小林信彦の「虚栄の市」(2)

小林信彦の「虚栄の市」、今読んでいますが、ひどく読みにくいです。色々実験的な手法を取り入れていますが、必然性が感じられず、肩に力が入りすぎている感じです。後年のサービス精神はまだ見られないです。後、何か人間に対する不信感のようなものも感じられます。

小林信彦の「虚栄の市」

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小林信彦の処女作(初版時は中原弓彦名義)である「虚栄の市」が何とKindle版で売られていましたので、購入しました。これと「冬の神話」は未読でした。「冬の神話」はあまりに暗そうなオーラを漂わせていたので、学生時代、手に取ったことはありますが、買わないうちに絶版になってしまっていました。「虚栄の市」は単に入手するチャンスがなかっただけです。

虚栄の市(2)
虚栄の市(3)

小林信彦の「袋小路の休日」

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小林信彦の短編集である、「袋小路の休日」です。
好きな作品なんで、中公文庫で持っていましたが、講談社文芸文庫で再版された時にまた買いました。
小林信彦が芥川賞の候補になっていた頃(小林信彦は1975年から1977年にわたり、3回芥川賞の候補になっています)の一連の作品のうちの一部です。(初出は、「北の青年」が「文学界」、他は「海」、1977年~1979年、この作品集に収められている作品の誕生には、「海」の編集長だった塙嘉彦が関わっています。)
これについては、以前amazonで書評を書きましたので、それを引用します。(一部誤字訂正)
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小林信彦ファン待望の復刊。
世の中の最先端に接して生きながら、その流れにうまく乗れない不器用な人間を味わい深く描いた珠玉の短編集です。
特に、博文館の「譚海」の元編集長であり、小林信彦が宝石社でヒッチコックマガジンを編集していた頃、嘱託として勤務していた真野律太をモデルにした「隅の老人」が秀逸。国枝史郎の「神州纐纈城」がきっかけになって、主人公と老編集者が交誼を結ぶエピソードは非常に印象的です。

また、「路面電車」も、言ってしまえば都電の荒川線に乗って、家族でちょっとした旅をするだけのお話ですが、主人公が下の娘さんを気遣う暖かさが、心に残ります。(このモデルとなった下の娘さんも、今や子供がいるのですが…)
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私は、国枝史郎もその作品「神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)」もこの作品で知りました。(話は逸れますが、国枝史郎にはその後はまって、青空文庫に入っているほとんどの作品を読みました。)何度呼んでも飽きない作品ばかりです。また、「路面電車」はあらためて読み直してみると、実は結末部は幻想的なSFのようで、私は好きな作品といいながら、長い間それを読み落としていました。

MariaDB & MySQL 全機能バイブル

JPEG-01 23MySQLは、ブログにNucleus使っていた時から、バックで動かしていました。今も、WordPressのバックで動いています。でも、どちらもいわばブラックボックスとして動いているだけで、使いこなせている訳ではありません。今度、仕事でも会社のシステムでMySQLを使うので、もう少しちゃんと勉強してみようと思ってこれを買いました。もっともこの本のMySQLは5.6までで、今このサーバーで使っているのは5.7です。

年を経た鰐の話

toshiwotottawani01フランスで、サン=テグジュペリと同時代の人でショヴォーという人がいます。教訓があるのだかないのだかわからないようなとぼけた寓話をたくさん書いています。
日本でこの人が知られているのは、主に故山本夏彦氏が世に出たのが、このショヴォーの「年を経た鰐の話」の翻訳を昭和16年に出版したからでしょう。この山本夏彦氏訳は、昭和21年に桜井書店から復刊されますが、以後長く絶版のままでした。山本夏彦氏は生前はこの桜井書店主に義理立てして、再復刊を認めませんでした。山本夏彦氏の没後、ショヴォー自身の著作権も切れたこともあって、山本夏彦氏訳は現在復刊されています。(amazon
それどころか、他の翻訳も出ています。この写真はそちらの他の翻訳の方です。(絵はショヴォー自身によるものです。)
ストーリーはネタばれになるので書きませんが、何ともゆるーいとぼけた話です。昔から、この鰐は知識人の象徴だとか、スエズ運河を占領した大英帝国だ、などと深読みがされているようです。おそらく作者はそういう意図はなかったと思いますが。たまにはこんなゆるゆるの世界にひたるのもいいかもしれません。