西島三重子の「オールタイム・ベスト」

西島三重子の「オールタイム・ベスト」を買って聴いています。3枚組で色々入っています。それを聴きながら彼女について思ったこと、気付いたこと。
1.デビューが25歳と非常に遅い。当時中学生とか高校生の芸能人・シンガーソングライターは沢山いた筈でそういうのと比べるといわゆる「トウが立っていた」と言えると思います。
2.それでも若い頃はそれなりに美形なのですが、1.のせいかアイドル的な売り出しはまったくされず、初期はほとんど演歌に近い路線です。これは2曲目の「池上線」がヒットしたため、余計にその路線から抜けにくくなったと思います。大体、有線放送でじわじわ売れてヒットしたというのは、当時のニューミュージックではまず無いパターンです。
3.といって私が学生時代に買った3枚目のLPは、そういう意味ではよりポップな方向への転換を図っていたのかと思います。メインの作詞家も佐藤順英から門谷憲二に変わります。
4.作曲の素晴らしさから、小さい頃からピアノとかやっていたのかと思ったら、ギターを始めたのが高校生の時だそうです。それにしてもどんな歌詞でも的確な曲を付ける能力は傑出していると思います。
5.シンガーソングライターといいつつ作詞はほとんど無く、後年みんなの歌に書いた曲くらい。絵本とかも出しているから作詞が不得意とかでは無かったと思いますが、これも「池上線」路線のイメージが強く今さらポップな作詞も出来なかったのでは。まあ八神純子とかも三浦徳子の作詞(みずいろの雨)とかありましたが、歌と作曲に徹した人は珍しいと思います。
6.歌唱力も高いです。但し時々高音が伸びきっていない場合もありましたが、全体的にはシンガーソングライターの中でもトップクラスと思います。
以上とりとめも無く。

西島三重子の池上線

西島三重子の最初のヒット曲は1976年の「池上線」です。それでこの池上線って、最近の東急何とか線の例でとっくに別の名前に変わったのかと思っていたら、何とまだそのままの名前であるんですね。しかし首都圏に住むようになって45年くらいになりますが、まだ池上線に乗ったことは一度もありません。
ちなみに曲が出た時、東急とタイアップしようとしたら、歌詞の「古い電車」とか「(ドアの)すきま風」とかが東急側に問題にされてキャンセルされたそうです。しかし当時の池上線は運行開始より40年以上経った電車が多く、歌詞通りだったようです。

西島三重子の「かもめより白い心で…」

ヤフオクで、西島三重子の3rdアルバムの「かもめより白い心で…」を落札しました。私はこのアルバムの冒頭の「口笛を吹かないで」がとても好きなんです。でもこのアルバムはCDになっていませんし、またCDのベスト盤にも「口笛を吹かないで」が入っていません。この曲は「♫この歌を知ってるかいとあなたは口笛を吹いて、首を振ると得意そうに遅れてるよって笑ってた…」という歌詞の失恋の曲ですが、曲がボサノバで非常に良いです。ちょっとユーミンの「あの日に帰りたい」にも似ています。
西島三重子はシンガーソングライターって言っても、作詞はせず作曲だけです。でもそれが良くて多数の良い作詞家が名曲を書いています。「池上線」とか「千登勢橋」とか。大学に入って上京して、最初に住んだのが豊島区の雑司が谷で、目白通りを目白駅まで歩いて大学に通っていました。(実はあまり行ってませんが…)西島三重子はその目白にある川村学園女子大の出身。千登世橋(曲とは漢字が違います)も当時上ってみたことがあります。ハンカチは投げませんでしたが。

小澤征爾さん

小澤征爾さんのご冥福をお祈りします。
ただ、私は小澤さんの音楽と相性悪いです。何か線が細くてダイナミックさに欠けるという感じです。それに器用だけど、「この曲だったら絶対的に小澤征爾!」っていうのが無いと思います。今、Amazonで検索してみたけれど、やはりどれ見ても、「この曲だったら○○か△△の方が」というのばかりです。
結果として、4,200枚持っているCDで、小澤さんのはせいぜい3枚くらい。内2枚はブラームスの第1番の交響曲で、これはその当時出ていたブラ1を全部集めようとしていた中のもので、小澤征爾の演奏が好きだったからではないです。もう一枚は武満徹だったと思います。またベートーヴェンの交響曲全集を50種類以上持っていますが、その中に小澤征爾のは無いです。

下成佐登子の「秋の一日」

下成佐登子の1stアルバムの「秋の一日」をゲット。下成佐登子って、多分今の50歳以下の人は名前もその曲もまったく聞いたことないと思います。それ以上の人も「コッキーポップ」を当時(1970年代後半)聞いてない限り知らないでしょう。しかし歌の上手さという意味ではポプコン出身の女性歌手の中でトップクラス、日本の全ての女性シンガーの中でもベスト10に入るんじゃないでしょうか。アルバムタイトルになっている「秋の一日」が秀逸で、このアルバムはシングルとは別バージョンのアコギのアルペジオ伴奏によるシンプルなアレンジですが、下成佐登子の声をより際立たせます。
私が何でコッキーポップを聴いていたかというと、鹿児島の進学校に高校から入り最初の1年は寮でした。その寮は12時消灯でマスター電源を切られるので、寝るしかありませんでした。しかし直前までハードに勉強して後いきなり眠るのは大変でした。そんな時MBC(南日本放送)で24時~24時半という絶妙のタイミングで放送していたのがコッキーポップでした。(ちなみにキー局のニッポン放送では24時半からだったみたいです。)電池式のラジオでイヤホンで聴いていました。当時(今も?)、鹿児島ではラジオの民放はMBCだけで、NHK-FMはその時間は放送はありませんでした。民放のFMも当時は無し。また1976年~1980年というタイミングも、ポプコンのいわば全盛期であり、そういう意味でも色々懐かしいです。このポプコン出身のシンガーソングライター、特に女性のシンガーソングライター(中島みゆき、八神純子、柴田まゆみ、谷山浩子、明日香、等々)は今の人より音楽的にも歌詞的にもずっとレベルが高いと思います。この下成佐登子さんもそんな一人ですが、大衆的な人気という意味では苦戦し、結局スタジオミュージシャンに転身したみたいです。

紅白ポプコン出身者対決

最近、ポプコンのCDを良く聴いています。(ポプコン=ヤマハが1970年代~80年代前半くらいまで主催していたポピュラーソングコンテストのこと。)それでふと思ったのですが、紅白でジャニタレが出ないのでKPOP系で補うのではなくて、いっそ10時台はポプコン出身者対決としたら、と思います。
女性が、中島みゆき、八神純子、渡辺真知子、あみん、小坂恭子、小坂明子、下成佐登子、柴田まゆみ、もとまろ、谷山浩子…、男性がもんた&ブラザーズ(代役)、チャゲ&飛鳥、クリスタルキング、世良公則&ツイスト、長渕剛、円広志、チェッカーズ、雅夢、因幡晃、NSP…ね、まったく紅白として恥ずかしくない錚々たるメンバーです。大体昔はニューミュージック系は紅白出なかったので、新鮮です。中島みゆきとか長渕剛は既に出ていますしね。年齢的に58歳~68歳くらいには刺さると思います。

渡辺真知子の「海につれていって」

ヤフオクで買った渡辺真知子のファーストアルバム(カセットテープ)です。実際に学生時代に同じくテープで持っていました。
長らく聴いていなかったですが、改めて聴くと、歌はとても上手い(音楽短大の声楽専攻)し、詩もなかなか良く出来ています。今にして思うと、キャラ的には9歳年下のドリカムの吉田美和とかぶる所が多いように思います。渡辺真知子もそうですが、ヤマハのポプコンが多くの優れた女性シンガーソングライターを輩出していますね。八神純子とか、小坂明子、中島みゆき等々。それまでの歌謡曲の世界では女性が歌う歌の歌詞は、男から見た都合の良い女という感じでしたが、女性シンガーソングライターが本当の女性の気持ちを歌い出したように思います。

飯島真理の2ndアルバム

ヤフオクで落札した、飯島真理の2ndアルバム、blancheです。カセットテープで何と包装のセロファン付きの未開封品です。オークション終盤でものすごい競り合いになり、CDの3倍の価格になってしまいました…
「超時空要塞マクロス」はリアルタイムで観ていました。その中に出てくるリン・ミンメイという女性キャラ(アニメの中で歌手になりアイドルになり、更には敵軍の兵士をメロメロにさせる音楽兵器にさえなる)の声と歌を飯島真理がやっていて、元祖声優アイドルです。でも国立音大のピアノ科出身で小学生の時から作曲をやっており、このアルバムもマクロスの曲ではなく(例外は「天使の絵の具」ですが、マクロスの中で流れたのとは違うアレンジです)、全て飯島真理作詞作曲です。ちなみに編曲と右の写真の右にいるのは吉田美奈子。
右側の写真見ても、この頃の真理ちゃんは本当に可愛いです。それに声も本当に可愛く、リン・ミンメイがマクロスのお話の中で重要な役を与えられたのは、彼女の声があったからだと思います。ただリン・ミンメイについては、いつもそのイメージで捉えられることに葛藤があったようです。

カセットテープで昔の米国ドラマ主題歌集

最近、ヤフオクで少しずつカセットテープの音源を買ってますが、これはなかなか私にぴったり。スター・トレック、宇宙家族ロビンソン、トワイライト・ゾーン、バットマン、スーパーマン、コンバット、ローンレンジャー、名犬リンチンチン、わんぱくフリッパー、スパイ大作戦、ヒッチコック劇場、0011ナポレオン・ソロ等々の主題歌集です。しかもオリジナル版で日本語吹き替えのものではありません。

エディアルド・パニアグアの”Alarifes Mudéjares”

私のオーディオチェック用ソースその2。エディアルド・パニアグアの”Alarifes Mudéjares”。タイトルは「ムデハル様式の建築家達」という意味。ムデハル様式とは、レコンキスタ(キリスト教徒によるスペインの国土の奪回運動)の後、スペインに残ったイスラム教徒の技術とキリスト教が融合して建てられた、アラゴンなどに多く残っている建築様式のこと。
このCDはパニアグアらしく人を喰っていて、建築家達がノコギリを引いたり、トンカチで釘を叩いて、という教会を建てるシーンから入っています。音場は広大ですけど、縦長の建物の中というのが良く分り、左右は狭く、上が広いです。特に2階か3階に水盤か人工の泉があるのか、水が高い所から流れているのが面白いです。教会の外からは秋なのか虫の声がしています。そこで演奏される曲は、建築様式と同じでキリスト教とイスラム教が混じり合ったスペイン独特のものです。エディアルド・パニアグアは「聖母マリアのカンティガ」を多数録音していますが、カンティガの音楽ともかなり近いです。というかパニアグア一家のことですから、厳密な考証に基づくものではなく、かなりの部分想像によるものでしょうが。