NHK杯戦囲碁 辻󠄀篤仁3段 対 依田紀基9段(2022年6月19日放送)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が辻篤仁3段、白番が依田紀基9段の対戦です。辻3段は関西棋院期待の若手で初出場です。局面が動いたのは白が左辺の黒の構えに打ち込んでからで、黒白双方眼が無い石で攻め合いになり、攻め合いは黒が有利かと思いきや、白の放り込みがAIも予想していなかった妙手で、攻め合いは白の勝ちになり、白は左上隅から左辺に大きな地を作りました。これで白の優勢となりましたが、解せないのがその後の白の打ち方で、左辺に残された白を動き出したのは厳しくて良かったのですが、中途半端に途中まで打って、下辺に転じてしまいました。この結果黒は2箇所の白の種石を取って中央が厚くなり、形勢は互角に戻りました。その後白は右下隅に潜り込んで生還し、細かい碁になりましたが、黒は右辺を広げまた中央にも地を付けてリードし、白は挽回のために上辺で策動しましたが上手く行かず差が広がり、結局黒の3目半勝ちとなりました。辻3段の戦いとヨセが見事でした。

ジョー90の”Relative Danger”

ジョー90の”Relative Danger”を観ました。今回は、ある鉱山の採掘用の坑道で、そこは昔銀山でしたが銀が掘り尽くされた後放置されていたのが、今度はその地下にウランがあるかも、という所で3人の調査員が坑道に入り、ダイナマイトを使った所で坑道が崩れ3人が閉じ込められる、という話です。何だかサンダーバード的な話ですが、サンダーバーならジェットモグラが活躍するシーンですが、ジョー90はあくまでジョー一人の救助なんで地味です。しかし最初はジョーがスパイとなって人殺しを厭わないという話が多かったですが、さすがに批判が多かったのか、人助けの話が増えて来たように思います。今回の話がちょっと特異なのは、閉じ込められた内の一人がWINのサムの実の父親で、サムが公私混同になるので、ジョーを使わずに自分で何とかしようとする所です。まあでも結局ジョーが地下に潜っていって3人を助けます。
ちょっと気がついたのはこのジョー90は1968年に放送されていますが、その頃の流行りで「サイケ」感が溢れています。バリー・グレイの主題メロディーも、またビッグラット自体が、変なテープがうねうね、光がピカピカでとてもサイケです。ビッグラットってそういう意味では知識伝達マシンというより、洗脳マシンにしか見えませんが。(笑)

トワイライト・ゾーンの”The Hitch-Hiker”

トワイライト・ゾーンの”The Hitch-Hiker”を観ました。ナン・アダムスは27歳の女性で休暇を取ってニューヨークからロサンゼルスまで車で行こうとします。途中でタイヤがパンクし、それを修理してもらっている時に、おかしなヒッチハイカー、黒い服と帽子をかぶった冴えない中年男を目撃します。彼女は当然無視しましたが、数マイル離れたガソリンスタンドまで行った後もまたそのヒッチハイカーを目撃します。今度も無視しましたが、そのヒッチハイカーは彼女の車に先回りするように彼女の行く先々で現われます。耐えられなくなったナンはハイウェイを降りて回り道をしようとしますが、そこでガス欠になってしまいます。そこで知り合った若い水兵でサンディエゴまで行くのを乗せて、何とかヒッチハイカーの姿から逃れようとします。しかしまたも現われたヒッチハイカーに思わず事故を起しそうになり、若い水兵は去っていってしまいます。たまらなくなった彼女は誰か知っている人に話を聴いてもらいたいと、自分の実家に電話します。しかし見知らぬ人が電話に出て、彼女の母親は神経がやられて入院しているということです。その理由は6日前に彼女の娘(=ナン)が自動車事故を起して死んでしまったからだ、と言います。呆然として車に戻った彼女にまたもヒッチハイカーが現われ、彼女の車に乗り込み「私の行く場所に行ってくれますね」と言います…
という、何だか笑うセールスマンを思い出すホラーな話でした。しかし、普通車でニューヨークからロスまで若い女性が一人で行こうとするか、という疑問は残りました。Wikipediaによると元はラジオドラマで主人公は男性だったようです。

ブルックナー交響曲全集

真空管アンプを作るモードから、今はそれを使ってひたすら音楽を聴くモードに移り、ここ最近はブルックナーの交響曲ばかりを聴いています。元々全集を7種類持っていましたが、5種類買い足して12種類になり、マーラーの交響曲全集の種類より多くなりました。ブルックナーは自身がうつ病+強迫神経症だった人で、私自身がブルックナーを聴くのはやっぱりメンタルで下降気味の時が多いように思います。もっとも本当に悪くなるとモーツァルトぐらいしか聴けなくなりますが。この中でお勧めは、パーヴォ・ヤルヴィーとヤープ・ヴァン・ズヴェーデンです。何というかブルックナーの野卑な所を強調したようなヨッフムとかインバルの演奏はあまり好きになれません。また、やたらと「原典版」とか「初稿」にこだわるのも好きではありません。例えば4番の1874年の初稿の第3楽章なんかは、正直な所未熟で野卑としか思えません。

1.オイゲンングヨッフム ベルリンフィル、バイエルン放送響
2.オイゲン・ヨッフム ドレスデン・シュターツカペレ
3.ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン オランダ放送響
4.ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリンフィル
5.ギュンター・ヴァント ケルン放送響
6.シモーネ・ヤング ハンブルク交響楽団
7.スタニスラス・スクロヴァチェスキー ザールブリュッケン放送響
8.マルクス・ボッシュ アーヘン交響楽団
9.ロリン・マゼール バイエルン放送響
10.エリアフ・インバル フランクフルト放送交響楽団
11.朝比奈隆 大阪フィル(3回目の全集)
12.パーヴォ・ヤルヴィ フランクフルト放送交響楽団

Oxford Latin Dictionary

Oxford Latin Dictionaryを買いました。5万1千7百円もしましたが、先日のヴェーバーの論文に出て来る”conternatio”(3つで1組のもの、という意味)がなかなか出ている辞書を発見出来ず、ようやく見つけたのがこのOxford Latin Dictionaryでした。で、その項目を見ると、その用例として上がっているのがまさにヴェーバーの論文に出て来るローマの測量人であったハイジナスの書籍の該当の部分!ちなみに元々この辞書のポケット版は持っていましたが、大きさ比べてみてください。上下2巻です。

「ローマ土地制度史」の日本語訳の8回目を公開

マックス・ヴェーバーの「ローマ土地制度史」の日本語訳の8回目を公開しました。
ここは、ローマの植民市における入植者への土地の配分についての特殊なケースについて述べており、最初意味を掴むのに苦労し、自分なりに図を書いてみたりしていました。何のことはない、ヴェーバー自身が添付図を付けてくれており、それを見たら一目瞭然でした。しかし何だか長方形の区画と正方形の区画の組み合わせで、昔懐かしのテトリスをやっている気分でした。

ジョー90の”The Unorthodox Shepherd”

ジョー90の”The Unorthodox Shepherd”を観ました。最初の放送日が1968年12月22日だったので、クリスマスものになっています。WINはある村の「呪われた教会」を調べにジョーとマクリーン教授を派遣します。実はそこの神父が使った紙幣が偽札でした。ジョーが世界銀行の頭取の知識をビッグラットで得て、偽札を鑑定した結果は、それは本物の紙幣用の金属版で刷られたものでしたが、その版は7年前にニューヨークで破棄された筈のものでした。実は偽札を作る一味が7年前にあるギャングが死んだのに死体を棺に入れて故郷のイギリスに送るのに、その中に金属版を隠して輸送していました。偽札の印刷は教会のある墓の下の地下室で行われており、村人が近付かないように誰もいないのに鐘やオルガンが鳴る仕掛けがしてありました。WINのサムの調べに神父は偽札の一行を匿っていることを告白しますが、教会の下働きの男を人質に取られているためそうするしか無かったと言います。今度はマクリーン教授やジョー達が教会に仕掛けを作って、亡くなったギャングの霊を装って逆に偽札の印刷団の一人を脅します。そして最後はジョーが天使の格好をし、パーソナルジェットを使って空を飛び、もう一人の偽札の印刷団を脅かして捕まえます。パーソナルジェットの操作方法は例によってビッグラットで知識を得たものでした。という訳で今一つのエピソードでしたが、ただ一つ面白かったのは、尋問を誤魔化すため耳が遠い振りをしていた神父が、WINのサムが銃で彼を脅そうとしたのを、安全装置を解除する音だけで銃の種類を当て、なおかつそのタイプの銃を持っているのはMI6かインターポールかWINだけだが、お前はその内のどこに所属するのか、と逆尋問するシーンです。

NHK杯戦囲碁 福岡航太朗3段 対 張栩9段(2022年6月12日放送)


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が福岡航太朗3段、白番が張栩9段の対戦です。福岡3段は初出場です。韓国で修行し、院生時代は197連勝という記録を作った若手強豪です。4隅星打ちのじっくりした布石で始まりました。右上隅で白が上辺からかかったままだったのを黒が低く二間に挟み、白が三々に入り懐かしい感じの定石形が出来ました。その後上辺の黒に白が肩に打って利かそうとしたのに黒が反発し、勢い白は上辺の黒を二分し戦いになりました。結局白の左上隅の石も眼がなくなり、黒白弱石2つずつのもつれた戦いになりました。戦いは左辺に及び、黒は左辺で活きて白地を削減しましたが、白は上下がつながって厚くなり、ここで白のリードとなりました。しかし黒も右辺の白模様を捨て石を使って上手く削減し、形勢は接近しました。その後ヨセで白にミスがあり、かなり細かくなりましたが、結局白の1目半勝ちに終わりました。

トワイライト・ゾーンの”I Shot an Arrow into the Air”

トワイライト・ゾーンの”I Shot an Arrow into the Air”を観ました。アメリカから人類初の8人が乗った有人宇宙ロケットが打ち上げられました。打ち上げは成功でしたが、その後太陽光のフレアか何かで通信に障害が起き、それが回復していた時にはロケットは行く先不明になっていました。その8人はある小惑星らしきものの上に不時着しており、8人の内4人は死に、残る4人の内の一人も死にかけていました。無事な3人の内、コーリーは死にかけた者に水を与えるのは無駄だと言って、上官に逆らいます。その星はひどい暑さですが、一行に残された水は数ガロンだけでした。奇妙なことに太陽は地球から見るのと同じ大きさで、ということは小惑星は地球と同じ軌道中にあることになります。重傷の一人は結局息を引き取り、上官のダンリンはピアソンとコーリーにその星の調査に向かわせます。しかし数時間してコーリーだけが帰って来ました。コーリーはピアソンと別の道を行ったと言い張りましたが、ダンリンはコーリーがピアソンを殺したのでは無いかと疑い、コーリーがピアソンと別れたという場所まで案内させます。そこには怪我をしたピアソンがいました。ピアソンは死ぬときにメッセージを残そうとしましたが、それが何を意味するか分かりませんでした。しかしダンリンがピアソンを介抱していた間にコーリーはダンリンの銃を奪い、ダンリンを殺してしまいます。その後、コーリーは必死に山を登り、水や食物を探しましたが、ようやくたどり着いた頂上で彼が見たのは何と電信柱でした。看板にはネバダ砂漠の中のリーノまで何マイルという看板がありました。ピアソンのメッセージはこの電信柱でした。何の事は無い、一行の乗ったロケットは地球を脱出すらしておらず、元のアメリカのネバダ砂漠の中に不時着しただけでした…
有名な陰謀説で、アポロによる月面着陸は嘘で、あの月面のシーンはアリゾナかネバダの砂漠で撮影されたというのがありますが、それを思い出しました。

ジョー90の”Big Fish”

ジョー90の”Big Fish”を観ました。おそらくイギリスの原子力潜水艦が敵の商船らしきものを2発の魚雷で沈没させます。しかし海中に潜って次の魚雷を装填しようとした時に、魚雷のハッチが十分に閉まっていなかったため潜水艦は浸水し、二人の乗り組み員は脱出ポッドに入って逃れ、ヘリに無事救助されます。しかし潜水艦が座礁したのはキューバのような中南米の敵国であり、潜水艦が見つかると非常にまずい事態になるため、ジョー90に命令が下されます。ジョーはビッグラットでスキューバダイビングの名人の脳波パターンを与えられ、潜水の名人になります。その国に父親であるマクリーン教授と向かい、釣りであると称して船を借ります。昼間の潜水で潜水艦の位置を確かめたジョーは、夜中にもう一度船を出し、潜水艦の中に潜りこんで潜水艦を動かそうとします。エアーは20分しか保ちませんが、後3分と言うところでジョーはシャコ貝の殻に足をはさまれてしまいます。船にいた教授と現地人の船頭は、やってきたパトロール船に捕まります。しかしジョーはなんとかシャコ貝から逃れ、壊れていた魚雷の発射口から潜水艦の中に入り、潜水艦を無事その国の外の海に動かします。
まあ大したお話ではありませんが、今回使用した脳波パターンはあらかじめライブラリに記録してあったということで、この先おそらくどんなパターンが来ても大丈夫、ということかと思います。なおビッグラットとの通信は今回は眼鏡ではなく、潜水用マスクに仕込んであったという説明です。