今回の真空管アンプ→メインシステムに採用

結局、今回作った真空管アンプはメインシステムの一部に採用しました。そういうつもりで作製したのではないのですが、予想外に音が良かったためです。特に良い所は、
(1) S/N比
真空管アンプなのにボリュームを最大にしてもまったくノイスがありません。これは、ショットキーバリアダイオードによる整流ノイズの減少、定電流回路で三端子レギュレーターを使わず全て定電流ダイオードを使ったこと、およびツイストペア配線を使うべき所に使ったこと、などの複合の効果だと思います。アナログ録音を聴いた時に、テープのヒスノイズまでがはっきり確認出来る位に静寂なバックです。
(2) 定位の良さ
全段差動プッシュプルアンプは原理的に他Chからの同相信号が抑制されてクロストークが0になり、定位が非常に優れています。なんですが、今回のアンプは手持ちのKT88の全段差動プッシュプルアンプと比べても更に定位が良く、かつ音像が引き締まっています。
の2点です。いやー、真空管アンプもまだまだ色々な可能性を秘めていますね。

NHK杯戦囲碁 鶴山淳志8段 対 広瀬優一6段(2022年5月15日放送)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が鶴山淳志8段、白番が広瀬優一6段の対戦です。広瀬6段は対局前のコメントで、鶴山8段は戦いの碁が得意なので穏やかな碁にしたいと言っていましたが、実際の碁は最初から最後まで激しい戦いとなりました。タスキの布石でしたが、白が左下隅に高くかかってツケ引き定石となった時、白は定石通りに左辺に開かず、左上隅の星から上辺に向かって小ゲイマに締まったりしたので、むしろ広瀬6段が戦いを誘ったような打ち方でした。左辺と右辺でお互いに眼の無い石がもつれ合い、黒が下辺の白に中央の石からケイマにかけた時、白が出切っていったので更に局面は複雑化し、闇試合の様相を呈して来ました。こうなると戦いの得意な鶴山8段に一日の長があり、中央でかけて上手く白の種石を取って局面は黒のリードとなりました。しかし白も左辺の棒石の黒を攻めようとしましたが、ここでも逆に黒が中央の白を攻め、右辺に取り残された白を大きく飲み込んで勝勢になりました。白はその後色々やって右辺の一団を連れ戻しましたが、その代償にまた中央の種石を取られてしまいました。最後に白は右上隅で取られていた石を動き出し、劫形で渡って成功したかと思いましたが、黒は渡らせた全体を攻め結局全滅させて右上隅に50目強の黒地を確定させ、ここで白の投了となりました。

キャプテン・スカーレットのProsとCons

キャプテン・スカーレット・アンド・ザ・ミステロンズの全32話を全て観終わっての感想。
Pros:
・特撮の素晴らしさ。特にクラウドベースはどうやって浮かんでいるのかが不明ですが、アイデアとしては秀逸です。
・ミステロンズという見えない敵が、再生能力を持っていて色々な作戦を仕掛けてくるのを解明するミステリー的な面白さ。
・シルビア・アンダーソンの衣装などのデザインの素晴らしさ。特にエンジェルスという女性だけの戦闘チームというのはアイデアがいいだけでなく、戦闘チームでありながらファッショナブルでした。
Cons:
・スーパーマリオネーションの進化版として、ほぼ実際の人間のプロポーションになり、顔もリアルでしたが、そうなるとむしろ実写の方がいいんじゃない、ということで中途半端でした。
・ミステロンズの「復讐」が中途半端で、なんで「神経戦」をわざわざ予告までして単なるテロみたいなものをやらなければならないのかが理解出来なかったです。ラス前のエピソードのように総攻撃をかければスペクトラム側が防御出来ない可能性は高かったと思います。
・ミステロンズの予告の画面など、使い回し画面が多すぎました。
・キャプテン・スカーレットの設定が混乱しており、オープニングではマシンガンで撃たれてもまったく平気でしたが、本篇の中では撃たれて傷つくが回復力が非常に強く死なない、ということだと思います。構想段階で(1)1度死んで蘇る(2)ミステロンズに捕まって改造される、とか色々な案が二転三転したのを反映しています。またエンディングのアニメーションが、如何にしてキャプテン・スカーレットをいじめるかというSFならぬSMドラマみたいでドラマのシリアスさを損ねていました。
全体では、まあまあ面白かったですが、設定の曖昧さが話を分かりにくくしており、日本でサンダーバードを観ていた層が離れてしまったのはある程度やむを得ないかなと思います。

真空管アンプ-左Chの音量がフルになるまで30分かかる問題の解決

今回作成した真空管アンプの左Chの音量が電源ONしてから30分ぐらい経たないとフル音量にならない問題ですが、偶然発見した解決策ですが、NF(負帰還)の回路の電圧をテスターで測定すると、プローブを当てて3秒くらいでフル音量になるということを発見しています。しかしこの方法は一旦底板をネジ止めしてしまうと使えないため、まずはリード線を外に出して、底板が付いた状態でも出来るようにしました。しかし、毎回起動時にテスターを取り出してプローブを当てるのも面倒です。要はわずかな電流を該当の箇所に流してやればいいのだと考え、単三乾電池二本に抵抗をつないで簡単な回路を作りました。それで抵抗はどのくらが適当かかを試行錯誤で1,000Ωから段々強くしていったのですが、結局300KΩぐらいが適当でした。この場合の電流はわずか0.01mAに過ぎません。この程度の電流で何故回路の目が覚めるのかは、まだ突き止められていません。しかしながら、これで使い勝手は非常に良くなりました。電源ONして30秒くらいで真空管が温まったら、この装置のスイッチをONにして3秒ぐらいしてOFFに戻すだけです。
この回路は電源を内部から取るようにして、タイマー付きリレーで起動時に3秒だけ動かすということは可能でしょうが、根本的な解決はNFの量を変えてみるとか、初段の定電流ダイオードのピンチオフ電流値を変えてみるとかそういうことではないかと思いますので、場当たり的対策を永続化させるようなことはしません。

カムカムエヴリバディの和菓子屋のモデル?

先日、カムカムエヴリバディの総集編を見てて思ったんですが、安子の実家の「たちばな」という和菓子屋は、小林信彦の生家の和菓子屋「立花屋」から取ったのでは?と思いました。もしかしたら脚本の藤本有紀さんが小林信彦ファン?このドラマでの「たちばな」は空襲で焼け落ち、戦後に安子が何とか復活させようと頑張りますが上手くいかず、結局最終話で闇市でおはぎを盗んだ少年が、「たちばな」という名前を記憶していて、自分で和菓子店を作って「たちばな」と名付けます。小林信彦の実家の「立花屋」も小林信彦の父親が亡くなった後、誰も店を継ぐ者がおらず、結局屋号を別の菓子店に売却することになります。
 
 

松本市の日本ラジオ博物館(3回目)

連休中の5月2日にまた松本市の日本ラジオ博物館に行って、訪問客は私一人だったので、館長の岡部さん(「ラジオの技術・産業の百年史」の作者、アキュフェーズ社員)に一時間半たっぷりお話を伺いました。
(1)テレビの初期の組立てキット。テレビの中は例えばブラウン管を駆動するフライバックトランスの電圧は3,000V以上になりますので、私はキットに手を出したいとは思いません…どちらかというと、NHKが中心になって標準的な受像機の仕様をまとめ、それを各メーカーのエンジニアが理解するためのキットだったようです。
(2)第2次世界大戦中のアメリカ軍の無線機2つ。歩兵用と、B-29などの爆撃機に積んであったもの。どこでこんなもの手に入れたのですかと聞いたら、何とヤフオクだそうです。特に爆撃機用は、1940年代に既にこのレベルのものを作っていたということで、日本との技術力の差は歴然としています。また爆撃機用は航空兵が操縦の片手間にいじるということで、操作も可能な限り簡素化していてUIのデザインもシンプルで機能的です。
また歩兵用の無線機の方はトグルのON-OFFスイッチが何と横方向の操作です。会社でトグルスイッチが使われた製品についてはかなり調べていますが、パネル用のON-OFFスイッチを横方向の操作にしたのは初めて見ました。この理由はこの無線機はリュックサックに入れて担ぐもののようで、リュックサックに入れる時に縦操作だと間違ってスイッチがONになったりするためかなと想像します。

自作真空管アンプ最後の仕上げ

自作真空管アンプの最後の仕上げ。若干だけ定位が右寄りなんで、11本持っているITT LorenzのPCL86の中から、若干プレート電流が大きめのペアを選別してそれを左チャンネルに適用して解決。
それから自作の真空管ガードを適用。これで地震などで何かが落ちて来ても真空管は大丈夫です。
残った問題:
ちゃんとした音になるまで右チャンネルが10~15分、左チャンネルが30分ほどかかります。それまでは音量も小さく歪んだ音。
これの回避手段は分かっていて、NF(負帰還)の回路の両端をテスターの電圧測定モードで3秒ほどプローブを当てればすぐ正常状態になります。もしこの問題が続くようでしたら、これ用の端子を外に出すなどを考えます。でもまあ30分待てばいいだけなんで特に大きな問題ではありません。なおこの問題はもう一台の全段差動プッシュプルアンプにもあって、こちらは電源ON直後では右チャンネルが弱く(プリのバランスボリュームで10時くらいにしないと真ん中に音像が来ない)フル音量になるまで3時間くらいかかります。なのでこれは私の配線が間違っているとかどこかの半田付けが外れているとかの問題ではなく、全段差動プッシュプルアンプの固有の問題ではないかと思います。

NHK杯戦囲碁 呉柏毅5段 対 三村智保9段(2022年5月8日放送)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が呉柏毅 5段、白番が三村智保9段の対戦です。布石では白が左辺の黒に打ち込んで黒がそれを直接受けずに下辺にかわした辺りでは白がリードしていましたが、その後黒が白のノゾキを逆手に取って白を左下隅と中央で切断したことで互角に戻りました。中央で激しい戦いとなり、結局黒は中央の一団を捨て、代償で右辺の白を大きく取り込むという振り替わりになりました。中央の黒は取られたといっても攻め取りなので見た目ほど大きくなく、ここで黒が優勢になりました。しかし、黒が上方の白の薄味を突いて取られていた石を逃げ出したのは、打ち過ぎでした。上辺の白はギリギリでしたが捕まらずに脱出出来たため、黒の中央の損害が拡大しました。なおかつ黒の包囲網の一部が逆に取られてしまって攻め取りもなくなりました。こうなると盤面でも白が5目以上のリードで黒の投了となりました。黒が余計なことをせずに右辺を大きく取って中央は攻め取りさせれば勝ちではなかったかと思われ、呉柏毅 5段としては残念な一局でした。