「巨人の惑星」の”Shell Games”

「巨人の惑星」の”Shell Games”を観ました。ある漁師の一家が銀行から借金をしていてそれが返せなくなり、2週間後には家も店も全て銀行に取られてしまいます。そしてそこの一人息子は耳が聞えませんでした。そしてその子が地球人達を偶然捕まえ、あろうことかスピンドリフト号の場所まで突き止められ、スピンドリフト号は漁師の家に持って行かれます。キャプテン達は夫婦の会話からその息子の耳が不自由なことを理解し、補聴器を作って提供する代わりに逃がしてくれるよう交渉します。父親が外に出かけている隙に、母親はその取引きに乗ります。しかし最初に作ったものは、巨人用としては音が小さすぎて使い物になりませんでした。しかしキャプテン達は大きな貝殻をホーンのように使う事を考え出し、今度は成功します。しかし戻って来た父親は感謝しながらも、地球人達を逃がすことは法律違反だと言います。しかし助けれた子供が父親の隙を見て、スピンドリフト号を抱えて外に出て、森の中の元の位置にスピンドリフト号を戻します。一家の借金はこの新式補聴器で特許を取れば、ということでメデタシ、という話でした。この話ではマークが、原子力潜水艦シービュー号のネルソン提督のように、あり合わせの物で何でも作ってしまうエンジニアということになっています。

スタートレックのファーストシーズンの”The Devil In The Dark”

スタートレックのファーストシーズンの”The Devil In The Dark”を観ました。あるパージウムという鉱物資源に富んだ地球の植民星で、そこの職員が一人また一人と何かの強酸のようなもので溶かされて殺され、その数が50人に達し、その問題の解決のためエンタープライズ号がやって来ます。スポックがそこで採取された球状のシリコンを見て、地球人が炭化水素ベースで出来ているように、シリコンをベースにした生物がこの星に存在しているのではという仮説を立てます。そうしていう間に今度はこの星の全てのエネルギーを発生させている原子炉が襲われ、リアクターの心臓部が持ち去られます。カークとスポックは犯人である怪物と遭遇し、強化したフェイザーでその怪物に傷を負わせます。逃げ回る怪物と再び遭ったカークは、スポックにその怪物とバルカンの手法によるコミュニケーションを取るように命じます。それはスポックの予想通りシリコンをベースにした生物で、球状のシリコンはこの生物の卵であり、その怪物はその卵から孵った子供を育てる母親でした。地球人達がその卵を5,000個も破壊したのが、彼女が地球人達を襲った理由でした。カークはマッコイを呼んで傷ついた彼女を治療させますが、それはシリコンをベースにしたセメントで傷を覆ってやることでした。結局その生物と地球人達の間には協定が結ばれ、子供達が食物としてシリコンを取るためトンネルを作るのを地球人達が鉱物の採取に利用するということになって、メデタシ、という話でした。このエピソードには、スタートレックのファーストシーズンのある種の思想みたいなものが強く現れており、良く出来たエピソードだと思います。

NHK杯戦囲碁 富士田明彦7段 対 井山裕太大三冠


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が富士田明彦7段、白番が井山裕太大三冠(一力遼に天元位を奪取されて三冠に後退しましたが、それでも棋聖・名人・本因坊の大三冠です)の対戦です。布石では、左下隅で黒が白の星に対してダイレクト三々ではなく、下に付けたのがちょっと珍しいですが、これもAI流のようです。これに対し白がハネて黒が伸びた時に、普通は白は隅を下がりますが、白は押しを選択し中央を厚くしました。これに対して黒は下辺に地模様を張りましたが。白はすかさず入って行きました。ここでの折衝の結果、黒は右下隅に好形で大きな地を確保しました。これに対して白は下辺の黒地を消して中央に進出し、また左下隅から延びる黒を場合によっては狙うという展開になりました。その後白が右上隅にかかっていって、白は上辺方面、黒は右辺方面にそれぞれ模様を築きました。そこで白は自分の模様を拡げたり芯を入れるのではなく、右辺に打ち込んで行きました。そして黒に強い右下隅の方から詰めさせた後、開いてまた黒が受けた後に、その2子を逃げるのではなく、白模様を拡げる手を打ちました。黒は当然その間を割って行き、後一手打てば右上隅、右辺、左下隅で60目近い時を確保という時点で、黒は左上隅の白に付けて行きました。そして更に黒は白模様に入って行きました。しかし、この黒は下方の白が厚いため、活きるのが大変で、結局は右辺や下辺と連絡出来ましたが、結果として左上隅に付けた石は味良く取られ、さらに中央左の黒2子も取られ、また右辺の白は問題無く生還しました。この時点では白が大きくリードしていました。しかし、この後白は見落としていた強手を黒が打ち、中央の白のダメヅマリを利用して、中央左で取られていた黒2子を動き出し、同時に中央下方の白を切り離していじめる事が出来、更には左上隅もかなり白の時を減らすことが出来たという大戦果を挙げました。これで細かい碁になり黒の大逆転か?という場面もありましたが、黒がヨセで2目損をして、それ以降逆転の余地が無いと言うことで、黒の投了となりました。白の井山裕太大三冠の打ち回しが見事でしたが、黒の富士田明彦7段も見事な読みで形勢をほぼ互角近くにまで戻したのはさすがでした。

ライン入力切り換え器

中華製切換器の中

ラックスマンの切替器の中

中華真空管プリアンプの入力が2系統しかなく、かつその2つの切換えが安物の押しボタンスイッチでイマイチです。私は家では、(1)SACDプレーヤー(2)PC(USB-DAC)(3)NAS型ネットワークサーバー+USB-DACという3種類の入力が最低限必要になります。
それで最初、かなり以前に買ったオーディオテクニカのを含め、市販のものを3種類試しました。オーディオテクニカのはかなり古くて接点がもうかなり酸化しているんじゃないかと思い、パス。続いて中国製の1900円のを買いました。これはコンパクトなのはいいですが、中を開けたらPC基板を2つ使ってその間をいわゆるフラットケーブルで接続しています。オーディオ用には普通フラットケーブルは使いません。何故なら平行配線の極地で誘電容量が上がり音質劣化になるからです。実際にこれで聴いたハイレゾのピアノの音はイマイチでした。続けて12,200円もしたラックマンのを試してみました。しかし中を開けたら、驚いたことに、フラットケーブルこそは使っていませんが、構造は1900円の中華切換器と同じです。(というか中華の方が真似したんでしょうけど。)中の配線も細くてイマイチでした。音質も中華切り換え器よりはマシですが、やっぱり音が劣化しているように感じました。(負のプラシーボ効果というのもあるので、本当に劣化しているかは不明です。)
それで市販のものが無いならロータリースイッチや3投式(ON-ON-ON)トグルを使って自作しようかと思いましたが、配線が結構面倒だし、スイッチの細い端子にオーディオ用の太いワイヤーを半田付けするのは結構大変です。それで発想を変えて作ったのが下のもの。超原始的に手動で30cmのRCAケーブルを切り替えるだけですが、こちらの方は音質劣化が非常に少ないように思います。問題は演奏中に切り替えるとポップノイズが出ることですが、一応普段も切り替える時はボリューム絞ってやっていたので問題ありません。使ったのはタカチのケース、RCAの延長用のメスーメスソケット、30cmのRCAケーブルです。穴はドリルで開け、その後ハサミの片方の刃でぐりぐりやって拡げ、ゼリー状瞬間接着剤で固定しました。

クライヴ・ドナー監督の「クリスマス・キャロル」

クライヴ・ドナー監督の「クリスマス・キャロル」を観ました。良くご存知の話の1984年のアメリカでのTVドラマです。
今朝のBBSのワールドニュースでTiny Timの”God bless us everyone!”という言葉が引用されていて、ちょっと懐かしくなって、AmazonのPrime Videoで見つけて観てみたものです。
高校の時に、カナダ人の英語の先生が、このお話のラジオドラマを教材として使ったので、このお話については最初から英語で触れており、Humbug!(くだらない!)とか懐かしかったです。
このお話の最後の、エベニーザー・スクルージが悔い改めてボブ・クラッチェット(今思うとこの名字は、小さなクラッチ=小さな松葉杖という意味で、タイニー・ティムのことを暗に示しているんでしょうね)の末っ子の足の悪いTiny Timの第2の父親になりました、という所がとても好きです。

「古関裕而秘曲集~社歌・企業ソング編~」

「古関裕而秘曲集~社歌・企業ソング編~」が到着。昨晩から聴いていますが、さすがの古関マニアになっている私といえど、全部聴くのは結構辛かったです。何故かというと、7割方ほとんど同じような曲調で、曲が始まった途端、「ああ、またか」という感じです。多くの場合社歌とか校歌はヘ長調で、たまにト長調やハ長調といった感じでしょうが、古関の場合はこれに加えて多くが2拍子の行進曲です。実際、このCDの中に入っているので、サビがほとんど一緒というのもあります。
その中で面白かったのは、
(1)賀茂鶴酒造の社歌、歌っているのが何と村田英雄
(2)福島トヨタ自動車社歌、歌詞の中に「走るクラウン颯爽と」というのがあり、車名が出て来るのは珍しいかなと。自動車ショー歌は例外として。
(3)関彰商事社歌、これは曲がどうというより、最初会社に入って1年ぐらい茨城県下館市(現在筑西市)にいて、この会社は下館に本社があってガソリンスタンドとかやっている会社で懐かしいというだけです。
(4)山一証券社歌、これは古関の奥さんが株の名人で、売買に山一証券を使っていた縁で頼まれたのではないかと思います。
(5)かわしんの歌、地元の川崎信用金庫の社歌。「モットゥはフレッシュ アンド ヒューマン」と社歌に英語が出て来るのは珍しいかなと思います。
(6)北野建設の歌、なんとロ短調の社歌。何でも社長が特攻隊の生き残りで、戦争中に古関の軍事歌謡を好んで歌っていたからだそうです。
(7)エースの歌、カバンのエースの社歌ですが、何とムード歌謡になっていて、歌詞も「正しい商売(あきない)をつらぬきつらぬきつらぬきとおしてほしいのよ」と女性からの呼びかけになっています。社長がムード歌謡が好きでこうなったのだとか。古関の唯一のムード歌謡です。
(8)日立物流社歌、この会社も昔よく付き合いましたが、古関の最後の社歌だそうです。

巨人の惑星の”Return Of Inidu”

巨人の惑星の”Return Of Inidu”を観ました。出だしはアングロサクソン系が大好きなオカルトタッチで、地球人達が嵐の中でたまたま見つけた一軒家がまるで幽霊屋敷で、変な光が部屋の中を飛び回ったり、おかしな声が聞えたりします。実はここには、マジシャンのイニドゥが隠れていて、お化け屋敷は彼が侵入者を撃退するためのトリックでした。イニドゥは人気のあるマジシャンでしたが、ある時ステージでマジックに使った一般人を死なせてしまい、捕まり2年間の懲役になりましたが、脱走してこの屋敷に隠れていました。イニドゥは地球人達に対してお互い警察に追われている身だからと好意的で、ロリポップキャンデーを出してくれたりします。その内に若い男がこの家にやって来て、誰もいないと思って何かを家捜しし始めます。地球人達はイニドゥの装置を使ってお化け屋敷を演出し、この男を一度追い出します。しかし外でイニドゥがこの男に会って、再度この家に連れてきます。この男は実は昔のイニドゥのアシスタントで、イニドゥが持っている「魔法の書」(全てのトリックのネタを書いた本)を奪おうとしていました。そして乾杯しようとしてワインを出しますが、イニドゥのグラスの中に毒を入れます。地球人達は何とかイニドゥがそのワインを飲むのを阻止し、イニドゥにも毒が入っていることを紙片に書いて告げます。若い男はその内本性を出し、イニドゥを縛ってマジックを使えないようにします。そして実は人が死んだ事故は彼がイニドゥを犯罪人に仕立てるため仕組んだものであったことを告白します。その告白をフィッチューが上手くテープレコーダーに録音します。その内警察がやって来て、若い男がイニドゥが脱走犯であることを告げますが、その内テープレコーダーが再生され、真犯人がばれて…という話です。まあそれなりに面白かったですが、「巨人の惑星」である必然性があまり無い話でもありました。

エレキットTU-8500(完成品、パーツ交換)

中華真空管プリアンプに2日遅れて、エレキットTU-8500をサガミオーディオでパーツ交換+組み立てしたものが到着。
結果的に、このプリアンプの利得は、3.1倍(9.8dB)/1.15倍(1.2dB)の2つに切り替えられるのですが(NFの量を変えているだと思います)、後者の1.15倍の方が、300Bのシングルアンプのそのままの良さを一番引き出してくれました。要はアキュフェーズE-350でも、中華プリアンプでも、それ自体の主張がやや強すぎて300Bのシングルの良さを薄めてしまっている所があります。それに対して1.15倍というほとんどあるかないかの利得でこのプリを使うのが、300Bの実力を引き出す上では一番良いようです。では何故最初からこれにしなかったかと言うと、フォノイコライザーという私には不要なものが付いていて(真空管フォノイコライザー単体とMC用トランスは別に持っています)、それ以外のプリアンプ部はあまりコストをかけていない安物ではないかと思ったのと、何故かアムトランスで完成品は売っていますがパーツを交換したものではなかったことです。サガミオーディオはコンデンサーやボリュームを質のいいものに交換してくれています。ただこれでこちらばかり使うという訳ではなく、中華真空管プリアンプも力強さとダイナミックさというメリットがありますので、ソースによって使い分けてみたいと思います。
(写真の上段左がエレキットのプリ、上段右が中華プリアンプ、下がアキュフェーズのE-350。)

中華真空管プリアンプを試す

先日から真空管(プリメインまたはパワー)アンプ(300Bシングルアンプ、KT77シングルアンプ)に組み合わせる真空プリアンプを探しています。最初昔キットで組み立てたサンバレーのSV-3を試しましたが、色んな意味で作りが甘くて気に入らず、しばらくアキュフェーズのE-350のプリメインのプリ部だけを使っていました。これはHiFiという意味では文句ありませんが、メインのシステムがアキュフェーズE-600でそれと似たような音で真空管的な音が後退してしまいます。また、本格的な真空管プリアンプは、ラックスマン、トライオード、ウエスギ、マッキントッシュで一番安いのでも35万円コースです。それでAmazonで売っている10万円以下の中華真空管プリアンプを駄目元で試してみる気になりました。SHENZEN Yi-Xin Audio R&D Studioという所の製品で、送料込みで5万7千円くらいです。
最初製品名の中にある”Shigeru Wada Circuit”というのが何のことか分らなかったのですが、調べてみたら、1969年のラジオ技術という雑誌の2月号にて紹介されている、アマチュアの和田茂という人がその当時の定番の真空管プリアンプだったマランツ7の回路の改良として発表したもので、回路自体の原理を発明したのではなく、他の機器で使われていた回路をプリアンプに応用したみたいです。Amazonの中華真空プリアンプには、「和田茂回路」「Hetian Mao Circuit」と称したものが多く見つかります。ちなみにHetian Maoは「和田茂」をピンイン読みしただけです。で、その回路ですが、日本では和田茂回路と呼ばれることは無く、SRPP(シャント・レギュレーテッド・プッシュプル)と呼ばれています。調べてみたらラックスマンの管球プリアンプもウエスギのプリアンプもSRPPでした。詳細は私には良く理解出来ないのですがプッシュプルといっても増幅に使っているのは片方の真空管だけで、カソードフォロワーという回路で一般に抵抗を負荷とする所を、抵抗の代わりに真空管を使うものです。原理は良く分りませんが、歪みを小さくしながら出力を稼げ、かつ出力インピーダンスを低く出来るというなかなか優れた回路のようです。今回買った中華プリアンプには、片チャンネルに12AX7と12AU7が1本ずつ使われていますが、2段の電圧増幅ではなく、2本でSRPPを構成しているのだと思います。(12月22日追記:このアンプがそうかは分りませんが、https://diyaudioprojects.com/Tubes/ECC802S-ECC82-12AU7-Tube-SRPP-Preamp/ にあるように、12AX7は前段で普通に電圧増幅し、後段の12AU7で12AU7は2つの三極管が入っている双三極管なので、片方を増幅に使いもう片方をカソードフォロワーの抵抗負荷の代わりに使っているのだと思います。)片チャンネルでもう1本真空管が見えるのは整流管で、付いていたのは曙光電子の6Z4でした。
このアンプの第一印象は、結構真面目に作ってあるなということでした。但し、スイッチ類は安っぽく、特に入力2系統を切り替える押ボタンスイッチは切換えポイントも曖昧で、かつ操作感も良くないです。(一応私はスイッチメーカーに勤務していますので、そこは気にします。)実際に一度切り替えたら右側から音が出ないというのがありました。もう一度操作したら大丈夫でしたが。このスイッチは早晩交換するつもりです。
それで肝心の音ですが、一番最初に音出しした時は、「おお結構いい」でした。しかし聴き続けていると、やたらと元気が良くて高音がキンキンするのが気になりました。つないだのは300Bのシングルアンプですが、何だかシングルではなくてプッシュプルになったような音でした。そこでちょっと思いついて、整流管をあらかじめヤフオクで買ってあったRCAの6X4に交換しました。このアンプでは、スライドスイッチを切換えることで両方の整流管が使えます。(ソケットは同じですが、ピンへの回路の割り当てが違います。)6Z4は中国でしか作られていない整流管みたいで入手が難しく、6X4が使えるのは有り難いです。(といっても6X4も現在作られておらず、NECやナショナルやGEやRCAの昔の在庫がオークションサイトで売られているだけです。)6Z4は電流定格が50mAと小さく、6X4の方が70mAと若干大きいため、気のせいかもしれませんが、高音のキンキンした感じが減ったように思います。また、3時間ほどエージングすると、それなりにマイルドさが出て来ました。なお電圧増幅管は12AX7、12AU7ともスロヴァキアのJJ製が最初から刺さっていました。
中華真空管アンプの中には、真空管アンプと称しつつ、真空管はヒーターを点灯させているだけで、実際の増幅はデジタルアンプでやっているといったひどいものもあるみたいですが、今回買ったのは比較的まともかなと思います。ただプリアンプとして見た場合は入力が2系統しかないのは不便で、最低でも3系統は欲しいです。中長期的な信頼性はこれから検証になりますが、第1印象としては以上で、悪くはないです。

NHK杯戦囲碁 大西竜平7段 対 一力遼2冠


本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が大西竜平7段、白番が一力遼2冠(一力遼碁聖はついに7大タイトル戦で井山裕太を倒して天元位を獲得しました。)この碁は大西7段が体調でも崩しているのか、不出来な碁でした。固い手を打つのはいいのですが、攻めとも守りともつかない中途半端な手を打ったり、見合いになっていて自分から先に打つ必要がない箇所に一手かけたり、優勢で逃げ切ればいいというものでもない局面で、ちぐはぐな手が目立ちました。それでそうやって固い手を打って溜めた力を爆発させるのが右辺の白への攻めだった筈ですが、活きられると持ち込みになる置きまで打ったにもかかわらず、白に楽に活きられ、なおかつ自分の方が途中で右上隅から上辺で手を入れなければならず、攻めが空振りに終わりました。それどころか右辺の黒を逆に攻められ、そのため中央の白地が大きくまとまりました。囲碁は本手、固い手ばかり打っていては勝てないという見本のような1局でした。