本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が洪爽義4段、白番が大西竜平7段の対戦です。布石で左上隅で白が実利、黒が厚みの分かれになりました。しかし黒の厚みはシチョウで白1子を抱えていることによるもので、シチョウアタリからの動き出しを狙われるという借金がありました。これが現実化したのが白が右下隅の黒の一間ジマリの左に付けていったのが、シチョウアタリでした。白が跳ね返したのに黒が当てたのが悪手で、白が継いで黒が下を継いだ後、シチョウが成立しなくなっており、白はすぐに左上隅の動き出しを決行しました。これについて黒は左上隅を受けずに右下隅を連打して白の3子を取り込みましたが、白は左上隅の黒の全てを取り込むという、派手な振り替わりになりました。この結果は明らかに白が良く白の優勢になりました。戦いは次に右辺に移り、右辺の白を黒は攻めましたが、右上隅の黒も眼が無く、白はさして苦労せず右辺で活きました。右上隅の黒は隅の白を劫を絡めながら圧迫しましたが、最終的に白は左辺からの大模様をまとめる手で妥協し、右上隅は黒地になりました。こうなるとほとんど碁盤を2分した100目レベルの巨大な地の対抗になりましたが、AIの形勢判断は常に白の優勢であり、ヨセで白がかなり妥協したり、手入れ不要の所に手を入れたりして堅く打って、結局白の2目半勝ちでした。
追悼 中根千枝先生
中根千枝先生が亡くなられました。
学生時代1年間、社会人類学、文化人類学の基礎を中根先生から学びました。一般教養ではなく、教養学科での少人数の授業です。定番のジョークは「私がフィールドワークである部族の村とかに行くと、最初の反応は『今度来たのはありゃ男か、女か?』」というものでした。女性で最初の東大名誉教授になられました。最初の半年で文化人類学の基礎として、マリノフスキーの「西太平洋の遠洋航海者」、ラドクリフ・ブラウンの「アンダマン島民」、そしてレヴィ・ストロースなどの古典的名著について教わり、次の半年で婚姻関係やクランなどの社会人類学の基礎を教わりました。
学問だけではなくて、国際人としてのマナー、例えば「日本人がイギリスで2人で日本語で話している時にイギリス人が来たら、会話の言語は3人の共通で理解出来る英語に切り替えるべき」といったことも教わりました。また、ベストセラーとなった「タテ社会の人間関係」は今日でも価値を失っていない名著だと思います。心よりご冥福をお祈りします。
スター・トレックの第3シーズンの”Day of the Dove”
スター・トレックの第3シーズンの”Day of the Dove”を観ました。この回は連邦の宿敵であるクリンゴン人が登場しますが、しかしその戦いは宇宙船同士のそれではなく、原始的な剣を持った肉体による戦いでした。エンタープライズ号がある植民星からSOSを受けて現地に急行しますが、そこには何もありませんでした。そしてクリンゴンの宇宙船が現われ、その星に転送してきてカーク達を捕らえます。クリンゴンの船長のカンは、カーク達と一緒にエンタープライズ号に乗り込もうとしますが、スコッティが2つのグループをタイミングをずらして転送したため、形勢逆転でクリンゴン人達は捕まります。しかしカンは連邦が先に自分達の宇宙船を破壊し、そのSOSを受けたので来たと言います。カークはクリンゴンの宇宙船をフェイザーで破壊させます。そしてカークがクリンゴン達を詰問している最中に、急に辺りの備品が剣に変わり、またカーク達のフェイザーも剣に変わります。そしてエンタープライズ号はコントロール不能になり、銀河の端までワープ9の速度で疾走し始めます。人数的には連邦対クリンゴンで連邦側が多かったのが、エンタープライズ号の一部がロックされ、連邦とクリンゴンのどちらもが38人で人数も武器も対等の戦いになります。実は体がエネルギーだけで出来ている別のエイリアンが、双方の憎しみを煽って戦わせていました。カークは自分達がまるでチェスのポーンのように外部から操られて戦わせられていることに気がつきます。カークはカンの妻を捕虜にし、船内転送でカンが制御しているエンジン室に行き、カンを説得しようとします。説得は中々上手く行かず連邦とクリンゴンの全面的な戦いになりかけましたが、カンの妻がカンを説得し、ようやく戦いが終ります。このエネルギー体のエイリアンは憎しみの感情をエネルギーとして生きていました。双方が戦いを止めたため弱ったエイリアンは、カークの出て行けという命令に従って逃げていきました。うーん、もう一ひねりして永井豪の「真夜中の戦士」みたいに、それぞれの武器に差があってチェスや将棋により近い形で戦うという方が面白かったかと思います。
プラモデル用塗料
プラモデル用塗料も大部揃いました。これから作ろうとしているのは取り敢えず、
(1)流星改(日本海軍攻撃機)(ハセガワ、1/48)
(2)月光(夜間戦闘機)(タミヤ、1/48)
(3)フォッケウルフFw190A-4 グラーフ(ハセガワ、1/48)
です。大体一セットに10~12色くらいでしょうか。今はクレオスのMr.カラーの容量は10mlが主流のようです。私が子供の頃はタミヤのプラカラーの方がシェアが大きかったですが、それは確か20mlくらいだったように記憶しています。また昔は色数が今ほどなくて、結構AとBを1:3で混ぜて作る、というのがありましたが、今は大体そのものずばりの色を売っています。つや消し(フラット)も昔はつや有りの普通の色につや消し剤を混ぜて作っていましたが、今はフラットブラック、フラットホワイトといった最初からのものを使う方が普通です。更には昔は日本海軍機の暗緑色は一種類だけでしたが、今は三菱系、中島系、川西系でそれぞれ微妙に違う色が売られています。今でも現存している機体の色は退色していますし、戦争中のカラー写真はほとんどありませんから、本当にそういう色だったのかは怪しいですが。なお、三菱の海軍機、代表の零戦21型の明灰白色ですが、ある三菱地所系のビルのトイレの塗装がこの色でちょっと感動したことがあります。この色は基本グレーですが、ちょっと青が混じっています。(なおタミヤの場合、ビンだと若干の青混じりなのに、スプレーだと灰色だけ、と不思議なことになっていました。今もそうかは確認していませんが。)
Amazonで買っても、大体一つのショップで全ての色は揃わないのでマーケットプレイスで色々な店から買うことになります。価格は平均で10mlで400円前後です。
ヴェーバーの「中世合名・合資会社成立史」のペーパーバック版の販売開始
キャプテン・スカーレットの”Point 783″
キャプテン・スカーレットの”Point 783″を観ました。今回ミステロンズが予告するのは軍の最高司令官の殺害です。しかし何でわざわざ相手に警戒する余地を与える予告を毎回行うのかが不思議です。キャプテン・ブルーとキャプテン・スカーレットがその司令官を護衛しますが、会議場でスカーレットがミステロンズの存在を第6感で検知し、非常ボタンを押してかろうじてミステロンズの人間爆弾攻撃を免れます。そして今度は司令官が、AI制御の新しい戦車のテストに立ち会いますが、今度はその戦車が途中から、司令官のいる前線基地を攻撃し始めます。スペクトラムはSPVをスカーレットに運転させて司令官を基地から脱出させますが、戦車はそちらを追いかけて来ます。そして途中で同乗していた副官がスカーレットに銃を向け撃ちます。しかし当然スカーレットは死にませんので、司令官とスカーレットが席をイジェクトさせて脱出し、残ったSPVと戦車が崖から落ちて爆発します。という訳で今回は3発銃で撃たれただけで、比較的ましな方でした。
スター・トレックの第3シーズンの”Spectre of the Gun”
スター・トレックの第3シーズンの”Spectre of the Gun”を観ました。何というかアメリカ人が安直に考えそうな話でした。カーク達エンタープライズ号がある浮動ブイ衛星の警告を無視して、メルコーシャンの星に侵入します。その警告無視に対して、メルコーシャン達はカーク達に罰を与えると言い、カーク達はどこかに転送されます。そこは1881年10月26日のアメリカのアリゾナのツームストーンでした。それはアメリカ人なら誰でも知っている、ワイアット・アープとドク・ホリディ対クラントン一家のOK牧場の決闘が起きた日でした。そしてカーク達は何故か殺されるクラントン一家側となっており、フェイザーはその当時の銃に変わっていました。カーク達は何とか決闘を回避しようとして、マッコイがあり合わせの薬品を混ぜてトランキライザーを作ります。しかしそれはスコッティでテストしたらまったく効果がありませんでした。チェコフはある女性から結婚を申し込まれますが、そのためワイアット・アープに撃ち殺されます。しかしスポックは史実ではチェコフがそれに相当していた人は死んでいないことに気がつき、必ずしも史実通りではないことに気がつきます。そして皆でスポックの精神を移して、拳銃が本物ではないと思い込むことでその効果を無くします。ワイアット・アープとドク・ホリディは17時になってOK牧場でカーク達を撃ちますが、それはまったく効果がありません。カークはアープを殴り倒しますが、銃を使って殺すことはしませんでした。その結果カーク達はエンタープライズ号に戻り、メルコーシャンはカーク達が平和的に交渉しようとしていることを理解し、初めて彼らを歓迎します。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「DUNE/デューン 砂の惑星」
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「DUNE/デューン 砂の惑星」を土曜日に観てきました。映画は「ミッドウェー」と「博士と狂人」以来でほぼ1年ぶり。うーん、絵としてはとても良かった(IMAXレーザーで観ました)ですが、ストーリーのまとめ方は弱いと思いました。後おそらく2回は必要でしょうが、今回の興行成績で次作以降の資金が集まるのかなと思いました。(と思ったら既にPart 2の制作が決まったようです。)こういう大河作品は時間の限定のある劇場版映画ではなく、Netflixあたりで、じっくり回数を使って映像化した方がいいのではないかと思いました。そうでないと、原作を読まないで観た人にはワケワカでしょう。大体その原作にしてからが、本編が終わった後に作者自身による用語辞典があって、それを読んでやっと背景が理解出来るという反則作品ですから。それからポール役の俳優はなんか中二病の若者という感じで私にはイマイチでした。最近のスターウォーズのハン・ソロの息子(カイロ・レン)の俳優とちょっと雰囲気が似ています。まあこのポール・アトレイデスという役を演じるのは大変だとは思いますが。また植物学者(リエト・カインズ)がアフリカ系女性というのもいかにもPCですよというわざとらしさを感じました。この映画は原作読んでいない方は今すぐ観るのはお勧めではなく、残りが全部出そろってから、ブルーレイなどでまとめて観た方がいいんじゃないかと思います。最後にポールがフレメンを使ってハルコネンと皇帝軍を倒すというストーリーはベドウィンを利用してオスマントルコと戦うゲリラ部隊に仕立てた「アラビアのロレンス」をいやでも思い起こさせます。実際にフレメンの言葉はかなりアラビア語に近いイメージだそうです。
NHK杯戦囲碁 横塚力7段 対 張栩9段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が横塚力7段、白番が張栩9段の対戦です。両者は先期のNHK杯戦で今年の1月に対戦しており、その時は張栩9段が考慮時間を1回も使わないで勝っています。布石は上辺で白が理想的な構えを取ったのに黒が左上隅で左辺からカカリました。それに対して白は何とツケで、以前はこれは置碁の下手の手でした。しかもそのツケにハネてツケノビ定石になるのではなく、白は上方に伸びて地を取りに行きました。結果として白が厚み、黒が実利という展開でしたが、白は黒がハネてカケついだ所を覗き、その石を引っ張り出す攻めを狙っていました。その攻めを緩和するため黒が中央に飛んだのを白が受けなかったので、黒は上辺に大ゲイマで踏み込みました。これに対し白は強く遮って行きました。この後の折衝で白は上手く黒の連絡の不備を付いて、黒にただつながるだけの手を打たせ、結果的に上辺と左上隅は無事で、黒の左辺からの一団はまだ切断を狙える形で、白が優勢になりました。白はその後左辺の黒への攻めを見ながら左辺と左下隅も地にし、上辺から中央にかけても厚みを築き、容易に負けない形になりました。黒がその上辺から中央に展開した白に迫ったのに白が手を抜いて右下隅に先着したので黒はここの白をイジメに行きましたが、白も問題なく応じて大きな損はなく治まりました。その後左辺で白が3線に這い込んで黒に断点を継がせようとしたのに手を抜いて右下隅を打ったため、若干黒が盛り返しました。しかし白は左辺からの黒の一団を攻め、結局白が切断を決行した結果、切り離された中央の黒は単独で活きなければならなくなりました。しかし黒のシノギに誤算があり、左上隅の黒の活きと見合いにされてじまい、中央の黒が全滅し、黒の投了となりました。張栩9段がまったく危なげなく打ち回し勝利した一局でした。横塚7段のリベンジはなりませんでした。
キャプテン・スカーレットの”Big Ben Strikes Again”
キャプテン・スカーレットの”Big Ben Strikes Again”を観ました。今回のキャプテン・スカーレットは何と核爆発に巻き込まれて、例によってひどく傷つきますが死にません。
ミステロンズが今回はロンドンを破壊すると予告。そのため、地球側が開発した核兵器、何故か時限装置付きを輸送中のトレーラーのコントロールを奪って自らのものとします。そしてそのトレーラーをある地下の駐車場に置き去りにし、時限装置を起動させます。時間は3時間くらいしかありません。スペクトラム側としては一刻も早くそのトレーラーを見つけ、地下の待避壕に持っていかないといけません。そのトレーラーの運転手が、その駐車場でビッグベンの鐘が12時なのに13回鳴ったと証言し、それが手がかりになります。種は、運転手はカーラジオを付けていて、そこからも鐘が聞こえていたということで、ラジオの電波の速度の方が音速よりもはるかに速いので、ある距離にいると、実際の鐘の音はラジオよりも一回分ずれて遅く聞こえます。このことから可能な場所を絞り、トレーラーを発見します。しかし20分しか残っておらず、スペクトラムの司令官はキャプテン・スカーレットがトレーラーを運転するように言います。核爆弾は無事地下深い場所に待避出来ましたが、キャプテン・スカーレットがエレベーターで逃げる途中で爆発し、スカーレットは傷つきます。そして仲間から”Are you all right?”と聞かれ、”I WILL be all right.”と答えるというオチです。しかし本当に可哀想なだけで格好よさが無い主人公です。