アウター・リミッツの”The Probe”

アウター・リミッツの”The Probe”を観ました。これが最終話になります。ある飛行機が台風に巻き込まれ、海に不時着を余儀なくされます。救命ボートでパイロットらを含む4人が助かりましたが、ほどなく彼らは海の上ではなく、何かの固体の床の上にいることに気が付きます。そこでは天井から不思議なライトが降ってきて、濡れた服を乾かしたり、あるいはそこにいる生物を凍り付かしたりします。また何かの巨大アメーバみたいな生物が現れ、一人はおそらくそいつに食べられてしまいます。残った3人は色々と中を調べ、その装置が巨大な顕微鏡ではないかと思い当たります。同時に彼らがいるハウジングみたいなものは、異星人による探査装置(Probe)ではないかと考え始めました。やがて中に通信装置のようなものを見つけたので、何とか通信を試みますが、その間にもう一人が消えてしまいます。またその探査装置は地球を離れて水星に向かおうとしていることが分り、このままだと全員死んでしまいます。それで結局最後はこちらの意図が向こうに伝わったようで、相手のエイリアンは残った人間をその探査装置の中から出します。そこでは先ほど消えた2人も無事でした。そしてやがて救助機がやってきて4人は助かります。彼らの無線装置は故障していましたので、それもおそらくエイリアンの配慮でした。こうして寛大なエイリアンのお陰で命拾いした、という話でした。
うーん、ずーっと暗くてエイリアンというと地球を侵略するとかが多かったので最後はこういう希望を持たせるような話にしたのかもしれません。

ロバート・ワイズの”Star Trek: The Motion Picture”

スター・トレックの最初の映画である、”Star Trek: The Motion Picture”を観ました。まず、ネクスト・ジェネレーションのテーマ音楽が、この映画版で使われたものであることが分りました。そのネクスト・ジェネレーションと違って、エンタープライズ号のクルーはほぼオリジナルのままで、カーク、スポック、マッコイ、チェコフ、スールー、ウフーラ、スコットなどです。映画上はオリジナルでの5年間の調査飛行が終って、カークは2年半提督として地上勤務だったという設定ですが、実際の時間はオリジナルが終って10年ちょっと経っていますので、演じている俳優はそれぞれそれなりに老けています。まず、カークがエンタープライズ号に久し振りに戻って来てというのが、何だか「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士達」みたいでした。はるか宇宙の彼方から地球を目がけて何かがやって来て、それに立ち向かうという設定も一緒です。
カークがやって来て、それまで艦長だったデッカーが副に格下げになって、その二人の心理的対立とかの細かい描写をするのが、スター・トレックらしくて良いです。お話は、1970年代のボイジャー計画を使ったもので、実際にはなかったボイジャー6号というのが、話の中心に使われています。映画としてストーリーは良く練られていると思いましたが、オリジナルのシリーズの内容を大きく超えるものではないと思います。(というか元ネタは、オリジナルのシーズン2の”The Changeling”だと思います。)ただ特撮という意味では、まだCGがまだ一般的ではなかった1979年の段階で、結構頑張っているなと思いました。

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Justice”

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Justice”を観ました。エンタープライズ号はある星へ地球の植民者を送り届けた後、その近くに地球型の美しい星を見つけます。そこの住民は完全に地球人と同じであり、平和に楽しく皆が暮している楽園のような星でした。しかしエンタープライズ号はその惑星の軌道上に半透明の宇宙船のようなものを発見します。それはデータを通じて情報を得て、この星系に入ることを許可出来ないと言います。そうしている内に、上陸して星の子供達と遊んでいたウェズリーが誤って花壇を壊してしまいます。そうするとミディエーターという2人が現れ、「全ての法律違反の処罰は死刑である」として、ウェズリーに毒を注射しようとします。他のクルーによっウェズリーの処刑は妨害されましたが、その厳罰主義こそこの星の平和を維持しているものであり、それを守らないことは、スター・フリートのPrime Directive(最優先指令)の違反になるのではないか、そして軌道上の宇宙船、それは星の住民から神と呼ばれていましたが、そうするとこちら側の遵法の矛盾を突かれるのではないかとピカードは悩みます。ピカードは星に上陸し、ウェズリー他を連れ帰ろうとしますが、転送装置が作動しません。ピカードは「神」に対し「正義の実現には例外が必要である」と主張し、結局それが「神」に認められ、全員無事に帰還します。
うーん、何か変な話で、Prime Directiveを遵守するなら、星の文化をあらかじめ良く調べるなど慎重に行動すべきで、いきなり転送で何人か送るということ自体変なのでは。また地球でも「外交官特権」のようなものがあり、そういう事態はスター・フリートの規定は当然最初から想定している筈ですが。どうもこのネクスト・ジェネレーションは今一つすっきりしない話が多いです。

帰ってきたウルトラマン」の「恐怖の怪獣魔境」

「帰ってきたウルトラマン」の「恐怖の怪獣魔境」を観ました。
郷秀樹はウルトラマンと一心同体なので、人間には見えないものが見え、聞こえない音が聞こえます。それで「怪獣を見た、鳴き声を聞いた」と言い張っても誰も信じない、という、トロイア戦争の時の王女カッサンドラ(アポロンによって未来予知能力を与えられたのですが、その力でアポロンが浮気するのが分ったので愛を拒んだ結果、アポロンはカッサンドラの予言は誰も信じないようにします。それで自分の国のトロイアがギリシアによって打ち破られ滅亡することを予言しますが、トロイアの人は誰もそれを信じませんでした。)みたいなことになります。
そんな中、隊員間の対立を解決するため、加藤隊長が単身霧吹山に出かけて、怪獣に襲われ遭難する、という話です。いくらなんでも隊長一人で行くのは無謀だと思いますが。ついでに郷秀樹のお父さんも山で遭難し、救助隊が後100mの所にまで来ていながら見つけてもらえないで死んでしまう、というトラウマ過去も紹介されます。
この話で怪獣が二匹出てくる必要性はないのですが、ウルトラマンの「怪獣無法地帯」の影響か、サドラとデットンという二匹が登場します。デットンはちょっとテレスドンみたいです。(今調べたら、実際にテレスドンのスーツが使われたようです。)でウルトラマンは初代以来の必殺技のスペシウム光線と八つ裂き光輪で二匹を倒します。

トワイライト・ゾーンの”A Piano in the House”

トワイライト・ゾーンの”A Piano in the House”を観ました。劇評論家のフィッツジェラルド・フォーチュンは、彼の妻のエスターの26歳の誕生日プレゼントに、古道具屋でピアノロール(自動演奏ピアノ)を買い求めます。エスターは本当はピアノを習いたかったのですが、フィッツジェラルドはそれをお金と時間の無駄だと考え、自動演奏ピアノを買います。そのピアノロールはしかし不思議な力を持っていて、その音楽を聴いたものは、隠していた本性をすべて露わにしてしまうことが出来ました。執事のマーヴィンはいつも陰気な男ですが、その音楽を聴くと、自分が本当に幸せであるとニコニコしながら言います。そして次にエスターに音楽を聴かせると、彼女はフィッツジェラルドと結婚したのは若気の過ちで、今は彼を憎んでいると言います。誕生パーティーのゲスト達がやって来て、その中の一人の劇作家で独身主義者のグレゴリーに音楽を聴かせると、彼はエスターを愛しており、メキシコへ一緒に不倫旅行をしたと告白します。次に太った中年女性のマージが実験台にされ、彼女は小さな少女ティナでダンスが趣味だと言って踊り出します。最後にフィッツジェラルド自身が悪魔とはどういうものかを演じるため、ファウストの音楽をかけようとしますが、エスターがそれをブラームスの子守歌に差し替えます。その音楽を聴くとフィッツジェラルドは、自分は人に対して意地悪をするしかコミュニケーションを取ることが出来ない、グレゴリーの脚本を酷評したのも、その才能に嫉妬したからだ、と告白します。客は皆彼の元を去り、ただマーヴィンだけが彼を見捨てずに残ります…
といったエピソードで、後味の悪さが残る話です。星新一のショートショートで、皆が肩にロボットの鳥を載せていて、どんなに悪口を言おうとも、その鳥がきわめて礼儀正しい言葉に翻訳して人とコミュニケーションする、というのがありましたが、その逆の話でした。

本多猪四郎の「マタンゴ」

本多猪四郎の「マタンゴ」を観ました。これもかなり前に買ってまだ観ていなかったもの。1963年東宝の作品で、何となく怪獣もの系のイメージがありますが、結構本格的な怪奇スリラーという感じでした。何より監督が本多猪四郎、特撮が円谷英二、原案(元は海外の小説でSFマガジンの1961年の別冊に日本語訳が載ったもの)が福島正実と星新一、音楽が別宮貞雄で、かなり豪華なスタッフ陣です。そして俳優にはレインボーマン父+クイズグランプリ司会の小泉博、ウルトラQの純ちゃんの佐原健二が出ています。(二人とも途中で死にます。)女優二人は私にはなじみが無い人です。
金持ちのボンボンの豪華ヨットが低気圧で難破し、乗っていた7人が無人島に流されます。そこは霧に覆われていてキノコ以外の食物はほとんどなく、ただ難破船の中に「キノコを食べるな」というのがあり、最初は皆手を出しません。しかし食料が尽きると一人二人とキノコに手を出し始め、最後は生き残った一人以外は全員キノコを食べてキノコ人間化して、というストーリーです。ちなみにマタンゴと化した人間の声がケムール人やバルタン星人のものと同じでした。しかし生き残った一人の述懐にもありましたが、全員がマタンゴになれば別にそこで人間対マタンゴという対立は無くなるので、そこでキノコとして生きていく方が良かったのかも。なおキノコを食べるとハッピーになるということで、5年ぐらい後から始るサイケの世界を先取りしています。なお、生き残った一人の婚約者がキノコを食べて「このキノコ本当においしいのよ」と艶然と微笑むのが秀逸。

アウター・リミッツの”The Premonition”

アウター・リミッツの”The Premonition”(予感)を観ました。X-15というアメリカの超音速実験機(実在)の試験飛行で、パイロットのジム・ダーシーはマッハ6の速度を達成した後、降下中にエンジンが不調になり砂漠の中に不時着します。彼がそこで見たのは時が止まった世界で、彼以外は動いていませんでした。しかし彼はそこに妻のリンダが車の事故で気絶しているのを発見します。リンダは彼の着陸を見に来ていました。リンダは彼と同じでこの世界で動いていました。ジムは自分の飛行機がまだ空中にあるのを発見しましたし、リンダも自分と自分の車が止まっているのを発見します。基地に戻って計器を調べた結果、彼らは10秒だけ未来に来てしまったことが分ります。そこに彼らの子供であるジェーンが三輪車に乗っているのを見つけますが、ジェーンも動いていませんでした。しかし結局時が止まっているのではなく、1秒が30分ぐらいのスピードで動いていることが分ります。恐るべきことにジェーンの三輪車の横からサイドブレーキをかけ忘れたトラックが動き出しており、このまま行くとジェーンは轢かれてしまいます。そんな中彼らは奇妙な動く人間を見つけ、火を恐れるその人間を糾弾しますが、それは以前彼らと同じように時の狭間に落ち込んだ人で、彼らが元に戻るチャンスを奪って自分が助かろうとしていました。二人は火を使ってその人間を基地から出られなくし、そしてリンダの車からシートベルトを切り出して来て、トラックの後輪とサイドブレーキを結び付け、タイヤの回転に伴いサイドブレーキが引かれるようにします。二人はそれぞれ飛行機と車の中に戻り、時間が再びシンクロし、二人は元の時間の流れに戻れました。ジェーンもジムの仕掛けが成功して無事でした。しかし二人はその記憶を無くしており、ただ「予感」がしたからここに急いで来た、と話します。
何故パイロットだけでなく、その奥さんも時間の狭間に落ちるのかがちょっとこじつけでしたが、ジェーンの命を救うというのを絡めた結果、それなりに面白い話になったと思います。なお、X-15の動画は実際のものでしょうね。

スター・トレック・ザ・ネクスト・ゼネレーションの”Lonely Among Us”

スター・トレック・ザ・ネクスト・ゼネレーションの”Lonely Among Us”を観ました。最初はある二つの敵対するエイリアン同士が、連邦への所属と仲裁を求めて来たため、エンタープライズ号が双方の代表団を「議会」と呼ばれる星へ送り届けるという話でした。しかし途中からメインは、あるエネルギー体みたいなものの側をエンタープライズ号が通った時に、そのエネルギー体の一部がウォーフに乗り移り、次に女医のクラッシャーに移り、一人のエンジニアを殺した後、最後にピカード船長に乗り移ります。そして乗り移られたピカードが何故かそのエネルギー体のあった場所へエンタープライズ号を戻らせることを命じ、そこに着くとピカードに乗り移った何かはピカード毎転送でそのエネルギー体に戻ります。残ったクルーが必死にピカードを元に戻そうとして成功する、という話です。二つのエイリアンはそういった事件の犯人として疑われるだけで、データがシャーロック・ホームズの真似をするのがちょっと面白いだけという、非常に出来の良くないエピソードでした。

「帰ってきたウルトラマン」の「タッコング大逆襲」

「帰ってきたウルトラマン」の「タッコング大逆襲」を観ました。ウルトラQのスダールよりはマシですが、このタッコングも「タコ+キングコング」で安直なネーミングです。そもそもタコの怪獣を考えるのは世界でも日本人くらいかと。ちなみにタコは隕石に卵が付着して宇宙より地球にやって来たという説がマジでオーストラリアの研究グループによって唱えられています。
ウルトラマンでのオイル怪獣はペスターでしたが、「帰ってきた」ではこのタッコングです。でもスペシウム光線であっさりとやっつけられます。
ちなみに本編のドラマでは、ウルトラマンの身体能力を身に付けた郷秀樹が、剣道や柔道でMATの隊員である有段者に楽勝し、それによって自惚れた郷が命令違反をしてそのために南隊員が負傷するという話です。このようにハヤタ隊員やモロボシダンは人間的にも立派で非の打ち所がないという設定でしたが、「帰ってきた」では未熟な主人公が成長していく、という点でスポ根ドラマの影響が見られます。

トワイライト・ゾーンの”Kick The Can”

トワイライト・ゾーンの”Kick The Can”を観ました。舞台はサニーヴェール老人の家で、そこの住人であったチャールズ・ウィットレーは、「今日息子が連れ帰りに来てくれるんだ」と喜び勇んでホームを出て行きましたが、息子はただ来るといっただけだ、と連れ帰ることを拒みます。仕方なくホームに戻ったチャールズでしたが、子供達が缶蹴りをして遊んでいるのを見て、実は若さを保つ魔法は、子供達と同じことをすることではないかという考えを思いつきます。そして他の老人達を夜中に起して、皆で缶蹴りをします。彼の小さい頃からの友人のベンはチャールズの言うことを信用せず缶蹴りに加わりませんでしたが、しかし外に出てみてそこで缶蹴りをやっていたのは老人達ではなく子供達でした。その中の鬼をやっていた子は、まさしくチャールズの子供の時の姿でした。ベンはすごすごとホームに引き返すという話です。
まあ自分も60歳を過ぎたので多少身につまされる話でした。確かに子供に戻ることは出来なくても、何でもやってみるというのは若さを保つ秘訣であるのはそうだと思います。しかし、缶蹴りというのは日本でもアメリカでもやり方は同じのようでした。