トワイライト・ゾーンの”The Four of Us Are Dying”

トワイライト・ゾーンの”The Four of Us Are Dying”を観ました。アーチ・ハマーはチンケな36歳の男で、これまでいくつもの職を転々として来ました。しかし彼には誰にも真似できない秘かな特技があり、それは自分の顔と体つきを他人にそっくりに自由に変えられるということです。まずは新聞で見た死んだ音楽家であるジョニー・フォスターの顔になり、ナイトクラブで彼の恋人だった女性に近付き、駆け落ちを約束します。次にギャングの親玉で殺されたヴァージル・ステリッヒの顔になり、その親玉を殺したギャングの所に行って金をせしめます。彼はしかしそのギャングの一味に追われますが、路地のどん詰まりで貼ってあったポスターのボクサーであるアンディー・マーシャクの顔になって難を逃れます。しかしそこで彼はある新聞スタンドの男に会いますが、彼はハマー(マーシャク)を自分の息子だと言い、マーシャクがその母親とある女性に対しひどいことをしたことをなじります。ハマーはその新聞スタンドの男をうっちゃってホテルに戻りますが、そこにある探偵がステリッヒの顔になった彼を捕まえに来ます。ホテルの回転ドアの中でハマーはまたマーシャクの顔になり、探偵を振り切りますが、そこにまた新聞スタンドの男が立ちはだかり、彼を銃で撃ちます。彼は死んでいく中で4つの顔に次々になりながら死に絶えた、という話です。
ところで、トワイライト・ゾーンではお話の最初と最後に、ロッド・サーリングという人が登場しますが、最初この人は俳優だと思っていたのですが、実際はこのトワイライト・ゾーンのシリーズを企画した脚本家のようで、彼が自分で書いた脚本も多く使われているようです。SF仕立てにしているのは、そうすると社会批判がやりやすいから、という理由のようです。

ジョー90の”Three’s a Crowd”

ジョー90の”Three’s a Crowd”を観ました。タイトルは「二人の道中は楽しいが三人だとそれが台無しになる」という意味です。ある国の秘密機関の女性が、古い民家の取材と称してジョーの養父の所にやって来ます。その女性はかなりの科学知識を披露してジョーの養父の論文まで批評したりしたため、ジョーの養父はすっかりその女性に夢中になってしまいます。ジョーは最初からその女性が頭が不自然に切れすぎると感じていました。ジョーの養父がその女性に入れあげていることは、諜報機関のWINでも問題になり、ジョーと諜報機関で協力してその女性の脳波パターンを読み取り、ビッグラットでそれをジョーの脳に移します。それによって彼女がビッグラットの秘密を盗みに来たことが判明します。ある夜、彼女はビッグラットの設計図を盗み出します。WINは彼女をすぐ逮捕しようとしますが、ジョーは養父が傷つくのを恐れて、彼女と対決し彼女の企みがすべてバレていることを示し、適当な嘘をついて養父と別れるように命じます。という訳で養父とその女性は別れることになり、その女性は立ち去る列車の中でWINに逮捕されます。
今回のはビッグラットの新しい使い方で面白かったですが、たまたまスパイだったから正当化されるのでしょうが、人の脳の中身を勝手に読んで利用する、というのはかなり危ない話だなとも思いました。また天才科学者も女性には弱い、というお話でもありました。さすがにベッドシーンまでは無かったですが。

トワイライト・ゾーンの”What You Need”

トワイライト・ゾーンの”What You Need”を観ました。バーに不思議な物売りの老人がやって来て、バーの客に様々なものを売りますが、何故かそれがその人に役に立ちます。例えばある元ピッチャーで故障して飲んだくれていただけの男が、老人からある町行きのバスのチケットをもらいます。すぐにその後男に電話があり、彼の元マネージャーがコーチの職を彼に持ってきます。そしてその野球チームのGMとの面接のある町が先ほどのバスのチケットの行き先でした。バーにいた何をやっても上手くいかないレナードは老人にからみますが、老人はハサミを彼に渡します。レナードはホテルに戻ってエレベーターに乗りますが、彼のマフラーがエレベーターのドアに挟まれ、彼は首を絞められて死にかけます。しかし持っていたハサミでマフラーを切って助かりました。この事件からレナードは老人が未来を見通す力を持っていることに気がつきます。老人の家に押しかけたレナードは、次のものをせびります。そしてインクの漏れる万年筆を渡されます。そのインクが垂れた新聞の上は、次の日の競馬のある馬の所であり、次の日レナードはその馬に賭け小金をせしめます。しかし万年筆は次の日にはもうインクが無くなっていました。レナードは町で物を売っている老人の所に押しかけ、また何かを渡すように強要しますが老人は承知しません。レナードは勝手に老人の商売の箱を漁って靴を見つけます。早速それを履きましたが、ちょっと小さく、また革底で滑りやすい靴でした。レナードはたちまち足を滑らせてよろめいた所に車がやって来て彼は車にはねられ即死します。老人は事故の野次馬にやって来た近所の人に今度は櫛を渡します。すぐに新聞記者が取材にやって来て、その男は写真に撮られるのに櫛で髪型を整えることが出来ました。実は老人は最初にレナードに会った時、自分自身の死、つまりレナードに殺されることを予知しましたが、結局は死んだのはレナードの方でした。
というちょっと不思議な味のお話でした。

ジョー90の”Operation McClaine”

ジョー90の”Operation McClaine”を観ました。今回は世界的な作家の脳に腫瘍が出来てそれを手術で取り除かないと彼は死んでしまうのですが、その手術を出来る脳外科の医者が世界でただ一人と言うことで、その医者は飛行機でその病院に向かいます。しかし嵐によって飛行機は墜落し、その医者は死にはしなないものの重傷でとても手術を出来る体ではありませんでした。ジョーの父親はビッグラットでその医者の知識と技術を他の医者に移すことを提案しますが、WIN(諜報機関)のマネージャーは、ビッグラットの秘密が他人に漏れるのを警戒して許可しません。それで今回は何とジョーの父親がビッグラットで医者の知識を得て、その父親が手術するのかと思いきや、やはりジョーもビッグラットで知識と技術を移転され、結局ジョーが手術し成功します。まあ人殺しの話ではなく、ビッグラットを人助けに使う話なので後味はいいです。なお、日本語Wikipediaによると、ジョーは養子で実の親子では無いという設定のようです。実の親なら子供をあんな危険な任務に就ける筈が無い、という配慮ではないかと思います。

トワイライト・ゾーンの”And When the Sky Was Opened”

トワイライト・ゾーンの”And When the Sky Was Opened”を観ました。X-20という新しく開発されたジェット機のテスト飛行で事故が起き、飛行機はある砂漠に不時着しますが、3人のパイロットは一人が傷を負った程度で無事帰還し、X-20の機体も回収されます。生き残ったパイロットの内、クレッグ・フォーブスとエド・ハリントンはバーに飲みに行きますが、ハリントンは突然自分が消えてしまうという予感に襲われます。彼は店の公衆電話で実家の両親に電話しますが、母親は私には息子はいないといい、代わった父親も同じことを言います。ショックを受けたエドをなぐさめていたフォーブスですが、突然エドが消えたことに気がつきます。そして手に持っていた事故からの3人の帰還を報じた新聞の写真から、エドが消えていることに気がつきます。フォーブスはバーのマスターに勘定を払おうとしてエドの分もと言いますが、マスターはあなたはずっとお一人でしたよ、と言います。次の日まだ入院中のもう一人のパイロットであるウィリアム・ガートの病室にフォーブスは行きますが、ガートも飛行機は2人乗りでエドなんて人は知らないと言います。そうやって押し問答している時にフォーブスは自分の姿が鏡に写っていないことに気がつき、叫びながら廊下に出て行きます。その後を追いかけたガートでしたが、廊下には誰もおらず、やって来た看護婦に聞いてもフォーブスなんて人間は知らないと言います。さらには事故を報じた新聞の写真がガート一人だけになっていました。そしてやがてガートも病室から消えてしまい、看護師はそこはずっと空室だったと言います。そしてついにはX-20そのものも消えてしまし、まるで誰かが自分の犯した間違いを修正しようとして現実を変えてしまった、そんな感じの話でした。自分だけが知っていて他の人は誰も知らない、という状況は結構ホラーで緊迫感があるお話でした。

ジョー90の”Splashdown”

ジョー90の”Splashdown”を観ました。二人の科学者がある飛行機の中で誘拐され、脱出ポッドに乗せられて飛行機から離れ、その後潜水艦に回収されます。残された飛行機がパイロットが気絶させられて敢え無く海面にクラッシュし爆発します。この事件を探るため、ジョーの父親が科学者としておとりになり、同形の飛行機に乗ってアテネに向かいます。ジョーも同行します。ジョーはビッグラットで米軍のベテランテスト飛行士の知識と能力を与えられています。やはりジョーの父親は途中で拉致され脱出ポッドで飛行機を離れます。パイロット二人は気絶しており、誰も操縦出来ないのでこのままでは前の飛行機と同じ運命でした。そこでジョーが眼鏡を装着して操縦席に入り、見事飛行機をクラッシュから救っただけでなく、誘拐された父親を潜水艦に運ぶボートを正面衝突すると見せかけてコースを変えさせて時間を稼ぎ、その間に軍隊の駆逐艦が駆けつけ、潜水艦を撃破し、犯罪者を逮捕した、という話です。
うーん、第一話と同じパイロットものですし、話が地味過ぎです。私的には今一つ。

トワイライト・ゾーンの”Judgment Night”

トワイライト・ゾーンの”Judgment Night”を観ました。リバプール発ニューヨーク行きのS.S. Queen号と来て、タイタニックの亜流の話かと思ったら違いました。時は1942年の第2次世界大戦中です。その船に中年の男が乗っています。その男は自分の名前がカール・ランサーでドイツのフランクフルト生まれということだけは記憶していますが、何故自分がこの船に乗っているかが分かっていません。しかし何故か彼はこの船が深夜の1:15にドイツのUボートに攻撃されると予言します。彼がパスポートの提示を求められて自分の荷物を探ると、帽子が出てきて、その裏には「ドイツ海軍、Uボート艦長、カール・ランサー」という名前がありました。彼の予言通りに1:15にUボートが船の前に浮上し、何の警告も無く砲撃を始め、あっというまに船は沈んでしまいます。ランサーはその前に海に飛び込みます。そこで彼の記憶は飛び、Uボートの中に艦長として座っています。彼の部下がランサーが予告もせずに船を沈めて多くの人を殺したことを非難し、きっと罰を受けるだろうと言います。その罰が、ランサーが沈没前の船に送り込まれて死の恐怖を味わうのを永遠に繰り返さなければならない、というさまよえるオランダ人的な話でした。まあ現実的にドイツのUボートがアメリカ近くまで出張っていたことは無いと思いますが、1950年代の終わりではまだ戦争の記憶というのは強く残っていた頃だと思います。

ジョー90の”Hi-Jacked”

ジョー90の”Hi-Jacked”を観ました。今回のお話は欧州での銃の密貿易の元締めを探っていたエージェントが殺され、その死の間際にそのエージェントの記憶と能力をビッグラットでジョー90に移します。そして子供で背が低く体重も軽いというのを生かして、ジョー90が銃器輸送のトラックの荷物の中の木箱の一つに潜んで敵のアジトを探りに行きます。死んだエージェントの情報通り、そのトラックは途中でハイジャックされ、ジョー90が敵のアジトに荷物ごと潜入します。しかしジョー90は敵に捕まり眼鏡も落としてしまいます。敵の首領はジョー90が子供なのを見て部下に家に帰すように命じ、途中で始末するように指令します。ジョー90は間一髪で抜け出し、首領を追い詰めますが、銃器の爆発の中で気を失ってしまいます。駆けつけたエージェント組織のリーダーと父親によってジョー90は救い出されます。
まあこのシリーズはビッグラットというSF的小道具はありますが、要は9歳の子供によるスパイ活劇ですね。ビッグラットは知識は移せるのでしょうが、射撃の腕みたいな肉体の鍛錬が必要なものまで移せるという設定はちょっと不自然です。また今回も子供が人殺しをしようとするを見るのは嫌なものです。

トワイライト・ゾーンの”Perchance to Dream”

トワイライト・ゾーンの”Perchance to Dream”を観ました。エドワード・ホールという35歳の男が主人公です。彼は35歳で心臓の調子が良くありませんでした。寝ると非常に恐ろしい悪夢を見るため、もう84時間も一種の興奮剤を飲み続け、起き続けていました。心理カウンセラーの所を訪れ話す所によると、男は夢の中で遊園地にいて、そこのお化け屋敷でマヤという魔女のような女性に会います。マヤは彼を誘惑し一緒にジェットコースターに乗ります。しかし途中でマヤは彼をジェットコースターから突き落とそうとしています。それを察知した所で目が覚め、今度寝ると続きの夢で殺されてしまうと信じこんでいました。結局心理カウンセラーも何も出来ないので彼は帰ろうとしますが、ドアを開けた所にいる受け付け係の女性がマヤでした。彼は診療室に戻り、そのまま窓にダッシュして数十メートル下に落ちて死にます。
しかし心理カウンセラーの見ていた所では、彼は診察にやってくると疲れているといってソファに横になってすぐ寝てしまい、そのまま心臓麻痺を起して死んでしまったということになっていました。
夢と現実の境が分からなくなるというのは、我々も時に経験することで、そういった現実性を利用したSFというよりホラー的な話でした。

ジョー90の”The Most Special Agent”

キャプテン・スカーレットに続く、ゲリー&シルビア・アンダーソンの次の作品、ジョー90を観始めました。まずは第一話、”The Most Special Agent”を観ました。この話はご存知でしょうが、ビッグ・ラットという人の知識や記憶を別の人に移すことが出来るマシンを使い、9歳の少年であるジョーがこのマシンを使って色々な知識を得てエージェントとして活躍するという話です。第一話では、ソ連のエース・パイロットの知識をジョーに移し、ソ連のミグ242という最強の戦闘機を、ジョーが奪って飛行させ、追ってきた他のミグ242の3機を撃墜し、ついでに地対空ミサイルを撃って来た基地を潰滅させます。当時まだ冷戦中とは言え、ここまで露骨にソ連を敵視していいのかと思ったら、この話はビッグ・ラットの開発者が、ビッグ・ラットとジョーを使えばこんなことも出来ます、という単なるたとえ話でした。しかしたとえ話とは言え、9歳の少年に実に簡単に人殺しをさせている(しかも戦争中ですらない)のには非常に違和感がありました。それから当時のソ連の軍事力は今のロシアとは比べものにならないくらい相対的に高かった(と少なくとも思われていた)のだなと思いました。