トワイライト・ゾーンの”Perchance to Dream”

トワイライト・ゾーンの”Perchance to Dream”を観ました。エドワード・ホールという35歳の男が主人公です。彼は35歳で心臓の調子が良くありませんでした。寝ると非常に恐ろしい悪夢を見るため、もう84時間も一種の興奮剤を飲み続け、起き続けていました。心理カウンセラーの所を訪れ話す所によると、男は夢の中で遊園地にいて、そこのお化け屋敷でマヤという魔女のような女性に会います。マヤは彼を誘惑し一緒にジェットコースターに乗ります。しかし途中でマヤは彼をジェットコースターから突き落とそうとしています。それを察知した所で目が覚め、今度寝ると続きの夢で殺されてしまうと信じこんでいました。結局心理カウンセラーも何も出来ないので彼は帰ろうとしますが、ドアを開けた所にいる受け付け係の女性がマヤでした。彼は診療室に戻り、そのまま窓にダッシュして数十メートル下に落ちて死にます。
しかし心理カウンセラーの見ていた所では、彼は診察にやってくると疲れているといってソファに横になってすぐ寝てしまい、そのまま心臓麻痺を起して死んでしまったということになっていました。
夢と現実の境が分からなくなるというのは、我々も時に経験することで、そういった現実性を利用したSFというよりホラー的な話でした。

ジョー90の”The Most Special Agent”

キャプテン・スカーレットに続く、ゲリー&シルビア・アンダーソンの次の作品、ジョー90を観始めました。まずは第一話、”The Most Special Agent”を観ました。この話はご存知でしょうが、ビッグ・ラットという人の知識や記憶を別の人に移すことが出来るマシンを使い、9歳の少年であるジョーがこのマシンを使って色々な知識を得てエージェントとして活躍するという話です。第一話では、ソ連のエース・パイロットの知識をジョーに移し、ソ連のミグ242という最強の戦闘機を、ジョーが奪って飛行させ、追ってきた他のミグ242の3機を撃墜し、ついでに地対空ミサイルを撃って来た基地を潰滅させます。当時まだ冷戦中とは言え、ここまで露骨にソ連を敵視していいのかと思ったら、この話はビッグ・ラットの開発者が、ビッグ・ラットとジョーを使えばこんなことも出来ます、という単なるたとえ話でした。しかしたとえ話とは言え、9歳の少年に実に簡単に人殺しをさせている(しかも戦争中ですらない)のには非常に違和感がありました。それから当時のソ連の軍事力は今のロシアとは比べものにならないくらい相対的に高かった(と少なくとも思われていた)のだなと思いました。

トワイライト・ゾーンの”Time Enough At Last”

トワイライト・ゾーンの”Time Enough At Last”を観ました。
ヘンリー・ビーミスは銀行の窓口係でしたが、本の虫で顧客に「デヴィッドカッパーフィールドを読まれましたか?」と聞いては紙幣を数え間違え、挙げ句の果ては勝手に窓口を休止中にして自席で本を読み、それを頭取に見つかりお目玉をくらいます。家では奥さんが怖い人で、ビーミスの読んでいる新聞や雑誌を取上げるばかりかビーミスの愛読書の詩集には全ページに線を引きついにはページを破り捨ててしまいます。そんなビーミスでしたが、ある日の昼休みついに読書に理想の場所を見つけます。それは銀行の大金庫の中でした。ビーミスがそこで水爆の開発について報じる新聞を読んでいる時に、彼は突然強い揺れを感じ金庫の床に倒れます。しばらくして金庫から出てみると銀行は無茶苦茶に破壊されており、誰も生き残った人はいません。外に出てみると一面の焼け野原であり、おそらくはその町が核兵器の攻撃を受け、ビーミス一人が金庫の中にいたため助かったものでした。幸いにしてビーミスは食料店を見つけそこに何年分もの缶詰めを見つけます。今度は娯楽ですが、廃虚を歩き回り、そこに図書館の残骸を見つけたビーミスは多数の本が焼け残っているのを発見し狂喜します。しかし彼はその弾みで眼鏡を落とし割ってしまいます。彼は強度の弱視で、眼鏡無しでは本を読むことは出来ませんでした…
欧米諸国での核兵器の被害の描写の常として、放射線によって人体が被害を受けるというのがまるで抜けています。しかし、プーチンによる核兵器使用が取り沙汰される昨今としてはちょっと嫌な話でした。ただ、このエピソードはトワイライト・ゾーンの中で一番有名になったもののようです。

キャプテン・スカーレットのProsとCons

キャプテン・スカーレット・アンド・ザ・ミステロンズの全32話を全て観終わっての感想。
Pros:
・特撮の素晴らしさ。特にクラウドベースはどうやって浮かんでいるのかが不明ですが、アイデアとしては秀逸です。
・ミステロンズという見えない敵が、再生能力を持っていて色々な作戦を仕掛けてくるのを解明するミステリー的な面白さ。
・シルビア・アンダーソンの衣装などのデザインの素晴らしさ。特にエンジェルスという女性だけの戦闘チームというのはアイデアがいいだけでなく、戦闘チームでありながらファッショナブルでした。
Cons:
・スーパーマリオネーションの進化版として、ほぼ実際の人間のプロポーションになり、顔もリアルでしたが、そうなるとむしろ実写の方がいいんじゃない、ということで中途半端でした。
・ミステロンズの「復讐」が中途半端で、なんで「神経戦」をわざわざ予告までして単なるテロみたいなものをやらなければならないのかが理解出来なかったです。ラス前のエピソードのように総攻撃をかければスペクトラム側が防御出来ない可能性は高かったと思います。
・ミステロンズの予告の画面など、使い回し画面が多すぎました。
・キャプテン・スカーレットの設定が混乱しており、オープニングではマシンガンで撃たれてもまったく平気でしたが、本篇の中では撃たれて傷つくが回復力が非常に強く死なない、ということだと思います。構想段階で(1)1度死んで蘇る(2)ミステロンズに捕まって改造される、とか色々な案が二転三転したのを反映しています。またエンディングのアニメーションが、如何にしてキャプテン・スカーレットをいじめるかというSFならぬSMドラマみたいでドラマのシリアスさを損ねていました。
全体では、まあまあ面白かったですが、設定の曖昧さが話を分かりにくくしており、日本でサンダーバードを観ていた層が離れてしまったのはある程度やむを得ないかなと思います。

カムカムエヴリバディの和菓子屋のモデル?

先日、カムカムエヴリバディの総集編を見てて思ったんですが、安子の実家の「たちばな」という和菓子屋は、小林信彦の生家の和菓子屋「立花屋」から取ったのでは?と思いました。もしかしたら脚本の藤本有紀さんが小林信彦ファン?このドラマでの「たちばな」は空襲で焼け落ち、戦後に安子が何とか復活させようと頑張りますが上手くいかず、結局最終話で闇市でおはぎを盗んだ少年が、「たちばな」という名前を記憶していて、自分で和菓子店を作って「たちばな」と名付けます。小林信彦の実家の「立花屋」も小林信彦の父親が亡くなった後、誰も店を継ぐ者がおらず、結局屋号を別の菓子店に売却することになります。
 
 

キャプテン・スカーレットの”The Inquisition”

キャプテン・スカーレットの”The Inquisition”を観ました。これが全32話の最後のエピソードです。しかし、最終回らしさはまったくなく、これからミステロンズとの戦いがどうなるのかの説明も何もまったく無く、唐突な終わりです。
キャプテン・スカーレットとキャブテン・ブルーがレストランで食事をしていて、ブルーが食後のコーヒーを頼んでそれを飲んだ後、気を失ってどこかに連れ去られます。今回のミステロンズの予告はスペクトラムのメンバーの一人がスペクトラムを裏切るというものでした。ブルーが拉致されているのに、その予告をブルーがSPVの中で聞いているという明らかに矛盾しているシーンがあり、この予告を聞く場面が毎回使い回しであることを示しています。ブルーが目を覚ますとそこはクラウドベースの中で、前には知らないものが居り、スペクトラムの調査官であると言います。その男によるとブルーは3ヵ月間行方不明であったため、今ここにいるブルーが本物かどうか不明なので審問すると言います。ブルーは過去の3つのエピソード(ロンドンに核爆弾を仕掛ける事件、月面のミステロンズ基地を破壊する話、スコットランドの古城での事件、の詳細を話します。しかし審問官はそれだけでは証明にならないので、スペクトラムの暗号コードを言うように求めます。ブルーはそこでおかしいと思い、逃げ出そうとしますが、そこにレストランでのウェイターが再登場し、左手に銃を右手に自白剤の注射器を持っていました。(しかし自白剤を使うなら最初からそうすればいいはずですが。)ブルーは窓を割って外に逃げたらそこはホワイトベースではありませんでした。キャプテン・スカーレットが助けに来ていて、ホワイトベースのセットがあった小屋をSPVの大砲で攻撃して破壊した、という話でした。しかし、本当に最終回らしさ0でした。前回のクラウドベースの最後?の方がよっぽど最終回らしかったです。

トワイライト・ゾーンの”The Lonely”

トワイライト・ゾーンの”The Lonely”を観ました。コリーは殺人の罪で50年の懲役刑を、ある砂漠しかない小惑星上にある小屋で過ごさなければなりませんでした。その星には他に人も生物もおらず、コリーは耐えがたい孤独と戦う日々を過ごしていました。3ヵ月に1回、地球からアレンビーが操縦するロケットがやってきて、食糧などを補給します。しかし今回はアレンビーはその部下も中身を知らない大きな箱を残していきました。開けてみると、女性アンドロイドが出てきて、説明書によるとほぼ人間と同じで感情もあり、寿命も人間とほぼ同じということでした。そのアンドロイドの名前はアリシアでした。最初コリーはアリシアを撥ね付けますが、アリシアが涙を流して悲しんだので、それから彼女を話し相手にし、そして愛するようになります。その一月後、いつもより早く不規則な時期にアレンビーのロケットがやって来ました。アレンビーは特赦でコリーは釈放となったので地球に帰れると言いました。ただ手荷物として乗せられるのは15ポンドだけだと言います。最初はコリーは喜んでいましたが、すぐにアリシアが15ポンド以上あることに気がつきます。コリーはアレンビーにアリシアは人間の女だと言い張り、何かの荷物を捨てて彼女も連れて行くように懇願します。しかしアレンビーは無情にも銃でアリシアを撃ちます。破壊された顔の中は機械でした…
何だかウルトラセブンのロボット長官を思い出しました。しかし宇宙開発が進んでもこういう懲罰が本当に採用されないように祈ります。

キャプテン・スカーレットの”Attack on Cloudbase”

キャプテン・スカーレットの”Attack on Cloudbase”を観ました。ラス前のエピソードでタイトル通りクラウドベースが直接攻撃を受けるという話で、途中まできわめてシリアスで、エンジェルのシンフォニーが乗ったジェット機のエンジンが攻撃を受け、シンフォニーは座席をイジェクトさせてサハラ砂漠に降り立ちますが、熱さで気を失います。すぐその後ミステロンズから予告があり、今度はクラウドベースを破壊すると言います。その予告通り巨大なUFOが出現します。デスティニーが出撃しますが、一撃で破壊され死亡します。次にキャプテン・スカーレットが志願して出撃しますが、スカーレットも攻撃を受けクラウドベースに何とか戻りますが、着陸の時大破し、医務室に運び込まれますが、そこの医者は殺されており代わりにキャプテン・ブラックがおり、キャプテン・ブルーはカーネル・ホワイトにキャプテン・スカーレットが完全に死んでしまったと報告します。そしてUFOが5台から10台と増えてクラウドベースを取り囲んで攻撃を開始し、ついにクラウドベースは自力で浮かんでいられなくなり、地上に墜落を始める…
ということで最終回ではないのに主人公もその他全員死んでしまっておかしいなと思ったら、シンフォニーが熱に浮かされて見た悪夢でした、というまさかの夢オチ。うーん…

トワイライト・ゾーンの”Escape Clause”(免責条項)

トワイライト・ゾーンの”Escape Clause”(免責条項)を観ました。SF風ですがしかし伝統的な悪魔との契約もの。
ウォルター・ベデカーは病的な潔癖症かつ心気症で、自分が病気であると思い込み、細菌や死といったものを恐れていました。しかし医者の診断では彼はどこも悪くありませんでした。そんな彼の前に突然太った男が出現し、彼に何百年、何千年もの寿命、または不死を提供すると言います。ベデカーはその場合肉体はどのようになるか問い質し、永遠の若さも保証されます。その代償をその男に聞いたら、ベデカーの魂だというので、彼はその男が悪魔であることを悟ります。しかしベデカーは喜んで契約します。その契約には免責条項があり、ベデカーが死にたくなったら、その時点で彼の不死は終わりになるというものでした。ベデカーは死ななければ魂を悪魔に渡すこともないと考えます。
不死になったベデカーは、駅でやって来る列車に飛び込んだりして、自分の不死を確かめるのと同時に、保険金をせしめます。家では、アンモニアやいくつかの毒性の液体を混ぜ合わせたものを飲み干しますが、「弱めの味のレモネード」ぐらにしか感じません。彼は自分のアパートのある14階から飛び降りようとしますが、彼の奥さんがそれを止めようとして誤って下に落ちて死んでしまいます。彼は奥さんの死を悲しみもせず、すぐに警察に電話して彼が奥さんを殺したと主張します。目的は死刑宣告されて電気椅子で処刑されてどうなるかを確かめることでした。しかし彼に付いた弁護士が優秀であったため、彼は死刑ではなく無期懲役の判決を受けます。彼は不死ですから、それはその国の政治システムが続く限り牢屋の中で過ごさなければならないことを意味します。そこに悪魔が現れ、免責条項を行使したいか彼に尋ね、ベデカーは頷きます。すぐに彼は心臓発作を起して床に倒れ、看守が彼の死を確認した、というストーリーです。
まあ30分ものとしてはよく出来ていますが、ありがちなストーリーという感じがするのは否めません。

キャプテン・スカーレットの”Inferno”

キャプテン・スカーレットの”Inferno”を観ました。今回は珍しくミステロンズの作戦が成功する話です。SKR4という宇宙の残骸の爆破処分のためのロケットが、隕石と正面衝突して爆発します。例によってそれがミステロナイズされます。SKR4は軌道を変え地球に戻ろうとします。そこでミステロンズの予告があり、今回は南米のアステカ文明の遺跡の中にある海水の浄化プラントを破壊するというものです。スペクトラムはキャプテン・スカーレットとブルー、エンジェルスらを現地に派遣しますが、ロケットでの攻撃ということは、欧州の宇宙局から連絡があるまで分かっておらず、結局キャプテン・スカーレットらがやったことはキャプテン・ブラックが仕掛けたロケット誘導用の発信器を探して破壊することでした。(そちらより、迎撃ミサイルでロケットを破壊した方が速いと思いますが…)結局発信器は見つからず、キャプテン・スカーレットはエンジェルスにアステカ文明の神殿全体を破壊させます。エンジェルスは結局神殿と中の太陽の神の石像の全てを破壊出来ましたが、一足遅くロケットが突っ込んできて爆発して地滑りが起き、それが浄水装置の過酸化水タンクに及んで大爆発、という結着です。しかしミステロンズもこんな辺鄙な土地ではなく、大都市とかを狙えばいいと思いますが、まあキャプテン・スカーレットの脚本はこの程度です。