トワイライト・ゾーンの”Kick The Can”

トワイライト・ゾーンの”Kick The Can”を観ました。舞台はサニーヴェール老人の家で、そこの住人であったチャールズ・ウィットレーは、「今日息子が連れ帰りに来てくれるんだ」と喜び勇んでホームを出て行きましたが、息子はただ来るといっただけだ、と連れ帰ることを拒みます。仕方なくホームに戻ったチャールズでしたが、子供達が缶蹴りをして遊んでいるのを見て、実は若さを保つ魔法は、子供達と同じことをすることではないかという考えを思いつきます。そして他の老人達を夜中に起して、皆で缶蹴りをします。彼の小さい頃からの友人のベンはチャールズの言うことを信用せず缶蹴りに加わりませんでしたが、しかし外に出てみてそこで缶蹴りをやっていたのは老人達ではなく子供達でした。その中の鬼をやっていた子は、まさしくチャールズの子供の時の姿でした。ベンはすごすごとホームに引き返すという話です。
まあ自分も60歳を過ぎたので多少身につまされる話でした。確かに子供に戻ることは出来なくても、何でもやってみるというのは若さを保つ秘訣であるのはそうだと思います。しかし、缶蹴りというのは日本でもアメリカでもやり方は同じのようでした。

トワイライト・ゾーンの”Showdown with Rance McGrew”

トワイライト・ゾーンの”Showdown with Rance McGrew”を観ました。ランス・マッグルーはエミー賞を2回取った人気の俳優で、今日も同名の保安官のTVドラマの撮影をしています。しかし彼は非常に不器用で、銃をクルクルと回そうとして飛ばしてしまって2度もセットのガラスを割ってしまいます。またアクションシーンは全てスタントマンが替わりに演じています。それでいながら、脚本にはケチを付け彼の思うとおりに直させてしまいます。今日の撮影は、彼がジェシー・ジェームズという実在したアウトローを撃ち殺すシーンですが、その撮影中に彼は突然実際の西部にタイムスリップします。そこには本物のジェシー・ジェームズがいて、彼に色々絡み始め、彼が何も出来ないことを暴露します。そして撃ち合いを挑みますが、当然ランスは銃など撃ったこともなく、ジェシーに命乞いをします。彼が何でもする、と言った瞬間彼はまた元の撮影現場に戻ります。しかしそこにはハリウッドのエージェントいうことで、先ほどのジェシー・ジェームズがやって来て、脚本をランスがジェシーに殴られて窓から外へ放り出されるように直すように言い、その通りになります。結局それからのストーリーは他にもビリー・ザ・キッドなどの悪党どもの好き放題ということになりました、という話です。
うーん、ジェシー・ジェームズを知らないのでイマイチ面白さを感じることが出来ませんでした。

「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣総進撃」

団時朗さん追悼の意味も込めて、「帰ってきたウルトラマン」のBlu-rayを購入。海外盤だと全話入ってわずか4,000円です。ちなみに日本語盤はその10倍の値段。英語字幕消せばまったく問題ありません。
第1話の「怪獣総進撃」を観ました。初代ウルトラマンやウルトラセブンに比べると、「帰ってきたウルトラマン」は全体に暗いです。特に途中で坂田兄妹がナックル星人に殺されてしまうというトラウマになりそうな回もあります。この第1話も郷秀樹が完全に死んでしまうという描写があります。
ちなみに、今ではこのウルトラマンはウルトラマンジャックという名前で初代とは別者になっていますが、当初の設定は文字通り「帰ってきた」でした。そのためか、テーマ音楽も初代の「むねーに」の出だしと新マンの「きみーにも」の出だしのメロディーはほぼ一緒です。なお第1話の監督は初代ゴジラの本多猪四郎です。また「帰ってきたウルトラマン」という題名は円谷英二によるものですが、その本人は放映開始前に亡くなられています。

アウター・リミッツの”The Brain of Colonel Barham”

アウター・リミッツの”The Brain of Colonel Barham”を観ました。初の火星探査飛行の一番乗りを目指して各国が競争していました。まだ有人飛行は危険なため、コンピューターによる自動操縦を計画していましたが、一つの問題はコンピューターはあらかじめプログラムされたことにしか対応出来ず、突発的な事件には無力だということでした。その問題を解決させるために考案されたのが、コンピューターに人間の脳を足すということです。軍はかつて優秀な宇宙飛行士だったけど現在は不治の病に冒されて後数ヶ月の命である、アレックス・バーラムの脳を取り出して、コンピューターにつなぐことを計画します。バーラムはその計画を了承し、手術が行われ無事にバーラムの脳は取り出され、ガラス容器に入れられてコンピューターに接続されました。当初は幻覚的な痛みを訴えていましたが、次第に脳はこの環境に慣れ、優秀な力を発揮し出します。しかし脳は次第に自分が全知全能であり、劣った人間を支配できるという考えを持つようになり、電磁場によって人間を思い通りに操る能力を発揮し出します。そしてそのことに気が付いた心理学者を殺そうとしますが、すんでの所で窓から銃で装置を破壊されて脳は死にます。
まあ「生きている脳」という意味では、キャプテン・フューチャーのサイモン・ライトがあり、そちらの方が先ですので、アイデアとしては新しくありません。しかしそれにしてもアウター・リミッツは科学がこういう終末的な危機をもたらす、という話が本当に多くて暗いです。

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Where No One Has Gone Before”

スター・トレック・ザ・ネクスト・ジェネレーションの”Where No One Has Gone Before”を観ました。タイトルは、オープニングシークェンスの最後のセリフですが、ファーストシリーズでは”Where No Man Has Gone Before”でした。またファーストの第2話がこのタイトルでした。
エンタープライズ号に、スターフリートの宇宙船のエンジン効率を劇的に改善するという触れ込みでコジンスキーというエンジニアとそのアシスタントがやって来ます。しかし実験中にエンタープライズ号はワープ1.5のスピードからワープ10をはるかに超えるスピードに暴走し、一気に二つの銀河系を超え、200万光年以上先のまったく未知の銀河系に来てしまいます。しかも時間的には300年先でした。エンタープライズ号はさっきとは逆のプロセスで元の宇宙に戻ろうとしますが失敗し、まったく未知の不思議な空間に入ってしまいます。そこでは思考と現実の区別が曖昧になり、考えたことが実体化して、エンタープライズ号のクルーは混乱に陥ります。実はコジンスキーのアシスタントが未来から来た時間旅行者で、好奇心から実験をしていてミスしたものでした。彼は少年のウェズリーについてピカード船長にたいし、「(おそらく物理学の分野で)モーツァルトのような天才だから、それにふさわしく育てるべきだ」とアドバイスします。その未来人によると、思考こそがエンタープライズ号をここまで運んだものだと言います。ピカードは全クルーに各人の任務に意識を100%集中させるように命じます。その甲斐もあってエンタープライズ号は無事に元の宇宙空間に戻れましたが、未来人はその途中で消滅しました。ピカードはウェズリーに特別な位を与え、ライカーに対し徹底して教育するよう命じます。
とまあ、ファーストのほぼ同名のエピソードとはまったく違い、文字通り「誰も来たことがない場所」という話でした。まあまあ楽しめました。

トワイライト・ゾーンの”The Hunt”

トワイライト・ゾーンの”The Hunt”を観ました。ハイダー・シンプソンは妻と猟犬のリップと山小屋で暮しています。シンプソンは一度リップに命を助けられたので大事にしています。ある夜、妻が不吉な前兆を見たから、と言うのにも関わらず、アライグマ狩りにリップと出かけます。リップは首尾良くアライグマを見つけ追いかけますが、その途中で池にはまってしまい、浮かび上がって来ません。シンプソンもリップを助けようとして池に入りますが、彼も浮かび上がって来ませんでした。シンプソンが目を覚ますと朝になっていて、彼とリップは家に戻ろうとしますが、途中2人の人が犬用の墓穴を掘っていました。家に戻るとシンプソンの奥さんは喪服を着て泣いており、それを教会の神父が慰めていました。そして二人ともシンプソンとリップが見えません。そうです、一人と一匹は死んでいました。仕方なく外に出て歩いていると門があり、そこの門番はシンプソン達を認めて声をかけます。そしてその門番はここは天国への門だと説明します。しかしシンプソンはリップが何かをかぎつけて訝しんでいるのと、門番が犬を連れては行けないと言ったため、門番と離れて道を歩き続けます。そこに天使が迎えに来て、先ほどの門が地獄の門だったと説明します。リップはその門から硫黄の臭いがするのに気付いていました。天使は、悪魔も犬を騙すことは出来ない、と笑います。
という話です。しかしキリスト教の考え方での天国・地獄ってそういうもんじゃないでしょう、という疑問が残りました。愛犬家が書いた脚本のように思います。

トワイライト・ゾーンの”Dead Man’s Shoes”

トワイライト・ゾーンの”Dead Man’s Shoes”を観ました。ある男の死体がストリート脇のドブの中に投げ捨てられます。たまたまその近くにいたホームレスのネイトがその死体を漁り、死体が履いていた高級な靴を盗んで自分で履きます。すると彼は何故かある方向で歩き出し、ある女の家に行きます。それは殺された男の恋人の家でした。女性はネイトが殺されたデーンとは違う顔なのに、デーンと同じテキーラと角砂糖という変わった酒を飲み、またデーンと同じことを言うので戸惑います。ネイトはデーンの服に着替えると、あるバーに行きます。そこにはデーンを殺したギャング達がいました。ネイトはそのギャングの親玉に、伝言があると言い、そのギャングの仕事部屋に行って、そこで隠していた銃でその親玉を殺そうとします。しかし隠れていた子分の一人に撃たれて、ネイトは死にます。しかし死に際にギャングの親玉に向かい、「俺はお前を殺すまで何度もやって来る」と言い残します。ネイトの死体は先ほどのデーンの死体と同じ場所に捨てられましたが、今度は別のホームレスがその靴を盗んで…という話です。またちょっとしたアイデア作ですね。もう一ひねり欲しいと思いました。

アウター・リミッツの”Counterweight”

アウター・リミッツの”Counterweight”を観ました。近い将来に、植民星の候補であるアンテオンまでの291日間の宇宙飛行をする際に、専門的な訓練を受けていない乗客がどのような影響を受けるかをテストするため、本物に似せて作られた宇宙船もどきの中で291日間のシミュレーションテストが始ります。乗客は4人の科学者、一人の新聞記者、一人の建築家と、フライとアテンダントの女性と操縦士でした。シミュレーターの中にはパニックボタンが設置され、非常事態が起きた時そのボタンを押すことでシミュレーションを中止することが出来ました。しかしそのシミュレーション装置の中にはエイリアンが入り込んでおり、口を開けた蛇のような形でそれぞれの乗客の心に入り込んで深層心理を表面に出したり、あるいは建築家の首を絞めて殺そうとしたりしました。またある博士は、自分のベッドの中に、死んだ自分の娘が死ぬ時に持っていた人形を見つけパニックを起します。そんなこんなで190日が過ぎて、次第に乗客同士いがみ合うようになりますが、そんな時突然酸素の供給が止まり、次々に乗客が倒れていきます。そしてそれは復帰しましたが、ある植物学者はシミュレーション装置に持ち込んでいた植物が怪物化しているのを発見します。怪物の正体はエイリアンで、自らをアンテオンの原住民だと言います。そして地球がアンテオンの植民星化を図るのを阻止するためにシミュレーション装置に乗り込んだ、と言います。結局その怪物が建築家を操ってパニックボタンを押させてシミュレーションは中止になります。
という話ですが、あちこち辻褄が合っていなくまた結末もよく分らないもので失敗作と思います。原作があってそれは実際の宇宙飛行で乗客同士のストレスを軽減するための、わざといじめられるキャラクターがいて、それがカウンターウェイトということだったらしいのですが、このアウター・リミッツの脚本は、あちこちいじった結果、全体の構成が出鱈目になってしまっています。

吉村昭の「高熱隧道」

吉村昭の「高熱隧道」を読了。「黒部の太陽」の映画で、黒部第三発電所というのがあってそこのも非常な難工事であったことを知って読んで見たもの。正直言って想像を絶する世界でした。
一つは初めて知ったのですが「泡雪崩」(ほうなだれ)というのがあって、それが2回工事関係者用の宿舎を襲います。この「泡雪崩」は通常の雪崩とはまったく違います。Web上にどなたかが作られたイメージ図(Webサイト自体はここ)があったのでそれを見てください。ホウ雪崩に襲われた工事宿舎は、鉄筋コンクリートの2F、木造の3・4Fを合わせた部分が鉄筋コンクリートの1Fの部分から引きちぎられ、宿舎のあった所より70mも高い尾根を超え、580mも飛ばされて最後は黒部川を超えて山腹に叩きつけられ、中にいた人は即死しています。台風でも竜巻でもこれほどのすさまじいエネルギーを出すことはありません。この「泡雪崩」の事故は1回ではなく、最初の事故の後慎重に選んだ場所でも再度発生します。そこは3方が壁のような地形に囲まれ、残った1方は樹齢数百年のブナ林でつまり数百年雪崩が起きていないことを示していました。しかしその上方で発生した泡雪崩がこのブナの原生林を根こそぎ空中に飛ばし、宿舎の屋根にそれが降り注ぎました。中にいたものは圧死するか、火鉢によって火災になって焼け死ぬかでした。
もう一つはタイトルにもなっていますが、掘削したトンネルが要するに温泉の源泉部のような所にぶち当たり、岩盤の温度が50-60℃から段々上昇し、途中地質学者が90℃が上限で後は下がるという予想をあっさり裏切り、やがて100℃を超え、最後は160℃近くにまでなります。この熱のため仕掛けたダイナマイトが点火する前に爆発する事故が発生します。また作業員の体熱を下げるため後ろからホースで水をかけますが、その水がたまって50℃くらいになります。多くの作業員が火傷し、また下半身もただれ、体から脂肪分が抜けて熱中症のような症状になります。ダイナマイトについては、熱が伝わるのを遅らせるため、最初はエボナイトの筒に入れ、次は竹に入れ、と試行錯誤し、最後はその竹の回りにアイスキャンディーのように氷を付けた状態で岩盤に装填していました。
ホウ雪崩と、このトンネル内の高温による犠牲者は合計で300名に達し、再三富山県警より工事中止命令が出ます。しかし当時(昭和11年)日本は戦争に向かってひた走っており、この工事は国策でもあり、大量の犠牲者を出しつつも最後まで敢行されます。小説の最後はダイナマイトが倉庫から盗まれ、坑夫達の間に不穏な動きが出てきて、技師達が逃げ出す、ということになっています。
福島原発事故の時に「想定外」という言葉がクローズアップされましたが、実際には厳しい自然を相手にすれば常に想定外が起きるということだと理解しました。

スター・トレック・ザ・ネクスト・ゼネレーションの”The Last Outpost”

スター・トレック・ザ・ネクスト・ゼネレーションの”The Last Outpost”を観ました。フェレンギというまだ実態が良く分っていない星人が連邦の基地からある装置を盗み出したので、エンタープライズ号がそれを追いかけています。フェレンギの宇宙船はある惑星の近くで止まったのでエンタープライズ号も止まりますが、フェレンギから攻撃を受けます。エンタープライズも反撃の準備をしていましたが、何故かエネルギーが吸い取られてしまい、動けなくなります。ピカール船長はフェレンギと通信して、この状態を解除してもらう条件を聞き出そうとしましたが、驚くべきことにフェレンギ側もエンタープライズ号から攻撃を受けてエネルギーを吸い取られていると思っていました。ピカールは結局両方の船がその惑星の何かによってエネルギーを吸い取られていることを悟り、フェレンギ側に共同で調査することを提案します。その星はかつて存在したテコン帝国の防衛装置でした。転送で両方の調査隊が惑星に降り立ちますが、手違いで争いになってしまいます。そこにある老人のキャラクターが現れます。その老人は両方を野蛮人と呼びますが、ライカーに対し、「それ無しには戦うべき時と戦わざる時を判別出来ないものは何か」と謎かけをし、ライカーは孫子の兵法から「それは恐れである」と答え、その老人を満足させます。そして老人はエンタープライズ号のエネルギーを吸収するのを止めます。そしてライカーに対し、フェレンギを皆殺しにするか、と聞きましたが、ライカーはフェレンギは地球の何百年前かの状態であり、彼らも学んで進化するだろうとし、彼らも助けることを依頼します。
という話ですが、唐突に孫子が出てきたり、またフェレンギがまたもある種の未開部族的な描写であり、ちょっと引っ掛かりました。これまでの4エピソードでは、このニュー・ゼネレーションはかなりイマイチです。