAは無事脱出し、Aは地球に戻って超獣バラバを今度は何とか倒します。というかなり盛り込みすぎの感じのある回でした。超獣バラバが放射能を含む雨に守られているのが時代を感じさせて、今の人が観ても何のことか分らないでしょう。当時は相次ぐ原水爆の実験で、大気中に放射性物質が残存に雨の中に含まれて降って来ると言われていました。帽子をかぶらないで雨にあたると禿げるとまことしやかに言われていました。それから新マンはこの話ではウルトラマン二世と呼ばれています。兄弟なのに二世は変でしょ。
スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Contagion”
スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Contagion”を観ました。エンタープライズ号の兄弟艦であるヤマト号(!)からSOSが入ります。ヤマトの艦長は沖田ではなくて、ピカードの友人ヴァーリーです。ヤマトはロミュランとの中立地帯に入り、敵からの攻撃で滅んだアイコニアンの星を調べていました。しかしヤマトは全てのメカニズムが異常を起し、最終的にはエンタープライズ号の目の前で爆発し全員が死亡してしまいます。そこにロミュラン艦が現れ、エンタープライズ号に即時立ち退きを要求します。しかしピカードはヤマト号の爆発の原因の調査が終るまで立ち退きを待ってもらいます。ピカードはヤマトのログを調べ、艦長のヴァーリーがアイコニアンの星に高度な技術を見つけ、それをロミュランより先に解明しようとしていたことを発見します。ピカード、データ、ウォーフの3人はアイコニアンの星に転送で降り立ちます。結局ヤマトはアイコニアンから発射されたプローブ惑星から送り込まれた一種のプログラムが、元々のヤマトのプログラムを全て書き換えた結果爆発したことが分ります。エンタープライズ号にも同様のプローブが向かいましたが、ラフォージュがそれに気付き、フェイザーで爆破します。しかしエンタープライズ号はヤマトのログを取り入れそれにアイコニアンのプログラムが入っていたため、ヤマトと同じようにメカがおかしくなりかけます。一方アイコニアンの星でそこの機械を調べていたデータは、やはりプログラムを送り込まれ、機能停止してしまいます。しかしウォーフとピカードはその基地に何かのゲートウェイ装置を見つけ、定期的にエンタープライズ号ともつながることを発見し、ピカードはウォーフにデータをかつがせエンタープライズ号に戻します。ピカード自身は残ってロミュランにその技術を渡さないため、基地を自爆させようとします。一方エンタープライズ号に戻ったデータは、感染したウィルプログラムで一度死んでしまいます。しかしその時データの自己修復プログラムが働き出し、感染した以降のデータを全て消去してリカバリープログラムを走らせることで元に戻ります。ラフォージュはエンタープライズ号の感染もそれで直せることに気づき、エンタープライズ号のシステムを一度シャットダウンし、感染部分を消去した上で再起動し、無事に元に戻ります。ピカードはゲートウェイから脱出して、何とロミュランの船に移ってしまいますが、捕らえられようとする所をギリギリで転送でエンタープライズ号に戻ります。エンタープライズ号は同じく感染していたロミュランの船にリカバリー方法を教え、両者は平和裏に別れます。
何と言うか、あまりにコンピューターよりのお話でした。折角「宇宙戦艦ヤマト」(!)が出て来たのに、すぐ爆発していなくなりました…
NHK杯戦囲碁 本木克弥8段 対 一力遼棋聖(2024年1月28日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が本木克弥8段、白番が一力遼棋聖の対戦でした。右下隅が一段落して白が小さくですが活きた後、黒は左下隅の白の一間ジマリのヨコに付け、その後左上隅の白が締まっている所に掛かっていきました。その後先ほど左下隅で付けた石から飛び、白も下辺の黒に肩を付き、左辺が全面的に戦場になりました。結局左上隅の黒は切断され、活きにいくしかなくなりました。白がその黒に利かしに行った時、黒は一本鼻ヅケし、その後活きる手を打った後、逆襲気味に白を切断して行きました。黒は結局中央の白に対し左辺を渡らせましたので一応言い分が通ったような形になりました。その結果中央の白の種石2子が薄くなり取られそうになりましたが、白は三間飛びでつながるともつながらないともという感じで右辺に利かしに行きました。白は右辺の黒を固めさせて中央を厚くしたかと思いきや、一転して右上隅に手を付けて行きました。その後黒が反発して中央を重視して手を抜いたりしたので右上隅の白は活き、またその左側の黒も活きて活き活きになりました。後は中央の白がどうなるかということでしたが、黒の攻めに対し、白は3子を捨てて右辺下方とつながりました。それでも黒はまだ全体を狙っていましたが、中央にも一眼を作り、黒の攻めをかわしました。この結果は白の地が厚く、ヨセが打たれましたが結局黒の投了となりました。一力棋聖はこれで準々決勝進出です。
ロバート・A・ハインラインの「宇宙の戦士」
ロバート・A・ハインラインの「宇宙の戦士」を読了。引っ越しで手持ちの書籍の全てにすぐアクセス出来るようになったので、買っただけで未読だった本を読んでいこうとしているものの一つです。この文庫本は2017年に買いました。
日本ではこの作品のパワードスーツがガンダムのモビルスーツを産んだということで有名ですが、実際に表紙に描かれているパワードスーツ(これは最初の日本語訳である矢野徹訳の表紙にあったもの)はガンキャノンにそっくりです。しかし私見ではガンダムのモビルスーツは大き過ぎると思います。せいぜい普通の乗用車ぐらいの大きさにし、文字通り「スーツ」にふさわしいものにして欲しかったです。モビルスーツはそれまでの人が乗り込むロボット(マジンガーZ以来の)とどこが違うの、と感じます。
それでお話は、軟弱で取り立てて際立った能力がない主人公がひょんなことから軍隊を志願し、もっとも過酷な機動歩兵部隊に配属され、敵である昆虫型(蟻のイメージ)エイリアンと戦いながら成長していく、という昔ながらのビルドゥングスロマンであって、あまりSF的な感じはしませんでした。機動歩兵のベースは、古代ギリシアやローマの「重装歩兵」ではないかと思います。(丁度今塩野七生の「ギリシア人の物語」を読み始めた所です。)兵役を経験した者だけが投票権がある社会というのも、これまた古代ギリシアのアテネやスパルタを思わせます。
という訳でまあ面白かったですが、取り立てて「SFの傑作」だとは私は思いません。
ウルトラマンAの「サボテン地獄の赤い花」
ウルトラマンAの「サボテン地獄の赤い花」を観ました。いきなり超獣が登場し、Aとの戦いになるという珍しいパターンで始まります。しかしあっさりAに負けて力不足が判明したのでヤプール人はその超獣サボテンダーを球状の小さなサボテンの姿にし、昆虫から鶏、人間などを次々に襲ってそのエネルギーを吸収させて力を増大させようとします。そのサボテンは結局TACが捕まえましたが、宇宙空間に持っていってミサイルで処理しようとしたのに対し、却ってそのエネルギーを吸収して再度超獣として地上に現れます。強大化した超獣にAは苦戦しますが、今回も新しい切断技でサボテンダーを倒します。
次の回はウルトラ兄弟勢ぞろいです。そろそろ通常のパターンが飽きられてきて梃子入れが必要だったのでしょうか。
トワイライト・ゾーンの”Of Late I Think of Cliffordville”
トワイライト・ゾーンの”Of Late I Think of Cliffordville”を観ました。フェザースミスは、75歳でコングロマリットのオーナーで、今日最後の敵対会社を買収することに成功しました。彼にはもう征服すべき相手が無くなり、生まれ故郷のグリーンズビルに戻って、もう一度やり直したいと思い出しました。そこに女性の悪魔が現れ、魂ではなく彼のほぼ全財産を代償に彼を過去に戻してくれると言います。フェザースミスは今の彼の知識をそのまま持ち込むことを条件とします。彼に残された財産はわずか1,403ドルでした。1910年に戻ったフェザースミスはしかしその金でグリーンズビルの郊外の土地を買います。実はそこには膨大な量の石油が埋蔵されていたからでした。しかし買った後に、その石油は1937年に掘削可能なドリルが発明されるまで無用のものであることが判明します。そして彼が秘かに憧れていた少女に求婚しようとしますが、その娘がおしゃべりで食いしん坊のじゃじゃ馬であることが判明します。フェザースミスは今度は車のスターターを作ろうとしますが、彼は図面が書けないので、誰もそれを作ることが出来ません。極めつけは、彼は外見こそ30歳になって1910年に戻りましたが、契約に入れなかった彼の実際の肉体年齢は75歳のままでした。彼は再び現れた悪魔に1965年に戻してくれるよう懇願しますが、それに40ドルを要求されます。そのお金を得るため、馬車の御者に郊外の土地を40ドルで売ってしまいます。1965年に戻った彼は、ビルの掃除人になり、そして彼から土地を買った御者がコングロマリットのオーナーになっていました…
という内容で、ちょっと貪欲の酬いはこうなる、というキリスト教の道徳的なのがイマイチでした。
芳賀徹先生の「平賀源内」
芳賀徹先生の「平賀源内」を読了。「先生」と書いたのは、大学の時に教養学科の授業「比較文学・比較文化」で半年間芳賀徹先生から教えを受けたからです。ちなみにその時のテーマに影響を受けて、私はその後歌川広重の「八景物」を探し求めることになりました。https://www.shochian.com/hakkei.htm
閑話休題。平賀源内の人生における活動は大きく分けて
(1)物産学、本草学の専門家としての活動
(2)戯作家、浄瑠璃作者で活躍
(3)「山師」として全国の鉱山開発への関わり
に分けられます。この本の前半で若き源内が何度も物産会を開いて全国の動植物・昆虫・鉱物を集めている様子が描かれ、もっとも活き活きと活動した時期ではないかと思います。南方熊楠がその長文の履歴書で「日本今日の生物学は徳川時代の本草学、物産学よりも質が劣る、と、これは強語のごときが実に真実語に候。むかし、かかる学問をせし人はみな本心よりこれを好めり。しかるに、今のはこれをもって卒業また糊口の本源とせんとのみ心がけるゆえ、(以下略)」と友人の農学者田中長三郎の言葉を引用してその時代の学者を批判すると同時に江戸時代の本草学者、物産学者を讃えています。この通り「みな本心よりこれを好めり」というのがこの本でも確認出来ましたし、源内はそれに加え単なる好事家に留まらず「日本の国益に貢献する」という実に高い理想を持っていました。しかしこの分野で結局源内は、多くのオランダ語の図譜を収集しましたが、地道な努力の必要なオランダ語のマスターは結局出来ず、オランダ語の図鑑を参考にして自分自身で日本の物産の図鑑を作るという生涯の夢を果たすことは出来ませんでした。友人であった杉田玄白らが源内ほど多彩な才能は無いにも関わらず地道な努力で「解体新書」を翻訳刊行したのと対照的です。
(2)の作家としての源内は、実はこれが一番源内の実績としては認められているのかもしれません。子供の頃、「日本一の鼻高男」という江戸時代の戯作を子供向けに書き直した本を持っていましたが、それに「風流志道軒伝」が出て来たので、多少は知っています。
(3)については、(1)の延長線上でしょうが、結局「山師」という言葉に象徴されるように、源内の鉱山開発は実践的な製錬技術の知識がないなどの理由で、失敗続きでお金を失うことの方が多かったようです。それでも秋田藩から鉱山開発のお礼で200両もらっていますが、これは単なる鉱山開発の指導というより、秋田ではまだ珍しかった蘭学と洋画の技術を源内が教えたことについての藩主からのお礼も含まれていたようです。
私自身、源内と似ている部分があり、多くのことに興味を持って手を出し、結局どれもものにならない、という器用貧乏な所があり、源内の生き方を追って行くのは辛い部分もありました。幸い今は源内の時より寿命がはるかに伸びており、また私はそれなりにコツコツ努力するということを亡母から受け継いでいるので、少なくとも外国語に関しては、源内のような羽目には陥らないで済んでいるようです。
源内の最後が、ある屋敷の建築を命じられた時、その図面を大工が盗んだと思い込み激高して2人を斬り殺し、結局獄中で病死したのだということは知りませんでした。源内もある意味「双極性障害」を患っていた天才だったのかもしれません。
芳賀徹先生は2020年に既にお亡くなりになっているようですが、さすが芳賀先生で、見事な源内愛が感じられる本でした。
下成佐登子の「秋の一日」
下成佐登子の1stアルバムの「秋の一日」をゲット。下成佐登子って、多分今の50歳以下の人は名前もその曲もまったく聞いたことないと思います。それ以上の人も「コッキーポップ」を当時(1970年代後半)聞いてない限り知らないでしょう。しかし歌の上手さという意味ではポプコン出身の女性歌手の中でトップクラス、日本の全ての女性シンガーの中でもベスト10に入るんじゃないでしょうか。アルバムタイトルになっている「秋の一日」が秀逸で、このアルバムはシングルとは別バージョンのアコギのアルペジオ伴奏によるシンプルなアレンジですが、下成佐登子の声をより際立たせます。
私が何でコッキーポップを聴いていたかというと、鹿児島の進学校に高校から入り最初の1年は寮でした。その寮は12時消灯でマスター電源を切られるので、寝るしかありませんでした。しかし直前までハードに勉強して後いきなり眠るのは大変でした。そんな時MBC(南日本放送)で24時~24時半という絶妙のタイミングで放送していたのがコッキーポップでした。(ちなみにキー局のニッポン放送では24時半からだったみたいです。)電池式のラジオでイヤホンで聴いていました。当時(今も?)、鹿児島ではラジオの民放はMBCだけで、NHK-FMはその時間は放送はありませんでした。民放のFMも当時は無し。また1976年~1980年というタイミングも、ポプコンのいわば全盛期であり、そういう意味でも色々懐かしいです。このポプコン出身のシンガーソングライター、特に女性のシンガーソングライター(中島みゆき、八神純子、柴田まゆみ、谷山浩子、明日香、等々)は今の人より音楽的にも歌詞的にもずっとレベルが高いと思います。この下成佐登子さんもそんな一人ですが、大衆的な人気という意味では苦戦し、結局スタジオミュージシャンに転身したみたいです。