「中世合名会社史」ヴェーバー、英訳者、全集の注釈者の誤り(?)

ヴェーバーの「中世合名会社史」について、ヴェーバー自身、英訳者、全集版の注釈者、全員が間違っているんじゃないかという事例を発見しました。これで私が正しかったら、なかなかすごいと思います。英訳者には問い合わせ中です。

「中世合名会社史」の日本語訳の第15回目を公開

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第15回目を公開しました。ここも中世ラテン語があってそれなりに大変でした。この回から第3章に入ります。実は最初に博士号論文として提出されたのはこの第3章の部分だけだったようです。そういう意味ではもっとも中心的な論考になります。
これで全体の28%が完了。このペースが継続出来れば、2020年中には全訳が完了する見込みです。
日本語訳の第15回です。いよいよ第3章に入り、ヴェーバーのこの論文における中心的な議論が出てきます。

手書きのメリット

ヴェーバーの「中世合名会社史」の翻訳はこうやってノートにまず万年筆で書いて、それを後でキーボードで打ってテキストにしてブログにアップしています。そのノートがもうすぐ一冊終わります。この万年筆で書くという行為、それ自体はキーボードの入力よりははるかに遅いですが、メリットとして書きながら同時に考えるということが可能です。さらにそれをキーボードである程度のスピードで入力することで、スピードを上げて読んだ場合に文章が不自然でないかチェックすることが出来ます。この二重のプロセスって、一見無駄のようですが、実は良い翻訳のためには非常に有効であるように思います。また万年筆って、大学の時以来長らく使うのを止めていたのですが、再度使ってみるとすべりが非常によくて本当にすらすら書けて気持ちがいいですし、中字のペンですがある程度線に太さがあるのも気に入っています。後、実は手で書くという行為は暗記には非常に有効です。高校の時、私は歴史などの暗記物は必ずノートに書いて覚えました。そうしたやり方を原始的だとか効率が悪いと批判したのが一人いましたが、高校の三年を通じてそいつより私の方が成績が上でした。目で追うだけですらすら量をこなしていっても、結局記憶出来た部分が少ないのであれば意味が無いです。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第14回目を公開。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳、第14回目を公開しました。これで全体の26%です。
腰痛、膝痛、肩こり、目のかすみ、色んな身体的影響に負けずに頑張っています。
ここで初めて「合資会社」の起源が出てきます。ただ、ソキエタス・マリスからどういう風に合資会社に移行していくのか、その辺がまだ不明瞭ですが、おそらくは今後、ピサの例などでもっと深い話が出て来るんだと思います。

中世ラテン語との取り組み

今日もヴェーバーの本に出て来る中世ラテン語をぽちぽち訳しています。英訳本の訳は参考にはしますが、決してそのままは訳していませんという証拠写真を上げておきます。(今日も、英訳で「次のミカエル祭の時に返す」とあるのは「次のミカエル祭までに返す」であって、誤訳だと思いました。usqueという単語はキケロのカティリーナ弾劾演説の冒頭に出て来る単語で、キケロの文でも「一体いつまで」でした。{Quo usque tandem abutere, Catilina, patientia nostra?})今日の所で、in confeccioneというのが辞書になくて困っていたのですが、思い立ってスペイン語辞書を調べたら「製造」という意味でした。俗ラテン語からイタリア語とスペイン語は出来たんだから、古代ラテン語の辞書に無い時は、イタリア語・フランス語・スペイン語の辞書を引くと、意外と出ていることがあります。このヴェーバーの本に出て来る中世ラテン語の特徴として、文法的にはまったくもって難しくなく、単純な現在形かせいぜい完了、未来完了ぐらいです。しかしおそらく繊維関係の専門用語と思われる辞書に無い単語が時々出て来るのと、また古典ラテン語とは綴りが変わっていたり、また意味も微妙に変わっている単語があって、それで苦労します。中世ラテン語の辞書は売っているのですが、10万円近くするのでさすがに手を出しかねています。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第13回目を公開

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第13回目を公開。最近ちょっとペースが落ち気味です。膝痛・腰痛と体にダメージが出ていたり、きちんとした英訳が出ていないラテン語文献の解読に時間がかかったりと色々ですが、まあ慌てず騒がず着実に進めて行きたいと思います。今回ので大体全体の24%ぐらいの進捗です。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の12回目を公開。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の12回目を公開しました。今回は注釈のラテン語(蝋を塗った板に釘みたいなので書かれたものを解読したもの)の翻訳が大変でした。ラテン語金石碑文大成という18万もの碑文を集めたものの中に入っているソキエタスについての契約の文章ですが、さすがにこれは英訳は出ていないようです。英訳者のLutz Kaelberの英訳がちょっと怪しく思えて調べるのに時間がかかりました。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳第11回目公開

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第11回目を公開しました。
正月休みだから少しペースを上げたかったのですが、ハッキング騒ぎによるサイトの再構築作業などで時間が取られ、思うようには進みませんでした。でもこれで全体の約2割が完了です。
なおこの部分はコムメンダが実はイスラム圏起源ではという説を頭において読むと、それは違うんでは、という突っ込みが出来て面白いです。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第10回目を公開しました。

ヴェーバーの「中世合名会社史」の日本語訳の第10回目を公開しました。どうなるかと思っていましたが、2ヵ月ちょっとで全体の16%ぐらいまで日本語訳を完了しました。まずは順調なペースです。多分全体では60回+αぐらいになると思います。
今回、ラテン語でもなく、イタリア語でもスペイン語でもないという文が登場したのですが、調べたら何とアラゴン語(スペイン語の一種の方言みたいなもので話者はたったの1万人)の元になった俗ラテン語みたいです。さすがにこれは読めないので、英訳を参照して訳しました。

ヴェーバーの「中世合名会社史」を日本語訳することのメリット

ヴェーバーの「中世合名会社史」を日本語訳するメリット。

(1)忘れかけていたドイツ語読解能力の取り戻し
(2)教科書を一通りやっただけのラテン語の実践的な読解練習
(3)イタリア語の復習
(4)古典ギリシアの復習(少しですが)
(5)言語によらない書籍読解力の維持・向上
(6)日本語ライティング力の維持・向上
(7)ヴェーバーの他の著作(「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」や「経済と社会」など)をより良く理解出来る。
(8)インターネット上での調査能力の維持・向上
(9)ボケ防止

という具合で、色々あります。ある意味私の外国語学習の総決算かなと思います。