
「謎の円盤UFO」の”Close Up”を観ました。中学生の時観て、一番良く覚えている回です。ちょっと観ると科学的な内容のようで、実はかなりあり得ない内容の回です。
ストレイカー司令官は、UFOがやってくる星に対する反攻のためのデータ集めとして、特殊な人工衛星の先端に高精細な写真が撮れる電子線カメラを搭載し、UFOがやってきた時、攻撃を中途半端で止めて引き返すようにさせ、その人工衛星で後を追わせます。そしてUFOの母星の写真を撮って地球に転送します。ここまではOKなのですが、撮影距離と倍率データが何故か転送されなかったので、写真は役に立ちませんでしたという結末。技師に対し「こんなに鮮明に写っているじゃないか」と怒るストレイカーに、技師は女性(エリス中尉)のドアップ写真を見せて、倍率がわからないと女性の肌も荒野みたいに見えるとか、あるいは高分子化合物の表面が惑星の表面に見えたりする例で説明してストレイカーを納得させます。
でも、このストーリーは色々な意味でおかしいのです。
(1)まずはUFOの母星の正確な位置を突き止めることが必要な筈なのに、ストレイカーはその星の写真を撮ることにこだわります。写真で一体何をする予定だったのでしょうか。
(2)本来の設定ではUFOのエイリアン側の科学が地球より数百年レベルで進んでいて、地球側のロケットではエイリアンの星に到達できない、ということだった筈です。なのに何故か明らかに低速な人工衛星がUFOを追跡してついていけるのか。
(3)今のデジタル写真もそうですが、ズーム倍率とか距離とかは写真データの中に一緒に入っています。なのに画像だけは送られて倍率とか距離データが送られないというのは変です。
(4)そもそも写真を受信出来るのであれば、UFOの母星の位置は突き止められる筈ですが、そういう分析はまったくしていません。
(5)この作戦はストレイカーの肝いりで、予算は10億ドルとなっています。それだけのお金を使って結果0にも関わらず、ストレイカーに対しては何のおとがめもありません。
という訳でおかしな脚本の回だと思います。写真は珍しく海上を航行するスカイダイバーとシルヴィア中尉。

「謎の円盤UFO」の”Court martial”(軍事法廷)を観ました。一度もUFOが出てこないという不思議な回です。フォスター大佐が、SHADOの機密を新聞社に$10,000でリークしたという嫌疑で軍事法廷が開かれます。フォスター大佐には不利な証拠ばかりが出てきて、最後は$10,000が彼の口座に振り込まれていたというのが決定的になり、死刑宣告が下ります。ストレイカーはたまたままったく同時期に、映画会社の方の機密がライバル会社に漏れてしまい、それも知っていたのはフォスター大佐だけということから、大佐の家を捜査し、巧妙に隠された盗聴器を発見します。それは職業的産業スパイの仕業でしたが、映画会社の機密を探っていてたまたまSHADOの機密を探り当ててしまいそれを新聞社に売ったというのが真相でした。しかしこの真相がヘンダーソンに伝えられる前に、フォスターは逃亡し、最後は追いかけて来たSHADOの兵士に撃たれて…というかなり緊迫した内容の回でした。

「謎の円盤UFO」の”Square triangle”を観ました。正直な所今まで観た中では一番出来が悪い脚本のように思えます。UFOが1機でやってきますが、その目的地がイギリス南部と聞いたストレイカーは急にインターセプター3機による迎撃を中止させます。それはいいんですが、ここで既にミスがあって、映像(写真)は核ミサイルを撃ってしまった後のものです。。
「謎の円盤UFO」の”The responsibility seat”を観ました。今回、ストレーカーは映画会社代表としての彼にインタビューに来た女性ジャーナリストにテープレコーダーを仕掛けられ、部下が「ストレーカー司令官」と呼びかけるインターフォンの音声を録音されてしまいます。SHADOの指揮をフリーマンに任せて、その女性からテープを取り戻しにいきますが、結局写真のようなシーンになって…というこの番組がアダルト向けに作られたことの証拠みたいな回でした。(ご本家のイギリスでも、子供の教育に悪いという理由でいくつかの放送局ではこの回は放映されなかったようです。)結局この女性の音声を録音して身元をチェックしたら犯罪歴バリバリで、ベッドシーンは実現しませんが。司令官を任されたフリーマンの方には、月面でロシアの輸送車両がムーンベース目がけて暴走してくるという大変なことが起きますが、フォースターの機転で何とかギリギリで回避します。今回UFOが3機来襲しましたが、UFOはオマケみたいな回でした。ストレーカーを誘惑する女性が普通ならUFO側と何らかの接触がある、というのが本来のストーリーのように思いますが。
「謎の円盤UFO」の”Ordeal”(試練)を観ました。この回もかすかに記憶があります。(といっても最初に日本で放映された1970年では私は9歳で、その時のはほとんど憶えていません。記憶にあるのは中学生の時に深夜に再放送していたのを、親に隠れてこっそり観ていた時のもの。)この回は有名な、フォースター大佐のエイリアンによる拉致られ事件、ですが、フォースター大佐が乗ったUFOが月面に激突して爆発したのに、フォースター大佐だけ生きていておかしいな、と思っていましたが、まさかこんなオチとは…(SFドラマで一番やってはいけないオチの一つです。)

「謎の円盤UFO」の”A question of priorities”を観ました。何というか、とても暗くて悲しい話です。SHADOの司令官としてこれ以上ない優秀さを見せるストレイカーですが、実は家庭は崩壊しており、奥さんは離婚して別の男性と結婚しています。二人には一人息子がいます。ある日ストレイカーが息子と会って遊ばせた後、家まで送り届けた後、ストレイカーが別れを告げずに去ろうとした時、息子はストレイカーを追いかけて道路に飛び出して車にはねられます。この息子は抗生物質にアレルギーを持っており、それを防いで治療するには、ニューヨークにある新しい抗アレルギー剤を急いで取り寄せる必要があります。ストレイカーは公私混同して、SHADOの輸送機に命じてその薬をロンドンに運ばせます。しかし、その時UFOが地球に侵入しアイルランドに着陸します。エイリアンがそのUFOから出てきてある盲目の老婆に家に侵入します。このエイリアンを捕らえるためにはモービルが必要ですが、もっとも至近距離にいた輸送機はストレイカーが薬を運ばせていたものでしたが、フリーマンが行き先をアイルランドに変更してしまいます。結局、エイリアンは仲間のUFOに射殺され、侵入した別のUFOはスカイ1が撃墜しましたが、ストレイカーの息子は薬が間に合わず亡くなってしまいます。病院に駆けつけたストレイカーに元の奥さんは「二度と顔も見たくない」と言い放ちます…というどうしようもなく救いようのない話でした。