真空管アンプの板金加工(3)

真空管アンプの板金加工その3。真空管ソケット用の穴開け、25φです。このサイズになると、普通のドリルは無く、ホールソーという、中心と外周に刃がついているドリルを使います。(右に写っているの)先日のスイッチ用穴開けの失敗の教訓を活かし、目的は25φですが、22φのホールソーを使いました。これが正解でした。何故なら中央のガイド用ドリルの穴を大きく開けすぎたため、刃がぶれまくってまたも座繰りをしたような感じで22φの所が23φくらいの穴になりました。それをリーマーで拡げて目的の穴径が開けられました。見た目がイマイチですが、初めてだし、ボール盤を使っていないので、多少仕上がりが汚くなるのは仕方がないです。ボール盤は安いのを買っていますが、さすがに部屋の中では使えず、ベランダとかを使うしかありません。しかし今住んでいる賃貸マンションが外壁の塗装をやっていて、ベランダが使えないんです。仮に使えたとしても夜中に盛大に音を立てて金属加工は出来ません。

真空管アンプの板金加工(2)

真空管アンプの板金加工その2。今日は電源スイッチ用の穴加工。12.5φです。最初ドリルを細い方から3本くらい使って6φまで開け、後はステップドリルという0.2mm毎に穴径を増やしていくドリルで12φまで、ここまでは問題ありませんでした。この状態でリーマーをかけて穴を少し拡げればスイッチはM12なので丁度良かったのですが、丁度12.5φのドリルを買ってあったのでそれを最後に使って大失敗!ボール盤ではなく電動ドリルを手で持って穴開けしているのでドリルが激しくぶれ、ざぐった見たいになって、13φくらいになってしまいました。これでもスイッチは固定出来るので問題はないですが、見た目が悪いのでプラモデル用のパテで少し修正しました。後で塗装しますから分からなくなると思います。教訓:穴は目的のサイズより小さめに開けてリーマーかヤスリで削って仕上げる。

真空管アンプの板金加工(1)

返金待ちながら確定申告も終ったので、いよいよ真空管アンプの板金加工に着手。まずは裏蓋のネジ穴空けから。これが結構苦戦しました。ポンチで中心穴を打ってからBoschの600W電動ドリルで穴開け、と思ったのですが、これがなかなか空きません。そうだ切削油を使ってなかったと思って使っても、なかなか空きません。と思ったらドリルが逆回転でした…正回転にしたらわずか2秒くらいでバリも少ない綺麗な穴が開きました。それで8箇所空けて本体にネジ止めしようとしたら、ネジ穴が微妙にずれていてネジが入りません。そこでその状態で改めてドリルで穴を開け直したのですが、これをやると本体側のネジ加工が全部飛んでしまいます!それでナットを瞬間接着剤で接着してネジ止めしようかと思いましたが、以前ルンダールのトランスを300Bアンプに付けた時、ネジ穴加工が必要と思ってM4のタッピングドリルを買っていました。それを思い出し、改めてM4のネジ穴を空けることにしました。これは一度空けた後、ドリルを逆転させないと引き抜けないということに気付くまで少し時間がかかりましたが、結果的には大正解で、ちゃんとM4のネジ穴加工が出来、ご覧の通り8箇所で止めることが出来ました。ちょっと傷があちこちに入ってしまいましたが、当初は予定になかった塗装をしてごまかそうと思います。今日は単純なアルミ板への穴加工とタッピング加工のスキルを得ることが出来ました。こうやって少しずつ経験値を高めていきたいと思います。

ペルチェ素子をテスト

真空管アンプの電源トランスの冷却にペルチェ素子が使えないかと思って、Amazonで素子自体を買って実験してみました。
結論としてNGです。
まずはペルチェ素子に電動のファンを組み合わせたものが、CPUクーラーという名称で売られていますが、オーディオアンプに使うので音がするファンは望ましくありません。
それでペルチェ素子単体を買いました。使い方は簡単で、赤のリード線に+、黒にーの安定化電源をつなぐだけです。最初標準電圧という12Vまで流してみましたが、冷却されるどころか手ではとても持てないくらい熱くなりました。私はペルチェ素子を電流を流すと温度が下がる素子と思っていましたが、よく考えてみたらそんな熱力学に反するようなものがある訳がなく、正しくは片側を温度を上げ、反対側をその分温度を下げる素子です。従って、冷却目的で使うには、温度が上がる側の熱を効率的に放熱しないと、却ってその近くのものの温度を上げることになってしまいます。ちなみに4Vで1Aぐらいかけた場合、片側は51℃、反対側は31℃、その近くのテーブルの表面は28℃で、まったく冷却になっていません。この素子の反対側に馬鹿でかいヒートシンクを付けて、なおかつ何Aもの電流を流し続けるというのは、電気代もかかりますが、何より火事等の危険があります。また、ペルチェ素子の片側にヒートシンクを付けるなら、電源トランス自体に付けた方が早いです。
という訳で結果はNGでした。まあ新しい知見が増えたということでは無駄では無かったです。

レコードプレーヤー復活

久し振りにラックを整理してD級アンプを片付けて代わりに真空管アンプを入れ、アナログレコードをまた聴けるようにしました。なんせしばらくの間、レコードプレーヤーのアクリルカバー(専用ではなく、私がアクリル加工屋に注文して作らせたかなり頑丈なもの、プレーヤー本体には接触せずかぶせているだけ)の上に真空管アンプを置いて聴いていました。全段差動プッシュプルアンプの球はKT170を試しています。
やっぱり真空管アンプ+アナログレコードという組み合わせはいいです。

真空管不足?

あくまで私の予想ですが、今後真空管全般で入手困難・納期がかかる・値上げという事態があると思っています。理由は世界の真空管の生産におけるロシアのメーカーのシェアは少なく見ても40%はあり、今回のウクライナ侵攻の制裁とそれに対するカウンターの制裁によって、ロシアからの真空管の調達は難しくなるように思います。Mullard、TSUNG-SOL、エレハモ、Sovtek、Svetlana、Gold Lion、全部作っているのはロシアの会社です。まあ後はスロバキアのJJと中国メーカーがありますが、少なくとも需給はかなりタイトになると予想します。私は取り敢えず12AX7、12AT7、12AU7の予備を買うことにしました。(これらはギターアンプで結構な量が使われているので、手に入りにくくなるとしたら、ここらあたりから、と思います。)

電源トランスにヒートシンクを追加

全段差動プッシュプルアンプにてKT150を使う上で、電源トランスの過熱を防ぐ気休めとしてアルミ製のヒートシンクを付けてみました。一応熱伝導性の高耐熱両面テープで固定し、なおかつ高熱伝導シリコンペースト(パソコンのCPUにヒートシンクを付ける時に使うもの)をトランスの上に塗ってから装着しています。まあ、せいぜい1℃くらい表面温度が下がるぐらいだと思います。大体このアンプ電源トランスと出力管の位置が近すぎです。

サンバレーの非科学的記事の例

KT170について調べていたらサンバレーの記事が出てきて、ああまたいい加減なことを書いているなと思ったので紹介します。
このページで、いわゆる赤外線放射温度計で稼働中の真空管の温度を測ろうとしています。「非接触の赤外線温度計でプレート中央温度を測定してみると」とありますが、そもそも赤外線放射温度計でガラス越しの中のものの温度を測れるのでしょうか?私が持っているFLUKEの59miniという赤外線放射温度計のマニュアルには、イラストですが、窓越しには中のものは測れず、窓を開けて測れとなっています。
また測定器メーカーのジャパンセンサー(株)のHPでは、「真空槽内のワークを窓越しに温度を測定する場合は、使用する窓材が温度計の測定波長領域において赤外線を十分に透過している必要があります。」とあります。一般的に安価な赤外線放射温度計の波長は10µ前後(リンク先のマニュアル参照)です。一方真空管のガラスは硼珪酸ガラス(BK)とか鉛ガラス、石英硝子などのようです。(ここを参照)鉛ガラスは分かりませんが、上記のHPによれば硼珪酸ガラスと石英硝子はこの10µという波長の赤外線を通しません。被測定物から出る赤外線で温度を測定している赤外線放射温度計では、従って真空管内部の各部の温度を測ることは出来ず、ここで測定しているのは単に真空管のガラスの表面温度です。これは実験で簡単に確かめられます。
左はKT150ですが、①と②の箇所を、手持ちのFLUKEの59 Miniという赤外線放射温度計で測ってみました。もしこれがプレートの表面を本当に測定しているのなら、プレートの熱伝導性から考えて①と②の温度に大きな違いは無い筈です。(真空管の中は当然空気の対流はありません。)やってみた結果は①が130℃で②が115℃と15℃も違いました。これは明らかにガラス管表面の温度です。真空管の外側は空気の対流により熱が上方に運ばれますから、上の方が下より温度が高くなります。
EL34よりもKT170の方が温度がはるかに低いといっていますが、それは熱せられたプレートから表面のガラスまでの距離による違いの方がおそらく大きく、プレートの温度がKT170の方が低いということはこの測定結果からは言えません。それどころか、プレート電流がKT88の1.25倍なんだから、プレート表面の温度はKT170の方が高い筈です。まあ大したことではありませんが、一時が万事で、ここのブログの記事はともかく非科学的なやり方でおかしな結論を出していることが多く、最初から眉唾と思って読んだ方が間違いがないです。

PLC86超三結アンプの波形(方形波)

超三結アンプの入力にファンクションジェネレーターでの方形波を入れ、それをオシロで見てどうなっているかを見てみました。50Hzから始まって上は40KHzまで撮っています。スピーカー端子には6Ω50Wのダミー抵抗を付け、それに並列にプローブを当てています。他と比べた訳じゃないので、この波形が良いのか悪いのか判定が出来ませんが、ただ非常に小さな出力トランスを使っている割りには低域は健闘しているんじゃないでしょうか。

デジタルオシロスコープ+ファンクションジェネレーター


真空管アンプの測定用に、両方中華製ですが、デジタルオシロスコープ+ファンクションジェネレーターを買いました。オシロを使うのはまったくの初めてで、おまけに日本語のマニュアル無しです。幸いなことに、機能とデザインがテクトロニクスの1番安いのとほぼ同じようなので、テクトロニクスのマニュアルを見ながら使おうと思っています。最初、1,000Hzの校正信号を表示させてみたら、盛大にリンギングが出て、何じゃこれは、と思ったのですが、単なるプローブの容量を調整していないだけでした。取り合えず超三結アンプにつないで正弦波を入れて表示させることは出来ました。