ヴェーバーの「中世合名会社史」を日本語訳することのメリット

ヴェーバーの「中世合名会社史」を日本語訳するメリット。

(1)忘れかけていたドイツ語読解能力の取り戻し
(2)教科書を一通りやっただけのラテン語の実践的な読解練習
(3)イタリア語の復習
(4)古典ギリシアの復習(少しですが)
(5)言語によらない書籍読解力の維持・向上
(6)日本語ライティング力の維持・向上
(7)ヴェーバーの他の著作(「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」や「経済と社会」など)をより良く理解出来る。
(8)インターネット上での調査能力の維持・向上
(9)ボケ防止

という具合で、色々あります。ある意味私の外国語学習の総決算かなと思います。

「中世合名会社史」の日本語訳の第9回目を公開しました。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳第9回目を公開しました。
いよいよコムメンダの具体的な内容が説明されますが、それは今日の貿易商社の原点のような感じです。
年末で忙しい所に、車の修理などもあって時間がかかりました。

日本企業のブラック化と戦う

こういう本を取り寄せ。ともかくこの問題については、誰にも負けないレベルの知識を身につけたいと思います。
ご承知の通り、この夏から外国人労働者支援をやっていますが、それが非正規労働者(特に女性)にも対象を広げる、ということだと思います。ともかく日本のほぼ全ての会社がブラック企業化していく現状に対して戦うことが必要と思っています。

Weberの日本語訳をしつつ思うこと

ここ2ヵ月くらい、ヴェーバーの「中世合名会社史」を日本語訳していて思うこと。私がこれを初めて日本語に翻訳するのに最適な人間とは決して思っていません。しかし、実際のところ、
(1)ヴェーバーをある程度理解している(ヴェーバーの他の著作をそれなりに読んでいる)
(2)ヴェーバーのドイツ語をある程度読解し意味が理解出来る、過去にヴェーバーの著作を一部でもドイツ語原典で精読した経験がある
(3)英語がそれなりのレベルで出来る
(4)ラテン語が分かる
(5)古典ギリシア語が分かる
(6)イタリア語の知識がある
(7)貿易のことを良く知っている
(8)日本語能力が上級以上(私は高校の時、旺文社の全国模試で、現代国語の偏差値86という普通あり得ないような得点を取っています。また当時実質全国2位の実力の進学校で現代国語の成績は学年1位でした。また前職で日本語入力ソフトの開発に従事しています。)
という人が日本に他に何人もいるとは思えないので、そういう意味では訳していて何というか変な自信みたいなのが付いてきて、「どんなものにも負けるものか」という感じになっています。そういう意味でブラックな会社と戦うことを躊躇わないような気持ちになってきています。(現在、パート社員から無期契約になった社員に対するあまりにひどい扱いを巡って、会社とバトル中です。私は社労士試験合格+研修修了です。)
まあ、この翻訳はオープン翻訳で無償で公開しているので、これでお金は一銭も取れませんが。

大松博文監督の「なせば成る! 続・おれについてこい」と谷田絹子の「東洋の魔女と呼ばれて 私の青春」

大松博文監督の「なせば成る! 続・おれについてこい」と谷田絹子の「東洋の魔女と呼ばれて 私の青春」を読みました。個人的にすっかり大松監督ファンになっています。前著の「おれについてこい!」は1962年の世界選手権優勝の後に出版されていますが、続篇は1964年12月の東京オリンピックの後に出ています。やはり大松監督の合理性を強く感じたのは、1962年の世界選手権がピークだったニチボーチームを、日本全国からの東京オリンピックに出て欲しい!という願いに応えて出ることを決心した時に、1962年の時は4:6でソ連に負けていたのを精神力でカバーして勝った、というのを東京オリンピックでは7:3で圧倒して勝とうとします。そのため前回は「柔よく剛を制する」でどちらかと言えば守備力(回転レシーブ)とチームワークで勝ったものを、東京オリンピックでは「剛」も鍛え、攻撃力、スパイク力でも負けないようにします。もちろん平均身長ははるかに日本が低いですから、それを補うために今回編み出されたのが「移動攻撃」で、スパイクを打つ選手が右に左に平行移動してスパイクを打つ位置を相手から読めないようにします。後のミュンヘンオリンピックでの男子バレーの各種クイック攻撃とちょっと似ている所があります。更に、サーブも、ソ連は1962年の敗因の一つだった「木の葉落とし」サーブを徹底的に研究し、それを拾う練習も積み重ねていました。しかしニチボーチームは、木の葉落としの回転を微妙に変化させ、ネットを越えたらすぐ落ちるのではなく、落ちる位置も何種類にも分けて攻撃力をアップします。そして睡眠時間は1962年までより更に短くなり、オリンピックの直前にはチームはボロボロ状態になります。しかし「これだけ練習している私達が負ける筈がない」というある意味絶対的な自信になり、ついに東京オリンピックの決勝戦で、ソ連を3-0のストレートで下します。大松監督は、ソ連の敗因は1962年時点のニチボーチームを越えることを目標にし、その後のニチボーチームの進化を計算に入れていなかったことだと断言します。
谷田選手の本は、ちょっとしたエピソードみたいなものが中心ですが、大松監督が鬼どころか、映画をねだるとすぐ自腹で連れて行ってくれて食事までおごってくれた「仏」だったと言っています。
印象に残るのは、大松監督も谷田選手も猛練習が楽しかったと言っている所です。ともかく元気をくれるいい本でした。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳第8回目公開

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第8回目を公開しました。
いよいよ「コムメンダ」が登場します。今日の海上輸送の保険用語で「共同海損」というのがありますが、これが既に中世の地中海での貿易においてそういう取り決めがあったということに驚きました。共同海損は古い言い方では「投荷」とも言いました。要するに嵐などで船が沈みそうな場合、積み荷を海の中に投げ捨て軽くして危険を減らすということが古くから行われていますが、そういった場合捨てられた荷物の分の損を、捨てられずに済んだ荷物の荷主も平等に負担する、というのが元だと思います。それからイタリアの貿易というと、どちらかというと東岸のヴェネツィアとかの東方貿易がイメージされるのですが、歴史的にはジェノヴァなどのイタリア西岸とバルセロナなどのスペインの沿岸都市の貿易の方が先だったようです。

日本語Wikipediaのダメな所

今日もヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳に取り組んでいて、「西ゴート法典」について調べていたら、何と日本語Wikipediaにはこの項目がありません!にも関わらず、西ゴート王国で定められた法典の一つに過ぎない「エリック法典」については項目があります。といっても参考文献に挙げられているのは山川出版のおそらく高校の世界史用の参考書ですが…
Wikipedia自警団という連中がダメなのは、人が書いた記事の出典が無いとかそんなチェックばかりで、百科事典に限らず全ての辞書・事典で重要な「何を立項(=項目を立てる)すべきか」を考える人が誰もいないことです。まあオンラインのボランティア執筆百科事典では仕方がないのかもしれませんが、サブカル系が異常に充実している一方でこういう学術分野は穴だらけ、というよりほとんど未開拓といった方が正しいのかも。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳7回目の公開

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の7回目を公開しました。今回の箇所は特にラテン語とかは出て来ないのですが、法的見地と経済的見地の関係が分かりにくいです。ただ、まったく普通の経済の外にある「家計」「家ゲマインシャフト」から、合名会社の二つの原理である「連帯責任」と「特別財産」が生じたということをおそらく言いたいのだと理解すれば、書いてあることは理解出来ました。英訳は分かりやすいですけど、あまりに単純化して訳しすぎのように思います。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳第6回目を公開しました。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第6回分を公開しました。ここの所はラテン語文を5箇所くらい読まなければならず大変でした。ローマ法の英訳って確定していのかと思ったらまったく違って、色んな解釈があって英訳もかなりばらついているようです。

ラテン語解読に便利な本

ラテン語を読む時に便利なのがこの”501 Latin Verbs fully conjugated in all tenses”です。題名の通りで501の動詞についてその全時制での活用形全てを1ページ内に表示してくれます。もちろんラテン語の動詞は501だけではありませんが、ラテン語の動詞の活用パターンは種類が決まっているので、同じ類の単語を見れば活用が分かります。文中に実際に出て来る形から、「ああこれはこの動詞の接続法現在の三人称複数なんだ」ということが分かります。
と思っていたら、今日インターネット上でもっと便利なサイトを発見しました。オンライン辞書で、活用形で検索することが出来、動詞だけではなく名詞の変化形でも検索することが出来ます。