トワイライト・ゾーンの”The Night of the Meek”

トワイライト・ゾーンの”The Night of the Meek”を観ました。1960年の12月23日に放送されたもので、アメリカのドラマに良くあるクリスマス・スペシャルのようなお話です。ヘンリー・コーウィンは失業者でワンルームの部屋で暮しています。そんな彼がクリスマスの時だけ、あるデパートに雇われてサンタクロースの役をやります。しかし子供達の願いを聞くだけで、決してそれを叶えてあげられない自分に嫌気が差して、そのクリスマスイブに彼はしこたま酒を飲み、一時間遅れてデパートに着きます。酔っ払って足もふらつくコーウィンはデパートのマネージャーから首を言い渡されます。とぼとぼと街を歩いていた彼の耳に突然橇のベルの音が聞こえ、猫が鳴いて彼の前に大きな麻袋が落ちて来ました。その中身は空き缶などのゴミでしたが、彼がそれを手に持ったとたん、奇跡が起きてその中は包装されたプレゼントで一杯になります。喜んだ彼は子供達に望みのプレゼントを配り、ついでに教会でクリスマスキャロルを歌っていた大人達にプレゼントを配ります。そこの女主人が不審に思って警官を呼び、彼は警察に連れて行かれます。そこにはデパートのマネージャーも証人として呼ばれていて、彼が配ったものはデパートの商品だと言います。しかし、警官が袋の中をチェックすると、元のガラクタに戻っていました。マネージャーは人が望むプレゼントをコーウィンが出すことが出来ないことを証明しようとして、彼に1903年のヴィンテージもののチェリー・ワインを出すように言います。コーウィンはすぐにそれを袋から出します。解放されたコーウィンが街を歩いていると、そこにトナカイと橇が待っていました。そこにいた妖精がコーウィンに早く乗るように言い、二人は橇で夜空に消えて行きます…
というストーリーでした。まあ他愛ないですが、クリスマスらしいお話でした。

アウター・リミッツの”The Nightmare”

アウター・リミッツの”The Nightmare”を観ました。これで10本目ですが、これまでで一番のワケワカのストーリーでした。エボンという星のエイリアンが、突然地球に核ミサイルを撃ち込み、地球側は大きな被害が出ます。地球側は反撃のため惑星エボンに戦闘部隊を送りますが、全てエボン側に捕まえられ、乗組員は全て捕虜になります。エボンのエイリアンは地球人の知覚をコントロール出来、一時的に喋れなくしたり、目を見えなくすることが出来ます。地球人の兵士は一人一人尋問室に呼ばれ尋問を受けます。その内の一人は死んでしまい戻って来ませんでした。それを目撃した兵士によれば心臓がえぐり出されていたということです。その内Jongというアジア系の兵士が、何故か尋問室には呼ばれず拷問を受け、結果として左腕に大きなダメージを受けます。兵士の間では、誰かが尋問で彼らの次にやってくる宇宙船の軌道について話したのではないか、という疑いが広がります。それでJongが何故尋問室に連れて行かれず拷問されたのかという疑いから、彼が喋ったのだろうということになり、他の兵士がクジを引いて当たった者がJongを殺すということになります。ここで何故か地球側の軍隊のお偉いさん(タイムトンネルで所長を演じていたホイット・ビッセル)がやって来て、実はこれは一種の実験だと言います。エボンのエイリアンの攻撃は100%ミスによるもので、彼らは好戦的ではなく、謝罪のため地球に接触したのを、地球側がこれを兵士の忠誠と勇敢さを使う実験に利用したものでした。結局兵士の一人が、地球のもう一人の高官を幻と勘違いして射殺してしまう、という話で、まったく訳の分らない支離滅裂というだけでなく、アジア系アメリカ人に対する差別も感じました。疑われるJongを演じていたのはハワイ出身の日系人俳優、ジェームズ・シゲタでした。朝鮮戦争で中国の捕虜になったアメリカ人兵士が洗脳されて、共産主義信奉者になったというのが本当にあったようですが、そういうのが影響している感じでした。

トワイライト・ゾーンの”A Most Unusual Camera”

トワイライト・ゾーンの”A Most Unusual Camera”を観ました。チェスターとポーラは夫婦で泥棒をやっており、昨日もアンティークショップに盗みに入りました。その店の被害届とは違って、実際は盗んだ物はガラクタばかりでしたが、その中に一台のクラシックなカメラがありました。チェスターはポーラを窓際に立たせてそのカメラで撮影しました。20秒ぐらいしてそのカメラは中で自動的に現像した写真を出して来ました。それを見ると、ポーラは実際には着ていなかった毛皮のコートを着て写っていました。二人が盗品のトランクを開けると、中から毛皮のコートが出てきて、喜んだポーラはそれを着て窓際に立ちますが、それはさっきの写真のままでした。二人はこのカメラは未来を写すカメラではないかと思い、ホテルのドアを写します。そこには刑務所に入っている筈のポーラの弟のウッドワードが写っていました。すると5分後にまさしく脱獄したウッドワードがやって来て写真の通りになりました。チェスターはこのカメラの使い道を考え、競馬場でレースの結果を表示する電光掲示板を撮影することを思いつきます。レースの前にそのレースの結果がカメラによって分るので勝ち馬に賭け、6レースで何千ドルと儲けることが出来ました。彼らがホテルで金の使い道を考えている所に、ホテルのウェイターがやって来て、カメラの前面に書いてあるフランス語を訳してくれました。それは「1人の所有者に対し10回まで」と書いてありました。彼らは既に8回撮影したので後2回です。その使い道を巡ってチェスターとウッドワードが争い始め、間違ってシャッターを押してしまいます。そこには何かに驚いているポーラが写っていました。争いを続けた二人は二人とも窓から転落して死んでしまいます。悲しんだポーラでしたが、自分が金を独り占め出来ることに気が付きます。最後の写真として窓から転落した二人を写しました。そこに先ほどのウェイターがまたやって来て、ポーラとチェスターはお尋ね者であることが分ったと言って、お金を持っていこうとします。ポーラは再度落ちた二人を見ようと窓際に言って、電灯のコードに足が引っ掛かって転び、ポーラも窓から転落して死んでしまいます。ウェイターはしめしめ、と思いますが、カメラが出した写真を見て、死体は3人ではなく4人であることに気が付いて驚き、その弾みで彼も窓から落ちて死んでしまいます。
まあありがちな話ですね。幸福をもたらす筈のアイテムが却って不幸をもたらす、というちょっと教訓の入ったエピソードでした。

アウター・リミッツの”Corpus Earthling”

アウター・リミッツの”Corpus Earthling”を観ました。ある岩石の研究室にて、外観は石そのものの地球外からやって来たエイリアン同士について、博士のポール・キャメロンはオーブンの小爆発の事故で頭に怪我をして金属片が頭に入り込んだ結果、その会話を聞ける能力を得てエイリアンの地球征服計画を耳にしてしまいます。同僚のテンプル博士と女性の助手でポールの妻のローリーにそのことを話しても、頭を打って幻聴を聞いたのだろうと理解してもらえません。しかしエイリアンはポールを「リスナー」と呼び、自分達の計画の邪魔者と見なしその心を操って窓から飛び降り自殺させようとしますが、間一髪でポールはローリーとテンプル博士に止められます。家に戻ったポールとローリーは、ポールの精神が正常に戻るように、やっていなかったハネムーンにメキシコに行くことを突然決めます。二人はメキシコの田舎のコッテージに落ち着きますが、テンプル博士がエイリアンに乗り移られて、二人を追って来ます。ポールが車で買い出しに行っている間にテンプル博士がコッテージにやって来て、ローリーもエイリアンに乗り移られます。ローリーの顔は老婆のようになり、驚いたポールは逃げ出して街のホテルに泊まりますが、そこにコッテージの管理人がやって来て、ローリーはこの地方に多い風土病にかかっており、治療しないと死ぬと言ったので、ポールはコッテージに戻り、ローリーの手当をします。しかしそこに再びテンプル博士がやって来て、ポールを殺そうとしますが、ポールは争って何とか博士を倒します。しかし今度はローリーがピストルを持って彼を撃とうとします。ポールは何とかピストルを奪い、やむを得ず彼女を急所を外して撃ちます。エイリアンは彼女の体から出てきましたが、ポールはコッテージに火を点けて彼らを焼き払います。(元々が石なんだから、火には強そうな気がしますが…)元に戻ったローリーを車に載せて病院に連れて行く、というエピソードです。
エイリアンがちょっと岩明均の寄生獣を思い起こさせました。しかし、元々エイリアンがどうやって地球にやって来たかも語られていませんし、仲間が来るというのもどこからなのか分らず、ちょっと説明不足な内容のように思います。また冒頭でローリーが老婆になるシーンが出てきますが、エイリアンに乗り移られても別に老婆になる必要性はないのでは、と思います。

トワイライト・ゾーンの”The Trouble with Templeton”

トワイライト・ゾーンの”The Trouble with Templeton”を観ました。ブース・テンプルトンは、ハリウッドで30年以上も活躍している男優です。庭では彼の2番目の若い妻が今日も新しい男を連れ込んでプールサイドでじゃれ合っています。彼は18歳の時に結婚し、その7年後に死んだ最初の妻ローラと、彼の若い時代を懐かしんでいます。テンプルトンはある劇のリハーサル初日に遅れて到着します。劇のディレクターはスポンサーの意向で若いやり手の男に変わっていますが、その男はテンプルトンの遅刻を激しくなじります。いたたまれなくなったテンプルトンは出ていきますが、外では多くの観客が彼を待ち受け拍手していました。テンプルトンが壁に貼られたポスターを見ると、それは彼が主演のドラマのもので、1927年となっていました。テンプルトンは30年前に戻っていました。ある男がローラが彼をあるスピークイージー(禁酒法時代の闇バー)で待っていると言い、テンプルトンはそこでローラと、また親友であったバーニーもそこにいました。喜んだテンプルトンでしたが、ローラは彼が知っているような女性ではなく、スピークイージーのジャズに合わせて踊り狂う蓮っ葉な女性でした。テンプルトンはバーニーとローラーに必死になって未来から来たことを説明しようとしましたが、まるで理解してもらえません。そしてローラを静かな場所に連れて行こうとしたテンプルトンに、ローラは「ここはあんたのいる場所ではない、元の場所に帰ったら」と言われ、ショックを受け店を出ます。その時にローラが手に持っていたパンフレットを持ってきていました。元の劇場に戻ると、時代も元に戻っていました。そこでテンプルトンは手にしていたパンフレットに気付くと、それは台本でした。その中には先ほどバーニーやローラーがしゃべった言葉がそっくりそのまま書かれていました。テンプルトンはローラの態度が芝居で、おそらくは彼が過去に戻りたがっているのを諫めるために芝居をしたのだ、ということが分り、もう一度今の世界でやっていくことを決意し、若いディレクターに謝りながらも毅然とした態度で接し、若いディレクターは態度を変えてテンプルトンを敬うような調子に変わります。第1シーズンでやはり大女優が年老いて自分の若い頃の映画ばかりを観て、ついにはその映画の世界に入ってしまう、というのがありましたが、それと好対照のエピソードでした。

アウター・リミッツの”The Human Factor”

アウター・リミッツの”The Human Factor”を観ました。場所はグリーンランドの北方にあるおそらくアメリカのレーダー+核ミサイル基地で、約200名の男性と若干の女性が任務のためそこに住んでいました。そこの医者であるハミルトン博士はその女性助手であるケラーマンと、お互いの脳を接続して共有する装置の実験をしていました。その実験は上手く行きましたが、ケラーマンが博士を愛していたのに、博士は愛という感情を重視していない、という結果になりました。基地には核兵器のエンジニアであるロジャー・ブラザースがいましたが、彼は屋外の作業で部下がクレバスの中に落ちたのを助けずに見殺しにしていました。その罪の意識から、その部下が蘇って彼を襲うという幻覚を見るようになっていました。この幻覚から逃げるため、基地の核兵器を爆破させ、クレバスごと破壊しまた基地全体も吹っ飛ばし、自分も死のうとしていました。そんな状態の彼がハミルトン博士の所に診断のため連れてこられます。博士は例の装置を使って、ブラザースの心を読み取ろうとしますが、その最中に地震が起きて装置が切れますが、その瞬間に二人の心が入れ替わってしまいます。ブラザースの姿の博士は自分が博士であることを何とか証明しようとしますが、結局ベッドに縛り付けられて鎮静剤を打たれて気を失います。今は博士の姿のブラザースは、基地の司令官に核兵器の起爆装置を見せるように要求します。一方ケラーマンは、研究室に残された博士のメモから二人が入れ替わった可能性を察知し、ブラザースの姿の博士に会いに行き、博士が二人しか知らないことを話したので、入れ替わりを確信します。ケラーマンは鍵を盗んで博士を解放します。核兵器起爆に失敗し一度研究室に戻って来たブラザースと博士が対決し、ブラザースは自分の姿の博士を撃ちます。しかしギリギリの瞬間で二人の心は再度入れ替わり、元の姿に戻ったブラザースは息を引き取ります。
博士はケラーマンに何故自分だと分ったか聞きましたが、ケラーマンは私が愛していたのは博士の心だと答え、博士も今こそケラーを愛するようになります。
しかし氷と雪に1年中閉ざされた核兵器基地で働いていたら、心が病む兵士が出てきてもまったくおかしくないな、と現実的な恐怖が湧いてくる話でした。
ちなみに博士を演じた俳優は、タイムトンネルの第一話の上院議員を演じていたゲイリー・メリルです。

トワイライト・ゾーンの”The Lateness of the Hour”

トワイライト・ゾーンの”The Lateness of the Hour”を観ました。ある洋館の中で、両親と娘が一人、そしてメイドが一人いて、母親の肩を揉んでいます。娘のジャナは父親が築いたある意味「完璧な」屋敷とその召使い達にウンザリしています。そして家にあるアルバムを調べ、自分の小さい頃の写真が一枚も無いことを発見します。実はその家の召使い達5人ほどは、すべて父親が作ったロボットでした。ジャナは普通の人間の暮しがしたいと駄々をこねて、ロボット達を壊さないと出ていくと言います。最初は拒否していた父親ですが、ジャナが本当に荷物をまとめているのを見て、ロボット達をお払い箱にします。しかし彼ら・彼女らは「私達に何か落ち度がありましたか?」と聞くほど、高度に人間的なロボットでした。ジャナはロボット達がいなくなったことを喜びますが、やがて自分も父親が作ったロボットではないかと言い始めます。その証拠に手を階段の手すりに打ち付けても痛みを感じませんでした。そうです、その通りでジャナも子供のいない夫婦として父親が精巧に作ったロボットでした。ジャナはそれが分ってパニックを起こします。次のシーンで、誰かが母親の肩を揉んでいます。それはメイドに作り替えられたジャナでした…
というエピソードです。ジャナもロボットなんだろうなというのは、10分くらい見てすぐ分りました。

アウター・リミッツの”O.B.I.T.”

アウター・リミッツの”O.B.I.T.”を観ました。アメリカのある研究所で、何やら係員が怪しげな装置を操作しています。その装置では、研究所内の全ての人員が今何をしているか、何をしゃべっているかをモニター可能で、その係員はある研究者の反政府的発言を録音していました。突然その装置のディスプレイに怪物のようなものが映り、気がつけばその怪物は係員の後ろに回って、係員を絞め殺してしまいます。その研究所は今回の殺人事件以外にも自殺や争い等々の問題が多くあったため、その調査にオーヴィルという上院議員がやって来ます。彼は研究所の人員を尋問して、その怪しげな装置に気が付き、国防相関係者がマル秘と言い張るのを撥ね除け、それがO.B.I.T.と呼ばれる装置で、研究所内の監視に使われていたことを知ります。オーヴィルは所長が不在なのに気が付き、居場所を問い質しますが、その男は一種の精神障害的に扱われ隔離されていました。オーヴィルはその隔離場所を突き止め、所長にインタビューしますが、所長はある怪物、つまり最初に出てきた怪物を自身も目撃していたのですが、誰にも信じてもらえず、ここに隔離されていました。オーヴィルは所長を研究所に戻し、全員を集めて尋問を続けます。所長はO.B.I.T.を使って自分の妻を監視しており、最初はほんの少しだけのつもりがどんどん常習になって、ついにはその浮気現場を見てしまいます。尋問を続けていって、ついにローマックスという研究員が本体を現わし、O.B.I.T.のモニターにはあの怪物が映っていました。その怪物はエイリアンで地球征服のため、地球人同士に不和を与えるためにO.B.I.T.をばらまいていた、というオチでした。
うーん、ウルトラセブンにも似たような話がいくつかありましたが、セブンの場合はそのエイリアンをセブンが最終的に倒すのでカタルシスがありますが、このアウター・リミッツでは何だか後味の悪さが残ってすっきりしません。よくこんなに娯楽性が乏しいドラマが長続きしたな、と逆に感心します。

トワイライト・ゾーンの”Nick of Time”

トワイライト・ゾーンの”Nick of Time”を観ました。主演男優は何とカーク船長のウィリアム・シャトナーです!
ドン(ウィリアム・シャトナー)とパットは新婚旅行中でオハイオからニューヨークに行こうとしていた所車が故障し、レッカー車で修理工場に運ばれます。あいにく交換部品が取り寄せで、修理に4時間かかると言われ、二人は時間つぶしに町のダイナーに入ります。そこのテーブルに、ワンコインを入れてYesかNoの質問をすると運命を答えてくれるというマシンがあり、ドンは暇つぶしにやってみますが、それがぴたりの答えを出すので驚き「私の昇進はOKになったか?」と聞くと「あなたの望みの結果になりました」と出ました。そこで会社に電話して上司の秘書の女性に聞くと、間違いなくドンはオフィスのマネージャーへの昇格が決まっていました。そこでドンは続けてマシンに質問を発すると、マシンは何か良くないことが起きるので、15時まではここにいた方がいいと答えます。しかしパットが出ようというので二人は2時40分頃店を出ます。しかし道路を横断しようとして二人はトラックに轢かれかかりますが、その時間がぴったり15時でした。これですっかりマシンを信用したドンは、パットの反対を押し切ってまたダイナーに戻ります。ドンはマシンに次々コインを入れ、自分の未来の全てをマシンから聴きだそうとします。「自動車の修理はすぐ済むか」と聞いたら「もう修理は終っている」という答えでそれとほぼ同時に修理工場から部品が見つかり修理は終った、という連絡が来ます。的中率100%のマシンに対し、ドンは自分がどこに住むのか聴こうとして、地名を挙げて質問していきますが、全てNoでした。そんなドンに対しパットは運命はマシンに聴くものではなく、自分で決めて切り開くものだ諭し、ようやくドンもl目が覚め、二人はニューヨークに向けて出発します。二人が店を出たすぐ後、眼が血走ったような男女が現われ、マシンにコインを次々に投入して答えを聞いていきます。しかし何か良くない答えばかりのようで、二人は絶望に打ちひしがれます。
ということで、ウィリアム・シャトナーのちょっと若い日々の姿を見れたのは良かったですが、話はもう少しひねって欲しかったです。例えばオペラの「スペードの女王」のように、マシンの言う通りにして成功するけど、最後に裏切られるとかです。

アウター・リミッツの”The Man Who Was Never Born”

アウター・リミッツの”The Man Who Was Never Born”を観ました。これは6番目のエピソードですが、これまでので一番良かった「SF悲恋もの」でした。
ある宇宙飛行士が宇宙を航行中に、時空を超えるトンネルのようなものの中にロケットごと吸い込まれます。地球に帰還してみると、そこはまったく違った荒涼とした風景になっていました。そこには顔が腫れて怪物のようになった人類がわずかに棲息していました。飛行士は1963年から2148年の未来に移動していました。その怪物のような人、アンドロの説明によると、ベルトラム・カボット・ジュニアという生物学者が、宇宙のウィルスを操作して新種のウィルスを作り出し、それが人々の生殖能力を奪い、また姿を醜く変えて、風景すらも荒涼としたものに変えてしまったと言います。最後の人類として死ぬのを待つだけ、と言ったアンドロに対し、宇宙飛行士は元の時代に戻って、そういう未来が起きないように変えるべきだと言い、アンドロを連れて再度元の時代に戻ろうとします。首尾良く元の時空トンネルみたいなものに入れましたが、宇宙飛行士は何かの理由で消えてしまいます。アンドロは一人で昔の地球に来ました。そこでカボットを殺害しようと計画します。しかし、時代は早すぎ、まだカボットは生れていませんでした。そのため、将来カボットの母親となるノエルがジュニアの父であるカボット・シニア-と結婚するのを阻止しようとします。「卒業」ばりに結婚式に乱入したアンドロは、カボット・シニアを銃で撃とうとして失敗し、それまで催眠術で本当の姿をごまかしていたのが、多くの人に正体を見られてしまいます。しかしノエルは何故かそんなアンドロを愛してしまい、結婚式を抜けてアンドロを追います。ノエルはアンドロに彼の世界に連れて行ってと頼みます。追っ手を振り切って二人はロケットで未来にもどろうとしますが、ノエルがカボット・シニアと結婚しなかったことによって未来が変わってしまい、その結果アンドロ自体が生れてこないことになります。(これがタイトルの意味で、カボット・ジュニアとアンドロの両方をかけていて秀逸です。)結局宇宙船の中でアンドロは消滅してしまい、残されたノエルが泣き叫ぶ所で終わりになります。通常未来の地球が滅んでいるとしたら、核戦争が通常パターンですが、新ウィルスによって人類が滅亡しかけるという設定が珍しいですが、COVID-19を経験したばかりの私達にはなかなか笑えない話でした。