スタートレック・TNGの”Yesterday’s Enterprise”を観ました。このエピソードはお話がそれほど素晴らしいという訳ではありませんが、今のエンタープライズ号(D)と先代のエンタープライズ号(C)がそろい踏みしたり、亡くなった筈のヤールが再登場したり、この時代にはあり得ないクリンゴンの宇宙船とエンタープライズ号のバトルが観られたり、と視聴者サービスという点では非常に良かったです。先代のエンタープライズ号(C)は戦争中だったクリンゴンの宇宙船から救助信号を受け、助けに行った所で消息を絶ったのが22年前でした。しかしその(C)が何かの時空の歪みで突然(D)の前に出現します。そしてその瞬間に歴史が変わり、まだクリンゴンと連邦は戦争中でかつ連邦が劣勢で後半年で降伏という状況になります。そんな中死んだヤールが蘇りますが、それを誰も不思議に思いません。(D)のライカー達は(C)から女性の艦長他を救助します。ピカードはガイナンから、この世界は何かおかしいと言われ、(C)を元の時空に戻すことを強く勧められます。しかしそれは戻した瞬間に彼らが全滅することを意味していました。((C)は実際には3隻のロミュラン宇宙船に襲われて爆発していました。)しかし(C)の艦長及びクルーから、家族もいないと思われるこの世界で生きていくより、元の世界で使命を果たしたいと言われ、ピカードも苦渋の決断をします。ヤールは(C)のエンジニアと恋に落ち、またガイナンから自分が無駄に死んだことを告げられ、意味のある死を求めて(C)に移って作戦の指揮をすることを選びます。時空の歪みが再度起こり、(C)が元の世界に戻ろうとする数分前のタイミングでクリンゴンの宇宙船3隻が(D)を襲い、(D)は奮戦しますが、ライカーは倒れ、エンジンは爆発寸前になります。そんな中(C)が元の時空に戻り、世界が再度修正され、エンタープライズ号は元の時空に無事戻ります。(C)がクリンゴンの宇宙船を助けようとして行方不明になったことが、戦争に良い影響を及ぼし、連邦とクリンゴンの停戦につながり、(C)は決して無駄に死んだのではありませんでした。
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ウルトラマンタロウの「青い狐火の少女」
ウルトラマンタロウの「青い狐火の少女」を観ました。これもおそらく放送が夏休み中で、那須ハイランドパークとの提携で、その施設の紹介みたいな映像が多いです。お話はある少女の母が殺生石の九尾の狐の怪獣に殺されますが、生き残った少女はキツネ憑きと言われていじめられる、しかも子供達からだけではなく、大人達からもそうされるという、「帰ってきたウルトラマン」での「怪獣使いと少年」と同様の話です。どちらも今では再放送出来ないと思います。お話は正体を現わした九尾の狐の怪獣が姿を消すのを、ZATがウルトラセブンの第一回みたいに相手に塗料を吹きかけて姿を無理矢理出させます。今回タロウは結構強くて、光線技無しでパンチとキックだけで怪獣を倒します。九尾の狐の割には弱かったです。どうもウルトラマンタロウというと、タロウと怪獣が餅つきをしたり、やたらとウルトラ兄弟が出て来て、というイメージが強かったのですが、これまで観た感じはごく普通のウルトラシリーズです。
トワイライト・ゾーンの”Queen of the Nile”
トワイライト・ゾーンの”Queen of the Nile”を観ました。パメラ・ハリスという大女優の謎を追って、ジャーナリストのジョーダン・ヘリックが彼女の自宅を訪問します。パメラは1940年の「ナイルの女王」という映画で大スターになっていますので、その時20歳台前半だったとしても、1964年当時は40歳台後半の筈です。しかし現れたパメラはどう見ても20歳台です。壁の絵は1940年当時のものですが、その時と全く変わっていませんが、パメラはその絵は彼女が子供の時に画家が想像力で描いたものだと言います。彼女とジョーダンは夕食の約束をして別れますが、庭でパメラの「母」という老婆は、ジョーダンに実は母ではなく、パメラの娘だと言います。ジョーダンは色々裏を取って次の日再度パメラの家を訪ねますが、パメラはジョーダンに睡眠薬入りのコーヒーを飲ませて眠らせ、壁の置物の中から小さな活きた甲虫が入ったケースを取り出します。それはエジプト人が不死の象徴としていた聖なるスカラベでした。パメラがスカラベをジョーダンの裸の胸に這わせると、スカラベはジョーダンの若さを吸い取り、見る見る内にジョーダンは老化して行き、最後は白骨化します。彼女は本当のエジプトの女王で、ファラオからもらったスカラベを使って若い男の生命を吸い取って自分がそれを吸収し、永遠に生き続けているというホラーストーリーでした。前に、永遠に歳を取らない男の話が出て来ましたが、その女性版でした。日本にも八百比丘尼という話がありますが、こちらは禁断の人魚の肉を食べたので罰として永遠に生きなければならなくなった、というものでした。また男性では源義経の家来であった常陸坊海尊が江戸時代まで残夢という名前で生きていたという話があります。
「飛び出せ!青春」の太陽学園の撮影に使われた高校
土曜日に上野原市の理髪店で得た情報。
昔の「飛び出せ!青春」などの学園ドラマの撮影に使われたのは上野原市の日大明誠高校だということです。
「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第44回を公開
「ローマ土地制度史―公法と私法における意味について」の日本語訳の第44回を公開しました。ついに翻訳の量が「中世合名・合資会社成立史」のそれを超えて未知の領域に入りました。
ここは「レンテンカウフ」(地代徴収権売買)の萌芽がローマにあったという話で、私には非常に興味深い箇所です。
もっとも所有権に関わる制度の大抵のものはローマ法が起源になっています。担保とか遺産の扱いとか。
NHK杯戦囲碁 一力遼4冠王 対 広瀬優一7段(2024年12月22日放送分)
本日のNHK杯戦の囲碁は、黒番が一力遼4冠王、白番が広瀬優一7段の対戦です。普通に考えると一力4冠王の勝ちを予想し、広瀬7段がどこまで食い下がれるかと思っていましたが、直近の早碁の対戦で広瀬7段が一力4冠王を半目勝ちで破っているとのことで、楽しみな対戦になりました。対戦は右下隅で白が三々に入り、這った後一間に飛んだので、黒から出切りからシチョウに抱える手があり、黒は左上隅の白の断点をシチョウアタリで覗きました。白はこれに対して右下隅に手を入れましたので、黒は左上隅の白を切っていきました。これでもつれた戦いになりましたが、白が上辺で2子を捨て石にして締め付けて、左側の白のハネだしの弱点を補おうとしたのに対し、黒が切って2子を取りに行かず、上辺の左側の黒から3線に曲った手がAIも予想していなかった好手で、結果として劫になり、振り替わりで黒は右側の白を大きく取り込み、優勢になりました。しかし白は諦めずに、かなり無理気味ですがこの取られ気味の白を活きに行きました。結局劫にはなり、また黒が劫立ての手でやや譲り気味の手を打った結果、白は何とか活きることが出来ました。しかし黒も右下隅を取った上に全体に厚いので、黒の優勢は続いていました。最後に白は上辺から延びる黒の大石を狙いましたが、包囲している白にも眼がなく攻め合いであり、黒の手数が2手ほど長いため、白の投了となりました。しかし劣勢になってからの白の頑張りは見応えがありました。
ウルトラマンタロウの「タロウの首がすっ飛んだ!」
ウルトラマンタロウの「タロウの首がすっ飛んだ!」を観ました。ある宅地造成地でダイナマイトで山を崩していたら、そこの守り神であったお地蔵さんが飛ばされて、それを欲張りな地主が家に持ち帰り、すると閻魔大王の怪物であるエンマーゴが出て来て暴れる、という話です。タイトル通り、エンマーゴの剣でタロウの首が飛びますが、ナレーションが「肉を切らせて骨を断つタロウの戦術」と説明しますが、いや首が飛んだらおしまいでしょ…
というか結局お地蔵様がタロウを助けてタロウの首を元に戻し、逆にエンマーゴの首が飛びます。ところで日本では閻魔大王と地蔵菩薩は同じであるとされているので、このお話は本当はとても変です。
荒井献先生の訃報
Wikipediaによると荒井献先生が今年の8月に亡くなられていたようです。丁度今、ジョルダノ・ブルーノとヘルメス主義に関する本を読んでいて、グノーシスとも関係があるため、荒井先生のことを思い出していた所です。荒井先生には教養学科の時の最後の半年、使徒行伝の成立に関する授業を受けました。丁度「パウロの回心」の所のテキストの訳読が私の担当になり、そのテキストに「パウロに関する伝承には誤りが多く含まれていた」というのを受けて、「あなたの(ドイツ語の)日本語訳は非常に正確でした。」と誉めていただいのが私にとっては懐かしい思い出で、今ヴェーバーの未訳の論文の初日本語訳なんていう無謀なことをしているのも、ある意味その時誉めていただいのが遠い昔ですがある意味契機になっています。
オルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」
オルテガ・イ・ガセットの「大衆の反逆」を読了。この本の名前は学生時代から知っていますが、今日まで読む機会がありませんでした。最近、長い通勤時間を活用して、これまで読むことが出来なかった本を色々読むことにしています。
それでこの本の感想ですが、まずは全体を貫くペシミスティックな調子が非常に気になりました。大体19世紀から20世紀になって、人口が増え、多くの人の暮しがその前の時代より豊かになり、余暇を楽しむことが出来るようになった、というのはとてもいいことの筈ですが、オルテガはそれをとてもネガティブに捉えます。これには理由があって、まずは書かれたのが1930年で大恐慌の真っ只中であり、ボルシェビズムだけでなくそろそろファシズムも台頭して来た時代だというのが理由の一つです。もう一つがオルテガがスペインの人だということで、オルテガは1883年の生まれで(マックス・ヴェーバーの19歳下)、15歳の時に米西戦争が起きてスペインは敗北し、キューバやフィリピンといった最後に残っていた海外植民地も失って没落の時代に入ります。オルテガだけでなく20世紀初めのスペインではペシミスティックな思想家が多かったようです。もう一つの感想は、全体に欧州至上主義的な感じがあり、それが鼻につくことです。これはマックス・ヴェーバーの宗教社会学の序論の「○○をここまで発達させたのは西洋だけ」というのが繰り返されるのに感じるものと似ています。オルテガは「西洋の没落」を書いたシュペングラーと自分の意見は違うと書いていますが、基本線は似ているように思います。それからオルテガは西洋の文明の特質の一つを「都市」だとしますが、これもヴェーバーと同じです。調べてみたらオルテガがヴェーバーを研究したということではないようですが、オルテガはドイツに留学して新カント学派やディルタイ、フッサールといったヴェーバーに大きな影響を与えた人達を学んだようなので、それで考え方が似ているのかもしれません。
オルテガは当時の大衆を「甘やかされた子供」と批判し、大ヨーロッパ、つまり今で言うEUの構築を目指す貴族的な精神を持った人が出てくるのを期待していますが、そのEUの現状を知っている今の我々から見ると、ちょっと単なる理想主義者に見えないこともありません。また今や世界でポピュリズムが大流行ですが、ちょっとオルテガのこの本の分析ではポピュリズムの本質は見えてこないように思います。
スタートレック・TNGの”A Matter of Perspective”
スタートレック・TNGの”A Matter of Perspective”を観ました。ライカーとラフォージュがアップガー博士の新しいエンジンのエネルギー源の研究の進捗をチェックに行きますが、ライカーが転送中にその宇宙ステーションが爆発します。そして連邦からライカーをアップガー博士殺害容疑で逮捕に来ます。ピカードはデータにホロデッキで宇宙ステーションの内部を再現させ、それぞれの証言に基づいて再現劇を演じさせますが、ライカーと博士の婦人との間での出来事について、ライカー、婦人、博士の助手の証言が三様に異なるという「藪の中」状況です。(Wikipediaによると、本当に黒澤明の「羅生門」を参考にしたようです。)その間エンタープライズ号は謎のエネルギーの放射によって攻撃されますが、それは非常に正確な周期に基づいていました。そのエネルギー源が惑星上からであることを突き止めたラフォージュ、データ、ウェスリー達は事件の真相を突き止めます。それは博士は既にエネルギー源の発明を完成させていたけど、欲が出てそれを連邦以外に高値で売ろうとしており、予定より早くやって来たライカーをそのことをかぎつけたのだと思った博士がライカーを殺そうとして、失敗して宇宙ステーションを爆破させてしまった、というものでした。しかしオリジナルシリーズの時は、女性とよろしくやるのは決まってカーク船長でしたが、TNGではライカーがその役を演じます。まあピカードが女性を誘惑するというのは確かに違和感バリバリですが。