アメリカのスチューデント・ローン問題の歴史的背景

オンライン英会話のレッスン用に、”What Caused the $1.8 Trillion Student Debt Crisis?“という記事を読みましたが、なかなか良かったです。

それによると、一番最初は、1960年代の終わりに当時カリフォルニア州知事であったロナルド・レーガン元大統領が、ろくに勉強もしないで学生運動やヒッピーみたいなことをやっている大学生の学費を公費で援助するのは無駄だ、と言い出して始まったようです。(この当時日本だけではなく、アメリカの大学でも反ベトナム戦争とかで学生の抗議活動が盛んで、東大安田講堂事件と同じく、アメリカも公安がUCバークレー校に学生デモの鎮圧に行って13人の怪我人と1人の死者を出しています。記事の中に出て来ます。)その後サリーメイという公的資金を学生に貸し付ける機関が出来て、それが出来たので学生がそこから借りれば学費を払えるだろうということで、大学側は安心して学費を吊り上げ(補助金も減らされていたのでその分を学費を上げることでカバーしようとした)、結果的に高収益になったサリーメイの株価上昇でサリーメイの大口の株主であった多くの大学が大儲けした、という初めて知ったことが多くて参考になりました。
ちなみに1960年代の大学の学費の平均は今の価値に直して年間2400ドル程度とのことで、私の場合は国立大学で確か年間27万円くらいだった筈ですが、ほぼ同じなので驚きました。今の日本の国立大学の学費は約2倍になっています。上がったとはいえ、アメリカの大学に比べれば格安です。アメリカでは今普通の学部で卒業まで1,000万円くらいかかり、医学部だとその倍くらいみたいです。なのでアメリカの医学部では脳外科などの稼げる医者が人気で、儲からない普通の開業医(general practitioner)になろうとする人が減って問題になっています。