キケロの格言で”Non solum fortuna ipsa est caeca sed etiam eos caecos facit quos semper adjuvat.”というのがあります。意味は「運命の女神は自分自身が盲目であるだけでなく、自分がいつも手助けする者も盲目にする。」です。解説するとローマの神話では運命の女神は盲目であるとされ、そのため「何でこんな奴にこんな幸運が」という事態がしばしば起こります。しかもそれだけではなく、しばしば幸運に助けられる人、つまり運命の女神が助ける人は、それが単なる幸運のおかげではなく、自分自身が優れていたから、とか思い始めて正しいことが見えなくなる「盲目」になる訳です。多くの場合手痛いしっぺ返しを後でくらうことになります。この格言、今の日本にぴったり。政府その他の政策が優れていて新型コロナの拡散がほどほどに済んだのではなく、おそらく何らかの免疫などに単に助けられていたから欧米のような大惨事にはならなかった、というだけ。それが分らないで「日本すごい、日本人すごい」とか言っている人は本当に盲目なんだと思います。(別に視覚障害の方を差別する意図はありません、念のため。)
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アベノマスクは捨てるしかないかと。
不織布のマスクですが、今日(5月1日)の14時頃、行きつけのスーパー(川崎市多摩区)に行ったら普通に売っていました。5枚一組で、一人10枚までの限定でしたが、特に人が群がってもいませんでした。Amazonでも今日見たら、今日発注すれば2日後ぐらいに届くものがいくつかありました。アベノマスクはまだ都内だけの発送で、こちらに届くのは5月半ばくらいかなと思いますが、おそらく届く頃にはそこら中に不織布マスクがあふれている予感がします。
アベノマスクですが、私は絶対に使わないので(ハウスダスト{ダニ}とある種のカビ{カンジタ}のアレルギーなので、そういうものが付着していないという保証の無さそうなマスクは使えません)寄付しようかと思っていましたが、たかがマスク2枚を寄付しても大して意味なさそうだし、それより何よりマスクの衛生状態にきわめて疑問があり、そんな物を無責任に人にあげてもいいのかと思います。
週刊文春の記事によると今回マスクを供給した4社中最大手の興和は中国の業者に外注していますが、出張出来ないため向こうの製造ラインのチェックがまるでされていません。それでいてきわめて大量のマスクをこれまたきわめて短納期で作らせたのだから、どういう品質になるかきわめて容易に予想出来ます。また布マスクなので、クリーンルームではなく、ごく一般的な縫製のラインで作られた可能性が高いと思います。実際問題、汚れていたり、カビが生えていたり、虫が入っていたり、髪の毛が入っていたりとかそういうレベルです。今回のマスクは医薬部外品扱いでしょうから、バイオバーデン(製造装置等の細菌やウィルスによる汚染レベル)のチェックまでは求められないでしょうけど、少なくとも人が口に当てるものとしての衛生管理が行なわれた形跡は窺えません。
再検査するっていったってそれだけの数どうせ目視でチェックするだけだと思います。
結論としてこのアベノマスクを使うと却って別の健康被害を受ける可能性があります。それなら消毒して使えばいいのでしょうが、洗うと70%ぐらいに縮むという情報もあります。そもそも洗ってもあまり縮まないこと、という発注仕様もなかったようです。ともかくこのマスクは捨てるしかないかと。もったいないですが、元々安倍政権の愚かさ極まった無駄遣いなのですから。
今こそ最大多数の最大幸福を
民主主義の国での政治の目標は「最大多数の最大幸福」に尽きるのではないかと思います。今、多くの国でコロナウィルスの感染者と死亡者を可能な限り低く保つために、多くの極端なことが行われています。しかし、コロナウィルス、感染しても38度くらいの熱しか出ない弱毒性のウィルスを抑え込むのに、犠牲にしているものが多すぎると思うのは私だけでしょうか。コロナウィルスさえ抑え込めば、その対策のためにリーマンショックの時を超える大不況となり、多くの人が失職してもいいのでしょうか?自殺の要因の内、一番大きいのは経済的な困窮だと思います。今でも日本では年間2万人に近い人が自殺していますが、コロナウィルスによる死者を例えば500人未満に抑えるために、そのため何千人もの自殺者が出てもよいのでしょうか?
コロナウィルス対策をやるなとは言いませんが、WHOはウィルスの脅威ばかり煽り、それがどれほど世界経済にダメージを与えているかまったく自覚していないように見受けられます。また、日本の政府は高校以下の学校閉鎖といったこれまで一度も行われていないような極端なことをやりながら、既に生じている大経済危機の対策には、予算の予備費によるきわめて小手先のことしかやっていません。日本では2019年の10-12月期で、GDPの成長率で年率換算で-6%以下という、既にリーマンショックの時を下回る成長率になっています。そこにこのコロナウィルス騒ぎで、空恐ろしく思います。日本政府は極端なことを言えば、消費税率を5%ぐらいにまで戻すくらいの大胆な政策を至急検討し実施すべきではないでしょうか。今の日本の労働者の約1/3は非正規労働者です。大不況に突入すればまたこの非正規労働者の人が真っ先に犠牲になるのが目に見えています。
本日のコロナウィルス統計
本日のコロナウィルス統計です。感染者が発見された国が100を超えようとしています。アメリカの致死率が医療先進国の中では高く4%もあります。イタリアも高いです。イタリアの理由は不明ですけど、アメリカの場合は、健康保険制度の確立を怠って来たツケが回って来たんだと思われます。聞く所によると、検査するだけで30万円取られたという話があり、オバマケアであっても対象から漏れているような低所得者は、感染したと思っても検査にも行けない訳で、要するに感染者は発表の10倍はいるんじゃないかと思います。アメリカの健康保険は原則民間の保険のみで、オバマケアといってもベースは民間の保険です。この根底にある考え方は、要するにアフリカン・アメリカンとかラティーノの低所得者が病気になって医療費が払えなくとも知らないよ、何でそいつらの医療費を税金でまかなわないといけないの、という未だに続いている差別的な考え方だと思います。まあそうした身勝手な考え方が、アメリカ全土をまきこんでのパンデミックとなると、有効な策を講じるのに非常に妨げになる訳です。私の予感ではこのコロナウィルスのアメリカでの蔓延はトランプ大統領の命取りにもなり得ますし、またオバマケアすら否定するバーニー・サンダースへの意外な追い風になるような気がします。ちなみにカナダは死者0で対照的です。
安倍晋三は即刻退陣を。
安倍晋三が全国の学校の一斉休校を突然決めた理由として、「スペイン風邪」の時にアメリカで休校が効果があったことを理由にしています。週刊文春によると、これは今井尚哉首相補佐官が作った資料にあったものだということです。
これは完全に誤った素人判断です。
スペイン風邪の時は感染して症状が重くなるのは、30歳以下の若者にほぼ限られていました。何故かというと1889年に流行したアジア風邪が実はスペイン風邪のウィルスと良く似たものであったため、子供の時このウィルスに感染していた人はスペイン風邪に対してある程度の免疫があったからです。(出典)
当時若年層の感染を防ぐため、学校を休校にするのは意味もありましたし、実際に効果もありました。
しかし、今回のコロナウィルスは多くの専門家が指摘するとおり、理由は現時点では不明ですが、子供は感染しないか、また感染しても重症になる者が非常に少ないとされています。この場合、スペイン風邪に効果があったからと言って今回中高年の感染対策より先に学校休校を急いだことに意味がほとんど無いのは明らかです。
こういう感染学についての素人の馬鹿げたかつ間違った進言を専門家にも諮らず独断で決めるような首相は即刻退陣すべきです。
以下、東京新聞のWebサイトより引用:
安倍晋三首相は三日の参院予算委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由にした全国の小中学校や高校への一斉休校要請について、約百年前に世界的に流行した「スペイン風邪」での米国の対応を参考にしたと明らかにした。判断の科学的な根拠は示さなかった。自民党の二之湯智氏の質問に答えた。
おかしくないか?
今日JRの南武線の登戸駅のトイレにおかしな掲示があったので、ググって写真はないかと調べたら、出元は厚労省でした。このポスター完全に間違ってませんか?
(1)そもそも頻繁にセキをして、しかもマスクが無いなら外出を控える、学校や会社を休むべき、と呼びかける方が先では。
(2)袖で口を覆って、そこに飛び散ったツバなどが付着した場合、満員の電車の中などだと、そのままそれは他の人の衣服等に付着する可能性大です。
(3)ハンカチで口を覆ったらなるべく早く洗いましょう、とあるけど、1回だけならともかく何度もセキをしていたらその都度外出先で洗うなんてあり得ないでしょう。
(4)大体、こういうのってエチケットの問題なのか?
以前、北朝鮮からのミサイル攻撃の危険性の時に、「ミサイルが飛んで来たら物陰に隠れましょう」なんていう馬鹿な注意があったけど、それと似ています。
新型肺炎:冷静な対応を
何だか、中国の新型肺炎に対して、オーバーとしかいいようがないような反応が一部マスコミに見られます。
以下、SARSが香港で流行した時に調べたことを再掲します。
1.日本では、年間100人に1人のレベルで肺炎にかかる(感染率1%)
2.肺炎で死亡する人(厚生労働省の統計を参照)も、年間8万人~10万人であり、ガン、心臓疾患、脳疾患などに続いて日本人の死因の第5位。(2018年)交通事故による死者よりも多く、致死率も7~8%に達している。
3.肺炎を引き起こす原因になる細菌・ウィルスは、肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマ、グラム陽性菌などSARSのコロナウィルス以外にも、きわめて多種多様。しかも日本での肺炎による死者のうち、半数はどの菌によるものか原因不明。治療法も対症療法が中心で、確立しているとは言い難い。
私も以前、2007年だったかと思いますが、肺炎になって会社を10日間休んだことがあります。その時も、既に医者が抗生物質を大量に投与していたため、原因となった菌は不明でした。
今回の中国の新型肺炎、致死率が3%であればむしろ普通の肺炎より低いです。また、今回たまたま菌が特定され、それが新型ということで騒ぎになっていますが、実は世界の各地で色んな新型肺炎が常に発生しているんだと思います。
(写真は2003年5月の香港において)
オルチャグルさん仮放免を求める請願署名ご協力のお願い
日本企業のブラック化と戦う
Weberの日本語訳をしつつ思うこと
ここ2ヵ月くらい、ヴェーバーの「中世合名会社史」を日本語訳していて思うこと。私がこれを初めて日本語に翻訳するのに最適な人間とは決して思っていません。しかし、実際のところ、
(1)ヴェーバーをある程度理解している(ヴェーバーの他の著作をそれなりに読んでいる)
(2)ヴェーバーのドイツ語をある程度読解し意味が理解出来る、過去にヴェーバーの著作を一部でもドイツ語原典で精読した経験がある
(3)英語がそれなりのレベルで出来る
(4)ラテン語が分かる
(5)古典ギリシア語が分かる
(6)イタリア語の知識がある
(7)貿易のことを良く知っている
(8)日本語能力が上級以上(私は高校の時、旺文社の全国模試で、現代国語の偏差値86という普通あり得ないような得点を取っています。また当時実質全国2位の実力の進学校で現代国語の成績は学年1位でした。また前職で日本語入力ソフトの開発に従事しています。)
という人が日本に他に何人もいるとは思えないので、そういう意味では訳していて何というか変な自信みたいなのが付いてきて、「どんなものにも負けるものか」という感じになっています。そういう意味でブラックな会社と戦うことを躊躇わないような気持ちになってきています。(現在、パート社員から無期契約になった社員に対するあまりにひどい扱いを巡って、会社とバトル中です。私は社労士試験合格+研修修了です。)
まあ、この翻訳はオープン翻訳で無償で公開しているので、これでお金は一銭も取れませんが。