NHK杯戦囲碁 河野臨9段 対 関航太郎NHK杯戦者


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が河野臨9段、白番が関航太郎NHK杯戦者の対戦でした。この碁はプロらしい石の張った見応えのある応酬が続き、AIの予想手を上回る人間の手が沢山見られて実に面白い碁でした。戦いが激しくなったのは、右下隅で白が黒がハネただけで先手を取っていた箇所を切り当てしてからです。一時は白黒共に弱い石が3つずつ絡み合いながら、お互いが守るだけの手を打たず相手を攻めるという展開でした。しかし、黒が左下隅の白3子を取り込んで、隅から左辺で35目ほどの地を確保してから、黒が打ちやすくなったように思います。白は代償として右下隅からの黒を攻めましたが、途中で攻めを保留し上辺に向かいました。この上辺で黒が白の間に打ち込んで、白1子をほぼ取り込んだような形になりました。しかし後に白はこの石を動き出し、ここでまた眼の無い石のもつれ合いになりました。その後一旦白は下辺からの石に連絡し無事に分れたように思いましたが、その後白は自分も切られながらも黒も切断するという手を打ち、また攻め合い含みでかつ劫のついた戦いになりました。劫は左辺中央と上辺の2箇所に出来ましたが、左辺中央は黒が劫に勝ち、上辺は白が勝って無事に分れるかと思いましたが、黒は何と左上隅に手を付け、白が上辺の劫に勝っても全体で眼が無い、という攻めを見せました。結果として白は妥協し、この部分では黒が戦果を挙げました。その後白が今度は上辺の黒と攻め合おうとした時失着があり、攻め合いの黒は上手く脱出出来ました。しかし白が劫材で打ったノゾキが、黒が取っている白1目を逃げ出すシチョウアタリを兼ねており、黒は継げずに、白が切断し、これでまた形勢不明になりました。という具合の乱戦でしたが、最後は黒の半目勝ちという、これだけ戦った結果としては信じられないような結果になりました。関航太郎NHK杯戦者は、初戦で散りました。

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