団時朗さん追悼の意味も込めて、「帰ってきたウルトラマン」のBlu-rayを購入。海外盤だと全話入ってわずか4,000円です。ちなみに日本語盤はその10倍の値段。英語字幕消せばまったく問題ありません。
第1話の「怪獣総進撃」を観ました。初代ウルトラマンやウルトラセブンに比べると、「帰ってきたウルトラマン」は全体に暗いです。特に途中で坂田兄妹がナックル星人に殺されてしまうというトラウマになりそうな回もあります。この第1話も郷秀樹が完全に死んでしまうという描写があります。
ちなみに、今ではこのウルトラマンはウルトラマンジャックという名前で初代とは別者になっていますが、当初の設定は文字通り「帰ってきた」でした。そのためか、テーマ音楽も初代の「むねーに」の出だしと新マンの「きみーにも」の出だしのメロディーはほぼ一緒です。なお第1話の監督は初代ゴジラの本多猪四郎です。また「帰ってきたウルトラマン」という題名は円谷英二によるものですが、その本人は放映開始前に亡くなられています。
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NHK杯戦囲碁 山田規三生9段 対 福岡航太朗4段(2023年5月21日放送分)
本日のNHK杯戦囲碁は、黒番が山田規三生9段、白番が福岡航太朗4段の対戦です。山田9段はNHK杯戦での優勝経験があります。福岡4段は2回目の出場で前回は張栩9段に1目半負けだったので、何とか初勝利を上げたいところです。中盤の戦いで焦点となったのは左辺と下辺の戦いで、黒が下辺を頑張って地を持って生きた結果、左辺の黒が封鎖されて眼が無くなりました。黒の活きは見えずピンチでしたが、白が黒の断点を覗いたのが緩着で、黒はここぞとばかり下辺から白1子を当て、白が伸びた時に中央を出ていき、この結果黒7子は取られたものの、中央を厚くして右辺の地を期待出来るようになり、また右下隅の白にも寄り付きが期待出来、更に左辺は上方に渡って助けることが出来るという、理想的な捨て石となりました。また白が右辺の黒模様に手を付けてからの戦いで、結局中央で振り替わりになり、この振り替わりは単純計算で黒が4目ぐらい得をし、これで黒が優勢になりました。ただ白も左上隅で黒を切り離して得をしたので、大きな差ではありませんでした。黒は一応優勢だったので上辺について覗きを打って白2子を取っていれば勝ちでしたが、山田9段は形勢を悲観していたようで、勝負手気味に更に深く打込みました。しかし結果的にこの打込みは失着で打った石が全部取られてしまい、形勢は白が逆転しました。しかし更に右下隅で今度は白が間違え、固く受けたつもりが手が残っており、白4子を取られてしまい、黒が再度優勢になりました。しかし左辺から中央のヨセでまた黒が間違えて形勢は半目勝負になり、結局白の半目勝ちに終りました。時間のない早碁で冷静に形勢を判断するのは難しいですが山田9段は惜しい碁を落しました。逆に福岡4段は苦しい碁を耐えてわずかな可能性の勝ちを得ました。2回戦以降も期待したいです。
アウター・リミッツの”The Brain of Colonel Barham”
アウター・リミッツの”The Brain of Colonel Barham”を観ました。初の火星探査飛行の一番乗りを目指して各国が競争していました。まだ有人飛行は危険なため、コンピューターによる自動操縦を計画していましたが、一つの問題はコンピューターはあらかじめプログラムされたことにしか対応出来ず、突発的な事件には無力だということでした。その問題を解決させるために考案されたのが、コンピューターに人間の脳を足すということです。軍はかつて優秀な宇宙飛行士だったけど現在は不治の病に冒されて後数ヶ月の命である、アレックス・バーラムの脳を取り出して、コンピューターにつなぐことを計画します。バーラムはその計画を了承し、手術が行われ無事にバーラムの脳は取り出され、ガラス容器に入れられてコンピューターに接続されました。当初は幻覚的な痛みを訴えていましたが、次第に脳はこの環境に慣れ、優秀な力を発揮し出します。しかし脳は次第に自分が全知全能であり、劣った人間を支配できるという考えを持つようになり、電磁場によって人間を思い通りに操る能力を発揮し出します。そしてそのことに気が付いた心理学者を殺そうとしますが、すんでの所で窓から銃で装置を破壊されて脳は死にます。
まあ「生きている脳」という意味では、キャプテン・フューチャーのサイモン・ライトがあり、そちらの方が先ですので、アイデアとしては新しくありません。しかしそれにしてもアウター・リミッツは科学がこういう終末的な危機をもたらす、という話が本当に多くて暗いです。
スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Where No One Has Gone Before”
スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Where No One Has Gone Before”を観ました。タイトルは、オープニングシークェンスの最後のセリフですが、ファーストシリーズでは”Where No Man Has Gone Before”でした。またファーストの第2話がこのタイトルでした。
エンタープライズ号に、スターフリートの宇宙船のエンジン効率を劇的に改善するという触れ込みでコジンスキーというエンジニアとそのアシスタントがやって来ます。しかし実験中にエンタープライズ号はワープ1.5のスピードからワープ10をはるかに超えるスピードに暴走し、一気に二つの銀河系を超え、200万光年以上先のまったく未知の銀河系に来てしまいます。しかも時間的には300年先でした。エンタープライズ号はさっきとは逆のプロセスで元の宇宙に戻ろうとしますが失敗し、まったく未知の不思議な空間に入ってしまいます。そこでは思考と現実の区別が曖昧になり、考えたことが実体化して、エンタープライズ号のクルーは混乱に陥ります。実はコジンスキーのアシスタントが未来から来た時間旅行者で、好奇心から実験をしていてミスしたものでした。彼は少年のウェズリーについてピカード船長にたいし、「(おそらく物理学の分野で)モーツァルトのような天才だから、それにふさわしく育てるべきだ」とアドバイスします。その未来人によると、思考こそがエンタープライズ号をここまで運んだものだと言います。ピカードは全クルーに各人の任務に意識を100%集中させるように命じます。その甲斐もあってエンタープライズ号は無事に元の宇宙空間に戻れましたが、未来人はその途中で消滅しました。ピカードはウェズリーに特別な位を与え、ライカーに対し徹底して教育するよう命じます。
とまあ、ファーストのほぼ同名のエピソードとはまったく違い、文字通り「誰も来たことがない場所」という話でした。まあまあ楽しめました。
トワイライト・ゾーンの”The Hunt”
トワイライト・ゾーンの”The Hunt”を観ました。ハイダー・シンプソンは妻と猟犬のリップと山小屋で暮しています。シンプソンは一度リップに命を助けられたので大事にしています。ある夜、妻が不吉な前兆を見たから、と言うのにも関わらず、アライグマ狩りにリップと出かけます。リップは首尾良くアライグマを見つけ追いかけますが、その途中で池にはまってしまい、浮かび上がって来ません。シンプソンもリップを助けようとして池に入りますが、彼も浮かび上がって来ませんでした。シンプソンが目を覚ますと朝になっていて、彼とリップは家に戻ろうとしますが、途中2人の人が犬用の墓穴を掘っていました。家に戻るとシンプソンの奥さんは喪服を着て泣いており、それを教会の神父が慰めていました。そして二人ともシンプソンとリップが見えません。そうです、一人と一匹は死んでいました。仕方なく外に出て歩いていると門があり、そこの門番はシンプソン達を認めて声をかけます。そしてその門番はここは天国への門だと説明します。しかしシンプソンはリップが何かをかぎつけて訝しんでいるのと、門番が犬を連れては行けないと言ったため、門番と離れて道を歩き続けます。そこに天使が迎えに来て、先ほどの門が地獄の門だったと説明します。リップはその門から硫黄の臭いがするのに気付いていました。天使は、悪魔も犬を騙すことは出来ない、と笑います。
という話です。しかしキリスト教の考え方での天国・地獄ってそういうもんじゃないでしょう、という疑問が残りました。愛犬家が書いた脚本のように思います。
トワイライト・ゾーンの”Dead Man’s Shoes”
トワイライト・ゾーンの”Dead Man’s Shoes”を観ました。ある男の死体がストリート脇のドブの中に投げ捨てられます。たまたまその近くにいたホームレスのネイトがその死体を漁り、死体が履いていた高級な靴を盗んで自分で履きます。すると彼は何故かある方向で歩き出し、ある女の家に行きます。それは殺された男の恋人の家でした。女性はネイトが殺されたデーンとは違う顔なのに、デーンと同じテキーラと角砂糖という変わった酒を飲み、またデーンと同じことを言うので戸惑います。ネイトはデーンの服に着替えると、あるバーに行きます。そこにはデーンを殺したギャング達がいました。ネイトはそのギャングの親玉に、伝言があると言い、そのギャングの仕事部屋に行って、そこで隠していた銃でその親玉を殺そうとします。しかし隠れていた子分の一人に撃たれて、ネイトは死にます。しかし死に際にギャングの親玉に向かい、「俺はお前を殺すまで何度もやって来る」と言い残します。ネイトの死体は先ほどのデーンの死体と同じ場所に捨てられましたが、今度は別のホームレスがその靴を盗んで…という話です。またちょっとしたアイデア作ですね。もう一ひねり欲しいと思いました。
アウター・リミッツの”Counterweight”
アウター・リミッツの”Counterweight”を観ました。近い将来に、植民星の候補であるアンテオンまでの291日間の宇宙飛行をする際に、専門的な訓練を受けていない乗客がどのような影響を受けるかをテストするため、本物に似せて作られた宇宙船もどきの中で291日間のシミュレーションテストが始ります。乗客は4人の科学者、一人の新聞記者、一人の建築家と、フライとアテンダントの女性と操縦士でした。シミュレーターの中にはパニックボタンが設置され、非常事態が起きた時そのボタンを押すことでシミュレーションを中止することが出来ました。しかしそのシミュレーション装置の中にはエイリアンが入り込んでおり、口を開けた蛇のような形でそれぞれの乗客の心に入り込んで深層心理を表面に出したり、あるいは建築家の首を絞めて殺そうとしたりしました。またある博士は、自分のベッドの中に、死んだ自分の娘が死ぬ時に持っていた人形を見つけパニックを起します。そんなこんなで190日が過ぎて、次第に乗客同士いがみ合うようになりますが、そんな時突然酸素の供給が止まり、次々に乗客が倒れていきます。そしてそれは復帰しましたが、ある植物学者はシミュレーション装置に持ち込んでいた植物が怪物化しているのを発見します。怪物の正体はエイリアンで、自らをアンテオンの原住民だと言います。そして地球がアンテオンの植民星化を図るのを阻止するためにシミュレーション装置に乗り込んだ、と言います。結局その怪物が建築家を操ってパニックボタンを押させてシミュレーションは中止になります。
という話ですが、あちこち辻褄が合っていなくまた結末もよく分らないもので失敗作と思います。原作があってそれは実際の宇宙飛行で乗客同士のストレスを軽減するための、わざといじめられるキャラクターがいて、それがカウンターウェイトということだったらしいのですが、このアウター・リミッツの脚本は、あちこちいじった結果、全体の構成が出鱈目になってしまっています。
吉村昭の「高熱隧道」
吉村昭の「高熱隧道」を読了。「黒部の太陽」の映画で、黒部第三発電所というのがあってそこのも非常な難工事であったことを知って読んで見たもの。正直言って想像を絶する世界でした。
一つは初めて知ったのですが「泡雪崩」(ほうなだれ)というのがあって、それが2回工事関係者用の宿舎を襲います。この「泡雪崩」は通常の雪崩とはまったく違います。Web上にどなたかが作られたイメージ図(Webサイト自体はここ)があったのでそれを見てください。ホウ雪崩に襲われた工事宿舎は、鉄筋コンクリートの2F、木造の3・4Fを合わせた部分が鉄筋コンクリートの1Fの部分から引きちぎられ、宿舎のあった所より70mも高い尾根を超え、580mも飛ばされて最後は黒部川を超えて山腹に叩きつけられ、中にいた人は即死しています。台風でも竜巻でもこれほどのすさまじいエネルギーを出すことはありません。この「泡雪崩」の事故は1回ではなく、最初の事故の後慎重に選んだ場所でも再度発生します。そこは3方が壁のような地形に囲まれ、残った1方は樹齢数百年のブナ林でつまり数百年雪崩が起きていないことを示していました。しかしその上方で発生した泡雪崩がこのブナの原生林を根こそぎ空中に飛ばし、宿舎の屋根にそれが降り注ぎました。中にいたものは圧死するか、火鉢によって火災になって焼け死ぬかでした。
もう一つはタイトルにもなっていますが、掘削したトンネルが要するに温泉の源泉部のような所にぶち当たり、岩盤の温度が50-60℃から段々上昇し、途中地質学者が90℃が上限で後は下がるという予想をあっさり裏切り、やがて100℃を超え、最後は160℃近くにまでなります。この熱のため仕掛けたダイナマイトが点火する前に爆発する事故が発生します。また作業員の体熱を下げるため後ろからホースで水をかけますが、その水がたまって50℃くらいになります。多くの作業員が火傷し、また下半身もただれ、体から脂肪分が抜けて熱中症のような症状になります。ダイナマイトについては、熱が伝わるのを遅らせるため、最初はエボナイトの筒に入れ、次は竹に入れ、と試行錯誤し、最後はその竹の回りにアイスキャンディーのように氷を付けた状態で岩盤に装填していました。
ホウ雪崩と、このトンネル内の高温による犠牲者は合計で300名に達し、再三富山県警より工事中止命令が出ます。しかし当時(昭和11年)日本は戦争に向かってひた走っており、この工事は国策でもあり、大量の犠牲者を出しつつも最後まで敢行されます。小説の最後はダイナマイトが倉庫から盗まれ、坑夫達の間に不穏な動きが出てきて、技師達が逃げ出す、ということになっています。
福島原発事故の時に「想定外」という言葉がクローズアップされましたが、実際には厳しい自然を相手にすれば常に想定外が起きるということだと理解しました。
NHK杯戦囲碁 大西竜平7段 対 仲邑菫女流棋聖(2023年5月14日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、ついに来ました、黒番が大西竜平7段、白番が仲邑菫女流棋聖の対戦です。仲邑女流棋聖は14歳で初出場の最年少記録を更新しました。この碁の布石は黒白とも平行型の2連星で、かつそれにもかかわらず白が三間髙バサミをしたりでダイレクト三々がまったくないという、昭和の香りがする布石でした。戦いは上辺で始まり、黒が攻められながらも白の三間ビラキの間に打ち込み戦線を拡大しました。そんな中、左辺から左上隅にかかっていた2子が、黒が中央を押して白がそれに合わせて伸びた結果、白の包囲網に取り込まれて半分死んでいました。碁の流れで黒がこの2子を引っ張り出すことになりました。黒は尻尾を捨てるかと思いましたが結局強く全部を助けたので、行きがかり上白はこの黒全体(写真での左辺の黒7子)を取りに行きました。しかし黒が考慮時間を3回連続で使って白の包囲網の弱点を突いて全部を活きに行ったのが強く、白も切られて左上隅の石に眼が無く、無理矢理取りに行くと攻め合いになり黒勝ちのため、やむを得ず活き活きの形で収束しましたが、白は後手になり、白の大きな地が見込めた箇所を先手でガラガラに荒されたということになり、ここで形勢は黒に大きく傾きました。後は黒が薄い所を先に固めて行って白に付け入る隙を与えず、地合いで盤面12目程度の黒のリードが最後まで縮まらず、白の投了となりました。こうして仲邑菫女流棋聖の初挑戦は残念な結果になりましたが、今後どのような活躍をしてくれるかが楽しみです。
スター・トレック・ザ・ネクスト・ゼネレーションの”The Last Outpost”
スター・トレック・ザ・ネクスト・ゼネレーションの”The Last Outpost”を観ました。フェレンギというまだ実態が良く分っていない星人が連邦の基地からある装置を盗み出したので、エンタープライズ号がそれを追いかけています。フェレンギの宇宙船はある惑星の近くで止まったのでエンタープライズ号も止まりますが、フェレンギから攻撃を受けます。エンタープライズも反撃の準備をしていましたが、何故かエネルギーが吸い取られてしまい、動けなくなります。ピカール船長はフェレンギと通信して、この状態を解除してもらう条件を聞き出そうとしましたが、驚くべきことにフェレンギ側もエンタープライズ号から攻撃を受けてエネルギーを吸い取られていると思っていました。ピカールは結局両方の船がその惑星の何かによってエネルギーを吸い取られていることを悟り、フェレンギ側に共同で調査することを提案します。その星はかつて存在したテコン帝国の防衛装置でした。転送で両方の調査隊が惑星に降り立ちますが、手違いで争いになってしまいます。そこにある老人のキャラクターが現れます。その老人は両方を野蛮人と呼びますが、ライカーに対し、「それ無しには戦うべき時と戦わざる時を判別出来ないものは何か」と謎かけをし、ライカーは孫子の兵法から「それは恐れである」と答え、その老人を満足させます。そして老人はエンタープライズ号のエネルギーを吸収するのを止めます。そしてライカーに対し、フェレンギを皆殺しにするか、と聞きましたが、ライカーはフェレンギは地球の何百年前かの状態であり、彼らも学んで進化するだろうとし、彼らも助けることを依頼します。
という話ですが、唐突に孫子が出てきたり、またフェレンギがまたもある種の未開部族的な描写であり、ちょっと引っ掛かりました。これまでの4エピソードでは、このニュー・ゼネレーションはかなりイマイチです。