NHK杯戦囲碁 山下敬吾9段 対 藤沢里菜3段

jpeg000 219本日のNHK杯戦の囲碁は、黒が山下敬吾9段、白が藤沢里菜3段の対戦。山下9段は、井山7冠王にタイトルを独占されて、タイトルからは遠ざかっていますが、実質的には日本のNo.2でしょう。一方、藤沢3段は1回戦で王銘エン9段を見事に破って、どこまで勝ち上がるか期待されています。対局は、黒の山下9段がほぼ常に攻勢を続け、白が下辺に打ち込んだ石と、左下隅から延びる石をからみにして攻め、白は結局、下辺から延びる石に色々利きを見られながら、左下隅から延びる石を封鎖され、この石を2手かけて生きなければならなかったのが辛く、ここで黒が優勢になりました。その後、白は黒の右辺の地を減らし、下辺から延びる石も黒3石を取って生きたのですが、その代償で左辺の石を劫にもならず取られてしまい、さらに左上隅も取られてここで投了となりました。

小林信彦の「<超>読書法」

jpeg000 202小林信彦の「<超>読書法」を読了。「本は寝ころんで」に続けて、1993年から1996年に週刊文春での書評連載に一部書き下ろしを追加したもの。
この頃(1990年代半ば)から、小林信彦のエッセイには政治的な発言が多くなります。私は小林信彦のファンですが、政治的な発言については一切信用していません。
この本でも、村山富市政権を褒めたり、青島幸男都知事を激賞したりしています。それから、この本では小沢一郎を非難していますが、いつの頃からか逆に賞賛したりしています。

古今亭志ん生の「お化け長屋、もう半分、親子酒」

jpeg000 191本日の落語は古今亭志ん生の「お化け長屋、もう半分、親子酒」。志ん生の病前の録音です。
「お化け長屋」は既に志ん朝のを聴いていますが、志ん朝のは前半部だけです。後半部までやるのは志ん生と六代目柳橋ぐらいだそうです。前半部では、長屋の連中のお化け話には驚かなかった職人が、実際に長屋に入って、職人仲間にお化けを仕掛けられて逃げ出すのが後半です。実際にはさらに先があるそうです。
「もう半分」は、三遊亭圓朝作の怪談噺です。「文七元結」とも設定が少しかぶりますが、行商の老人が娘が吉原に身を売って作った50両を居酒屋に置き忘れますが、居酒屋の夫婦はそれを盗んでしまいます。老人はそれをはかなんで身投げしてしまいます。居酒屋の夫婦には子供が生まれますが、その容貌は老人にそっくりで、夜中に行灯の油をなめては、老人が酒を飲む時の口癖だった「もう半分…」を口にするというオチです。
「親子酒」は、親子で酒を止める誓いを立てるが、親子共にその誓いを破ってしまうお噺。サゲの双方のセリフが面白いです。

池井戸潤の「花咲舞が黙ってない」

読売新聞に連載中の、池井戸潤の「花咲舞が黙ってない」が全然面白くありません。池井戸潤の作品の魅力は読んでいてのカタルシスだと思うのですが(池井戸潤の作品は出版されているものは全部読んでいます)、今回の連載では銀行の様々な不祥事が出てくるのに対し、花咲舞は平行員としてそうした不祥事の問題点を指摘するだけで、結局組織の論理に押しつぶされてしまう、という展開がほとんで、まったくカタルシスがありません。
一方で、何故か半沢直樹が突然登場し、実に格好いいセリフを吐いて目立つのですが、対照的に花咲舞はまったく目立ちません。
元々、花咲舞が出てくるのは「不祥事」という小説ですが、私はこの作品もあまり評価していません。池井戸潤の描写する女性というのが男性から見たある種の類型に近いもので、掘り下げが浅いからです。

白井喬二の「怪建築十二段返し」

jpeg000 201白井喬二の「怪建築十二段返し」を読了。
白井喬二の初期の短編4作、「江戸天舞教の怪殿」「全土買占の陰謀」「白雷太郎の館」「怪建築十二段返し」を集めたものです。
「怪建築十二段返し」はデビュー作です。いずれの作品も、伝奇的要素は満点で怪しげでかつまことしやかな話に興味をそそられるのですが、話の展開の仕方、まとめ方が今一つで、今まで読んだ「富士に立つ影」「新撰組」「盤嶽の一生」に比べると劣ります。
表題作の「怪建築十二段返し」もタイトル見ると、どんな怪建築かわくわくするのですが、実際に出てくる内容は期待外れです。
「全土買占の陰謀」には「富士に立つ影」にも出てきた黒船と船大工が出てきます。4つの作品どれにも怪しげな建築物が出てくるところが共通点です。