TOEICのL&Rは今年965点取れたので、もう良しとし、来年からはS&Wを受けることにしています。ライティングは以前いた会社の研修で半年間の講義を受けたことがあります。しかしスピーキングについては、元々貿易の仕事をこれまで通算で15年ほどやっていましたのでそれなりに経験はありますが、残念ながら今やっている仕事ではあまり英語をしゃべる機会がありません。(書く機会はそれなりにありますが。)
そういう訳で、スピーキングを強化する手段を考え、結論としては英会話学校(AEON)に週1回行き、それでは足らないのでオンライン英会話もやることにしました。オンライン英会話は調べてみると多数のサービスがありますが、ほとんどがフィリピン人を講師とするものです。別にフィリピンに偏見を持っている訳ではありませんが、初級者や中級者ならともかく、この段階にまで達したならやはりネイティブから習いたいと考えます。それで色々探したら、EF English Liveというサービスがネイティブ講師を売り物にしていました。この写真にあるように、講師はほとんどアメリカ人かイギリス人であるように見せています。
しかし、実際に契約して6回ほどプライベートレッスンをやってみた講師の実態は以下の通りです。
1回目:ボストンに在住のアメリカ人女性。しかし、名字が「チャン」で明らかに中国系。週末はいつも中華料理を食べに行くといっていたので間違いないでしょう。
2回目:南アフリカの男性。
3回目:ドミニカ共和国に在住のアメリカ人。
4回目:南アフリカの黒人女性。
5回目:南アフリカの黒人女性。(4回目とは違う人)
6回目:南アフリカの黒人女性。(4回目と同じ人)
という具合で、実に6人中4人が南アフリカの講師でした。気になってWikipediaで調べたのですが、南アフリカの第1の公用語は確かに英語でしたが、2011年の国勢調査によれば、国民の内、英語を母語(第一の言語)とする人の割合はわずかに8.6%で、ほとんど都市部に住むオランダ系の白人やインド系の人に限られるとのことでした。ということは、ほとんどの人はまず最初に英語以外の言語を覚え(南アフリカには実に11もの公用語があります)、それから学校で英語を習うということになります。このことは、フィリピン人講師とまったく違いがありません。
このことについて、EF English Live側にクレームしましたが、返ってきた回答は、「(予約)時間が偏っているので別の時間を試して欲しい」ということでした。つまりは時差の問題で、当たりやすい国とそうでない国があると言いたいようです。しかし、時差の問題なら、南アフリカと1時間の時差しかないイギリス人講師が一度も出てこないのはきわめて不自然です。(ちなみに予約していたのは夜の8時か9時で、南アフリカ、イギリスとも昼間です。)しかも、「ではどの時間にすればアメリカ人やイギリス人講師に多く当たるのか」と質問しましたが、「そういう事は教えられない」という木で鼻をくくった回答でした。なお、EF English Liveの講師はあらかじめ一覧などでこちらが見ることが出来る訳でなく、プライベートレッスンを予約すると自動的に割り振られます。一度レッスンを受けた講師については、名前が判明するので次回からその講師を再度指名することは可能ですが、6回やってちゃんとしたネイティブのアメリカ人としては1回だけです。(ちゃんとしたと言っても何故かドミニカ共和国在住の人ですが。)
あまりにひどい対応なので、EF English Liveとの契約はキャンセルしました。現在はEigoxという別のサービスを試しています。こちらはちゃんと講師の一覧が表示され、国籍、性別、経験年数などを指定して検索し講師をこちらから選ぶことが出来ます。EF English Liveよりはるかにマシと思います。
ともかく、EF English Liveの写真の広告は詐欺に近いと思いますので、ここで晒しておきます。
カテゴリー: English
私の外国語歴
私の人生で、「外国語の学習」はきわめて大きな部分を占めています。
今まで少しでも手を出した外国語は1ダースを超えています。
時間をかけた順番で言うと、
1.英語
これはまあ仕事の必要性に応じてですね。以下の英語以外の外国語をやらずに英語だけに集中していたら、とっくにネイティブ並みになっていたと思います。なんで50台に入るまで英語に集中しなかったかというと、戦争で広島と長崎に原爆を落としたアメリカを心のどこかで今でも許せない気持ちがあって、本当の意味でアメリカが好きにはなれなかったからです。
2.ドイツ語
大学の卒業した学科が、「ドイツの文化と社会」という所だったので、大学時代の特に後半2年間は集中してやり、ゲーテインスティチュートというドイツ語の会話学校にも2年間通いました。卒論もドイツ語で書きました。とはいえ、卒業以降ほとんど使っていないので、かなりの部分忘れていますが…
3.韓国語
最初に勤めた会社で仕事で30回以上韓国に出張していたので、必要に迫られての学習です。NHKのラジオの韓国語講座を2回やりました。まあ片言レベルですが、韓国語の歌なら日本語の一切出てこない現地のカラオケで20曲以上歌えます。
4.古典ラテン語
大学の時、1年生の時1回トライして挫折し、4年生の時再トライして半年間受講し、Aをもらいました。その後社会人になってから、大学時代に使った教科書の残りの半分を独学でやりました。その教科書(英語)の練習問題の答を私のHPに載せているので、私のHPのビジターの約7割はアメリカからです。
5.古典ギリシア語
ラテン語の文法を一通りやったので、その後古典ギリシア語にもチャレンジ。”Teach Yourself Ancient Greek “という英語の教科書を独学でコツコツ数年間やって教科書の8割くらいまでやりましたが、「うつ」になったので中断したままです。
6.イタリア語
これは最近やっているもので、オペラを聴くのにイタリア語がわかったらいいなという動機です。英語の片手間に月に4日間しか時間を割いていませんが、NHKのラジオ講座を聴いてもう2年と4ヵ月に達し、それなりにはわかるようになってきました。
7.ロシア語
大学の時に第3外国語の授業を取って半年間受講。結構真面目にやりましたが、諸般の事情で単位は取っていません。さすがにほとんど忘れています。
8.フランス語
これも大学の時に第3外国語の授業で半年履修。こちらはかなりいい加減にしかやらなったのですが、何故か単位だけは取っています。Cでしたけど。
9.スペイン語
これも大学の時に第3外国語の授業で取ったけど、教科書買って数回授業に出た程度で挫折。
10.マレー語(インドネシア語)
最初の会社の時に、シンガポールの工場の担当で、現地スタッフがマレー語を話すので、ちょっと興味があって、ほんの少し学習。辞書は買ってもっています。いくつかのフレーズをちょっと暗記しているぐらいのレベル。
11.広東語
これまでの中に中国語が入っていませんが、私は中国があまり好きじゃないので意図的に避けています。その代わりといっては何ですが、香港ノワールの映画(「男たちの挽歌」など)が好きだったので、その関連で教科書を買ってちょっとだけ学習。2つくらいのフレーズを記憶している程度。
12.フィンランド語
今の会社の仕事でつきあいがあったのと、「欧州で一番難しい言葉」というのにつられてテキストを購入。しかし実際にはほとんど勉強していません。
13.その他
教科書を買ってあるだけなら、他にヘブライ語やサンスクリット語、スウェーデン語などもあります。
第221回TOEIC結果 正式通知
日立英語検定(HELPT)のこと
以前、新社会人になってから10年間、ある日立グループの会社に勤め、海外営業部門に所属していました。日立グループでの英語の実力の尺度は、1990年代になってTOEICが採用されるまで、HELPT(Hitachi English Language Proficiency Test)という独自の英語検定がありました。これは、A、B、C、D、E、Fの6段階のテストでした。TOEICみたいにスコアではなく、どの段階に合格するかというものでした。一応Bが英検1級相当ということになっていました。Aは最高クラスですが、実際にはグループ内に該当者がいないということになっており(本当はいたと思いますが)、私の時は試験自体が実施されていませんでした。私は入社して2年目くらいでまずDに合格し、翌年C、そのまた翌年にBとトントン拍子に合格しました。Bが英検1級相当というのは、私の経験から言って絶対そんなことはなく、準1級よりももしかすると下かもしれません。(実際に日立グループの会社の時に受けたTOEICの点数は895点で、これは英検1級レベルではありません。)Bの試験の時はペーパーテストの後、ネイティブによる面接テストがあり、当時お茶の水にあった日立製作所本社ビルまで行った思い出があります。インターネットを検索してもこのテストについての情報はほとんど出てこないので、記録のためにアップしておきます。
第221回TOEICの結果
TOEIC Listening & Reading 第221回テスト受験
TOEICのL&Rテストの第221回を受験してきました。会場は明大の生田キャンパスで、一昨年と同じです。小さな教室で人数も35人くらいでリスニングで聴き取りにくいということはありませんでした。これで通算5回目の受験です。
リスニングは一部迷った問題もありましたが、昨年より全体に易しく感じました。これは問題が易しくなったのか、こちらのリスニング力が上がったのかはどちらか分かりません。
これに対し、リーディングは途中までは順調で時間も残り50問で55分くらい残していてペースとしては上々でした。しかし後半の読解で結構時間を消費し、残り10問で丁度10分というきわどい展開に。特に最後の5問が難しく、結局2問は「塗り絵」になってしまいました。まったく、Hassanって誰だよ。(3つある文書の最初のアーティクルでHassanはどのように書かれていますか、っていう問題がありましたが、そのHassanがどこに書かれているのかが見つけられませんでした。)一応昨年はリーディングで465点、その前は455点で受験者の上位2-3%に入っていてこれですから、多くの人が塗り絵だったのではないかと思います。
松本道弘の「難訳・和英口語辞典」
松本道弘の「難訳・和英口語辞典」を読了。「辞典」となっていますが、実際には英語に関するエッセイみたいな感じで読めます。会社で日本語の文書を英訳している時にしばしば「これはどう訳せばいいのか」と悩むことの解決になればと思って買ってみましたが、この本は「口語辞典」であって、書き言葉の英訳にはあまり役に立たないと思います。また、「口語」としても、実際に会話している時にこの辞典を引くわけにもいかず、そうだからといってこの本の内容を一度読んだくらいで全部マスターして、すらすら口から出てくるなんてこともあり得ないので、実用性に関しては疑問です。ただ、ネイティブにとって理解しやすい、本当の意味での英語らしい表現を学ぶ本としては価値があると思います。ただ、「難訳語」の英語化といっても、個人的見解では、いつの場合でもこれで大丈夫といった決まったものはないと思っています。文脈や伝える相手の教養の程度などで、その都度英訳も変わらないといけないと思っています。
猪浦道夫の「英語冠詞大講座」
猪浦道夫の「英語冠詞大講座」を読了。これで実に4冊目の冠詞に関する本を読了。筆者はイタリア語を専門とするポリグロット(多数の外国語を知っている人)で、その視点からの指摘がなかなか参考になり、例えば、”The dog is an animal.”などと言った、theを使った総称表現は、フランス語の書き言葉の影響なのだそうです。ちょっと本当かなという気もしますが。また、抽象名詞に冠詞をつけないのは、欧州の主要な言語では英語だけなんだとか。これは多分本当でしょうね。この本の説明は本の半分までで、残りは練習問題とその解答・説明です。この練習問題がかなりボリュームあって、冠詞の特訓には最適です。でも正答率は6~7割に留まりました。本当に冠詞は例外が多くて困ります。例えば病気の名前は、(1)無冠詞:命に関わるような重い病気が多い。pneumonia(肺炎)、leukemia(白血病)など。(2)不定冠詞:日常的に何回もかかるものや、症状に近いもの。a cold、a sprain(捻挫)など。(3)定冠詞:the flu(無冠詞も多い)、the hives (じんましん)など。
この本の欠点ですが、ともかく校正レベルが低いことで、全巻を通してかなりの誤りがあります。それも単純な誤植ではなくて、There are three cats. One is white, and the other is black.のようなまったく意味不明な例文が載っています。(最初の文がThere are two cats.ならOK。)
デイビッド・セインの「ネイティブが教えるほんとうの英語の冠詞の使い方」
原田豊太郎の「英文ライティング『冠詞』自由自在」
原田豊太郎の「英文ライティング『冠詞』自由自在」を読了。正保富三の「英語の冠詞がわかる本」が得るところが少なかったため、さらに冠詞の使い方の理解を求めて買ったもの。筆者は1941年生まれで、東大の応物出身。技術英語の本をたくさん書いている人です。この本に書いてあることで、目から鱗だったのは、ネイティブが使ういわゆる英英辞典には、[U](不可算名詞)と[C](可算名詞)という記号はついてないよ、ということ。何故ならばほとんどの不可算名詞は、可算名詞になることもあるから。有名な例としては、自由=freedomは普通不可算名詞ですが、セオドア・ルーズヴェルト大統領は1941年に「四つの自由」を唱えました。((1) 表現の自由,(2) 信仰の自由,(3) 欠乏からの自由 ,(4) 恐怖からの自由 )これの英語はfour freedomsです。「英辞郎」に[U]と[C]が載っていないのは何故なんだろうと常々思っていましたが、疑問が氷解しました。
また、この筆者は、「a〔数えられる名詞〕が特定の一つの事物をさす」という、非常にパラドキシカルな場合があることを強調します。それは書き手が特定の事物を取り上げているという意識がないのに、特定性が生じることが特徴だと言っています。説明は長くなるので省略します。
この本は、正保本よりも実用的だと思います。ただ、こうした本では、結局規則とその例外を示すので、印象深いのはむしろ例外の方で、こうした本を読んだためにかえって実際の英文を書くときに悩んだり、誤ったする可能性が増えるのではないかと思います。結局規則で冠詞を理解しようとしても限界があって、語学というのはやはり慣れるしかないということを改めて思い知らされます。ただ、それでも諦めきれないので、この本の中で紹介されていた、デイビッド・セインの冠詞の本をさらにAmazonに注文しました。