ピアノのCDの棚卸し

ピアノのCDの棚卸しをやりました。今までは作曲家順だったのを演奏家順にしました。以下が2枚以上持っているピアニスト。1位は意外にもマレイ・ペライアでした。確かに箱物を3つも持っているので…メジューエワが多いと思っていましたが、実はグレン・グールドの方がまだ多かった…

マレイ・ペライア 33
マウリツィオ・ポリーニ 31
マルタ・アルゲリッチ 29
グレン・グールド 20
スヴァトラフ・リヒテル 19
イリーナ・メジューエワ 18
内田光子 16
ヴィルヘルム・バックハウス 15
エレーヌ・グリモー 14
クラウディオ・アラウ 14
ルドルフ・ブッフビンダー 14
ウラジーミル・アシュケナージ 11
ダニエル・バレンボイム 11
マリア・ジョアン・ピリス 11
アリシア・デ・ラローチャ 10
サンソン・フランソワ 10
ベネディッティ・ミケランジェリ 10
ヴァレリー・アファナシエフ 7
ウラジーミル・ホロヴィッツ 6
エミール・ギレリス 6
ラザール・ベルマン 6
ラドゥー・ルプー 6
イングリッド・ヘブラー 5
クララ・ハスキル 5
バドゥラ=スコダ 5
アルフレッド・ブレンデル 4
河村尚子 4
クリスティアン・ツィマーマン 4
清水和音 4
ジャン=マルク・ルイサダ 4
ジョン・オグドン 4
辻井伸行 4
ファジル・サイ 4
ユジャ・ワン 4
ラン・ラン 4
アリス・紗良・オット 3
アンドラーシュ・シフ 3
イーゴ・ポゴレリチ 3
ヴィルヘルム・ケンプ 3
エフゲニー・キーシン 3
ソロモン 3
マルカンドレ・アムラン 3
レイフ・オヴェ・アンスネス 3
アルトゥール・ルービンシュタイン 2
ヴラディーミル・ソフロニツキー 2
スタニスラフ・ネイガウス 2
スタニスラフ・ブーニン 2
ディヌ・リパッティ 2
ラファウ・ブレハッチ 2

バッハのイギリス組曲第2番ジーグ

アルゲリッチの弾くバッハで一番好きなのは、「イギリス組曲第2番」の最後の部分であるジーグ。この曲では、楽譜に見られるような上昇音型(アナバシス)が何度も何度も互いに追いかけっこするように(つまりフーガ的に)繰り返されます。アルゲリッチの演奏だとこの上昇音型が「パパパパパパ…」と次々に現れては消えて、とても幻想的な効果を上げています。本当に「昇天する」ような気持ちになります。(バッハの音楽でこういった上昇音型が使われる時は、「昇天する」とか「山に登る」みたいな意味が伴われていることが多いです。)
ちなみにグールドのも持っていますが、グールドはこの曲をかなりのスピードで弾き飛ばしていて、この上昇音型がまったく目立たず、好きになれません。

アルゲリッチのバッハ、SACD

今日は自分へのクリスマスプレゼント。アルゲリッチの弾くバッハについては、学生時代にドイツからの輸入盤のLPを買い、長く私の愛聴盤です。演奏も素晴らしいですが、録音も故長岡鉄男が別冊FMファンの「外盤ジャーナル」で取り上げる程のレベルで、高音の冴えた音の粒がそろったきわめて魅力的なものでした。しかしこのLPについてはあまりに聴きすぎたために、あちこち傷が入り、またゴミを取ろうとして木工用ボンドを使ってクリーニングした際に剥がすのに失敗して一部ボンドが残ってしまう、というかなり悲惨な状態になってしまっていました。アルゲリッチの演奏ですから当然CDは出ていてそれも持っているのですが、CDの音は高音がぼやけて音の粒もはっきりしなくなった、LPに比べればかなり落ちるものでした。そういう訳で長らくこの演奏のSACDが出るのを心待ちにしていたのですが、ついにエソテリックからSACDが発売されていました!早速聴いていますが、SACDの音はCDよりかなり上質で、かなりLPでの再生に近い感じです。エソテリックさん、有り難う!

ロザリン・テューレックの「ゴールドベルク変奏曲」

ロザリン・テューレックのバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を聴いています。メジューエワの本の中で「ゴールドベルク変奏曲」のお勧めとして彼女が挙げていたので興味を持って買ってみたものです。聴き始めてびっくり!グレン・グールドと演奏スタイルが非常に似ています。特にグールドの2回目の録音に。と思ってテューレックについて調べてみたら、何と事実は逆でした!グールドがテューレックのバッハ演奏に大きな影響を受けているんだそうです。ゆっくりしたテンポ、一音一音大事にするようなフレージング、またチェンバロでの演奏を真似るかのような一つの音の前に「タメ」を作るスタイルなどが特徴かと思います。2枚組で5000円ととても高かったのですが、買った甲斐はありました。さすがメジューエワです。

イリーナ・メジューエワの「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」

イリーナ・メジューエワの「ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ」を読了。メジューエワと対談した人が聴き取ってまとめたものです。素晴らしい本で、全てのクラシック音楽を愛する人、またピアノを弾く人にお勧めします。メジューエワはその演奏を聴くと、感受性と知性がかなりの高いレベルで融合した人、という印象を受けるのですが、その印象はこの本によって更に強固になりました。こういう本が出ると、大抵の音楽評論家の本は不要になるのではないかと思います。ピアニストが曲を取り上げるにあたってここまで深く色々なことを考えているということが新鮮で感動的です。取り上げられている作曲家は、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ショパン、リスト、ドビュッシー、そしてラヴェルです。バッハの「ゴールドベルク変奏曲」の中に「数」へのこだわりがあるとか、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは弦楽四重奏曲の様式で書かれているとか、シューベルトこそ本当の古典派であるとか、ともかく目から鱗が落ちるような指摘に満ちています。また、メジューエワのお勧めの演奏(本人以外の)が載っているもなかなか楽しく、シュナーベルとかコルトーが多く登場します。個人的には、シューマンのクライスレリアーナとラヴェルの「夜のガスパール」についてはアルゲリッチを外して欲しくないのですが、ライバル意識があるのか(?)一度も登場しません。一方で私が好きなアファナシエフは何度か登場します。しかし、この本を読んで、いわゆる「ロシア・ピアニズム」というものが、ネイガウスやソフロニツキーが亡くなってかなりの時間が経った今でも、このメジューエワの中にしっかり生きているだなと思いました。