真空管アンプの電源トランスの冷却にペルチェ素子が使えないかと思って、Amazonで素子自体を買って実験してみました。
結論としてNGです。
まずはペルチェ素子に電動のファンを組み合わせたものが、CPUクーラーという名称で売られていますが、オーディオアンプに使うので音がするファンは望ましくありません。
それでペルチェ素子単体を買いました。使い方は簡単で、赤のリード線に+、黒にーの安定化電源をつなぐだけです。最初標準電圧という12Vまで流してみましたが、冷却されるどころか手ではとても持てないくらい熱くなりました。私はペルチェ素子を電流を流すと温度が下がる素子と思っていましたが、よく考えてみたらそんな熱力学に反するようなものがある訳がなく、正しくは片側を温度を上げ、反対側をその分温度を下げる素子です。従って、冷却目的で使うには、温度が上がる側の熱を効率的に放熱しないと、却ってその近くのものの温度を上げることになってしまいます。ちなみに4Vで1Aぐらいかけた場合、片側は51℃、反対側は31℃、その近くのテーブルの表面は28℃で、まったく冷却になっていません。この素子の反対側に馬鹿でかいヒートシンクを付けて、なおかつ何Aもの電流を流し続けるというのは、電気代もかかりますが、何より火事等の危険があります。また、ペルチェ素子の片側にヒートシンクを付けるなら、電源トランス自体に付けた方が早いです。
という訳で結果はNGでした。まあ新しい知見が増えたということでは無駄では無かったです。
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レコードプレーヤー復活
NHK杯戦囲碁 高尾紳路9段 対 余正麒8段
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が高尾紳路9段、白番が余正麒8段の対戦です。高尾9段はこれまで余8段に1勝9敗と、苦手にしています。布石は黒が右辺と左辺に模様を張り、白が上辺と下辺に地を確保するという展開になりました。白は右辺に打ち込みましたが2手打っただけで他に転じ、その後左辺に打ち込んで行きました。その折衝で白は黒2子を取って下辺が盛り上がり、黒は左辺で白2子を取ってなお上方の白への攻めを見ていました。黒は白の下辺の盛り上がりを抑制するため、右辺から延びる黒からケイマにかけたのを、白は短兵急にツケコシて切って行きました。この後の折衝にて、白は下辺を受ける前に右辺の黒にノゾキを打ちましたが、黒は受けずに下辺を打ち、白は右辺を連打しましたが、下辺が荒らされただけではなく、結局右下隅の白が全部取られ、ここに40目弱の黒地が出来ました。代償で白は右辺の黒4子を取りましたが、中央から何手も締め付けられてしまい、この収支ははっきり黒良し、でした。形勢は盤面10目ぐらいの黒のリードで、白はその後左辺の黒を攻め、1線を渡らせるなど追い込みを図りましたが、差は縮まらず、結局黒の4目半勝ちに終わりました。来週は一力遼9段と高尾紳路9段の決勝戦です。意外にも高尾9段はNHK杯戦の決勝は初進出です。今期、許家元9段、井山裕太5冠、そして今日の余正麒8段と実にいいメンバーを破って平成四天王はまだまだ現役バリバリだという意地を見せてくれています。決勝の相手の一力遼9段とは2020年にもNHK杯戦で当たり、その時は激戦の末一力遼9段が勝ちましたが、さて今年はどうなるか楽しみです。
真空管不足?
あくまで私の予想ですが、今後真空管全般で入手困難・納期がかかる・値上げという事態があると思っています。理由は世界の真空管の生産におけるロシアのメーカーのシェアは少なく見ても40%はあり、今回のウクライナ侵攻の制裁とそれに対するカウンターの制裁によって、ロシアからの真空管の調達は難しくなるように思います。Mullard、TSUNG-SOL、エレハモ、Sovtek、Svetlana、Gold Lion、全部作っているのはロシアの会社です。まあ後はスロバキアのJJと中国メーカーがありますが、少なくとも需給はかなりタイトになると予想します。私は取り敢えず12AX7、12AT7、12AU7の予備を買うことにしました。(これらはギターアンプで結構な量が使われているので、手に入りにくくなるとしたら、ここらあたりから、と思います。)
電源トランスにヒートシンクを追加
サンバレーの非科学的記事の例
KT170について調べていたらサンバレーの記事が出てきて、ああまたいい加減なことを書いているなと思ったので紹介します。
このページで、いわゆる赤外線放射温度計で稼働中の真空管の温度を測ろうとしています。「非接触の赤外線温度計でプレート中央温度を測定してみると」とありますが、そもそも赤外線放射温度計でガラス越しの中のものの温度を測れるのでしょうか?私が持っているFLUKEの59miniという赤外線放射温度計のマニュアルには、イラストですが、窓越しには中のものは測れず、窓を開けて測れとなっています。
また測定器メーカーのジャパンセンサー(株)のHPでは、「真空槽内のワークを窓越しに温度を測定する場合は、使用する窓材が温度計の測定波長領域において赤外線を十分に透過している必要があります。」とあります。一般的に安価な赤外線放射温度計の波長は10µ前後(リンク先のマニュアル参照)です。一方真空管のガラスは硼珪酸ガラス(BK)とか鉛ガラス、石英硝子などのようです。(ここを参照)鉛ガラスは分かりませんが、上記のHPによれば硼珪酸ガラスと石英硝子はこの10µという波長の赤外線を通しません。被測定物から出る赤外線で温度を測定している赤外線放射温度計では、従って真空管内部の各部の温度を測ることは出来ず、ここで測定しているのは単に真空管のガラスの表面温度です。これは実験で簡単に確かめられます。
左はKT150ですが、①と②の箇所を、手持ちのFLUKEの59 Miniという赤外線放射温度計で測ってみました。もしこれがプレートの表面を本当に測定しているのなら、プレートの熱伝導性から考えて①と②の温度に大きな違いは無い筈です。(真空管の中は当然空気の対流はありません。)やってみた結果は①が130℃で②が115℃と15℃も違いました。これは明らかにガラス管表面の温度です。真空管の外側は空気の対流により熱が上方に運ばれますから、上の方が下より温度が高くなります。
EL34よりもKT170の方が温度がはるかに低いといっていますが、それは熱せられたプレートから表面のガラスまでの距離による違いの方がおそらく大きく、プレートの温度がKT170の方が低いということはこの測定結果からは言えません。それどころか、プレート電流がKT88の1.25倍なんだから、プレート表面の温度はKT170の方が高い筈です。まあ大したことではありませんが、一時が万事で、ここのブログの記事はともかく非科学的なやり方でおかしな結論を出していることが多く、最初から眉唾と思って読んだ方が間違いがないです。
ハクセキレイの幼鳥
PLC86超三結アンプの波形(方形波)
デジタルオシロスコープ+ファンクションジェネレーター
KT150を全段差動プッシュプルで聴く
これまでTUNG-SOLのKT120、150、170をシングルアンプで試しました。この中では150が今の所一番いいと思い、2本買い足して、KT88の全段差動プッシュプルアンプに挿して聴いてみました。これはヤフオクで個人の方から買ったものですが、回路図を見ると、電源トランスのヒーター用の巻線の容量は6.3V4A(KT88を2本分)なので、余裕はありませんがまあOKと思いました。結果的に問題無く鳴りました。電源トランスのカバーの温度ですが、ギリギリ手で短時間なら触れるくらいに収まっていますので、おそらく50℃くらいで、まあ何とかという感じです。
で音はというと、私的にはやはりシングルアンプの音の方が好みですね。全段差動プッシュプルの音はとても端正なのですが、それが何だか半導体アンプに近付いたみたいで、真空管アンプらしさが減じているような気がします。また定位とか音像表現がいいと言う人がいますが、全段差動の理屈を知っていると、何だか人工的に作られた音像・音場ではないかという気がします。まあシングルアンプに比べていい所は、強音でも音がクリップしないことですね。ただプッシュプルだからといって全段差動の場合は出力がシングルアンプの倍になる訳ではなく、出力そのものはシングルアンプとほぼ同じです。
ちなみにこのTUNG-SOLの真空管はブランドはアメリカですが、製造はロシアです。なので早めに買っておかないと、ロシアへの経済制裁の逆制裁で買えなくなるんじゃないかという気がしたのも慌てて色々買いそろえた理由の一つです。